2007年11月23日

さえずりの森

 「さえずりの森フェスタ」に参加しました。「さえずりの森」・・・・・永山駅前の雑木林のことです。手づくりの看板も設置されていますが、まだ「さえずりの森」と言ってもわからない人のほうが多いかもしれませんね。

 今日は雑木林の散策、そして芋煮(豚汁のこと?!)をいただき、私はクリスマスリースまで作ってしまいました。久しぶりに工作をしてしまいました。「リースは多摩市内に落ちているものを拾えばできるのよ!」と教えてくれた方がいらっしゃるように、材料は全て多摩市産です!・・・・私は見たことのない?知らなかった植物(今でも名前がわからないけれど)を使って完成したリースをさっそく飾ってみました。出来映えは別としても、手づくりリースに我が子は大喜びでした♪

 久々に散策をした雑木林。相変わらず中に入ると駅前の喧騒を忘れます。子どもたちにとってはちょっとした探検ごっこができる場所。中に入ると珍しい植物もあります。とりあえず、「クヌギ」の木だけは覚えこみました。雑木林内は永山駅前雑木林を保全育成の会の方ができる範囲で管理を進めているようですが、「もう少し手を入れたほうがいいのではないか?」と仰っている方もいました。市民協働でみどりの管理をするというのは多摩市の考え方。私もその考え方に対し、基本的には賛成します。しかし、市民だけの力に頼れきれない部分もあると感じます。これはみどり・雑木林の管理だけに限らないことかもしれませんね。

 今後の課題として、市民協働という時の「役割分担」について、その都度その都度必要性に応じて決めていけるルールが必要になるように感じています。まずは市民の側からの要望や要請、意見をとりまとめ、集約する窓口が必要。そして「役割分担」の内容について、協議や交渉を重ねるテーブルが公開されることが望ましいと考えます。それは「協働」も公平で公正な視点で進めていくための条件だと思うからです。


 「さえずりの森」を守っていくために市民と行政がどう役割分担を進めていけるのだろうか・・・・・・この雑木林は「予定外」の取得地であるがゆえ、その保全活動には市民の力が不可欠。まずは、駅前のオアシスを守るために一人でも多くの市民に関ってもらいたい・・・そんな思いを伝え広げていくために時間をかけて取組んでいきたいと思った昼下がりでした。

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2007年09月13日

厚生産業常任委員会

 今日の厚生産業委員会は請願と陳情の審査が中心。請願は割賦販売法の抜本的な改正を求める内容。司法書士会の方々が提出者でした。多額のローンを組まされるという事例は市内もあるようです。消費者センターには「次々販売」に関する相談もあるとか。

 被害を防止するために多摩市行政ができることはなにか?・・・・消費者教育をしていくこと、消費者意識の向上が不可欠であることは確かで意識啓発のためのキャンペーン活動を継続的に実施していく(今でも一応はやっている)・・・その他に決め手となる対策にはどんなことがあるのかは正直、回答が難しいですよね。


 結果的には委員全員で採択されました。その後、「公団の賃貸住宅」に関する意見書提出の陳情も全会一致で採択。公的住宅の役割や意義って一体なんだったのかなあと改めて考えさせられた陳情です。(*参考


 そして最後が「多摩NPOセンター」に関する陳情。端的に言えば、「多摩NPOセンターの今後の運営のあり方を議論するための場の設置を議会から行政に働きかけて欲しい」という内容です。

 この陳情内容に対する質疑応答は、私の一般質問の延長戦が実施されていた感じでした。目新しい答弁もなし。私が目の当たりにしたのは、正直、議員の多くは経過も含め「現状がよくわかっていない」というのが実態。
 市民活動や市民協働が進んでいる多摩市ですが、やっぱりその牽引役は「行政」であって「議会」ではないのでしょうね。そのことを実感しました。経過も含めて議員自身が把握しきれない状況に、最終的には資料要求の声が上がり「継続審査」となり結論は持ち越しとなりました。少し残念ですが、議会が「多摩市の市民協働・市民活動の実際について」理解を深めるにはとてもいい機会になるのではないかと感じています。


 「市民協働」を謳っているわりには、その基盤作りに失敗しているのが多摩市だと私は思っているので。市長の鳴り物入りでオープンしてしまった市民活動情報センターにより、ますます継ぎ接ぎだらけになってしまったことは言うまでもありません。税投入を重点化するどころか、分散化しているとしか思えないし。市長の考える「スクラップアンドビルドとはいかに?」・・・・まさに行動が伴っていない事例の一つにエントリーしてしまうでしょうね。


 一つ一つを総括しながら進めていくことが大切なんだと思っています。過去遡ると2004年の決算特別委員会の中で私は次のように述べています。
 

ぜひNPO活動の支援計画みたいなものをつくって、NPOセンターをどういうふうに位置づけたいのか、そして市民協働をどうやって進めていきたいのかということも含めて、今後ビジョンをはっきりと示していただきたいというふうに考えているわけなんですけれども、・・・・

 過去も現在も私の主張は全く同じです。今は、これに市民活動情報センターがプラスされ、さらに状況にもつれが生じているという環境の違いがありますが。


 要するに根っこがないから、いくら水(税金)を上げたって、すぐに枯れてしまう(上手くいかない)のですね。市民活動を支援していくための行動計画なりが定まっていない状況では、いつまでたっても「根無し草」状態は続くと考えています。

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2007年09月09日

市民討議会

 昨日、今日で開催された市民討議会を傍聴しました。

 市民討議会というのは市民参画手法の新しい取組みです。もともとはドイツから。日本でも紹介されたのは数年前です。この新たな手法に力を入れて取り組んでいるのが青年会議所。千代田区での取り組みを初として、広がりを見せている模様です。

 
 さて、今回の討議会ですが、無作為抽出により選んだ1000人に参加依頼書を送付し、参加の意思を確認し、53名の方が参加希望を表明したようです。最終的に本日の参加者は35名ほど。2日間みっちりで、朝から夕方までの日程です。2日間も参加するというのはなかなか難しいですよね。土日二日間を討議会のために空けるというのにはなかなか勇気が要るかも。
 市民討議会って一体何なのかわからなければなおさらのことです。私も「市民討議会って何なの?」と尋ねられたので「ぜひ参加してみてください!」とお答えをしたことを思い出しました。


 参加者の横顔・・・・ですが、圧倒的に女性は少ない。若い人も少ない。団塊の世代の男性が多そう。

 というのが印象でした。(実際にそうだったと思います。)正直、土曜日曜の丸々2日間。午前は9時からで夕方5時過ぎまでの日程はきついでしょうね。家族の三食を気にしなければいけない家庭の主婦などの参加のハードルは高いように感じました。もちろん、子育て真っ最中であればなおさらのこと。家事育児が女性の仕事・・・という意識がまだまだ主流である限り、この日程で30代など若い女性の参加は難しそうと思いました。


 実際に、「参加者の年齢層が高くてびっくりした!」という感想が語られていましたが、私も同感。ドイツなどでは一週間ほど缶詰になって開催されるというので、それに比べれば全然甘っちょろいのかもしれませんが、より幅広い層の参加を得るための工夫はできる余地はあるのかも。

 初開催の討議会は滞りなく終わったのではないかと感じます。議論のレベルもかなり水準が高かった・・・という風に参加者の方から伺いました。無作為抽出の市民とは言っても参加意思の有無を表明した段階に主体性があるわけで、かなりの問題意識を高く持ち、昨日今日の議論に参加していたのではないかと思われます。討議会の準備などを担った実行委員会のみなさんには拍手ですね!裏方がかなりしっかりとしていたと感じました。
 傍聴者としては、討議している様子を風景として遠目で見ていただけで、つまらないといえばつまらなかったです。でも、参加者の満足度も非常に高かったようですし、成功に終わったと感じました。

 肝心の討議内容 「市民が求める多摩市の図書館・図書館サービス」というテーマについてですが、詳細は2日間の議論の内容を分析し、まとめたものについて報告会を実施するようです。中央図書館の早期実現への希望も高かったですし、移動図書館の復活を願う声もありましたし、何といっても「どこの図書館へ行っても、職員がブスッとカウンターに座っているということは、ブスッとなってしまう根本的な要因が背景にあるのではないか?」という指摘などは的を得ていました。その他、市民参加で運営する図書館という話、市民ボランティアによる図書の整理などなど・・・意見が多数ありました。報告会を待たずしても、真っ先に取り組めることは職員のスキルアップだろうと感じました。

 最近、職員の応対について「さしすせそ」というキャンペーンをしています。図書館職員の接客力?!どこまで必要なのかについては議論の余地があるでしょうが、市民への対応が向上することは望まれることでしょう。


 というわけで、市民討議会は新たな手法として注目できるものと考えていますし、取組みそのものに対しては積極的に応援したいという立場ですが・・・・・苦言を。

 市民の参加を進めるときに最も必要なことは公平性であり、公正性。なおかつ決定過程の透明性が何よりも問われることだと思っています。市民討議会については主催は多摩市教育委員会で、主管が「多摩市民まちづくり討議会実行委員会」になっているのですが、一体・・・「主管」って何なの?

 これについては6月定例会の文教常任委員会で問い質してわかったことなのですが、そもそもは多摩青年会議所から市民討議会開催の提案があったものを、そのまま実施の方向に移していったようですね。他市の事例なども聞き及んでいるのですが、多摩市と同じように「主管」なんて付して実施しているところなんてないように思います。他市では青年会議所が主催をしているところもありますし、自治体と共催で開催しているところもあるようですね。また、日野市などでは実行委員会に公募市民も交えているようです。

 ・・・・どういう意図があって「主管」としたのでしょうか?よくわかりません。わかりにくさが不透明さを招き、不信感につながっていくのに・・・残念なことです。市民討議会のノウハウがなく、青年会議所に力を借りるとするならば、「共催」としてもいいですよね。そのほうが公明正大って感じがします。


 まあ、実行委員会には青年会議所のみならず、法政大学の学生さんや職員有志(?)もいるようでしたが・・・・市民に広く呼びかけをしているものではなく、そのあたりも自治基本条例を謳っている立場からは少々不満の残る手続きだなあと思っています。

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2007年08月15日

NPOセンターのこれから。

 9月議会の決算特別委員会に向けた準備もそろそろしなければと資料を見返していたのですが、NPOセンターのファイナルレポートがあったので、再度読み直してみました。このレポートはNPOセンター設立に向けて設置された検討委員会がまとめたもの。実は、このレポートを根拠にして多摩NPOセンターが開設されてきたのは周知の事実です。

 このファイナルレポートでもっとも重視されるべきは「公設備・市民設立・市民運営」という理念で、利用者団体の代表者の集まりによる「運営協議会」による運営をするという点だと考えていますが、紆余曲折を経て現在は「運営協議会」に所属をしていた1団体が運営に当たっています。
 そもそも「運営協議会」によるNPOセンターの運営で上手く進んでいたのかどうかはさておき、「公設備・市民設立・市民運営」という考え方の新しさは全国的にも注目を浴び、その分野に関心を寄せる人々にとっても多摩市のNPOセンターの行方は注目に値するものでした。

 ところが、この理念を踏みにじってしまうかのように現状にて、実態としては「公設民営」化。しかも「公設」といっても条例で「公の施設」になっているわけでもなく、市民も議会も知らない間に「多摩NPOセンター事業実施要綱」が策定されているという始末。NPOセンターは行政のご都合で廃止できる「要綱」で実施される単なる一事業にしかすぎなくなっているのです。


 そもそも「公設備・市民設立・市民運営」の理念そのものは法的にも無理を生じさせる部分があるとはいえ、その理念を問い直すことを市民としないままに行政のご都合だけで動いてきたことには憤りを感じ、これまでも何度となくしつこく(といわれるが、私にとっては粘り強く)問題指摘をしてきました。
 何といっても、自治基本条例を制定したり、全国一の市民参画度と評価をされてきたり・・・・一方では「市民協働」「市民参画」を標榜しているのが'わがまち’。にも関らず、全くそのようにはなっていない惨憺たる状況だと個人的には思っています。


 さらに・・・・私の憤りが情けないため息になっているのが・・・・先般「多摩NPOセンターにおける市民活動支援に関するアンケート」の実施です。もちろん、それを作成したのも行政。
 このアンケートではNPOセンターの事業終了も視野に入れたような質問・回答項目も含まれているのですが、アンケート結果だけでNPOセンターの今後の行方を決めてしまおうというのでしょうか?その意図を推し量ることさえできない・・・・という感じです。


 ということで、久しぶりに出てきたファイナルレポートちゃんを読み返しながら、しんみりした気持ちになり、、、、そしてこのファイナルレポートをもう一度問い直し、当局のあり方を問いただすために急遽、一般質問をすることに決めました。

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2007年06月14日

NPOの未来は

 多摩NPO協会の総会に出席しました。もともとは「公設備・市民設立・市民運営」の多摩NPOセンターの『市民運営』をするために設立した団体でしたが、紆余曲折を経て、現在はNPOセンターの運営はせず、自主自立での活動を続けています。今日現在で多摩市を中心に活動する55団体が会員になっており、情報交換などしているようです。

 とは言え、今日の総会でも明らかになったのは・・・・協会そのものの運営は決して前途洋々とは言えず、苦労を重ねながらの活動を積み重ねているということ。活動として紹介のあったブログを読むとその日々が伝わってきます。NPOを支援するためのNPO=多摩NPO協会とは言え、NPO協会専属で事務局スタッフがいるわけではなく、構成団体(会員)の中から理事などのスタッフが選ばれているので、その活動が大変さを想像するに難くはありません。自身が活動しているNPO団体そのものの事業をこなしつつ、NPO協会での事業もしていかなければならないわけですので・・・・。

 いずれにしても、NPOの活動はなかなかの厳しさがあるようです。行政からの仕事を受託したとしても、単なる安上がり行政の下請け機関のような活動を迫られたりする例もあるやに聞いています。それに、NPOは利益を上げてはいけない活動ではなく、利益をあげなければならない活動にも関わらず、まだまだ「非営利活動団体」との呼称に誤解もあるようで、「ボランティアなのに儲けているのは不思議」という言われ方もしています。NPOの活動が広がっていくためには、しっかりと事業収益を上げて、次なる事業の展開へのステップアップが必要です。が、次々と飛躍していく活動を創りあげるためには担い手、人材確保が必要。でも・・・・担い手不足。何しろ、きちんとした人件費を手当して人の雇用をすることができない状態にあるNPOは少なくありません。現状でも今の事業を継続することすら困難かも・・・・・若い担い手の創出ができていないことも悩みです。
 これからNPOの活動はこの多摩市でどう展開されていくのかには不安が立ちこめている感じがしてなりません。そこに団塊世代のパワーを期待する・・・となるのかもしれませんが、そうも一筋縄ではいかないことは明らか。

 NPOの未来は?NPOを育てていくのは?・・・・・・・まだまだNPOを支援するのは行政の役割となるのでしょうか?ちなみに・・・・組織改正にあたっては「市民活動推進課」→「市民活動支援課」に変更が提案されています。「推進」から「支援」へ。その中味がどう変わっていくのでしょうね。想定されている内容、そして考え方など押さえておきたいと思います。


 明日から定例会が始まります!ご都合のつく皆さま、どうぞ傍聴にお出かけください。よろしくお願いいたします。

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2007年04月05日

雑感

 「人のお役に立ちたい」と思っている人は少なくないらしく、「私でも何かできることはあるかしら?」と尋ねられることがしばしばあります。そんな時、市民活動情報センターを紹介してみるのですが、ご存知ない方が多いのは本当に残念なことです。市民活動情報センター2年目がスタートしたわけですが、渡辺市長の目玉事業のわりには盛りあがりにかけているのが現状かなと感じます。ただ、市民活動情報センターのサイトは予想外にアクセス数が多いと言うことですが・・・・。せっかくの新たな投資、それも公民館の情報ライブラリーのよりよい活用方策を考えもせずに閉じてしまってはじめた事業です。いろいろと言いたいこともありますが、市民活動を推進したいと考える私の立場からは何とか市民活動情報センターが市民に活用される場として活性化してもらいたいと考えています。

 ところが、私が日常的に出会う人の多くは永山駅周辺にお住まいなので、市民活動情報センターのために聖蹟桜ヶ丘まで足を運ぶのは遠いなあ・・・とおっしゃるのです。ニュータウン地域に住んでいる人にとっては「ちょっと向こうまで足をのばす」という感覚なのかもしれませんね。
 2007年は言うまでもなく団塊世代の新たなライフステージがスタートする年。・・・・地域貢献の意欲旺盛だと言われ、その世代をまちづくりに活用し、活躍してもらおうという考えでスタートした市民活動情報センターですが、やはりニュータウン地域からのアクセスを考えた対応が求められる気がしています。

 というわけで、数日前に自転車を購入しました。小学校以来、久しぶりの自転車購入で、永山近辺の桜を眺めながら走っていたのですが、昨日は久しぶりに晴れあがりお散歩している人たち、お花見をしているグループを見かけました。明日は小学校の入学式。多摩市の桜は散り始めている(多摩市公式HP情報)ですが、何とか明日までは持ちこたえそうですね。「桜咲いたら一年生」・・・・小学校の入学式で毎年かわいい笑顔に元気をもらう私です!

