先生たちの苦悩は…。

少し前から、「やりがい搾取」という言葉に注目をしていて、ちょうどオンラインセミナーでそれに関わる対談があったので、参加してみたところ、とても参考になり…その時に紹介された本を購入。ここに書いてあることがリアルなのかと思えてくるほどのエピソードが詰まっていて、きっと、読む人によっては「作り話ではないか」と思えるかもしれないような事例のオンパレードかもしれません。私にとっても「まさか、そこまで…」と思えるような事例もあり、もちろんこれがすべてではなく、‛ある一面では’という捉え方をしておきたいと思うものの、でもやっぱり、先生たちの置かれている実態はきっと辛いだろうなと。 そんなことを思いながら、ちょっと身近で起きていることもあり、そこと重ね合わせながら、考えさせられるのでした。

今、新型コロナウイルス感染症拡大のもと、「密」をなくすためにも「少人数学級を」と求める動きが加速化しており、もちろん、私は賛成していますが、仮にも少人数学級に向けた取り組みが進むことを歓迎する一方、教員の働き方と合わせどう変わっていくか、そして、それ以前の問題として、人材は確保できるのかどうか?という悩みにぶち当たる気がします。特にその雇用形態については、「やりがい搾取」的な働き方を求められる人材が多数雇用されるだけのこととなれば、それはそれでまた別の問題が生じてくるようにも思います。教員確保のために「人数合わせ」に走るようなことになってほしくないと思いますし、やはり、「教育の質」という観点からの議論もきちんと進めてほしいですね。学校の先生たちのいわゆる「ブラックな働き方」は全く変わっているとも思えないのが状。

かつて学校にというか、職員室に情報端末を導入するときには…「教育ICT化を進めることによって、業務は効率化されて、先生たちが子どもたちと向き合う時間が増える」などと説明されたこともありましたが、はっきり言って、その通りになったの?…検証されているのかしら?と思います。正直、その結果の検証については十分に明らかにされているとも思えず。先生たちのブラックな働き方は解消されるどころか、ますます深刻化しているような気がしてなりません。こうした状況を教育委員会はどう受け止めているのでしょうね。学校をサポートするためのスタッフなど人を増やしたところで、学校にとって何がプラスになり、そのことが、「子どもたち」にとってどうプラスを生み出すことができているのか?…きっと問われていくことでしょう。

最近、ちらほら聞こえてくる現場の声を拾うとき、「大丈夫かな」と思うことも多くて。先生たちに余裕があれば、もっとより良く子どもに接したり向き合うこともできるような気がするので。それにしても、新型コロナウイルスで様変わりした教育現場の今後の行方…子どもたちの育ちの環境はどのように保障されていくのでしょうか。学校が安心でき、安全な場になるために何ができるのか。多摩市でもしっかり考えていくべき優先度の高い課題の一つでしょうね。