主権者教育について思うこととか、情報共有のこととか…。

大学院で地方自治を学ぶ方からの取材を受けました。多摩市の総合計画のつくり方について関心を寄せているということで、市民参加がどのように行われていたのかなど…私も復習しながら、お話しをさせていただきました。春らしい和三盆の砂糖菓子をいただいてしまい恐縮。どうもありがとうございます。

その時にも話題になったのは、「若い世代の参加」ということなのですが、やっぱり、「主権者教育」に‛ちゃんと’取り組んでいくということではないかなって思います。そもそも「上から言うことを従っていればいい」とプレッシャーはかけていなくとも、先生に対してちょっと意見するというか、異論を述べてみたら、もう大変!…という感じで、その後、教師ににらまれたり、恨まれたりすることに子どもたち(保護者も)がどれほど気を遣っているか…。

「主権者教育」の原点というのは、先生から与えられた課題やらテーマ以外のことに対しても自分の意見を自由に持ち、発言ができ、違った意見があることをお互いに認め合えるような環境があってはじめてスタートするもの。もはや「ここ、ちょっとおかしい気がする」なんて…授業以外の学校生活の在り方などについて言えば、疑問を持つことが許されているとは思えないようなゴリゴリ管理された環境にある子どもたちには、もはや「意見を持つことすら許されない」のではないのか?なんてことを感じる場面も無きにしもあらず。その中では「主権者教育」は成り立ちにくいとも言えます。特に中学生の場合には、高校受験を控えていたりすると、余計に先生の眼を気にして気にして暮らしている場合も多いですから。

18歳に選挙権が引き下げられ、さらにはもう来年には18歳になれば「成人」になってしまうという…。何の根拠でそうなっているのかもわかりませんが、そのうち、18歳になったら年金の保険料を支払うことにもなっていきそうな気配すら感じる今日この頃です。

いずれにせよ、「主権者教育」のことについては、一応、文部科学省でも推進しなければいけないという意識はお持ちのようですが、一向に進んでいるとも言えません。多摩市では選挙管理委員会が頑張って各学校での出前授業なども行っていますが、「選挙を知る」ための授業としては興味深く、導入にはなるのかもしれませんが、さらに本質を追究していくともなれば、難しい。

なんてこともあるなあと思い出しながら、院生の方の取材に対応しておりました。その方は「地元に帰って仕事をしたい」ということで、地域貢献に対する思いを強くお持ちでした。しかし、若い世代の就職する場所というのがやはり限られていて、選択肢は多くはなさそうでしたね。地元に帰って仕事をするとなれば、思い出すのはやっぱり「役所」となってしまうのか…。でも、その志を大事にしてほしいなあと思いながら、最後、お見送りいたしました。わざわざ多摩市までいらしてくださって、ありがたいですね。

今日は生活環境常任委員会の打合せも行い、12月定例会で「趣旨採択」となった、「携帯電話基地局の設置」に関する話題について意見交換をしました。非公式に開催される委員会というのは記録が残らず、市民と共有しがたい状況に置かれていることを認識する今日この頃です。議会では災害対策連絡会ということで、新型コロナウイルス感染症対応でも定例的に集まりを持ち、行政との情報共有も実施していますが、何でもかんでも市民に公開したり公表したりできるような情報ばかりではないということは心得ているとはいえ、しかし、原則は市民にしっかり議会での議論を共有していくことが大切であって、そしてまた、私たち自身が、後々・・・過去を辿る必要があった場合にも辿ることのできるような状況を残しておくこともまた重要であると考えています。特に、後者のほうが大事ではないかと痛感していますが。

日本共産党多摩市議団のニュースにも掲載されていましたが、「日医大多摩永山病院の移転建替え」問題に関して、今、新たな動きがあります。そうしたことももっと市民と情報共有したほうが良さそうですが、そもそも市の公式ホームページでの扱いも、どちらかというと、市民と積極的に共有したいというスタンスを感じられないのは残念なことです。日医大からは理事長名で市への要望事項が記載された書面が届いていて、この内容がかなり重たい。まだ、それについても非公表状態なのか、私が探し出せていないのかわかりませんが、かなり重大事項だと思うのですが、どこかで公開されているのかしら。「市民主権」という言葉を大事にするまちづくりのために必要な対応を進めていきたいものです。