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2007年02月26日

第19回 文庫展 

 19回目を迎えている文庫展。19年間続けてきているということですね。「子どもと本の広場-本の世界であそぼう-」ということで市内で文庫活動をされている方々中心になり、開催されています。
 今回はベルブ永山のギャラリーでは、かわかみたかこさんの絵本原画展が開かれ、それにあわせてかわかみさんの講演会もありました。私は講演会に参加できませんでしたが、毎年講演会は好評だと聞いています。実際に作家の方とお会いし、その人柄に触れることで、ますますその方の作品が好きになるのではないかと思います。大人も楽しめる、そしてまた子どもも聞いていて楽しい・・・という講演会を企画することはなかなか難しいですよね。でも、今回は「えほん作家とはなそう」というタイトルで、いつもとは少し違った趣向があるのかなとは思いました。また後ほど、どんな「おはなし会」であったのか聞いてみたいと思います。


 私は文庫展でいつも楽しみにしているのは展示です。布絵本の展示などは子どもと一緒に楽しめます。絵本のある場面をタペストリーにした手づくりの作品などとても楽しいです。(今回は有名な「11ぴきのネコ」(馬場のぼる作)のタペストリーがありましたが、子どもがフエルト人形のネコを持ちかえるのではないかと冷や冷やしました。)

 ところで、この文庫展は数年前の補助金の見直しの際、「公募型」に移行すべき対象だと分類され、現在は「市民提案型まちづくり事業補助金」にて運営が行われています。市民が手弁当で実施をしている事業でかなり意義ある企画だと思ってます。そもそも文庫活動そのものも市民のボランティアにより支えられているものなので、活動で何か収益があがるようなものではありません。活字を伝え、子どもたちに本の大切さを伝え、そしてまた子どもたちの感性に大人も学びながら続いている活動だと理解しています。その活動の一貫で、文庫展は開催されてきて、数年前までは図書館の事業の一つになっていました。
 けれども、補助金の見なおしとともに、図書館事業からは手放されることになり、文庫展が自立した活動を求められているのです。でも・・・自らの活動で収益を期待できるものではありませんし、継続をするためにはやはり行政の支援が必要になります。その支援の必要性がないと判断されるなら、仕方がないのですが、教育委員会も講演していることを考えれば、意義があると認められているようにも思います。

 ・・・・でも、公募型補助金は5年が限度。すでに3年連続して公募型補助金事業として成立してきたので、仮に、今後も公募型事業として馴染むと判断されたとしても残されているチャンスは2回のみです。本当にそれでいいのでしょうか?・・・・とても疑問です。


 というのは、これは「子どもと本の広場」ということで、主には子どもにも向けた企画です。今、「子どもの読書活動推進計画」ということで進めようとしているのならば、ますます意義あるものになるのではないでしょうか。しかも市民協働で進めるのが活動推進計画。まさに、市民との協働で実施してきたのが文庫展だとすると、その趣旨にもピッタリ合致するわけです。しかし、文庫展に対する評価など・・・・活動推進計画には掲載されていません。それは少し残念です。

 でも、そのことは「公募型」に移行したと言うことで、一旦理解したとしても、私がとうてい理解できないことは、新たに活動推進計画に「(仮称)子どもの読書まつり」をやりたいとの事業が掲載されていることです。しかも市民の実行委員会形式でやりたいとか。・・・・お祭りをやることは否定はしませんが、またまた市民実行委員会形式で、もちろん手弁当の市民が参加をして実施するわけなので、この事業はある意味で文庫展と同じように運命を辿るのではないかとさえ危惧するのです。


 行財政改革の中で「文庫展」も図書館事業として位置付けていくことができなかったのに、内容はこれから検討をする(と言っても実行委員会の中心の担い手として想定されているのは文庫展を主催している人たちだと思われる)とは言うものの、私には新たなお祭りを企画する意義があまり感じられません。そこにどのくらいの予算を考えているのかは未確認ですが、文庫展をバージョンアップさせるくらいの意気込みで市民の協力を得ていくことが望ましく、もう一度「文庫展」の意義も考え直して欲しいと思う今日この頃です。そうすれば、文庫展を主催している人たちを中心に、もっと盛り上がるのではないかと感じますし、さらにやる気もわいて、効果抜群になるのではないかと考えるのですが・・・・・・。

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2007年02月21日

子どもの読書活動推進計画

 先日のたま広報でも一面で掲載された「多摩市子どもの読書活動推進計画」。この計画には「子どもの読書活動推進連絡会」というのが設置されていて、計画を進めるための情報交換などを行うことになっています。その連絡会は下部組織として、庁内連絡会議、学校関係者連絡会議さらに市民連絡会議があり、今日は第1回目の市民連絡会議が開催されました。

 市民連絡会議は幅広い市民に呼びかけをして開催されるので、人数やメンバー構成なども特に決定しておらず、今日も20名を超える市民の方々が集まっていました。主には地域で文庫活動をされている方、読み聞かせボランティアの方々などでした。

 さて、この計画の一番の特徴は「市民と一緒に市民協働にて進めていく」ことが謳われている点という説明を受けました。計画の推進について、「市民連絡会議をはじめとし、話合いの場をつくりながら、みんなで進めていく計画になっている」とのことでした。
 そこで今日の議題にも「市民(団体・ボランティア)活動5ヵ年計画」のプランが示され、意見交換が行われました。示されたプランについては、計画をもとにしながら事務局である図書館の職員が案を作成したもので、今後、市民の協力を得て、さらに活動の幅を広げたいことが多数示されていました。

 例えば「布絵本」づくりへの協力、障害児学級への読み聞かせボランティア、図書館が主催している乳幼児へのおはなしの会(読み聞かせ)への協力、イベントなどの情報提供等など・・・図書館が協力を求めたいと考えているところが理解できました。
 随分と人員的な面でも苦労しているように感じたのは私だけかと思っていたのですが、「人事異動などもあり、図書館職員すべてが読み聞かせができたりするわけではないので大変だと思いますが・・・・。」という市民からの意見もあったように、図書館を担う人材の育成は課題の一つなのかもしれませんね。


 今日集まっていた市民の皆さんはもともと活動熱心で、図書館への活動協力をされている方々も多いので実情をよく把握していらっしゃるようにお見受けしました。「市民ができるところで協力をして欲しいと言われ、自分自身もできることであれば喜んで協力はするけれど、『任せっぱなし』というのでは困る。」という意見が出ていたことは印象的でした。「市民協働」と言うと聞こえがいいけれど、ただ単に市民に任せているだけで、職員がノータッチになっているような場合も現実には存在しているのかもしれませんね。それでは「行政と市民との協働」にはならないでしょう。

 「職員が頑張りや努力が伝わるからこそ、市民が協力し応援できる。」との趣旨で発言された方が数名いらっしゃったわけですが、行政と市民との協働を推進するために鍵を握っているのは・・・やはり「職員」のあり方や姿であることを改めて感じさせられた次第です。

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2007年02月14日

新しい地域自治の仕組み「市民自治区」

 神奈川県の大和市に行き、「市民自治区」についての話を伺ってきました。地方自治体の話はマスメディアの話題になることは少ないなか、大和市は事あるたびに話題提供ができる自治体で、新しい取組みを次々手がけているという印象です。市長さんの強烈なキャラクターにリーダーシップがなせる技なのかもしれませんが、自治基本条例を制定し、住民投票条例(常設型)の制定、そして現在は(仮)市民参加推進条例、(仮)市民自治区条例に最近話題の(仮)寄付条例・・・・と勢力的にルールづくりを進めています。中でも住民投票条例では投票権について、16歳に年齢を引き下げたことで話題になったのですが、ここにはきちんとした裏づけがあり、自治基本条例の策定過程で高校生たちとの意見交換をした経験が踏まえられているのです。

 私が今日話を聞いてきた「市民自治区」というのは、市内を概ね10地区にわけて設置されるものです。大和市は人口が約22万人。1地区だいたい約2万人が目安です。既存の自治会活動がベースになりながら設置されるもののようで、地域ごとにいくつかの自治会がまとまりをつくり、そこに自治会だけではなく、市民活動をしている団体なども加わりながら、ゆるやかな(?)連合組織をつくり、地域でさまざまな人が話合いを行なう仕組みです。将来的にはそこに行政の権限や財源を移していこうとしているようですが、そこまでの道筋はまだはっきりと描かれているわけではありません。

 今は、順次「市民自治区」の設置を進めている段階ですが、あくまでも地域ごとの自発性を尊重しており、「やまと地域の底力事業」による支援を行ないながら、素地を作っているところです。この「底力事業」は2つ以上の地域活動団体(対象人口概ね1,500人以上)が行なう事業を支援する「はじめの一歩事業」と、活動目的の異なる複数の団体(対象人口概ね1万人以上)が行なう事業を支援する「市民自治区準備型事業」との分かれていて、どちらも地域が行なう公共的な事業への助成です。(上限と年数制限はあります。) 
 この底力事業を実施しながら、地域ごとに各団体をネットワーク化し、連携体制を構築、そして「市民自治区」の誕生となるわけです。市民自治区には総会、運営協議会、事務局があり、事務所も確保されます。今のところは二つのモデル地区が指定され、実際に事務所も開設されているそうです。

 ちなみに、はじめの一歩事業に取組んでいるところは8つあり、市民自治区準備型事業を実施している所は2つ。はじめの一歩事業では防犯活動、美化活動、健康づくり活動などがあり、2地区で取組んでいる準備型事業では地域の活動団体のアンケート調査(地域の課題把握)・駅前プロムナードの活用としてお祭りや太極拳教室、美化活動があります。

 大和市のホームページには市民自治区についても、いろいろな資料が掲載されていますが、今日の話では「市民自治の推進」をしていくための環境整備として、大和市全体の流れも掴むことができてよかったと思います。
 実際にこれからの課題は・・・と言うと「山積み」という答えが返ってきたように、進めていきながらぶつかった壁にひとつひとつ対応していくしかない・・・ということは、市民自治にはツキモノな気がします。地域の人間模様はさまざま・・・市民自治区の運営が簡単に進んでいるわけでないだろうことは察しますが、それが「市民の自治」ではないかと考えます。
 行きつ戻りつしながら、でも後から過去を振り返ってみたら、前進していることが少しはわかる・・・ということかなと。


 でも、大和市に学べることは、「市民自治の推進」に必要な仕組みや制度を次々と進めていること。市民からは「スピードが速すぎ。」という声もあるようですが、それでも、「必要だからやる。」として、新しい取組みに挑戦しているところです。どうやら「市民自治区」については市長があたためにあたためていた構想で、市長の思い入れも熱いとか。それには納得しました。市長の動かしていく力の大きさを目の当たりにした気がします。


 この取組みは多摩市でも十分に取り入れ、学べる部分も大きい感じがします。有意義な視察になりました。実際の市民自治区にも足を運ばなければいけないかも。

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2007年02月13日

市民活動情報センター

 市民活動情報センターがオープンしてからもうすぐ一年。一般質問の準備も兼ねて、今の状況や今後ことに含めてヒアリングをしました。まだまだ知られていないのが現状ですが、検索サイトへのアクセス数は思ったよりも多いのだそう。どたばたと開設し、試行錯誤で運営が進んできたことは確か。今日の午前中も、にぎやかに人がいるというわけではありませんが、時々、市民の方がいらっしゃり掲示されているパネルなどを眺めたり、チラシを取っているようでした。情報ライブラリーの名残であるパソコンを使用している方もいらっしゃいました。(市民活動に関する情報を検索している様子ではありませんでしたが・・・)
 
 ところで市民活動情報センターですが、当初は市民の運営委員会のようなものを設置するなどの構想を聞いていたわけですが、ようやく来年度予算で委員会を実施するための経費が計上されているそうです。まだ具体的にメンバー構成などを考えているところ・・・との話ですが、この運営委員会では多摩市全体で市民活動をどのように後押ししていけばいいのか、そしてまた市民活動情報センターのあり方などについても意見交換をする予定になっているらしく、その中で、NPOセンターやボランティアセンターとの関係性を整理するような議論もしていくことになるのではないか・・・という話でした。

 NPOセンターの在り方については「公設備・市民設立・市民運営」というコンセプトがいつのまにか「公設民営」?のようになってしまったことの問題点をかねてから主張してきているのですが、そのことも含めて議論をしてもらうことを希望しますが、これはあくまでも希望どまり。この運営委員会の人選がポイントになりそうに感じています。どうなるのやら行方を見守るしかないのかもしれませんが、市民活動情報センター、NPOセンター、ボランティアセンターを区分けしておく必要性ってあるのかを議論してもらいたいと思います。ボランティアセンターは社会福祉協議会により運営されているので難しいのかもしれませんが、ボランティアセンターとNPOセンターとの関係をどうしていくのかは過去に議論がされてきた経緯もあります。3つの施設については、ゆるやかな連携を組むよりは、統合していく方向を目指していくべきだと考えているのですが、それぞれ施設の成立ちが異なるので一足飛びには行かなさそうです。


 いずれにせよ、市民活動情報センターに思うことですが、情報をただ提供するだけではなく、その場でもう少し相談にのれる体制づくりをするなど充実を図ることが必要かと思っていますが、そのためには実際に市民活動に携わっている人たちが関わることのできる仕組みづくりが求められます。具体的にどんな仕組みができるのかを考えてみたいと思っていますが、それも含めて運営委員会で議論される事項なのかもしれませんね。市民が自分たちで議論をしていきながら考えていく場を持ち、その議論を尊重するということなので議員が議論が始まる前から意見を述べたり、提案することはもうしばらく先に伸ばした方がいいのかどうか・・・・。ここは少し迷うところ。来週の水曜日が質問の事前通告書締切日です。明日は神奈川県大和市まで出かけてきます。

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2007年02月06日

自治推進委員会のこと

 自治基本条例も制定してから3年を迎えようとしています。先日、この条例に基づいて設置されている自治推進委員会から活動の総括と今後の課題ということで提案書が出されました。
 自治推進委員会の委員は2年任期なので、ここでメンバーチェンジとなるのですが、この提案書が次のメンバーにもバトンタッチされるようにとの内容になっています。そうは言っても、丸ごとメンバーチェンジしてしまうと議論の積み上げの経過などを知っているのが事務局をつとめた職員だけ・・・という状況になってしまう恐れがあり、つまりは職員が委員会をリードするようなことも懸念されます。気になっていたので、第二期目の自治推進委員会の顔ぶれを聞いたところ、第一期目で委員を経験したメンバーが二人は残ることが確認できて一安心しました。

 自治基本条例の策定を進めてきた立場であることを考えると、今後の取組みなどにも注目をしたいわけですが、特に「自治推進委員会」の活用については・・・・非常に悩ましいところです。というのも、他市の方や学生の方から自治基本条例について問い合わせを受けることがしばしばあるのですが、その中で尋ねられる質問として「自治推進委員会って何をやるところで、どういう機能を果たしているんですか。」と尋ねられることが多いからです。
 多摩市の自治基本条例の最も特徴的な部分で、他市などで制定されている自治基本条例には存在しないのが「自治推進委員会」なので、注目が集まるわけです。


 しかし、初期の初期のころを思いだし、遡れば・・・・本当は市民・議会・行政から代表者が出て話し合う「三者会議」のようなものが想定されていたのが市民が作成した素案の内容。そこから随分と変質して存在することになったのが自治推進委員会・・・行政オンブズマン的な存在?それとも・・・とこの2年間も自治推進委員会そのものでもさまざまな議論が行われたようです。


 来月の定例会に向けて一般質問づくりをしているところですが、過去に質問していた発言内容をつぶさに点検しています。自治基本条例については、個人的にも思いが強い部分なので、改めて2年間を振り返り、今後にどうつなげていけばいいのかを考えてみたいと思っています。今日はそのためのヒアリングをしました。

 「自治基本条例なんて、どうでもいいや。」と仰る方は決して少なくないのですが、自治基本条例ができたことで行政の仕事のスタイルは変わってきていると思います。特にそのやり方にはまだまだ改良が必要かもしれませんが、情報を公開していく姿勢ではぐんと進んできたように個人的には感じているところです。

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2006年11月29日

NPOを支える仕組み

 今日は多摩NPO協会が主催した「市民活動支援基金」の学習会に参加をしました。

 ひところに比べればNPO活動に対する認知度はあがっているわけですが、それでもアメリカなどでNPOが活躍をしている状況からすれば格段の差。その理由のひとつには日本には「寄付の文化」がないという理由が言われています。そこで、かねてからNPOに寄付することに対する優遇税制措置を充実させことで、市民の寄付行為を促す仕組みの提案がなされています。
 「NPO支援基金」はそのための仕組みで、杉並区独自の制度です。このような独自の仕組みといえば、市民活動を財源的に応援する千葉県市川市の1%条例などの取組みも、そもそもの発想は同じところに根ざしているように思っています。しかし、これらの仕組みはなかなか苦戦しているようです。その理由について考えると、やはり社会そのものの価値観も変える必要性を強く感じます。
 つまり、「公益的な活動を行なうという点では自治体であってもNPOであっても変わらない」という価値観をもっと主流になることが求められます。もちろんそのためにはNPO側の活動展開にも一層の努力が不可欠ですが、NPO活動という存在そのものを市民自身が経験的に知ること、NPO活動を担う、NPOのサービスを利用する等など身近な暮らしで‘NPO'に直接触れる機会が必要だと感じています。そのことでNPOに財政的な支援をしていきたい、寄付をしていきたいと考える市民を増やし、「寄付文化」の定着につなげていくというわけです。


 学習会は示唆に富んだ話しを聞くことができ、多摩市でも1%条例とともに検討の価値がある課題だとは思いましたが、やはりNPOを支える仕組みにおいても「行政」が関与していることの安心感は大きいことがわかります。このような基金を民間主体で設置することも考えられますが、行政が設置しているからこそ安心して「寄付」することができるというのもまた事実です。行政が必ずしも完璧ではなく、さまざま問題点はあるわけですが、総体としてみれば、やはり行政に対する信頼感や安心感は格別なような気がしました。今日一番の感想です。行政に寄付をすれば安心してその運用を任されるような気がしてくるのは不思議です(NPO支援基金では特定団体に指定をして寄付することも可能ですが)。 

 要するに、まだまだNPO活動を主流にし、公益的サービスを豊かにしていくためには行政のバックアップが必要で、NPOが自立する道のりを後押しするためにも行政がNPOの財源確保のための仕組みをつくっていく必要性があるということです。NPOに体力がついてきたときに、行政で立ち上げた・・・この場合で言えば「NPO支援基金」そしてまた、多摩市の場合なら「NPOセンター」などもあるわけですが、それらから完全に行政が撤退するというプロセスになっていくだろうなあと思っているところです。

 多摩市の「NPOセンター」もいまいち活動が見えない状況。ここをどう改善していくのかは課題です。これについては他市の事例に学びながら、今後の方向性を見出していきたいものです。既に一般質問などでもNPOセンターの問題点などを指摘していますが・・・そろそろ今後の対応策についてどうする予定なのか確認していく必要もあるなあ・・・と感じました。議会での発言に対しては機会を捉え、その都度その都度機会を捉え、行政の活動をトレ―スしていくことが必要ですね。

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2006年11月26日

永山駅前雑木林保全育成の会がスタート!

