地道でていねいな議員活動をされていると言えば…東村山市の佐藤まさたか市議の活動には学ぶところが本当に多い。どこの政党に所属せずに活動されている先輩でもあります。議会改革のこと等、東村山市議会での取組みも参考にさせていただくこともあります。
とそんなわけで、今日は佐藤市議にお願いをし、東村山市の公民連携についてのヒアリングの機会をいただきました。市長のリーダーシップがあるとのうわさも聞いていましたが、実は…最終的には市長の判断が大きく左右するとは言え、職員の皆さんの努力が年々重なりながら、現在に至っていることがよーくわかった…というのが一番の感想。資産マネジメント課で公民連携に取り組んでいるようですが、課長さんは管理職になる前にもこの分野で仕事をされていたらしく、今年で7年目だと話しておられました。行政にとって民間事業者との連携などは未知の分野ともいえるわけで、一つ一つの経験を頼りにしながら、カタチにしていく作業が求められると考えています。
今日は「民間提案制度」のことを聞いてきましたが、わが市の「多摩市版PPP/PFIガイドライン」とどこか何かが違うんですよね。おそらく同じことをやろうとしているというか、やっているというのか、一応、多摩市にもガイドラインがあるのに…でも、本気が違うというのか…。単にガイドラインを定めて、ひっそりと民間提案を募集しているのとは異なり、東村山市での取組みは「ちゃんとしている」という印象というのか、実際にも具体的な取組みとして、地に足つけて取り組んでいることがわかります。方針を示し、そしてその取り組みの流れについても、ものすごく具体的にスケジュールも示し…と言う中で取組んでいる。既に7月から民間からの提案を募集し、18件ほどの問い合わせがあったと言います。問い合わせのあった案件については、まずは「対話」というテーブルにのせていき、最終的には「提案」するのかどうかについて民間の事業者が判断をし、その後、提案を採用するかどうかを行政内部で決めていくという手続きに入ります。
その手続きについても、明確なスケジュールとともに示されてあり、すごくオープン!になっていると思います。いつのまにか…知らないうちに、民間からの「提案」を受け付け、突然に行政内部での「検討」段階に進ませるというようなやり方とは違う。やはり「公開性」とか「透明性」というのは大事ですよね。ガイドラインはあったとしても、対話をする申込書、提案をするときの提案書などの書式がどんなものかわからないと民間も一歩踏み出しにくいのでは?とも思いつつ、多摩市のガイドラインに目を通しております。
東村山市では「対話」の段階から「提案」の段階へと進んでいく時、どのようにその過程を議会や市民にも公開していくのかしら?と思います。民間からの提案には当然ながら、「企業秘密」的なことも含まれますし、そこを尊重することも必要。公開性や透明性を担保しながらも、情報開示できない部分については守るということが求められる…なかなかその塩梅は難しそうだと思ったりします。
とは言え、しっかりとオープンにやっていくこと・・・ここを貫くことは大切であって、今日のヒアリングでもそのことはものすごく意識されていた気がします。また、公民連携に取り組んでいく時の方針についても明確化されていました。法令に基づいたガイドラインを示すだけでは不十分であることがわかります。東村山市では公民連携での取り組み事例などを踏まえつつ「方針」としてまとめあげてきたと話しておられました。経験をもとにした方針づくりができているので、言葉の表現にもきちんと裏付けがあるなあと感じました。同じようなことを考えたり、同じような方向をめざしているとしても、取り組み姿勢や手法が違うと全く異なるもののように感じてしまうというのがホント不思議ですね。
一応、公開性を保とうとしていたとしても、比較をしてみれば公開性に欠けているのでは?と感じざるを得ないというのが東村山市でのヒアリングから得られた学びとも言えるかもしれません。東村山市の担当者の方は我が多摩市が市民向けに行っている説明会などにも足を運んだことがあるとおっしゃっていて、それこそ熱心に情報集めをされているのだなあと感心しました…。他市の取組み(先進的と思われるような内容)にも学ぶ…当然に、業務時間以外のことだと考えていますが、なかなかですよね。
資産マネジメントを担当されているということで、施設再生ケーススタディブックも参考にいただいてきました。東村山市の場合、パルテノン多摩のような文化施設があるわけでなく、公共施設の床面積についても市民一人当たりで考えるとそれほど多いわけではないと言います。それでも、施設を統廃合しながら、将来を見据えながら、維持管理できるだけの規模にしていかねばならないという危機感があるようですね。少しずつ少しずつ市民にも考えてもらえるように取り組んでいきたいと話しておられた担当者の方…ご苦労もあるはずだよなあと思いますが、とてもやる気というのか、笑顔で話しをされていたことも印象的でした。
そんなわけで、佐藤議員と伊藤前議長ともカレーランチをいただきながら、情報交換をし、「資産マネジメント課の職員さんたちはものすごく頑張っているし、あの部署はやる気が違う」というお話しもたっぷりと聞きまして、帰路につきました。お世話になりました!東村山市の取組み、今後もその行方をフォローしていきたいと思っております。