子ども教育常任委員会で視察へ。行き先は足立区の「ギャラクシティこども未来創造館」と荒川区の「ゆいの森あらかわ」へ。もともと「ゆいの森あらかわ」に行く話が提案され、それなら、足立区も近いのでギャラクシティにも行けるのでは?…と思いセットにしたのですが、ギャラクシティの方は繁忙期過ぎて職員さんに対応いただくことはできなかったので、施設見学だけしてまいりました。
まずはギャラクシティへ。西新井駅からすぐの場所にあり、駅を降り立つと「こっちこっち!」「みえてきた!」「あといっぽ」と道路にペインティングされ、さらには併設するホールの催し案内のポスターもずーっと連なっていて・・・・。ギャラクシティを目的に駅に降り立った親子はきっとペイントをみただけでわくわくしてしまう感じ。ギャラクシティオリジナルのイラストもかわいい。
正面玄関入ると…いきなりこちらが目に入る!土日祝日と休み中に、体験ができるらしい。そして、こんな楽しい楽しい子ども基地のような場所。
箱根のピカソ美術館でもネットで遊ぶ遊具がありましたが、これはホントいい。子どもたちが思いっきりネットの中で遊んでいて、付添いの大人たちは見守っているという…。これは人気ありすぎて、この期間中は?時間制。小学生とそれ以下のこどもで分かれていたようです。体格を考えても、そのほうが安全策。
そして、これまた壁を利用して・・・・。子どもたちが本当に楽しそうににぎやかに身体を使って遊んでいました。施設内はとにかく子どもたちのわくわくが広がる空間になっていて、子どもたちの絵など作品もあちこちに飾ってありました。
ひしめくような親子連れの間を通過しながら、時々話も聞きながら・・・・。「大田区から来ました!」という親子もいました。おばあちゃんと孫の組み合わせで来場し、楽しむ姿。わくわくデスクで貸し出す体験キットも大人気!自分のお弁当を作るキットは特に人気がありそうでした。「ぼくのお弁当」「ママのお弁当」と親子の会話が弾み、「もう少し赤い色増やした方がきれいじゃないかなあ」とかママが子どもを促しており、まさに遊びながらの食育!
とにもかくにも一日滞在しても全く飽きることない場所。夏休み限定広場の子どもたちと一緒に制作。休みが始まって直後数日を利用して子どもたちが集まり完成させたようです。工作やお絵かきコーナーも大人気!
地域の子育て広場も入っていて、ベビーカーの子どもたちが安心してくつろげる場所(子どもガーデン)もありました。実際に施設を運営されている皆さんにお話を伺うことが出来なかったのは残念ですが、様子を見れば、運営者が努力していることが伝わるというか…。個人的には「子どもと創る」というコンセプトになっているところ、どんな取組みになっているのか含め、経過について再度ヒアリングに行けたらなと考えておりますが、運営は指定管理者になっていて民間事業者であることもまた考えさせられる視点の一つです。
子どもたちがまた来たくなるような場所をつくる。そのためにはやっぱり工夫が必要。施設そのものの魅力ももちろんですが、その中で行われている活動に魅力がなければきっとこんなに多くの人が引き寄せられない!…と思いました。
さて、荒川に移動する前に西新井の昭和レトロな喫茶店でランチ、これまた多摩市には見られないお店。喫煙コーナーの方が広いという・・・・。和食から洋食から軽食からと何でもそろうけれど、ファミレスは違う。こうした喫茶店で私が注文するのはやっぱり「トースト」。バターたっぷりで分厚いのが来ることを想像し、チーズトーストにしてみましたが、期待を裏切らない6枚スライスの3倍以上も厚みのあるトーストが届く。堪能しました。
その後、荒川区「ゆいの森あらかわ」(紹介映像)へ。3月末にオープンして4カ月余り。既に入場者は26万人を超えているらしい。図書館(中央館として)、吉村昭さんの文学館・子ども施設(一時預かり有)のある直営の複合施設です。今の時代に求められる図書館を中心とした「地域の拠点」が具現化している施設。運営経費は年間約5億円とのこと。また、建設費用などは土地購入費用も含め、全体では約90億円かかっているとのこと。正式な予算額などは区議会への報告も済んでいないので、その後なら教えられると言われたのには、クスッとなってしまいましたが。この館を支えるのは正規職員20名、それ以外57名で、図書館司書、学芸員、保育士と館内のサービスに合わせて多様な人材で構成されているとのこと。施設内容については、私がたまに読ませてもらう訪問記からどうぞ!
館内にはとにかく老若男女が集っておりまして。親子で一緒に机で勉強をしている姿はもちろんのこと、高齢者の方が眉間にしわを寄せながら調べものをする姿等など…。子ども専用のスペースにはキッズの遊び場も併設されており、「ついでの図書館」の感覚で利用されている親子も多く集まっているようにお見受けしました。
居心地のいい空間。テラスからはスカイツリー。区長や図書館づくりに熱心な議員さんがおられたとのことでしたが、何よりも驚くのは区長は毎日ここに足を運び、1階にあるカフェに立ち寄り、そして館内を見学したり、区民の方はもちろん職員の皆さんにも声をかけたりと・・・されているらしい。1日も休まずという…その何と言うか、施設に対する思いの丈を感じさせるエピソードですね。荒川にゆかりのある吉村昭氏の文学館についても、区長の熱意で実現した場所であるとの話。東日本大震災で事業が立ち止まるかもしれない状況にもありながら、「この施設だけはそのまま進めていく」とする区長の強いリーダーシップにより実現に至ったようです(10年かけての完成)。「やりきる!」情熱って凄いですね。それについて職員たちが動くというか…もともと西川太一郎荒川区長の剛腕ぶり、実力は私の耳にまで入っているくらいですから…。
蔵書については開架30万冊、閉架30万冊まで可能とのこと。今は開架、閉架とも15万冊程度だとのこと。あとは、気になるところではICタグを導入するかについては慎重に検討を重ねて、断念したという話し。あとは書庫についても自動ではないと伺いました。荒川区の図書館政策全体像まではお話が伺えなかったのは、「ゆいの森あらかわ」は単独で課になっていて、区内他5館は「地域図書館課」で別になっているからか・・・。荒川区は小中学校での読書活動でもかなり先進的に優れた事例があり、区全体としても「読書」に力を注いでいるイメージがあります。そうした流れもくみ、「ゆいの森あらかわ」が完成し、その中心に「子どものため」の絵本館があるのかもしれません。区長は「子どものための」をかなり強調していたそうです。
2つの施設を見て、思ったこと…。これだけの施設を運営するためにはコストはかかる。でも、子どもたちへの投資は必要だし大事。いきいきと遊んでいる子どもたち、ギャラクシティでもゆいの森でも…子どもたちが自由に過ごしている姿を見ると微笑ましい。そしてまた、公共施設の中ですから安心感も高い、世の中で回る用語でいうなら非常に「健全」ということになるかもしれない。この空間でいろんなこと感じて、考えて、学びあって・・・・。
パルテノン多摩の大規模改修への議論が進む中、多くのヒントを得られた視察になりました。しかし、東京の東部地区へ行くのも遠いですが、小田急線は多摩急行があまりにも便利すぎました。行きも帰りも座ることが出来て、良き睡眠時間を得られました。