 永山駅前の雑木林。緑化基金を取り崩して2億円にて購入したことについては賛否両論あるものの、私は市民の財産になって良かったなと思っています。ここが市民の財産となるまでの経緯は・・・・市民の請願運動などちょっとドラマティックだと考えています。その経緯の一部が映像になっているのですが、かなりいいドキュメンタリーになっていると・・・・。

 これまでは永山駅前雑木林を守る会が中心となって活動を進めてきましたが、これからは守った雑木林を市民の力で育てていかなければなりません。そのために、守る会のメンバーが中心となりながら新たな会の発足を準備を進めていました。今日は晴れてその設立総会が開催され、無事に終了しました。会合は終わりの頃ににやっと参加できたのですが市長や行政の担当者の方の出席もあり、盛会でした。雑木林を守り育てていく会の名称は「永山駅前雑木林保全育成の会」です。世話人の17名も決定し、今後の活動の詳細が決定されるようです。私もさっそく会員登録をしました。これから雑木林を守るための作業が本格化するわけですが、活動日は月二回程度になるようです。少なくとも一回は参加して、草や木の名前を覚えていきたいと思っています。子どもたちと一緒に四季折々の雑木林の観察会をしてみたいです。

 今日の設立総会までの準備はとっても大変だったようです。会則案の内容などを決めるまでの意見交換や議論もハードだったと聞いています。それだけに今日の会合が滞りなく、そしてまた非常にいい雰囲気のうちに終われたことが、次につながる大きな力になっていくのではないかなと思ったところです。「保全育成の会」の一員としての活動が楽しみです。

 ・・・・まずは活動の必需品として草刈り鎌が必要。けど、草刈り鎌・・・今まで触ったこと一度もないなあ(経験なさ過ぎ?!)。

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2006年11月07日

市政世論調査

  今日は市民の方から連絡をいただきました。永山駅前の公衆便所の前にある広場の「たまっこ」ちゃんがやられてしまったそうです。どうやら顔面にスプレーがふきつけられてしまっているとか。市にもかわいそうなお顔になってしまった「たまっこ」ちゃんのこと伝わっているのでしょうか・・・・・。その前に思ったことなのですが、あそこのスペースはどこの管轄なのでしょう。公衆便所はくらしと文化部の生活文化課の管轄ですが(公衆便所の壁にも落書きされています)。あの場所は新都市センターの敷地なのでしょうか。再確認しなくては・・・・。


 さて、今日は毎年定期的に行なわれている多摩市政世論調査の概要版が議員ポストに届いていました。この調査は基本的な調査項目の他に、毎年少しずつ異なるテーマ設定がなされ質問項目が作成されているようです。
 このようなアンケート調査なのですが、いつも思うことは「ふつう」という回答についてです。例えば、今年も市役所や出張所窓口サービスについてどう感じているのかを調査しているわけですが、「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」という回答がある中で、やはり今年も「ふつう」と回答する人が圧倒的多数。職員の対応についても、事務処理の対応についても、約半数の人が毎年「ふつう」という回答をしています。実はこの「ふつう」という結果を受けて、一体どうしたいのかがいつもわからないのです。「ふつう」であればいいのか?それとも「満足」「やや満足」と感じる人を増やしたいのでしょうか?そもそも回答して言う側の「ふつう」という基準もよくわからない部分もありますが・・・・。
 ちなみに今年は多摩市の住みよさの評価は昨年よりもちょっぴり上昇しており、肯定的評価が88.1%となっています。それでも肯定的評価には「住みよい」「どちらかといえば住みよい」という回答の合計になっているのですが、「住みよい」と回答している人の数は昨年と同じで一昨年よりは減少。「どちらかと言えば住みよい」と回答している人がちょっと増えたという結果です。


 この市政世論調査も29回目を迎えます。来年は30回目ということです。考えてみれば私が生まれた年にからずっと継続して行われている調査なので歴史だけは感じます。歴史ある「広聴活動」と言えるかもしれませんね。けれども30回目を迎えるにあたっては、アンケートの内容などもうひと工夫欲しいなと思っています。内容・・・というよりは、この世論調査の結果がどんな風に市政に生かされているのかがいまいちよくわからない・・・ということなのかもしれませんが・・・・。

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2006年11月04日

秋空のもとで。

 ここ2日間の報告が滞ってしまっています・・・反省。まず、11月2日に更新されている多摩市の公式ホームページでは来年度予算編成方針についての意見募集が行なわれています。これはまさに新たな取組みで、自治基本条例があってこその展開だと考えています。予算策定に市民参画を取り入れる段階に進むためには、もう少し時間がかかるでしょうが、一歩踏み出したなという印象です。

 さて、昨日は東永山小学校の跡地にて「福祉まつり」が行なわれ、今日と明日はベルブ永山前、グリナード広場にて「消費者フェスタ」が開催されます。
 昨日は秋晴れな一日。福祉まつりは大盛況だったようです。私も午前中に足を運んだのですが、市民の出店が軒を連ねているお祭りならではの交流を感じました。ひとつひとつの出店それぞれから活動団体の思いが伝わってくるような気がしました。少しでも活動資金をつくりたいとバザーをしたり、手づくりの飲食物の販売、環境系のNPOは活動の宣伝、絵手紙の団体はその場で体験、高齢者の集う陶芸のグループでは作品の販売などなど・・・・・。広々としたグランドでゆったりと過ごせて、親子連れもたくさん遊びに来ていました。保育園でも前日にチラシが配布されたのですが、その効果は大きかったように思いました。

 そして今日は消費者フェスタへ。これは市民提案型まちづくり事業補助金を活用したお祭りです。もともとは毎年恒例で行なわれていた消費生活フォーラムが補助金改革の中で見直し対象となり「中止」されてしまったのですが、多摩市消費者団体連絡会に所属する団体のメンバーたちが再奮起し復活をしました。消費生活フォーラムでも人気だった「リフォームファッションショー」は今回も大好評。古い着物などがステキなお洋服に大変身。私ももう少し年を重ねたら・・・着てみたいな♪と思った次第です。消費者フェスタは明日もあります。
 「これって何なの?」と話しをしている声が聞こえていたのですが、たまたま通りかかった市民にはよくわからなかったのかもしれません。「何かやっている・・・・」ということしか。本当は「消費者問題を考えるきっかけ」を投げかけていくことが目的なのですが、本質を伝えるのは難しいのかもしれませんね。その会話をしていた人たちは「生協が並んでいる」と思ったようでした。(いくつかの生協が出店し、安心安全な食品、せっけんなどのPRをしていたので)

 人によっては連休3日間となるわけですが、市民によっては「お祭り」の3日間になる人もいるようです・・・。「福祉まつり」でも「消費者フェスタ」でもお店側で活躍している人の顔がチラホラ・・・・・。そのパワーには頭が下がるわけですが、やはりそのパワーにも広がりが出て、参画する人の輪も広がることが理想だなあと思いながら、人の動きや人の流れを眺めました。
 
 
 活動的な世代の休日は、天候が良ければ遠出をして過ごすことが多いのかもしれませんが、高齢世代が増える今後は「地域で楽しめる」がますますキーワードになってくると思います。市民の交流が広がるような市民主体のお祭りが開催されることの意義を感じました。秋空秋晴れ・・・明日も天気が良ければいいなあと思っています。

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2006年07月19日

サポーター大募集!

 来月の10日に予定されている「せいせき多摩川花火大会」。市民の実行委員会方式で2度目の開催です。今年は桟敷席「ガーデンチェア席」の設置にも取り組んでいるようですが、売れ行きはどうなっているのでしょうか?


 さて、今年の花火大会は「ゴミの少ないクリーンな大会にしたい」という理念が加わり、「ごみ清掃」の市民ボランティアを募集するようです。会場には分別ゴミを集める場所が設置されるのですが、とにかく去年はぐちゃぐちゃにゴミが投げこまれ、惨憺たる状況であったと聞いています。去年は口コミによってボランティアを募集したようですが、今年はたま広報やポスターなども貼り、大々的にボランティアの増員強化を目指すそうです。一体、どのくらい集まるでしょうか。私も参加しようと思っていますが、去年ボランティアを経験した人から聞いている状況では「それはそれは・・・・・実際に体験しないとわからない。」と言うほどに想像を絶するとのこと。

 8月10日の花火大会当日は、ごみの分別をお願いしたり、迷惑行為防止のための呼びかけ(とにかく近隣住宅(沿道沿い)にはゴミの投げこみ等も行なわれているらしい)などのお仕事、そしてまた翌朝8月11日(朝の6時~8時半くらいまで)の多摩川河川清掃のお仕事まで、ボランティアは何人いても足りないくらい!

 なにせ、観衆は約23万人と言われていて、多摩市民(約14万人)の1.5倍以上なのですから・・・・。


 ボランティア大募集なのです。
 ということで、近々募集が始まると思うので、ぜひ、お時間のある方は少しでもいいので、私たちのまちと川のクリーン活動に参加しませんか?


 今日は、たまたま別の用事でベルブ永山に言ったところ、サポーター募集のことについて話合いをしていた市民有志の方々(これは、実行委員会とは別部隊なんだそう)に遭遇したので、お話を伺いました。
 観客としての楽しみ方にプラスしてボランティアとしての参加をすることもまた、「花火大会」の違った味わい、愉しみ方かもしれませんね。

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2006年07月01日

団塊の世代にアンケート!?

 多摩市の公式ホームページの最新トピックスは・・・・『団塊の世代の生涯学習に関するアンケート 』募集について(6月30日)。

 さっそく興味深くアンケートを拝見。ホームページ上で理解できたアンケートの目的は「アンケート結果は集計し、このアンケート結果は、今年度見直しを予定している第2次多摩市生涯学習振興計画の見直しに当たり、検討の参考とさせていただきます。 」(←これ、日本語に違和感があるんですけれど。)ということ。

 ちょっとした違和感にはまあ、いいかな・・・と思いつつ、今度はアンケート項目を知りたいと思い、PDFからアンケート用紙を見たところ、そこには「このアンケート結果は、今年度見直しを予定している第2次多摩市生涯学習進行計画等に反映させていただきます。」と説明されていて、ホームページでの説明ぶりと少々違わないかと思った次第です。
 
 「検討の参考=反映」にはならないと思うし、「第2次多摩市生涯学習計画‘only’」なのか「第2次多摩市生涯学習進行計画‘等’」なのかもわからないところです。


 そして、アンケートの回答についてはホームページでは「団塊の世代の皆さんだけでなく、多くの皆さんのご意見をお寄せください。」となっていて、実際のアンケート用紙では「団塊の世代の皆様だけではなく、『もし自分だったら』という視点での回答でも結構です。多くの皆様の意見をお寄せください。」とされています。

 なるほど、「もし自分が団塊の世代だったら・・・」と想定して回答をしなければならないんだと思ったのですが、よくよく考えたら、自分が団塊の世代になりかわって回答なんてできるわけありません。私で言えば、自分の両親の立場(私の両親は1947、1948年生)にならなければいけないわけです。

 アンケート項目を見たところ、要するに、「もし自分が団塊の世代だったら・・・」ではなく、「もし自分が60歳間近になったときには・・・・」と想像して回答をすればいいのかと理解できたのですが、とても謎めかしきアンケートです。
 私の理解が間違っているのかもしれませんが、アンケート項目5では下記のようになっています。
 

あなたが現在最も関心のあることはなんですか。2つ以内を選んでください。
 ご自身の健康  家族の健康  親や家族の介護  定年後の生活  趣味 現在の仕事  地域社会での活動  資産運用  老後(将来)の生活設計

 ここから私は勝手に推測し、「もうすぐ定年に近いような年齢の人たちを対象」にしたいアンケート(だから団塊の世代)だと理解したのですが、それならば、純粋にアンケート対象を『団塊の世代』限定にすればいいのに・・・と感じてしまいました。

 ついでに、一番最後の自由記述欄で「定年後(これから定年を迎える方も、既に迎えられた方も)の多摩市での生活・活動についてご意見や、参考になる活動がありましたらお書きください。 」となっていることからも、回答者の属性を思い浮かべることができます。(公式ホームページだけしか見ていないと「多くの皆さんのご意見をお寄せください」という説明にひかれ、ついつい気軽に回答してみようか・・・と気にもなるわけですが、例えば先に示したアンケート項目5には、私の同世代の多くが最重要項目と考えるような「子ども」という選択肢はありません。)

 
 そもそものお題は『団塊の世代の生涯学習に関するアンケート』となっていて、「第2次生涯学習振興計画の見直しに関するアンケート」ではありません。あくまでも「団塊の世代」というお冠があるわけで、これにこだわるのなら、アンケートの対象も「当事者限定」の方が都合がいいのではないでしょうか。

 それに、他の世代の人からの無責任な回答を団塊の世代はどううけとるでしょうか?20代、30代が勝手な想像で答えるのも難しいでしょうし、団塊の世代以上の人たちが自らの経験を踏まえて、思いこみのまま回答をすることも望ましいことではないはずですし。

 いずれにしても、このアンケートの結果集約を楽しみに待ちたいと思います。要するに、いわゆる「2007年度問題」に備えるためのアンケートなんでしょうね。

★難しいアンケートではないので、ご協力できる方はぜひ!
団塊の世代の生涯学習に関するアンケート 』募集について

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2006年05月26日

多摩市のホームページ

 先般行なわれていた多摩市の公式ホームページに対する利用者アンケートの結果が公表されています。web上で206人からの回答があったようですが、約2週間ほど期間があったことを考えると、もう少し回答者数があってもいいのかなと思いました。
 結果を見ると、回答者の半分は男性で年代的には50歳以下が多く、職業は働いている人が半分以上ということです。紙媒体の「たま広報」の読者とは異なる層であることがわかります。新聞折込み日がたまたま休日にあたらないと「たま広報」を目にしない人も多いと聞きます。特に男性はほとんど見たことがないという場合も多いです。そういう意味でホームページの存在は市政情報などの提供には欠かせないツールであることがわかります。

 ところで、これはアンケートの質問項目にもよるのかもしれませんが、ホームページの印象について、情報の鮮度、情報の充実度、わかりやすさ(文章表現の方法、言葉遣いなど)、見やすさ(文字の大きさ、図・写真の使い方、配色、配置など)に対しては「どちらとも言えない」という回答が突出しており、ついで「やや満足」という回答が続いています。この「どちらとも言えない」という部分をどう捉えればいいのかはとても悩ましいと思います。「別に、このままでもいい」という風に捉えるのか、それとも「どちらとも言えない」と回答した市民が「満足」と回答してもらえるようにするのか・・・・それにより、今後の対応が大きく変わってくるのだと思います。
 いずれにしても、このアンケートの回答からどのように利用者のニーズを掴んでいくのだろう・・・と私は少々疑問に思っていますが、「今後情報の分類方法を変更するのなら・・・・」という質問項目の中で、「対象者別」「ライフイベント別」を望む人のほうが多いので、ホームページのリニューアルの際には活かされるのだと思います。今は随分と「ライフイベント別」の分類で情報提供している自治体も増えています。対象者別という点については「キッズページ」を設けているところがあり、国立市では「子どもたち」の発信ページにもなっているところが特徴です。
 アンケート調査をしたということは、何らかの手法でホームページの改善をしたいという方針だと思っています。議会でもホームページの改善は以前からずっと指摘されていることなので、どのように取り組んでいくのかが楽しみです。

