デジタル教科書についてシンポジウムが開催されたので足を運んできました。既に文部科学省の教科書課が動いているということで、国としては1人1台タブレット化に向けて着々と準備、環境を整えているようですね。とは言え、「デジタル教科書」をめぐっては、著作権問題をはじめ、解決すべき課題も多いようで、これからまだまだ議論すべき、整理すべき事項が残されているようです。シンポジウムでは「教育情報化推進法案」が提案されていましたが、何と言うか・・・教育情報化について大きく阻んでいる壁・・・やっぱり「予算」のことは頭の痛い課題ですね。
多摩市の現状を考えても、何とか今の時代環境に則して・・・・とタブレット端末の導入を進めてはいるものの児童・生徒一人一台体制にすることなど鼻から諦めざるを得ない状態と言うか、考えることすら許されないというか、とりあえず、パソコン教室の機器更新にあたってはタブレット化を進めているものの、1クラス全員で使える台数だけは確保するので精一杯で、それでも「現状では前向き」と評価するしかないような感じですから。
しかし、最近思うことですが、各小中学校でパソコン教室はどのくらい活用されていて、そしてまた子どもたちの教育環境の質的向上にどれだけ役立ってきたのでしょうね?検証されているのかしら?結局のところ、タブレット端末になれば、わざわざパソコン教室に移動する時間は節約できるメリットはありそうですが・・・・それこそデジタル教科書など教材関係をフル活用できるような一人一台体制にしない限りはそれほどまでの効果は見込めず、少なくとも国が考えているような「未来の教室」は夢のまた夢に終わってしまうでしょうね。現状の多摩市に照らしての感想です。残念ながら・・・・。
というわけで、「予算の壁」についての解決策については・・・「電波利用料」(これ、約700億円あるそうです)を活用できないのか?という提起がありました。いわゆる「地デジ」環境の整備に使用されてきた財源だそう。そろそろ地デジ環境も整いつつあるため、活用の検討をすれば?ということのようです(ただ、そのためには法律を変えないといけないみたいですが)。「義務教育」という観点で、国が財源確保してくれれば、大助かりですね。なんだかんだと理由をつけて、各自治体任せになればもちろんバラツキが生じるでしょう。あるいは地方交付税対応・・・となれば不交付団体の多摩市はなかなか厳しい。この問題については、引き続き、動向をちゃんと追っていきたいと思っています。
でも、「未来の教室」というか、教育情報化と取組みを進めているところではどんどん先を行く感じ。先んじて進めているところが必ずしも「良い」というわけではないと思っていますが、ITを駆使するしない、得意不得意・・・ここの「格差」はますます開いているような気がしています。今はまだ「過渡期」と言っていられるのかもしれませんが、そんなのんびりしていられない時代はすぐそこまで来ていて・・・・今でも多分・・・日本の教育は他先進国などの動向から比べれば「ずいぶんのんびり」なのでしょう。意外と「のんびり」感が大切だったりするかもしれないと思うことがあるのは、やっぱり私も「古い」のかもしれませんね。
ベルブ永山の文庫展に行ったりすると、「紙媒体」の方が私はこの好みだな・・・・と思うのでした。