新型コロナウイルス感染症対策の緊急対応予算が可決。

 

いつもは午前10時開会の本会議も、今日は午後1時からの開始。もしかしたら長丁場かもしれないと予測をしていた通り、終了したら真っ暗で午後8時をまわったところでした。朝から会派で打ち合わせなどをしていましたので、一日中…議会に缶詰めという感じでした。

そんな中、ご縁をいただいて…おいしいお弁当がお昼時に届きました!うれしい。#たましめし応援隊…のお弁当です。心を込めてつくったので頑張ってほしいとメッセージが。ありがとうございます。中小の飲食店の皆さんを応援していくために今回の補正予算でも「飲食店応援のためのチケット」予算化されています。ただし、プレミア付きとはいえ、若干プレミアにお得感が薄いのではないかとも思われますが。

さて、臨時議会。国の1人10万円の特別定額給付金がドッカンとのっかる補正予算でした。補正予算額が約157億という、稀にみるというか、こんなこと今まであったの?…と思うくらいの巨額にのぼる内容でした。要するに、この補正予算額のうちの大部分というか、ほとんどが…多摩市の人口約15万人=特別定額給付金総額150億円というわけです。

これについて、オンライン申請は5月1日からスタートしていて、申請済みの方には早ければ来週くらいから給付が始まる模様。しかし、アナログ型な私のようにマイナンバーカードを持っていない場合には市から申請用紙などが送られてきて、それを記入して…という作業になるわけです。いつ、申請用紙などが送られてくるか…郵便になるわけですが、今月下旬になりそうだとのこと。なるべく速やかに対応したいということで、準備を進めているようですが、封筒の印刷やら、封入物の印刷などなども含めて、一定の時間が必要となります。「早くしてほしい」というお声が私のところにも寄せられていますが、もうしばらくお待ちいただければ幸いです。

ちなみに…保坂展人世田谷区長がTwitterでつぶやいていました。

「電子申請」と聞けば、オンラインショップやチケット予約等のイメージで、まさか「電子申請」が届いてから自治体職員が、情報連結のない「住民基本台帳」を照合して一人一人確認作業をしているとは想像がつかないだろう。電子手続きは入口だけ。あとは「目視して確認」する必要があるとは信じがたい。

多摩市でも同様なのです。オンライン申請の舞台裏…というのか、国は「やるぞ!」とGOサインを出して、それを現場で担う自治体がどんな状態に置かれているのか…お察しいただきたいと思います。

 

そのほかのこと。

 

特に、ひとり親家庭等への臨時特別給付金。これは、今のところ私が聞く限りでは、他市に類のない支援内容で、ひとり親家庭等の子ども一人につき5万円というもの。これ自体はかなり斬新で思い切っていると拍手してしまうくらい。対象の家庭についても児童扶養手当受給世帯(国制度)ではなく、児童育成手当(都独自制度)の受給世帯ということで、支援対象についても範囲が拡大し、より支援される対象である子どもの数を増やすことができました。ちなみに、昭島市では児童扶養手当受給世帯の子ども一人あたり2万円の支給するという内容で支援策が決まったようです。多摩市の場合は、子ども一人あたり5万円!という金額…ありがたいですし、喜ばしいことなのですが、結構…私の周囲…ざわつきました。多摩市すごすぎる!(どうして、そこまでできるのか?)…って。

 

よく調べてみると、なにかと有名になるあの明石市であっても児童扶養手当受給世帯対象の「ひとり親家庭への支援」を行っていますが、あくまでも一世帯当たり5万円という内容。受給者である「親あるいは養育者」に対する支援です。川崎市も受給者に対して一律2万円です。受給者ではなくて、その「子ども」に5万円というのはなかなかない支援。

 

その意味で、今回の多摩市の「ひとり親家庭への支援」は「子どもの人数」に着目している点で、先進的と言っても過言ではありません。でも、他市の事例などを見つつ、いろいろ考えてみると、思いっきりが良すぎる気もしてくるのです。なぜなら、「子ども」への給付にした場合、ひとり親でなくとも厳しい生活環境にある「子ども」も存在していることが頭に思い浮かぶからです。言ってみれば、今回対象にしている児童育成手当受給世帯と同等に厳しく、あるいはそれよりもっと困難な生活状態に置かれている「ひとり親ではないご家庭」も存在しているからです。その「子ども」は…。

 

制度設計はとても難しい。支援する対象は?どうやってその範囲を決めていくのか?その線引きをどうするのか?…そこを全体バランスを考えながら、妥当な線を探っていくのだと思います。何よりも不公平感がなるべく生まれないような配慮をしていく必要があります。支援対象を決めて、その支援の内容を決めていく作業を通じ、大所高所から検討されていくべきことでしょう。それは市の既存制度との関わりをも含めて捉えていくことが重要と考えています。多摩市でも慎重かつスピーディに今回の支援内容を決定したはずなのですが、やっぱり、私にはアンバランスを感じさせるものです。その意味で、今回はまずは第一歩。ひとり親家庭等への支援を思い切って進めたことは評価していますが、思い切りすぎたところの反動がないのかどうか。そこに全体からみたバランスという視点ではどう評価されるのかなどなど考えていかねばならないと思っています。「なぜ、そこに支援をするのか。支援の必要性が認められれば、次にはその支援内容を決めていくわけですが、どういう観点から内容の妥当性が吟味されていくのか。」という視点…、まだまだ新型コロナウイルス感染症も完全収束はしていない状況の中で、生活困難に陥っているひとり親家庭等、私としては子育て世帯に対する今後の支援へとつなげていきたいものです。

 

市長は施政方針で「誰一人取り残さない社会の実現をめざす」と力を込めて語っておられます。現状を踏まえ、さらに市民の暮らしを守るための自治体の役割を全うできるよう次なる支援策を構築していかれることを期待するばかりです。