 ちなみに、ホームページに新しく追加して欲しい情報のところに「市議会議員の給料や視察の報告・成果」と書いてありました。ここにも市民からの厳しい視線を感じてしまいました。当たり前のことを言われているわけですが・・・・。こちらは議会の問題ですが、市議会ページでの情報提供体制の見直しもひとつ課題になるなと思っています。

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2006年05月23日

ごみ減量見学会

 たまごみ会議が企画をした見学会に参加しました。見学したのは川崎ごみ連絡会の「生ごみ回収・資源化システム」と横浜市の「容器包装プラスチック処理工場(廃プラスチックの中間処理工場」でした。

 生ごみ回収と資源化については、家庭+配色サービスをやっているNPO(1団体)から排出される生ごみを堆肥化して使用するという循環システムで、実際に回収した生ごみを畑の一角で落葉と混ぜる作業などを見学しました。川崎市民の取組みに協力している横浜市の脱サラして農業家となった方の畑へ訪問。帰りにはとりたて野菜をいただき(生ごみ堆肥を使用)、じっくりと味わいました。(ちなみに、かぶとレタスとルッコラ。ただ水洗いしただけの野菜でしたが、味が‘濃い’という感想です。美味しかったです。ここで生産される野菜は「こだわり野菜」として販売されるので高価だと聞きました。)

 この取り組みで、最も印象的だったことは市民自身の実践という点です。川崎市は市民活動がさかんな地域として有名ですが、この循環システムは市民自身が各家庭からの回収、畑へ運搬、落葉と混ぜる作業・・・とすべてを行なっています。行政には生ごみの堆肥化に協力してくれる農家の紹介などを頼んではいますが、あとは全くノータッチで市民が自分たちで行なっています。

 これはまさにごみ減量を進める原点。ごみ減量は自分たち自身の生活の見直しから始まるわけで、より質のいい堆肥をつくるためには、なるべく低農薬栽培など安全な食材を使用する必要があり、そして何よりも自然からの恵みを無駄にはしない(できれば余すところなくいただく)生ごみを出さないようにするという風にしなければなりません。「生活者」の実践が不可欠です。

 この循環システムを成立させるためには、やはり協力農家の開拓が必要です。行政に期待される一番の役割ではないでしょうか・・・・と考えました。そう言えば多摩市の組織を見た時に、いわゆる農政を担当している部署は「くらしと文化部・経済観光課」。恐るべし「縦割り」。もし農政の部分が「環境部・公園緑地課」にあったなら、同じ環境部内での連絡調整があればスムーズだなあと思えてきました。


 さて、二つ目は「廃プラスチックの中間処理工場」の見学。横浜市から事業委託を受けている工場の見学です。私自身は多摩市でも容器包装リサイクル法に基づいた中間処理をどうしていくのかが課題になっていたので、むしろこちらの関心がありました。特に中間処理工場の騒音、環境への負荷、従業員の雇用環境などを見てきたいと思っていました。見学先の工場は海に面した工業地域にあったので、騒音や環境面への配慮も必要最低限の対応で十分という感じでした。ちなみに工場は日曜日と年末年始休みの309日稼動していて、稼動時間は朝の7時半から夜9時までで従業員は2交替制になっているとのこと。実際の工場内も歩きましたが、脱臭装置などもかなり高性能で、臭いもそれほど気にはなりませんでした。ただ、従業員の方々は浮遊粉塵対策として物々しいマスクをつけていました(当然のこと)。
 
 市民レベルでは分別されたはずのプラスチックですが、実際には「手選別」の作業がされていました。yはり不適物の混入を厳格にチェックするためには人の眼が欠かせないわけで、可燃物、缶・びん・PET、不燃物、金属類というように仕分けをするようになっていました。
 この手選別ラインで作業が減ること=市民の分別が徹底されていることになるわけですが、分別収集がスタートした当初よりも手選別ラインにおける作業量が増えているそうです。この状況を改善するためには、行政が市民への分別徹底を求めたPR活動をさらに進める必要性があるでしょう。いわゆる啓発活動になるわけですが、ここは行政が粘り強く継続しなければならない分野で、アドバルーン的な手法でやってもほとんど効果が出ない部分です。
 
 それにしても大量のプラスチックごみを見て、またまた虚しさと悲しさを感じてしまいました。こんなに捨てられているんだと思うと・・・。自分の手元から排出されるごみだけを見ていても、どれだけごみ問題が深刻なのか実感が持てないのが現実でしょう。私も忘れかけていた思いでした。結局、この現場でも自分の生活スタイルを見直すことが問われているのです。
 とても有意義な視察でした。現場から学ぶこと、気がつかされることは多いです。それから、今回はもう一つ。市民+職員+議員7名も参加していたというのも意義が大きかったはずです(企画したたまごみ会議メンバーの議員26名個人それぞれへの呼びかけがありました)。

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2006年05月18日

試行錯誤は半永久的?!

 市民活動情報センターに行ってきました。ちょうどオープンしてから1ヶ月半あまり。市民の反響はどうなんでしょうか?ここは再選された市長の目玉商品なんですが・・・・。

 私から言わせれば・・・焦ってオープンしすぎ。あまりにも選挙を意識しすぎた気がしています。準備も十分に整っていないまま、年度が変更して・・・しかも土曜日だった4月1日にオープン・・・「あんまりだなあ。」と思いました。「急げば回れ」がぴったりな感じです。個人的には連休明けのオープンでもよかったのにと思っています(その方がよかったと思っています)。
 民間企業なんかで新しい事業などをスタートさせる時には「開設準備室」とかが設置され、そこに配置される予定の担当者などが心の準備も含めて、事前準備をある程度しながらオープン初日を迎えるというのが普通かなと思っているわけですが、とにかく人事面を考えても、突然に新たな部門が設置され課長が任命されるなど・・・・すごくドタバタだったのではないかと思います。準備不足というよりは、そうするしかなかっただろう(と察しています)状況下にて何とか毎日をやり過ごしてきた・・・という意味では、担当者たちの苦労を思ってしまいます。

 やっと少しずつは落ちつき始めたのかな・・・と感じられたのは、今日、行ってみると少しレイアウト変更がされていたからです。市民活動情報センターらしい雰囲気になってきました。多摩NPO協会の協力を得ているのでしょう。NPO協会で所有している市民活動紹介パネル(これは、市民活動の紹介ではいろいろなところで活用され、展示されていて、もともとはNPOセンターにて常設展示されていたもの)が配置され、多摩ボランティアセンターやその活動の紹介コーナーもありました。(ボランティアセンターのHPによると、展示は今月末までのようですが、できれば期間延長してもらいたいかも・・・)
 以前、市民活動情報センターに行った時には閑散としていて、寂しかったのですが、インターネットの検索コーナーも使用されており、特に高齢とお見受けする方々は受付係の方や職員にアドバイスをもらいながらパソコン操作をしているようでした。

 ちなみに、市民活動情報センターに足を運んだ目的は、6月の一般質問に向けての準備です。自治基本条例が制定されて以降、やはり具体的に条例に基づいた市民参画や市民協働を進めることが求められます。条例を制定した次の段階をどう創っていくのかが問われていると考えています。昨日は自治基本条例を担当している課長さん、今日は市民活動の事業部門を担当している課長さんとそれぞれに意見交換してきました。それを踏まえてもう一度、質問内容を練り直さねばと思っています。

 結局、思っていることは市民参画とか市民協働とか、市民自治とか・・・そのあり方に正解はないということ。いつもいつも、現段階を確認しながら、少しでも次の段階に進んでいると思えるような取り組みを粘り強くやっていくしかないということ。つまりは・・・試行錯誤が永遠に続いていく・・・逆に言えば、終わりが見えてしまったら、そこでゲームオーバーになってしまう問題に違いないということ(そうなったら次なる発展はしない)。
 実際に、現在の市民参加の状態に至るまで、本当に長い時間を要して、そこにはさまざまな工夫と知恵があったのだと思います。きっと、向きあっていくことが大切なんだろうと・・・・そう感じているので(これは、議員になって地域や市民を見ながらの実感)、一般質問では自分だけの理想を押しつけるのではなく「多摩市の市民自治(参画・協働なども含めて)」をどう創っていけばいいのかについて前向きな議論をしたいと考えています。

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2006年05月08日

『多摩市ルール』~レジ袋削減

 昨年の12月議会以来、「家庭系ごみの有料化問題」が宙ぶらりんの状態にされていたわけですが、市長選挙が終わって、まずは有料化ではなく、「ごみの減量化」に向けた取組みが本格化しそうです。当面、今週末土曜日から市民向けに説明会が行われるようです。
 市長は選挙を通じて、「家庭系ごみの有料化」に対する市民の理解がいまひとつだったと感じたそうですが、12月議会で一連の条例改正案を提出するにあたっても地域説明会や自治会、管理組合を対象にした説明会を勢力的に開催してきました。その回数の多さを強調し、主張していた記憶がありますが、それが十分とは言えなかったと感じているのでしょうか。市民に浸透していなかった理由をどのように総括しているのかがわからないのですが、これから開催しようとする説明会の目的、「今後のごみ減量に向けた新たな市民説明会」・・・・私もいちいちに難癖をつけるようですが「新たな市民説明会」という部分に何が期待できるのだろう・・・と思ったりしています。


 さて、今日は市役所で行なわれた第2回の「ごみ減量懇談会」の傍聴をしました。この会議は市民団体の「たまごみ会議」のメンバーのみなさんと、事業者、行政との意見交換、情報交換会として開催されたもので、市長も第1回の懇談会の際には市長コラムを書いています。このコラムの最後で述べられている、

今後の取り組みとして、たまごみ会議さんの提案で、市をあげて「レジ袋削減に取り組んでいる」ことをアピールしていただくための店内掲示用の統一ポスター・ステッカーやアナウンス放送の紹介があり、出席のスーパーさんからは前向きに取り組むお話をいただきました。
 また、ご参加いただいた店長さん方のご理解を得たこの「レジ袋削減運動」を市内全域の取り組みとして広げていくためには、行政、商工会議所、たまごみ会議が中心となって、今回参加できなかったスーパーの皆さんにも呼びかけ、了解を得て進める必要があることが確認されました。
ということを受けて、今日は具体的な取組みをスタートすることが確認されました。
 市内には全部で21のスーパーがありますが、前回、会議に欠席されたところについては、「たまごみ会議」の市民の方々が直接足を運び、協力依頼をしてきました。そしてすべてのスーパーで足並みをそろえて、一斉に「レジ袋削減運動」ができることとなりました。たまごみ会議の方々のそれこそ精力的な活動には頭が下がります。

 今日は店内掲示用の統一ポスターとステッカー、アナウンス放送も完成し、配布されました。市民からはPR用ステッカーをお客さんの目につきやすいレジカウンターのところに貼って欲しいとの要望があったのですが、それについてはとても協力的で、すでに貼る位置も決めてあると話しているスーパーの方もいらっしゃいました。もちろん、今までにもレジ袋削減のため、各スーパーごとにスタンプカードやポイントの導入をし、お客に対する協力を呼びかけているわけですが、それを更に推進するための『多摩市ルール』を前向き・・・むしろ歓迎したいと受けとめている事業者の方もいらっしゃいました。そして、商工会議所の方も出席され、自らも発言されていましたが「レジ袋の削減はごみの減量には欠かせない運動だとし、店舗の協力が何より必要。市内にはスーパー以外にも多くの店舗があるので、それらの店舗でも取組みを広げていけるように商工会議所が協力をし、しっかりと連携をしたい」とのことだったので、ここには大いに期待したいです。

 『多摩市ルール』ができることは大歓迎!というのも、個々の店舗でささやかながらレジ袋削減の取り組みをしたとしても、そのことに対するお客さまのクレームも少ないとは言えず、なかなか意識づけが難しいと感じてきたそうです。そういう点でも「行政がらみの取組みなのでやりやすい。」という話しをされていた店長さんがいらっしゃり、とても印象的でした。そして、多摩市で統一化、標準化されることによって事業者側も取組みやすくなるわけですが、足並みが乱れることがないようにフォローしていく必要性があることも感じました。

 ところで「レジブクローものがたり」について、市民の方はどのくらいご存知でしょう。レジブクローくんのキャラクターがとてもかわいらしい小さな読み物です。スーパー、店舗によっては、コンビニなどでも手に入るはずです。これも「たまごみ会議・啓発部会」の発行ですが、このレジブクローくんが、今回の『多摩市ルール』でも大活躍。PRのステッカー(とても目立つ黄色です)でも「へらそう!レジ袋 くりかえしお買い物に使ってね!」と訴えています。この訴えが少しでも多くのお客さま(市民・消費者)に届けばいいなと願っています。

 次号、5月20日号の「たま広報」の一面はごみの特集です。昨年一年間のごみの排出量は前年よりも増加してしまったとのことです。それに対する危機感が広報を通じてどのくらい市民に伝わるのかどうか・・・。ごみ問題に関する啓発は継続をしなければ意味がないと考えています。ごみの減量に一層真剣に取組むためにも「たま広報」の積極的な活用を求めていきたいと思っています。


 そしてまた、家庭系ごみの有料化によらない「ごみの減量」を訴える議員、市民が中心になり、今、できる取組みをどのくらい提案していけるのかも大事な視点ではないかと思っています。私も今、自分自身に対し、「安易に有料化を受け入れない」かわりの取組みがどこまでできるのかが問われていると感じています。
 

投稿者 hisaka [市民参画・市民協働]

2006年04月25日

いつのまにか・・・

 臨時議会に備えた議案の説明を受けました。午前中は市長を応援していた議員さんたちが説明を受けたようでした。私たちの会派は午後からでした。
 どうやら午前中は市長がいたようですが、午後は市長会があるとのことで、市長不在で市長欠席で助役と企画部長の二人から説明を受けました。せっかく市長に会えるかと思ったのに残念でした。
 でも、実は、昼休みに廊下で市長とばったり会い、「選挙は選挙ですから・・・。これからは是々非々でお願いします。」と言われました。「あっ・・・・はい・・・。」・・・あまりにも勢いよく、しかもノロノロ階段を降りていた私の横を通りすぎながら・・・そして目をあわすことなく言われたのでした。通りすぎて先に階段をスタスタ降りていく市長の横顔が少しほっそりしたように見えたので「少しお痩せになりましたね。」と返答するのが精一杯でした。「選挙の時は痩せるんです。」とのことでした。


 いつのまにか決まっていたこと、決まっていることが少なくありません。議会の定例会は四半期の3、6、9、12月が基本。考えようによっては、行政(市長)は3ヶ月ごとに必要なことを議会と情報交換すればいい・・・と捉えることもできるでしょう。
 ホームページの更新情報で見つけたのですが、東永山創業支援施設愛称が決定し、ロゴを募集しているそうです。
 市民にとってはいつの間に愛称を募集したのかしら?というレベルだと思うわけですが、たま広報では告知されなかったことは確認しました。市民の中に、この施設の存在を浸透させていきたいとすれば、もっと大々的に愛称の募集をして、ロゴを募集すればいいのに・・・・。今回のロゴについては、市の公式ホームページにて募集の告知が行なわれていますが、愛称はいつのまにか募集されていつのまにか決定されていました。この流れをたどってみると、やっぱり「市民参加日本一の実績」に疑問になってしまうのは私だけでしょうか。
 このことは、6月議会の厚生産業常任委員会で報告があるのかなと思いますが、3月議会である議員が「東永山創業支援施設というお堅い名称ではなく、愛称とかをつけたらどうですか?」という質問をしていたことを思い出しました。

 選挙が終わったので、いろいろと思い出すことが多いのですが、3月議会の時に永山のCSKが売却された?ということをお伝えしましたが、その続報がまったくなされない・・・という状況です。このこともどうなったのか確認しなければなりません。

 6月議会まであと1ヶ月。議員の任期は残り一年。その中で過去三年間の総括につながるような質問をしていきたいと思っているところです。

投稿者 hisaka [市民参画・市民協働]

2005年11月28日

当事者の声を生かす努力

 健康福祉推進プランの見直しにあわせて行なわれる障がい者基本計画の策定作業が進んでいます。今日は策定委員会の最終回を傍聴しました。

 健康福祉推進プランの見直し作業は4つの部会(保健医療/障がい者/地域福祉・生活援護/高齢者・介護)に分かれています。このうち保健医療部会については「けんこう多摩手箱プラン」として検討内容の発表が行なわれました。発表会を見に行きましたが、保健師さんたちの活躍ぶり、市民が楽しく計画策定作業を進めた様子が本当によく伝わりました。参加した市民たちが寸劇や歌という工夫を凝らしながら、議論した内容の発表をしている姿から「市民参画のまちづくり」は楽しくなければ続かないこと、そして<四角四面>という職員のイメージでは対応できず、職員(この場合は主に保健師さんですが)が柔軟性をもって市民の話合いをサポートすることが大事だと言うことを確認した気がしました。あんまりにも「お堅い」と参加していても肩凝りしそうですし、自由に意見を言えるような雰囲気がない場合が多いですので・・・。

 さて、今日の障がい者部会のほうですが、ここでは計画策定委員会のもとで、障がい種別に分かれたワーキングチームが結成され、その中でそれぞれの課題抽出と問題提起が行なわれ、そこでの結果を策定委員会にて集約して、とりまとめする流れです。
 事務局である職員は、時間の制約がある中で、できるだけ策定委員メンバーそれぞれの意見に耳をかしていこうとする姿勢があることを感じました。多摩市では自治基本条例が制定される前から市民参加が推奨されていましたが、条例施行とともに市民参画が必須項目になったとともに、そのあり方が質的に問われるようになっています。従来のように行政がおぜん立てをしてシャンシャンで終わってしまうような市民参画のありかたでは参加した市民は納得しないのは当然ことです。そのことを肝に銘じながら、職員は職員という立場で努力をしているように思っています。ただ、事務局の職員の努力があったとしても、最終的にはその職員の上司である管理職のみなさん、市長などの意見の方が優先されてしまうので、そのときに現場職員の努力が報われるのかどうかだとは感じています。
 
 今日の議論は、ほぼ最終案として作成された「障がい者基本計画(後期)」の案について内容の確認とさらに委員の意見を聞いていくかたちで行なわれました。メンバーの中に重度障がい者の方がいらっしゃいますが、彼が「重度障がい者」の立場がわかるような文言を盛り込むべきだとの主張をしました。重度障がい者は、福祉的就労や一般就労に参加すること自体がきわめて困難であり、行政がそのことをもっと認識すべきで、その上で支援することが必要だというわけです。重度障がい者に対応できる支援内容があれば、どの障がい者にでも対応できるわけです。ぜひとも「重度障がい者」のことを入れてもらいたいという当事者の声には説得力がありました。
 これに対しては「障害の種別に関わらず」という文言で表現しきれているのではないかという意見もありましたが、「重度障がい者」への対応がまだまだ遅れていることを考えると挿入することが望ましいのではないかとの意見も出され、最終的には事務局である行政が最後の最後の文言整理の中で、どのように取扱っていくのかが注目されます。
 
 行政計画はその内容が非常に重要です。「あいまいな文章」にしておくと、読み取る人の立場それぞれによって理解の仕方も異なるので、できる限り具体的で、誰が読んでも共通理解できるような内容になっていることが理想です。その意味でも、今日の「重度障がい者」の部分については明記しておくべきだと感じました。
 市民参画には時間がかかり、職員が費やす労力も大変なものかもしれません。さまざまな価値観や立場の市民が口々に述べる意見を集約するのは簡単とは言えません。まだまだ不十分だという市民もいるかもしれないのですが、私自身は職員が従来の手法から時代の要請にあわせながら、市民の声を一生懸命に取り纏めようとしている努力を認める必要があると感じています。特に、保健医療部会や今日の障がい者部会の取組みを見る限りでは、そのように思いました。

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2005年10月28日

今日からハロウィン

 多摩センターでハロウィンのお祭りが始まりました。それと関係あるのかないのかわかりませんが、ちょうど永山駅の高架下のお店のところで、仮装した子どもたちの集団を見かけました。日本の祭事も十分に理解していない私です。ハロウィンにもそう馴染みがあるわけではありません。
 そこでちょっとだけハロウィンを調べてみようと検索をしたところ、ハロウィンのイベントを掲載しているページを見つけました。ここに多摩センターのお祭りも掲載してもらいたいなと思いました。(気がつくのが遅過ぎました。)

 今日は次の議会の一般質問の準備のためにヒアリングをしてから、急いで帰宅。なぜなら、明日がしめ切の大学院の課題があるからでした。でも、頭を悩ませて、一生懸命考えても、全然筆が進まなくてどうしようもない状況。途中から、一般質問の通告書の原稿を書くことにしてみたけれど、こちらもやっぱり何だか手につかず・・・。保育園に子どもを迎えに行ったら、「体調が良くないのが続いているので、病院に行ったほうがいいですよ。」と言われたので、引き続き病院に行って、帰宅してからは子どもに薬を飲ますのに一苦労して・・・・・やっと寝てくれたのですが、それと同時に私の一日も終了・・・・という感じ。

 ところで、保育園で「こどものくらし展」という毎年の恒例行事がありました。その時に「昔の子どもたちから今の子どもたちへ~伝えていきたい子ども時代~」というテーマで、それぞれの親から子に伝授したい子ども時代の思い出を綴ったものが冊子になり、配布されました。冊子に目を通すと、「自然」の中で遊んだことを印象深く思っている人が多いことがわかります。ゲームなどに囲まれている子どもたちの環境ですが、実は本当はゲーム以外のもっと楽しい遊びをしてもらいたいと望んでいる人が多いのです。
 でも、「外遊び」といえば、めっきりと自然が減ってしまいました。まだ、多摩市には公園は多いけれど、何しろ「地域の安全」に不安があり、子どもを外で遊ばせることにどうしても積極的になれないのが現状です。気が気じゃないというか・・・。だからと言って、監視員のように親がそばについて、外遊びさせるとしたら、きっと子どもたちは伸び伸びできないだろうし。子どもの秘密基地って大事ですから。

 それでも不思議なことは、私の世代の子ども時代と私の親世代の子ども時代を比較すれば、当然ながら自然環境の違いは歴然としているわけですが、それでも私と同世代の親たちが「自然」をあげていること。「自然環境」のすばらしさ、いかにそれが価値あるものなのかを再認識させられた気がします。
 やっぱり、永山駅前のみどりは開発しないで守っていきたい・・・と改めて思ったのでした。

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2005年09月03日

長寿を祝う

 パルテノン多摩で行われた敬老イベントに行きました。大ホールでは「多摩市・長寿を祝う会」では式典と歌謡ショーがあり、小ホールでは市民の企画運営による「長寿を共に祝う会」、そして市民ギャラリーでは保健師を中心に健康チェック、また特別展示室では「寿文化祭」として総合福祉センターで活動している同好会のみなさんの作品展示がありました。

 大ホールの歌謡ショーは千昌夫さんの舞台でしたが、「みなさん長生きして下さいね~。」と響き渡るメッセージにそれはそれは歓声があがりました。正直、私が気乗りするような歌謡ショーとは言えませんが、厚生産業常任委員会になったこともあり、一度は見ておく必要があるかもしれないと思ったのが、足を運んだ理由です。
 確かに「一年に一度のこの機会を本当に心待ちにして楽しみにしている高齢者がたくさんいる。」と説明されている長寿を祝う会の歌謡ショー開催意義もわかる気がしました。歩くのがやっと・・・・と見受けられるような杖をついた高齢者の方を何人も見かけました。
 
 さて、私はやっぱり小ホールの催しの方が好みです。市民企画の催しは今年で2回目です。これは、市内で活動をしているさまざまな団体の発表会と考えれるとイメージが近いのかもしれませんが、ジャズバンド、落語、舞踊、社交ダンスなど、日頃の活動成果が披露されました。
 やはり「共に祝う」というコンセプトが素敵だなと思います。ジャズバンドでは84歳のサックス奏者が「川の流れのように」をソロで演奏して拍手喝采だったように、この発表会に出る事を目標に日頃から趣味を極める活動をし、いきいきと元気に暮らしてくれる人が増えてほしいとする企画運営している市民の方の思いだと感じました。
 市長は大ホールの式典で「多摩市から明るい高齢社会を発信していきたい。」と言っていましたが、この発言と小ホールの催しが何となくは重なりました。(しかし、明るい高齢社会ってどういうことなんだろうか?いまいちわからない。)

 それにしてもこれから高齢者がふくれあがっていく状況で「長寿」の定義も変るのだろうか?今日の千昌夫の公演は午前1回、午後2回の合計3回ありましたが、これからますます高齢者が増え、そして歌謡ショーへの希望が減らないとすると、3回だけの公演では不足することが予想されるなあ・・・・。「長生きが当り前」時代に入っていることを考えると、長寿の祝い方も変ってくるのかもしれません。何しろ高齢者が社会の圧倒的多数になってしまうと、長寿を祝っている余裕すらなくなると思えるからです。

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2005年07月06日

次の定例会に向けて

 選挙が一段落したところで、次の議会に向けての準備をする時期となりました。まちの課題はいろいろあるのですが、やはり自分の関心のあるテーマに沿って質問内容を組みたてることになります。自分のテーマは何か?については、結局のところ議員になるきっかけ、原点に立ち戻ると明確になるのですが、私の場合には「市民自治」というのが全ての課題を考える上でベースになっています。

 次の定例会は9月です。昨年は自治基本条例の施行を受けて「市民との合意形成」について質問をしましたが、それから一年。やはり今度は、自治基本条例の施行から一年が経過してみて、どうだったのか?について質問する必要がありそうです。
 そもそも当初より、この条例の実効性を疑問視する声が少なくなかったわけですが、私は条例を制定する意味は十分に存在すると考えてきました。その運用方法こそが難しく、そして運用方法を工夫すること、制定した次には、自治基本条例に謳われていることをどのように実践するのかが問われていると感じます。条例に基いた自治推進委員会もその運営がなかなか難しいと聞いています。市民にも議会にも、そして行政にもこの条例を根づかせていくことが必要ですが、もちろんまだまだの段階です。

 「議員の皆さんもこの条例を実践されることに手を貸していただきたいと思います。」と市民の方から意見をいただきましたが、その通りだと思います。
 自治基本条例について行政にその実践を問うことと同時に、議会はどうなのか、そしてそこにいる議員一人ひとりはどうであるのかも問うことが必要でしょう。しかし後者はこれまたなかなか難しい問題ですし、こちらの方が乗り越えるのが困難だとも言えます。

 いずれにしても市長は「新しい公共」という考え方を打ち出しているわけで、これと自治基本条例は密接不可分な関係だと考えています。市長は自治基本条例を施行してから一年間、その実践にどのように取組んできたか、それをどのように評価しているのかも含めて、質問をまとめることが決まりました。(生活者ネットワークでは「一般質問対策会議」というのがあって、そこにおいて質問内容が決定します。)

 ところで、私は最近とても気になっていることがあるのですが、多摩市には「市民参画」と「市民協働」の定義がなくあいまいなままです。おそらく、職員に「市民協働ってどういうことですか?」と尋ねると三者三様の答えが返ってくると思います。少なくとも庁内では、共通の認識ができるようにしておくべきではないかと考えています。 

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2005年06月08日

NPOセンターの行方は?

一般質問の最終日でした。今回、私がとりあげたのは「市民協働」でしたが、主に多摩NPOセンターのあり方を問う質問をしました。

 NPOセンターの運営をめぐってはさまざまな経過をたどっているために一言で説明することは難しいのですが、もともと市民からの発案により取り入れたと言う「公設備・市民設立・市民運営」方式を続けていくのかどうかを含めを再度、そのあり方を市民とともに議論すべきだと思っています。
 特に私は受託団体の選考にあたって、公募市民を参加させなかったことは「市民設立」の部分を崩壊させたように感じています。現在のNPOセンターのあり方に即して考えても、多摩市オリジナルの概念として注目を集めてきたNPOセンターの理念ともいえる「公設備・市民設立・市民運営」を変更させるほうが相応しいと感じています。実態としては今は「公設民営」になっていると思うからです。
 「市民設立・市民運営」というならば、せめてNPOセンターの運営委員会のメンバーに多摩市在住の市民が参加している必要があると思うのですが、今回受託している団体が市に提出している書類を見たところ運営母体となる「運営諮問委員会」には多摩市在住市民が一人も入っていないのです。ここに私はどうも納得ができないのです。もちろん、アンケートや意見を聞く場はあるのかもしれませんが、直接に運営委員会のメンバーに参加できるのとできないのとではやはり大きな違いがあると感じています。
 
 とりあえずはいくつかの問題点や課題を指摘したので、あとはどのように行政が意見として受けとめ、受け入れて今後に生かしてくれるのかを待つのみです。いずれにしても市民が考え出したNPOセンター運営のあり方を変更、見直しするのならば、「再度市民に問う」ということが何よりも大切な手順の一つだと思っています。
 今回の受託団体変更の経過では「再度市民に問いなおす」という段階を踏まなかったことが最も大きな問題点だと感じています。行政職員だけで構成された選考委員会が受託先を決定してしまったことが非常に残念です。
 これについて市長は「時間がない中での特例的な判断」としていましたが、時間がないから仕方がないから受託団体の公募を急いだと言うのならば、その逆の特例的な判断もできるわけで、時間がないから仕方がないから受託団体の公募を一年延期するということもできたのかなあ・・・・と思うわけです。どちらにしても特例的な判断に該当するのならば、あとはどう選択するのかで市長の方向性も見えてきます。拙速に公募するかわりに時間的な余裕を確保し、市民に議論の時間を十分に取ってもらいたかった・・・というのが私の意見です。

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2005年05月31日

市民にとっての利便性では…

 千葉県市川市まで足を運びました。「市民(納税者)が選ぶ市民活動団体支援制度」について話しを聞くためです。この制度に共感し、参加してくれた市民の数については、掲げた目標には至らなかったと言え、まだまだ始まったばかりの制度です。今後どのように市民に浸透していくのかが楽しみな制度です。
 話しを聞いていて、いいことだなあと思ったのは、支援を受けたいとして名乗り出た団体と行政がともに協力し合いながら、制度のPR活動を行ったと言うことです。これは多摩市でも秋に開催される「TAMA CINEMA FORUM」のPR活動にも見られることですが、主要駅において職員とボランティアの市民がともにチラシの配布活動をする光景こそ「ともに進めるまちづくり」なんだと感じます。
 また、制度提案に至った背景には市長の強力なリーダーシップがあるようでした。先例のない取組みには腰が引けてしまい、他との足並みをそろえながらソツ無く仕事をするような自治体がまだまだ多いわけですが、やはり初めての試みに挑戦しようとする自治体の市長は腹がすわっているように感じます。この制度については、全国からも注目をされ問い合せもあるようですが、市川市周辺の自治体では‘様子見’の状況にあるやに聞いています。新しい試みには失敗がつきものだと言えるわけで、これから明らかにされるだろう課題があるのだと思います、いずれにしても成功、失敗問わず市長自らの責任において受け止める覚悟があるのだと考えます。

 ところで、市川市では多摩市の市民活動推進課に対応する部署として「ボランティア・NPO活動推進課」が存在するのですが、この部署は市役所の本庁から外れたところに存在しています。
 今日、つくづく思ったのですが、市民活動を推進していくような部署はなるべく市民が足を運びやすい雰囲気のところにあるべきです。多摩市の場合にはちょうど庁舎の2階にありますが、フロアの雰囲気的にも市民としては近づき難い感じがあります。市民活動というのはたわいのない会話の中にヒントやきっかけがあり生まれていくものとも言えますが、現在の市民活動推進課の場所では市民と行政、もしくは市民どうしの会話が生まれにくい空気に囲まれると言えます。これでは市民も気安く、気軽に足を運べるものではなく、また職員としても周囲に気兼ねをして市民との議論ができるようにもなっていないと思います。市民からの近づき難い「市民活動推進課」では市民協働には逆行してしまいます。

 神戸に行った時にも、市民協働の拠点として庁舎の最も眺めの良い最上階に「プラットホーム」が設けられていました。ここは市民も参加をしながら運営を行い、行政職員とともに来訪する市民の相談を受けたり、情報提供をしていました。市役所の中にありながら、ちょっと「お役所くささ」を脱した場所になっていました。 
 市川市の場合には本庁とは全く別のところに場所を構えており、職員6名体制で対応し、市民と行政の窓口的な役割を果たしているようです。職員の仕事はできるだけ多くの市民に接してつながりをつくることで、もちろん市民との‘おしゃべり’も重要な仕事のうちです。多摩市のように他の部署と同じフロアではなかなかその仕事をしにくいのも当然のことです。その意味からしても、私は多摩市の市民活動推進課もどこか別のところにお引越しできないものかと考えます。
 実は以前、市民活動推進については「男女平等・市民活動推進担当」ということで桜ヶ丘のヴィータの7階に担当が置かれてきた経緯もあり、市民活動推進課として組織を変え、場所を本庁に移動してからまだ2年ほどしかたっていませんが、ここでそろそろもう一歩衣替えをする必要があるのではないかと感じます。

 市民活動推進課の職員の方々は市民に出会うことに忙しすぎて、席についている暇がない!というくらいに出払っている状態がいいのかもしれません。昨日の市川市でも担当職員6名のうち、席にいたのは2名ほどでしたが、これまた2名とも市民からの電話対応をされていました。市民活動推進課が市民にとって、今以上に役立つ部署になるためには「場所」の問題を考えてみる必要性が大いにあると言えそうです。

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2005年05月25日

NPOで働く

 労働政策研究・研修機構が主催したフォーラム「NPOは雇用の場になり得るか?」に行きました。NPOの現状報告と今後の課題について研究者による基調講演と実際にNPOの現場で働く人たちを交えてのパネルディスカッションが行なわれました。フォーラムには行政、企業からの参加者がほとんどで、一般市民の参加は少なかったようです。ちょうどフォーラムが終わって帰ろうとしていたところ、偶然にも多摩市の担当職員の横顔を発見しました。声をかけそびれたわけですが、このようなフォーラムに市の担当者が参加しているということでは、意識の高さを感じます。うれしいことです。私としてはぜひ、フォーラムで聞いた話を庁内で共有してもらいたいと思います。

 特に行政に対する提案として重要な指摘がありました。それは適正な価格にてNPOに業務委託をすることということです。NPOへの業務委託と言えば、市民参加や市民協働の観点からしても非常に聞こえがいいのですが、実態は行政のスリム化の手段、いわば「安上がり行政」のためという傾向が強いです。多摩市においてもNPOとの協働で展開されている事業が置かれている状況は決して‘良’との評価はできません。経費削減の手段としてしか捉えようとしない発言をする人もいると聞きます。何のために協働をするのかについて、まずは市全体としても認識を統一していかねばならないと感じます。
 行政の業務委託ということについてはNPOに限らず「適正価格」がいつも問われるわけですが、とりわけNPOについては人件費部分を非常に安価に見積もられてしまう傾向が強いです。職員がやるかわりにNPOで行なうわけですから、やはりそれ相当の人件費を見るべきだというのが今日のパネラーの主張でした。職員給与とNPO従事者の給与の格差是正の問題だと思います。なぜNPOに任せるのか。それは人件費を安くするためではないのです。根本的にはルールに縛られすぎた行政、画一的にしかサービスを提供できない行政・・・・などなど行政の身動きの悪さを克服し、よりよい公共(公益的)サービスを提供しているのがNPOと言えるわけです。そこがもっと強調されなければならないということです。
 「自分の仕事のカワリ」という意識でNPOと向きあって欲しいとの発言がありました。つまり、そうなればそれ相当の人件費を見積もるべきということです。またNPOの組織運営を高めていくような部分での助成、人材育成の部分でも行政の支援が必要だとの指摘がありました。これらには私も同感です。
 ということで、ぜひとも市民活動推進課から今日のフォーラムの話を受けて庁内に発信をしてもらいたいと考えます。ところで、市民活動推進課の立場とは…市民の立場にたって推進していくのか、それとも行政の立場にたって推進していくのかで、随分と取組み方が異なってくると考えられますがもちろん前者であるべきなのは言うまでもありません。市民活動推進課が庁内に向けて、市民の立場からの発言をしてくれることを期待しています。 

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2005年05月24日

通告書のしめきり

 一般質問の通告書を提出しました。今回のテーマは「より行政と市民との協働をすすめるために」です。実は同じテーマで2003年6月定例会で質問をしているので‘より’とつけました。2年前と今と比較して、市長は市民協働を政策の柱に掲げながら進めてきているわけですが、一体どのくらい進んだのか、そしてそれに対する市長自身の評価も含めて質問できたらいいなと思っています。
 ところで今日、千葉県市川市が全国で初めての試み市民税の1%の使い道を市民が決める「市民活動団体支援制度」についてとり上げた番組がありました。番組の中でもいくつかの課題が示されていたものの、今までにはない税金をめぐる議論や、公共サービスに関わる議論などがされるぎっかけとしては面白い取組みだと感じています。今回の質問の中ではこの制度に対する市長の見解も聞いてみることにしました。

市川市ホームページから「市民活動団体支援制度」
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/net/siminsei/volunteer/nouzei.htm

 しかし、この支援制度のことについて、番組内でも報告があったように「予算を議決するのは議会」ということでせっかくの提案がボツにされてしまったところもあるとか。「…ナカナカ変っていくのが難しい。」のは市民以上に議会(議員)の意識なんだろうと思います。市川市ではどんな議論のもと、この支援制度が成立したのかには関心があります。来週の火曜日早速に視察に行く予定です。どんな話が聞けるのか楽しみです。

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2005年05月18日

市民の論理・行政の論理

 今日は午前中は都議選に向けての対策会議。告示日まであと37日なです。選挙も議員にとっては重要な政治活動のひとつかもしれませんが、6月議会の準備にウエイトを置かざるを得ません。一般質問の通告書締切日まであと1週間と迫っています。今回は「協働」がテーマです。NPO活動に携わってきた人に「協働」のあり方などヒアリングをしました。話を聞きながら、行政が行政の論理を市民に押しつけることは問題外ですが、市民自身が市民の論理を主張し続けても「協働」は成立しないことを改めて感じました。

 ところで、現在、ホームページの「おしらせ」がなぜか使用できません。半年ぐらいずっと使用できな状況で放置していたのですが、ここでどうしても宣伝したい多摩ニュータウン学会のシンポジウムがあるのでお知らせいたします。中沢新一さんのお話は一度は聞いてみたいと考えていたので楽しみです。「『環境』をキーワードに、過去から未来へ引き継いでいくもの、ニュータウンという都市環境でのライフスタイル、生き方について語っていただく予定」となっています。

■多摩ニュータウン学会2005年度公開シンポジウム

●日時:2005年5月22日(日) 13:30~16:00 (開場13:00)
●場所:ベネッセコーポレーション大会議室(多摩センター駅下車、徒歩5分
●内容:自然と歴史に学ぶニュータウンライフ
<第1部>基調講演 「縄文、里山、そしてニュータウン」 
       中沢新一さん・中央大学総合政策学部教授
<第2部>パネルディスカッション
パネリスト
      中沢新一さん(中央大学総合政策学部教授)
      祐乗坊進さん(造園コンサルタント、炭焼き遊び人)
      江尻京子さん(ごみ問題ジャーナリスト、東京・多摩リサイクル市民連邦事務局長)
コーディネーター
      吉川徹(首都大学東京都市環境学部助教授、本学会筆頭理事)
●参加方法:当日直接会場へお越しください
●資料代:300円(実費負担分として)
*多摩ニュータウン学会会員は必要ありません


 ニュータウン学会は市民・大学関係者・自治体関係者・企業関係者で構成されているわけですが、「ニュータウン」という共通のキーワードど課題でつながり、お互いに立場を理解し尊重しあいながら問題解決をしていく場の提供をしています。このようなシンポジウム開催の取組みが実は「協働」を洗練されたものへ高めていくのではないかと考えています。市民と行政との協働に研究者が加わる機会はそう多くはありません。その点でもニュータウン学会がもう少し知名度を上げ、関わる人が増えて欲しいなと思っている今日この頃です。

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2005年04月25日

自治推進委員会への注目度

 ひところに比べると自治基本条例制定の気運も少々下降気味かなと感じていますが、気運が下降しているというよりは、ただ単に「新鮮さ」がなくなってきただけの話で、自治基本条例やそれに準ずる条例の制定を目指している自治体は増えつつあります。
 今日、とある自治体の方々から多摩市の自治基本条例について話を聞きたいとの連絡があったので、約2時間ほど意見交換をしました。そのなかでズバリ、最も多摩市の条例の中で関心が高いものとしてあげられたのが「自治推進委員会」のことでした。単刀直入に「自治推進委員会ってどうですか?」と尋ねられたわけです。思わず返答に窮してしまい「さあ・・・どうでしょうね。」と言ってしまったのですが、自治推進委員会についてはその構成メンバーが市民案とは全く様変わりした理由を知りたかったようです。市民案では市民、議会、行政の三者会議を構想していたのですが、そのイメージはなかなか共有されにくいものでした。そもそも、自治推進委員会と議会との関係性をどう整理するのかが大きな論点になってきました。これについては自治体経営の観点から必要だと認識されつつある第三者的な評価機関の権能をどうしていくのかという課題と同様の難しさがあります。
 いずれにしても現段階で自治推進委員会は市長の諮問機関として位置付けられていること。そしてその機能をどうするのかは、進みながら考えていくしかないこと。3月議会のなかで明らかになったのは行政評価のあり方を考えてもらう(行財政再構築プランの評価も含めて)ことにしたこと。これが私の把握している状況なのですが、「自治推進委員会の機能」をどう明確化していくのかで模索していると言えると思います。
 市民的に見ればやはり「三者会議」であったということが画期的だったらしく、最終案に至るまでの議会での議論などを説明すると「最終的には市民案の構想がそのまま生かされず残念ですね・…と感想が述べられました。今のような自治推進委員会は「既存の市長の御用機関とそう変らなくなりましたね。」という印象を持たれたようです。とは言ってもその機関が御用機関になるだけ、お墨付き付与機関になるかどうかを決めるのは市長の姿勢にも関わるように思っています。
 もう少し「ざっくばらんに議論する」という雰囲気の運営になったらいいな…というのが初回だけ傍聴に行った私の感想ですが、もしかすると今はもう少し雰囲気もうち溶けているのかもしれません。

 自治基本条例を制定したいと考えている人たちの間では、実は「自治推進委員会」が密かに注目されているように思います。そのことを認識しつつ多摩市が先進的に取り組みを進めていけるといいなと感じます。

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2005年03月13日

「協働」のための協働

 PPT(PeaceProject@Tama)が主催したシンポジウムに行きました。「だって、楽しくしたいよね!Tama」をテーマに市民、企業、行政各立場から多摩の活性化について発言がありました。
 市民からはNPO法人多摩子ども劇場が多摩センター活性化事業の一環で行っている「ハロウィンin多摩」、そして‘まち’の一大イベントとも言えるTAMA映画フォーラム実行委員会の「映画祭」の事例報告もあり、企業や行政と連携を進めるときの苦労話なども聞くことができたわけですが何と言っても印象的だったのは「『協働』のための協働では意味がなく、協働して何をつくりたいのかが共有されてなければならない」という実感こもった言葉でした。
 
 とかく多摩市の財政難が強調され、今日もシンポジウムの途中で飛び入り?で行われた市長のあいさつの初っ端も多摩市の厳しい台所事情の解説から始まったわけですが、行財政の再構築を進めていく上でも「市民協働」がひとつの大きなキーワードになっています。それはそれで全く否定するものではなく、市民力を活用することの効果が期待される場合も多くあります。しかし「何をつくっていきたいのか」という目的共有が十分になされていないと全く悲惨な結果に陥るのです。

 得てして市民活動は資金不足、かたや行政のお題目は経費削減。この2つの利害が一致することで結果としては「経費削減のための市民協働」が生まれやすく、これは決していい状況とは言えません。市民としては少々無理をしても安価な請負をしてしまい、その結果として活動を苦しくしてしまう場合も少なくありません。特に「非営利」という市民活動は誤解される傾向が強く、「利益をあげない」活動と捉えている人がまだまだ多く存在します。議会での答弁を聞いていてもNPOに対する間違った認識があるなあと感ずることもあります。非営利活動というのは営利を目的としないのではありません。活動によって得た利益を次の活動に充当していくだけの話です。利益を株主への配当金にしないだけで、決して「利益をあげない」活動ではありません。だからこそ「市民‘事業’」と言われるのですが、そこがなかなか理解されず、市民が担えばコスト削減につながるだろうと思われがちです。
 今日の2つの事例でもほとんど市民がボランティアスタッフとして関わっていることがわかります。例えば「市民協働」をするための打ち合せのことを考えてみても、当然ながら職員は勤務中で人件費がかかっており、対する市民はタダという場合がほとんどです。つまり、市民協働というのは「市民の志」によって支えられているのです。NPOでもボランティアでも同じです。その「志」に対する理解不足があることで、単なる行政のコスト削減にしか思えないような協働事業が生み出される危惧を感じます。
 来年度の予算書から「協働費」という記載がされているわけですが、これも何のために記されているのかもいまいち不明です。やはり「協働の自己目的化」という傾向がどうしても拭えない…そう思っています。

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2005年02月27日

文庫展に行きました

 ベルブ永山で開催されている文庫展に足を運びました。今日の午後はギャラリーの絵本原画展に作品を寄せてくださった織茂恭子さんの講演会があったのですが、残念ながら時間に間に合わず参加できませんでした。
 文庫展は今回で第17回を迎えています。もちろん図書館の協力も得ながら実施されてきました。しかしながら補助金制度の見直しの中で、一旦はうちきられる補助金として該当し、市民力に委ねられるものとなりました。来年度は市民提案型まちづくり事業として補助金を得て実施できる予定になっていますが、公募型補助金は選考に通過してさえ継続して受けられるものではありません。市民力だけでやっていくとするならば、絵本原画展などもあわせて行うことは難しくなるのかもしれません。
この展示を見ながら、行政はこの文庫展をどう評価し、そして市民力に委ねていくとはいうものの、どのような観点で市民力を活用できると考えているのかなと思いました。というのは原画展を呼ぶためには少しのお金は必要だからです。
 文庫展に限らず、資力をどこまで市民に期待できるのかということから考えると、市民で負担出来る資力の範囲で同じことを継続するとしても規模、内容の縮小が問題になります。そのときに規模や内容が縮小されてもいいと判断するのかどうかの視点が欠かせないような気がします。他の事業で言うと、私は多摩シネマフォーラムがあげられると思っていますし、消費生活フォーラムや女と男がともに生きるフェスティバルなどでの市民への補助もそれに該当するとも考えています。
 行財政再構築の中で補助金の見直しの視点がいまいち不十分にしか説明されていないことを改めて感じてしまいました。

 明日は文庫展のおはなしの会に参加しようと考えています。地域文庫活動は私がやりたい活動のひとつだからです。私が小学生のころに絵本の地域で読み聞かせ活動をしてきた母の影響があるのかなあと思います。

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2005年02月15日

公設備・市民設立・市民運営

 NPOセンター受託団体公募選考会が開催されました。かねてからNPOセンターについては、より充実した運営を求める声も大きく、どのようにNPOセンターを活用しながら市民協働を進めるかは課題になってきたところです。
 多摩市のNPOセンターについては、「公設備・市民設立・市民運営」という設立経緯そのものが特徴の一つになっています。「公設民営」とサラリと言わないところが特色です。とは言え、いわゆるNPOの中間支援組織を独立採算でやっていくにはまだまだ難しいのが現状です。しかも、もともとお金のない市民活動に携わってきた人たちによって試行錯誤、さまざまな議論を積み重ねた上に設立されたのが多摩市のNPOセンターであり、まだまだ行政のバックアップが欠かせません。
 今までの運営については、設立当初からセンターの利用団体の代表により構成される「NPOセンター運営協議会」がとりおこなっており、行政も「NPOセンター管理運営委託」というかたちで財政支援等を行ってきました。
 しかし、NPOセンター設立から3年が過ぎたところで、やはりセンターのあり方について総括をしながら、次のステップへと向かうことになりました。というのは、センターの運営だけを目標として組織されていた「運営協議会」が衣替えし、「多摩NPO協会」という新たな団体になったのです。この衣替えについては、何度となくヒアリングをしても理解しにくい部分がありましたが、今日配布された資料を読み改めて確認できたのは運営協議会が「センター運営だけを行う組織から独自活動もおこなっていく」方針変更をしたということでした。

 さて、この方針変更により、新たな問題が生じました。というのは、市がNPOセンターの委託を「運営協議会」にしていた大きな理由には「センター運営だけを行う組織」という部分にありました。言ってみれば「運営協議会」そのものの存在意義に立脚し、これまでは委託をしてきたのです。もちろんこの存在意義はNPOセンター設立経緯にも裏付けられていたと思います。市民設立という部分を尊重しながら、行政とNPOセンターとの関係性が築かれてきたことは確かです。ところが組織の衣替えによって、行政が「運営協議会」に任せなければならない特別な理由が消滅してしまったのです。
 つまり新たに衣替えした「多摩NPO協会」の事業の一部にNPOセンターの管理運営受託があるということは、他にもNPOセンターの管理運営事業をしたいと考える団体と同等の扱いがされるようになったのです。そこで今日の選考会が開催されました。

 選考会には2団体の応募がありました。傍聴者も10数名ありました。審査員はNPOセンターを担当するくらしと文化部長と庁内に設置されている協働推進会議のメンバー課長4名という顔ぶれでした。各団体のプレゼンテーション20分のあと、10分間の質疑応答があり、あっというまに選考会が終わってしまいました。これで本当に審査できるのかと思わざるを得ませんでしたが、行政が主催する「選考会」を見ることが出来たのはよかったです。私自身は提案事項、事業計画とあわせて財政計画がないことに疑問でしたが、それについての質問は出ませんでした。市の財政援助だけで運営するつもりなのかどうかに私はもっとも関心あります。自主事業としてどのくらいの収入を見込んでいるのかとかも含めた財政計画は必要でなかったかと感じています。

 それにしても今回の応募団体について。もちろん現在運営を受託している「運営協議会」から衣替えした「多摩NPO協会」は手をあげていましたが、もう一つの団体は「多摩NPO協会」のメンバーであるところでした。外部の眼から見て、何となく複雑な思いがありました。「多摩NPO協会」のメンバーであるもう一つの団体は、協会にどのような関わり方をしてきたのかは知りたいところです。
 
 「公設備・市民設立・市民運営」というNPOセンターの特色は、ある意味で多種多様な活動を展開している団体のゆるやかなネットワークで組織されていた「運営協議会」があったからこそのものでした。ある一つの団体にNPOセンターを任せるとすると「公設民営」のほうが言葉としてはふさわしいように感じていますが、いずれにしてもNPOセンターがよりよく発展することを願うばかりです。

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2005年02月11日

総合計画の見直しに向けて

 昨年秋に開催された「市民討論会」の報告会がありました。第4次総合計画の改定に向けての市民参画の一環として、当初は行政が討論会の企画をする市民ボランティアを募りました。開催された討論会には92名の市民が参加しました。その際の討論会の記録集がまとまり、今日の報告会開催に結びつきました。
 報告会の参加者は、討論会の時の3分の1ほどで、少し寂しいものがありましたが、しかし今日が初参加という市民もいたことはうれしことでした。一人でも新しい参加者がいることが、このような取組みを続ける中では大切なことだと感じます。報告を受けた後、参加者どうしのちょっとした話合いもありましたが、「まちづくりを行政任せにするのではなく、自分たち自身でもできることをやっていく必要がある。」という認識は共有化されているように感じました。
 
 このような市民の自主的な取組みが進められる一方で、総合計画審議会での議論も行われます。現在進んでいる市民独自の取組みが、審議会の中でどのように活かされていくのかと気にする声が多数あがっています。「ぜひとも総合計画審議会の委員と一緒に、ディスカッションする場を設けてもらいたい」という意見も出ました。これは実現すると面白いなと思います。総合計画審議会にも公募市民5名が参加していますが、それだけで十分だと言わずに、もう少し多様な意見をとり入れる工夫をしてもいいような気がするからです。「一緒に考えてやっていくことこそが大事ではないか」という意見にはそのとおりだと思いました。
 ちなみに今日の報告会には総合計画審議会の学識経験者メンバーの先生も一名参加されていましたが、審議会の委員自身が積極的に市民主催の会に参加していくことも、ひとつの方法ではないかと思います。
 市民討論会をきっかけにして、市民の独自の取組みが継続していることを審議会でも意識しなければならないと思っています。

 来週の火曜日には第2回の総合計画審議会が開催されます。ちょうど帰宅したところ、速達便で資料が届けられていました。次回の審議会の内容は「多摩市の現状分析について」を予定しているようです。それにしても送付されてきた資料全部について事前にていねいに目を通すのは大変な作業です。通常の場合、会議では配布資料の説明がなされますが、それだけで審議会の時間が終わってしまわないかと思えるほどの資料の分量になっています。

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2005年02月03日

行政資料の提供は市民参画の推進のため

 神戸市役所に行きました。協働と参画のプラットホームに行くためです。ここは市民参画推進局の行政職員と市民スタッフにより運営されています。多摩市でも来年度から聖蹟桜ヶ丘ヴィータの7階にある情報ライブラリーのところに市民活動の情報センター的な機能を設置する予定になっていますが、市民主体の運営形態を目指しているようで、今の職員体制を考えても、例えば市民活動推進課のサテライトオフィス的に職員を配置することは難しいだろうと予想しています。本当は神戸市のプラットホームと同様に行政職員も張り付いていることが望ましいと思っていまが、そもそも市民活動の庁内組織における位置づけも「くらしと文化部」の一事業部門になっていることからして無理だろうと思っています。
 
 組織の問題ではないと考えられるかもしれませんが、やはり組織として神戸市のように「市民参画推進局」が存在することの意味は大きいと思います。市民活動支援課はその一部門ですが、情報提供や情報公開などの部門もここに位置づけられています。市民が参画するためには情報が欠かせないと言われます。自治基本条例で情報共有と市民参画が柱になっていることからもわかります。
 神戸市の場合には多摩市で言う行政資料室は「市政情報室」として市民参画推進局の「市民情報サービス課」に位置づけられていて、また広聴課、広報課もここに属します。市民相談室は市民情報サービス課です。情報公開はもちろん市政情報室にて手続きができます。「参画」のためのメニューがまとめられており、市民が利用しやすくなっているように感じます。

 情報公開、情報提供から参画への流れを「市民参画推進」として一つの局に集約することは市民協働を進めるための組織形態として多摩市でも一考に価すると思いました。確かに土日も利用できるとして行政資料室が図書館に移動し、利便性が高まったともいえるわけですが、資料に熟知している職員がいることの方が市民にとってはありがたい・・・・最近、そういう声をよく耳にします。
 情報入手の仕方や情報のありかについて、市民自身が的確に把握している状況になるにはまだ時間がかかると思います。まだ今の段階では行政職員のほうが資料探しなどが上手というのは言うまでもありません。そういうことから考えても、図書館にただ資料が置いてあるだけは不十分であり、行政資料の提供とはどういうことなのかを含めて、今一度考える時期に来ているのかもしれないと感じています。
 「ここにある」ということだけを説明するのでは、たぶん求められる「応答責任」には応えきれないと思うからです。

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2005年01月28日

「わからない」のに委員長?

 自治基本条例に定められた「自治推進委員会」の第1回目の会議が開催されました。どんな委員会になるのかが楽しみでもあり、傍聴に出かけました。傍聴者は6名でした。
 この自治推進委員会をどのように運営していくのかは未知数なところもあり、事務局である企画課でも頭を悩ませていたはずですが、しかし走りながら考え、改善しながら進めていく方式での会議の運営になることは予想していたところです。
 自治推進委員会の委員は公募市民2名(男女各1名)を含む6名でした。学識経験者委員2名は男性、市内で活動する団体推薦の2名は女性であり男女比はちょうどよくおさまっています。委員の委嘱状の交付があり、その後委員長、副委員長が決定されました。今回は規則どおり「地方自治に識見を有する者」から委員長が決定されました。条例の施行規則どおりです。私自身は予め、行政が決めた規則の中で委員長が学識経験者と決められていることに疑問があり、議会の場でも発言をしていたので、今回の決定にもいささか不満がありました。
 しかしながら、会議が進んだ最後の方では、委員長の決め方含め施行規則についてもぜひ委員会の中で点検してもらいたいとの事務局の説明があったので少しは納得しました。

 今回委員に選ばれた市民らも「一体、ここの委員会では何をすべきか」というところがまだはっきりと見えていないようでした。それは当然のことだと思います。まずはどうやってこの委員会を進めていくのかから話合いが始まるとともに、次第に議論が深まっていくのだと思いますし、そのように期待したいと思います。とは言え、識見を有する委員長が自ら「よくわからない」という発言をしたことには私は心底腹立たしさを感じました。委員長は会議運営上のただの司会者と言うわけではなく、やはり委員会を引っ張っていくための役割を果たしてもらいたいのですが、「よくわからないなあ・・・・・・」とため息模様で言われてしまうと、傍聴している者には不安です。

 これからどんな風に推進委員会が動いていくのだろうか…自分自身も委員会の進め方やあり方などを考えながら今後も傍聴を続けていきたいと思っています。

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2005年01月20日

市民提案型まちづくり事業補助金

 補助金交付システムの見直しがなされ、新たに設けられたのが「市民提案型まちづくり事業補助金」です。12月中に来年度交付にむけての事業募集があり、先週末にその選考会が行われました。当初は全部で19団体の応募がありましたが、2件は取り下げになり、17団体が公開プレゼンテーション形式の審査会に臨みました。公開審査だったので、当日見学をしたいと思っていましたが、都合がつかなかったので結果が気になっていましたが、今日ようやくその結果を聞いてきました。

 予め審査基準の中には「公益性に対する評価」について公益性が認められないと判断する審査員が3人以上いた場合には審査対象外にしたようで、17団体のうち3団体については最終的な順位が付されていませんでした。来年度は提案型の補助金としては総額で約1千万円ほどを予算計上する方向のようですが、たまたま今回の場合には、審査対象になった14団体すべてに補助金対応することが可能との話です。

 この補助金の見直しの中では、例えばこれまである意味では政策的な要素も一部認められてきたと考えられる「消費生活フォーラムに対する開催補助」や「女と男がともに生きるフェスティバルの市民持ちこみ企画補助」が提案型補助金にと移行されていたので、応募された事業企画にどんなものが出揃ったのか関心がありましたが、上記2つに関連する企画はありませんでした。非常に残念なことでもありますが、ある意味で募集がなかったと言うことから考えれば、「では、今まではどうだったのか。」という視点などから消費者行政、男女平等行政とそれに対する市民参加について総括をする必要があると思います。
 もちろん、今回の募集については応募期間との兼ね合いや準備する書類に対し要領を得ていなかったなどの理由から、応募しそびれたということも考えられるかもしれませんが、しかしながら、来年は「消費生活フォーラム」がなくなり、女と男がともに生きるフェスティバルへの市民参加が縮小されることにもつながっていくと言えるのです。やはりそれらへの評価はすべきと考えます。

 また、「市民提案型まちづくり事業補助金」の所管は企画部ですが、企画部は実際の事業屋さんではないので、選ばれた補助対象事業がそれぞれどこの所管部とマッチするものなのかを整理することが必要です。そして政策実現を担う一端としての補助対象事業として位置づけし直し、各事業のフォローアップ体制もあったほうがより一層の効果が期待できるはずです。このあたりについては、今後どのような展開がなされるかによって、庁内連携体制の在り方が明らかになってくると思います。
 審査の時期や審査方法など含め、初めての取り組みで見えてきた課題は少なくないようですが、個人的にはまずは補助金の透明性を高める取組みとして、この仕組みを動かしてみただけでも評価したいと考えています。そのくらい補助金問題とは改善したくとも、改善提案が出ていても遅々として進まなかった深刻な課題だったからです。

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2004年09月25日

市民まちづくりチャレンジ事業

 今年度200万の予算で計上されていた事業です。市民からまちづくりのための企画を募集し、公開コンペ方式で約5つの事業を選びだすという新たな試みです。
 私はこの事業の意義は理解していますし、これからのまちづくりの方向性としてはぜひとも必要なものだと考えています。しかしながら、この事業に充当されている悪しき補助金、何度も話題にしていますが失業対策の「緊急雇用対策創出」の都補助のために、事業の本来持つべき性格がゆがめられているという問題点があります。たまたま今年度は悪しき補助金が充当されたのかもしれませんが、なぜ、200万円を補助金充当ではなく予算計上できなかったのか、補助金を充当することによる弊害を認識すべきだと考えます。そこは行政の認識の甘さとして指摘したいと思います。
 今日のコンペの時にもそのことを強く感じました。失業者の雇用が要件になっているので、提案企画自体がわけもわからない雇用、雇用とは言えない雇用を無理矢理に創り出して企画書を書かざるを得なかった苦労がありました。

 さて、私は現在のところ、今までの通りに自分の思うままに自由な行動ができないというのが正直な状況です。今日の公開コンペは午後1時からスタートしましたが、進捗状況によってだいたい午後4時までには終了の予定かなという感じでした。けれども半分だけを見学して、帰宅しました。最後まで見ることができなかったので、最終的な結果がわからないのですが、初めての試みである公開コンペ方式での市民まちづくりチャレンジ事業は、今後に大きくつながるスタートをきれたのではないかと感じました。
 応募企画の提案は10提案ありました。1提案は今日のコンペに欠席していたので、9提案が順番に企画発表をしました。審査員は10名ですが、こちらも1人欠席(私は、なぜ?!・・・と思いましたが)でした。
 10の提案のうちで4つの提案は同じグループから出されていました。提案そのものは清掃、防犯、ゴミ、環境と異なるのですが、1団体で複数企画を提案できるかどうかは今後の課題かと思いました。
 傍聴者には提案内容の概要だけが配布されたので、各団体がどのように企画書を書いたのかを見ることができず、審査員が配布された企画書をもとに質問をしていても、見ている側にはいまいちよくわからない・・・という状況がありました。たとえば、こんな時にはプロジェクターを利用して、会場にいる人にも企画書を見られるようにする工夫があればと思いました。私は予め受付で企画書を見たいのですが・・・とお願いしてみたのですが、分量が多い(それはとても理解できる)とのことで「概要」の配布になったようでした。あとは、発表する時にはやっぱり壇が必要だと言うこと。傍聴者は後方にいるので、発表者側が見辛いいなと感じたので、ここも次回から工夫の余地があると感じました。
 また、これは今後の大きな課題だと思いますが、傍聴にきた人にも審査してもらうことがあると思います。ひとつの提案の関係者がドット来たり・・・など想定できたり、最初から最後まで見てくれるのか・・・ということもあるので、有効な手法を考える必要がありますが、今後に応募企画数が増え、第1次審査、第2次審査となった時、第1次審査が書類審査で第2次審査が公開コンペということであれば、審査委員だけでない人も第2次審査で加えて、‘客席審査’の点数も設けることもできそうです。

 いずれにしても最後まで見ていないが残念、結果までを含めて十分に「市民まちづくりチャレンジ事業」のことを伝えることが出来ませんが、初めての試みなのに10の応募があったことは喜ばしいことですし(なぜなら、それほどPRされているとも思わなかったから)、来年度からは市民活動への補助金全体の改革の一環で同様にコンペ方式が採用される方向で動いていますので、これからが楽しみだなと思って帰路についた次第です。
 
 企画の内容を聞きながら思ったことですが、「補助金」とは、または今回の事業に関しては「委託」方式になりますが、すべて財源が「税金」であるという基本認識が大切なんだと思いました。「公益性」が求められるのですが、その公益性が一体どのように展開されるのだろうか?ここをきちんと語れなければなりません。特に地域で活動をしているグループなどでは‘地域’と多摩市全体との間との関連性を見ていかねばならないことを感じました。
 また、事業の継続性という部分からの評価もかなり難しく、今回に限っては人件費があるが、次年度以降については人件費分はボランティアとしていく方向性のところが多いようにも感じました。これは、もちろん「失業者の雇用」という悪しき補助金の縛りあってのことですが、事業として継続してくためにふさわしい企画とは何ぞや?とも考えさせられたところです。「地域の互助」として、自分たちの労力を無償で提供して‘まち’を守るとはどういうことなのか・・・自分の中でももう一度考えてみたいなと思った部分です。

 各提案ともにどんな企画書が作成されていたのか見ることは出来ませんが、企画書作成についてや、プレゼンテーションの仕方などもアドバイス講座なんかがあってもいいなと感じましたし、特に、各審査委員からアドバイス的な質疑や指摘があったことを思うと、各団体での‘ふりかえり’みたいなこと、たとえばリベンジできる!という機会が一部に設けてあっても面白そうですし、いろいろとやりながら考えるところがたくさんあります。
 市民協働を進めていく上では、市民自身も自分たちの力を高めていく必要もあり、たくさんの提案がしのぎを削るようになれば(もちろん審査は大変だろうけれど)、まちづくりが面白くなっていきそうだと思います。まだまだ時間はかかると思いますが、成功と失敗を繰り返しながら、一喜一憂で進んでいくといいなと願っています。

 しかしながら、こういう公開コンペにしても、たとえば人がたくさん集まっている永山フェスティバル(今日も盛大にやっていました)のステージをちょこっと使用させてもらうとか、あとはNPOフォーラムを毎年開催していますが、そういう時とあわせて開催すれば、もう少し市民の間に広まっていくなあと思ったのです。

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2004年06月05日

条例提案にむけては

 ネットで取組んできた条例提案に向けての活動もいよいよ終盤戦です。ホームページでは今までの議論の経過を掲載するとともに、意見などを集める準備も整っています。
 当初は「移動サービス」という観点だけで、NPOやボランティアが担う移動困難者向けのサービスの充実を目指してスタートした条例提案活動でしたが、いろいろと市内の状況も見て、最終的な骨子が完成しました。一般質問でも採り上げたように、起伏の激しい地形を考えるとミニバスなど交通網をもう少し充実したいと言うことや、ルートなどの決定にもっと市民の声が反映するようになど盛りこむ予定です。特にルートについて言えば、もっと小回りがきくようにして、ミニバスの終了時刻も遅らすことができないものかとの意見があります。行く時は下り坂でも帰り道は上り坂…ミニバスならひと区間の170円運賃で、乗車するお勤め帰り客が見込めるところもありそうだと思っています。
 多摩市内を見まわすと、バス路線がかなり充実しているとは言うもの、それでも坂の上までバスが到着するわけではないので、それを考えてもバス事業者との話合いを進めながら、市民にとっても、そして事業者にとっても一番いい方向を見出すことが出来たらいいなと考えます。
 
 とかく多摩市にとっての「市民の足」の移動の問題は、今回の一般質問でも、私たちネットだけではなく、他にも、その深刻さを述べる議員さんもいました。今、置かれている状況を少しでも改善したいということ、しなければならないという認識は議会でも共通だと思います。その意味では市長の向いている方向と、議会の目指している方向は一致しているわけで、この問題を何とか先延ばしすることなく解決出来るようにと思います。問題の共有化が出来ているので、あとは他の政策とのバランスもはかりながら、財源の確保が最も頭の痛い部分になるでしょう。まちの活力の源は、元気な市民がいるからこそ。多摩市が目指す「協働」にも不可欠な要素です。

 条例提案の活動の最終的に目指すのは条例制定ですが、この活動を通じて、私自身ははじめてNPOの移動サービス問題だけでなく、多摩市全体の交通問題を考えられるようになりました。私の場合は市役所まではバスで行くこともありますが、駅へ行くのも徒歩ですぐという環境に置かれていて、駅まで自転車やバスで行く日常生活を身近な問題に感じられる機会が少なかったのが今まででした。どんなにか「公共交通網」が重要な生活のツールであるのか認識しました。
 また、今後の広報など通じて、より多くの市民の方から意見を寄せてもらえることを願っています。もちろん、議員提案というかたちで、議員が役割として市民のためのルールづくりをすることは出来ます。でも実は、積極的に市民が声をあげてくれること、その塊の大きさが市の全体を動かすには一番の近道なのです。

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2004年05月12日

国分寺市の市民参加は?

 あれこれフォーラムで「まちづくり条例」をテーマに学習会を開催しました。4月に東京ネットの学習会でもお招きした国分寺市の職員(鎌倉市から出向中)の松本さんから話を聞きました。私は2度目ということで、前よりも理解が深まったように思いました。
 この条例はいかに実効性を持たせるのか?・・・理念条例ではなく、具体的に義務規定などを設けながら、またそれに見合って規定違反が発生した時には罰則も課すという制度設計をする必要がありますが、一自治体としてどこまでの創意工夫ができるかが勝負だなと思います。
 「全ては市役所の覚悟」と言うように、やはり法律と条例の抵触問題は常に意識をしながらも自治体の立法権を生かすかたちとなるわけですが、「法律の範囲内」を意識しすぎれば条例の有効性が薄まってしまいます。地方分権時代とは言え、当然ですが、法律ありきで物事が動き、自治体の本来的に欠かせない自主権が認められているとは言い難い状況の中では条例制定範囲の設定がものすごく微妙であります。そのことをまたしても痛感させられた次第です。
 しかしながら、それぞれに自治体ごとに、このような出来るだけギリギリの枠一杯で自主裁量を生かせるような「まちづくり条例」を制定する事で、国の考え方も変えていくことが必要だとの松本さんの認識でした。私もそこには同感ですが、気が遠くなるような気長さが求められるような話。それでもやはり「自分たちのまちづくり」を標榜するのならば、市民とともに「自分たちのまち」の制度設計をしていく事は不可欠でしょう。

 条例は発展します。もちろん前例があれば見習いますが、どんどんと知恵や工夫を講じて、より実効性高いものへとレベルアップしていくのです。国分寺市の場合も他自治体の例を見ながら、自分たちのオリジナリティを加えていったとのことでした。
 多摩市は国分寺市などを追いかけるかたちになりますし、その意味では市民というよりはむしろ担当者の高いスキルが求められるのだと思いました。いろいろと他の自治体に学びながら、多摩市としてどうしていけばいいのか?を意識して考えていくのでしょう。

 ところで、私が今日の話でもっとも驚いた事ですが・・・・。なんと国分寺市では庁内の会議まで全て市民にオープンされているそうです。これには一瞬、今日の参加者から苦笑いもあり、驚嘆の声が。「これには一長一短ありますけれど」と松本さんはおっしゃっていましたが、それにしても市長をトップとした部長会議を市民が傍聴出来るとはかなり思いきった取組みです。おそらくこれは市長の決断でしょう。会議を公開しているから、透明性が高くて開かれている…と即断していいとは思いませんが、その意欲は大いに評価できます。
 なぜ、そのようなことが出来たのかについて、いずれ国分寺市民の方にヒアリングをしなくてはなりません。これが、今日一番の収穫でした。

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2004年05月02日

条例をつくるって?

多摩市で自治基本条例の制定にたどりつく過程でも、立法技術の難しさを感じました。そして思ったことは、本当に市民が求めるような条例、つまり市民立法をしていくことってできるんだろうか?と感じました。
 なぜなら、やはり条例を制定する時には法律を無視することはできないとからです。法治国家とは言われるものの、日常の中でいちいち法律を意識しながら生活しているわけではありませんが、法律があるから私たちの生活が守られていることは言うまでもありません。
 ところが、身近な生活の中から発見した課題解決のために、市民の自由な発想に基づいて条例をつくろうとすると、実は法律がとても壁になるように思います。一つの法律の解釈をめぐっても、大体は‘定説’みたいなものがあり、それにのっとるのが手っ取り早く、そして間違いがないと言えます。市民自身が持ち合せているユニークさ、地域地域ごとにそのユニークさは当然ながら変わってくるわけですが、それを純粋に生かすなんてことは現段階では不可能に近いなあと思っています。法の制約があることのプラスの面もありますが、法の存在が逆に障害になってしまう場合もあります。地方分権で地域が重視される時代にさしかかかり、特に法律と条例との関係性は変質していることは間違いありません。

 なぜ、私がこんなことを考えているかと言うと、ネットで取組んでいる「条例づくり」を抱えていることがあります。それからもう一つ、今日と明日にある授業で「条例づくり」をしてみようという課題が出ているからです。実は私は、授業の課題によって、冒頭に書いた自治基本条例の策定過程で感じた疑問は、まだまだ序の口であることを思い知りました。
 と言うのも、授業での課題は実際の法制技術が求められていて、「行政行為」を踏まえながら条例づくりに挑戦をしています。この「行政行為」というのが非常に微妙で難しいもので、深く考えさせられています。ただ単に理念的なものを謳う条例だけではなく、市民の自由に何らかの規制を設けるような条例を制定するとなれば、様々なケースを想定しながら、慎重にことば選びをする必要があり、順序立てもしていかなくてはなりません。その難しさを実感させられています。
 
 大学時代には憲法と民法しか履修しなかった私には実務的な技量を身につけることが課題です。そうでなければ本来の意味での議員の立法権を生かすことにつながらなりません。議員の立法権を生かすということは、ただ単に思いの丈を言葉に表現するだけでは不十分で、本当は行政の法制担当者同様の技術が求められることをのだとつくづく感じています。ここは条例などを読みこむときに認識不足のあまりに、ほとんど意識せずにきていたところなので、改めて「市民のルールとは何なのか?」という観点を持ち、例規集などを読んでみたい、むしろ読む必要があるなと考えさせられた次第です。
 自治体の条例制定権が拡大する中での地方議会の役割、そして議員が求められているスキルに追いつくためにすべきことは山積しています。そしてもう一方で、市民が議会や議員に求めるべきことについても、今までとは変わっていくのだと思っています。

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2004年02月29日

多摩・再始動宣言! PP@Tama

 みんなで少しずつ知恵にお金を出し合って、地域の若者をピースボートに乗せちゃおう!というプロジェクトがスタートして半年ほど経ちます。「多摩から世界へ!世界から多摩へ!」を合言葉にして、地域にある人のつながりを少しずつつなげながら、共感を得ながら、この運動を広げてきました。地元の企業の賛同もいただき、昨日のシンポジウムにて目標の派遣代表者の渡航額の補助分の100万円に到達しました。
 初めは中心で動いている、活躍中のスタッフ自身も「まゆつば」のところがありましたが、自分たちが動けば、きっと目標に近づけるし実現できるはず…と信じてきたことの力が花開いているのだと思います。「動けば変わる」そのことの実感を分かち合っているのではないか?と思っています。
 私はあまり全面的な協力ができないまま今日のシンポジウムを迎えた私でさえ、感慨を覚えたので、おそらくスタッフはそれ以上の感激を味わったはずです。これが地域の力で市民の力だと思いました。

 さて、シンポジウムは3つのセッションがあり、第一部では地域金融を市民力でつくりあげてしまった未来バンクの田中優さん(この方は、非常に多忙を極め、かつ有名な方です。現業は地方公務員!)とPPTの代表で数日前イラクから帰国したばかりのフォトジャーナリスト桃井和馬さんのトーク、そして聖蹟桜ヶ丘駅前のライブハウス「スタンドバイミー」のクーペさんとしほさんによる演奏、それから第2部として派遣代表者の湯澤さんを含む4人のみなさんによるパネルディスカッションでした。
 派遣代表者の選考会に参加できなかった私ははじめて湯澤さんにお会いしましたが、さすがに彼は事が起きても動じないような、肝が座っていて、おとなしいながらもしっかりと自分のことを主張できるような方だなと思いました。PPTのメンバーが彼を派遣代表者に選んだ理由がとてもよくわかりました。同時に今日のパネラーで招かれていた今泉りえさんは多摩育ちのミュージカル俳優さんですが、彼、彼女が話した「多摩市への思い」、多摩のニュータウン育ちの世代が「多摩市っていいところだ」という素直な言葉を聞いて参加者はそれぞれの胸に響いたのではないかと思いました。

 大妻多摩の会場はほぼ満員で、熱気あふれるものの、しかしアットホームなシンポジウムで、みんなが共に生きる…そういう意味では家族になれるというような雰囲気がありました。私は地域にはやっぱり「醤油をお隣の家に借りに行ける」人と人とのつながりがなくてはならないと思っています。それは今までのように住んでいるエリアだけに限定されるわけではなく、自分の身近なところに「助け合いネットワーク」が存在するということです。
 PPTのプロジェクトも目指すところは多摩というゆるやかに開いた地域で、自分たちの力を少しずつ持ち寄って、新しい’まちづくり’を目指す第一歩をつくりたいと考えています。新たなかたちでネットワークを作っているのです。考え方や価値観は全く異なるけれど、目標は共有している…これは今回であれば「一人の若者をピースボートに派遣しよう!」ということですが、ささいな目標かもしれないけれど、そこに結集した人たちは、見知らぬ人どうしであってもすぐに仲間になれることを感じました。だから「アットホーム」なシンポジウムになったのだと思います。

 明日から議会が始まります。「財政難」がものすごく強調され、何となく湿っぽくならざるを得ない今日この頃。PPTは打ち上げ花火のように「スカッと」する何かを私にくれた気がします。

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2004年02月25日

まちのルールを自分たちでつくる。

  東京ネットの議員研修で「条例づくり」プログラムが進められています。最終的にはその成果を議会での提案にしていくのが理想ですが、実際に条例を提案するにまで至るかどうかはまだ未定です。
 いくつかのテーマの中から多摩ネットでは「移動の権利」をどう保障するのかについてを考えてみようと選びました。既に桜ヶ丘と豊ヶ丘で市民のアンケート調査をし、それからケアマネージャーの方々のアンケートへの協力もあり、やっとニーズ調査の第一弾が終了したという段階です。
 今日はアンケート結果から見えてきたことにプラスして、実際の利用者、事業者なども含めてさらにどんなニーズが見出せるのかについてワークショップをしました。条例をつくる時にはその目的、対象、内容へと順番に絞りこんでいく必要があります。
 2つのチームに分かれてそれぞれの話合いを進めましたが、共通して出てきたのはやはり「気軽に利用できるサービス」が欲しいということです。
 タクシーは電話一本ですぐにかけつけてくれます。けれども車イスごと乗れる車輌を希望するには予約制です。これは民間事業者でもNPOの移送サービスでも同様です。つまり「思い立った時」の自分の欲求をかなえることはできないのです。またNPOの場合には保険の関係もあり、会員制をとっています。そのために「仲良しの友達と一緒に出かけたい。」とのケースの場合には対応に苦慮するそうです。つまりその友人が会員でなければ利用でいないのが原則だからです。

 さて、民間事業者にせよ、NPOしても事業者の共通点とは「採算が合わない」ということです。民間の福祉タクシーも来年度から市の助成がなくなるのに合わせて廃止の方向を打ち出したようです。そうなると今までは民間事業者かNPOかと選択ができたのに、選択肢が減ることになります。「選べる」ということが大事ですが、この問題はまた別として、とにかく採算をあわせることが非常に困難です。車輌や車イス昇降機などのメンテナンスなどにかかるお金は馬鹿になりません。NPO事業者の話では走れば走るほどに赤字になる・・・という厳しい現実と利用者への負担のバランス。やはり利用者にとっては料金も「気軽」に利用出来るかどうかの大事な指標になります。経費がかかるからとは言え、それに見合った利用料金を設定することはできないのが現実です。
…となれば、ここらへんに行政の果たす役割が見えてくることは確かです。

 特に多摩市の場合はエレベーターのない団地群が林立しています。高齢者が上階に住んでいる場合には階段を昇るのが億劫で外出控えをする…という傾向があります。ニュータウン建設時には想定しなかった大きな欠陥が現在の多摩市の大きな課題です。外出をしなくなることは、社会参加の機会も減るわけです。要するに「移動の権利」を保証するということは「介護予防」にもつながるということを強く認識すべきなのです。

 先に「予約制」のことについて触れましたが、なぜ「予約制」になるのか?という部分。それはやはりNPOでは特に事業者の体力がまだまだこれからも段階にあるからです。いつでもすぐの対応を可能にするためには手の空いている人員を確保する必要がありますが、人員確保=時間拘束=報酬の発生…と結びつくのです。ここまで報酬を出せるだけの余裕がないのが現実です。それからNPOのサービスの大きな特徴としてはさまざまな障害に対応をしているというところです。民間タクシー会社からは特に知的障害者にまできめこまやかに対応できないという意見があります。しかしNPOの場合には知的障害者、特に知的障害児の移送も行なっています。その場合には運転者との相性などもあるようで、マッチングに苦労する時もあるそうです。でもそこまで対応するのがNPOの良さです。NPOのサービスがかゆいところに手が届くサービスであることがよくわかります。

 とにかく一番いいのは担い手を増やすと言うことです。そのためには担い手となる事業者のみならず、人を育てていくことが必要です。車イス昇降機などは誰でもが簡単に扱えるわけではなく、きちんと講習が必要です。また、運転についても、利用者さんが心地よく移動出来るような配慮が必要です。でも現実を考えれば、採算が取れない事業であるために、なかなか担い手を増やしていくことができません。ここを行政はどう考えて解決出来るのか?という部分で条例は一定の役割を果たせるのかもしれません。
 とにかく担い手が増えるということは、利用者にとって選択肢が増えることにつながり、ここが一番大事なことだと思っています。実際に利用者の方々と話をして見えてきた現実の厳しさ、表面的にはわからないことを今日は学んだ気がします。

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2004年02月21日

自治基本条例をつくる市民たち。

 先月の三鷹市主催のフォーラムに続いて、今日は市民が開いた自治基本条例のシンポジウムに多摩市市民自治基本条例をつくる会に携わっていた一員として招かれ参加してきました。
 行政からの援助は一切なく、メンバーの年間1,000円という会費を元手に2年間運営してきたのが「自治基本条例をつくるみたか市民の会」です。三鷹市と言えば行政の取組みが全国的にも注目されてきましたが、特に市民参加の部分では「みたか市民プラン21会議」や有名です。行政と市民の会議がパートナーシップ協定を結んで、市の総合計画を策定してきた歴史があります。この「自治基本条例をつくるみたか市民の会」は総合計画の策定に関わった市民の有志が中心になっています。つまり「計画を作っても実行しなければ意味がない」わけで、市民自身が自発的に実行主体になっているのです。行政側から言われるわけではなく、総合計画に位置付けられた「自治基本条例の制定」を着実に進めるために市民で先鞭をつけてきたのです。市民プランの会から4年、そして「みたか市民の会」が結成されてから2年経過し、ようやく今日の市民案発表会とシンポジウムにたどり着いたというわけです。

 自治基本条例はどういう風に策定するべきか?ということについては私は各々の自治体のやり方があり、簡単に正解が導き出せるわけではありません。それは完成した条例についても同様です。今日も三鷹市の市民案についてのコメントを求められましたが、私自身は自治基本条例の条例文にあれこれと評価出来る立場でも、その能力も不足しています。ただ他の自治体の条例との比較の中で特徴は指摘できるものの、結局は「その自治体ごとに市民の顔が見える条例に仕上がったかどうか」が一番重要で、もともと‘自治’はどこまでも進化していくものだと考えているため、「市民案にぜひケチをつけてもらいたい!」との要望には応えきれなかったなと思っています。
 一緒にパネリストをやった学識経験者の方はさすがに法律との関係性や他の自治体条例との比較などを一歩も二歩も踏み込んでいたので、なるほどこれが素人と専門家の違いだなと思い、私も素人の域にとどまっているわけにはいかず、まだまだ勉強の積み重ねが必要だと再認識した次第です。
 いずれにしても三鷹市の市民案について、私自身が一番好感を持っているのは「職員一人一人」にも光が当たっていることです。多摩市の条例の場合には職員は「市の執行機関」という中に含まれていて、また、大体は市民、行政、議会という三者の括りの中で条例が作られていくわけですが、行政という言葉ではなく‘市長’‘職員’というかたちで条例文がつくられているのは特筆すべきことだと思っています。
 市民案なのに‘玄人’市民たちが作成したと見え、非常に整理された体裁を整えていて、これが市民案を作るだけで2年間もかけてきた成果なんだろうなと思いました。

 多摩市では明後日の月曜日の午後に総務常任委員会が開催されます。そこでかなりのところまで議論をしていこうという流れになっています。今日のシンポジウムに出て、私自身は自分が市民ワークショップに関わった時から今に至るまでの流れを整理できたのはとても良かったなと思います。同じく大和市のつくる会の代表の太田さんと席を並べ、発言者となったわけですが、現在進行形で行政といい関係を持続しながらバリバリ動いている市民の熱を思いだしました。多摩市の場合も市長が逮捕されて「仕切り直し」が迫られる前には同じような勢いがあったなと懐かしささえ覚えてしまいました。
 私は多摩市の自治基本条例案策定までの流れで、やはり強調したいことは「議会」での取組みです。まだまだ十分とは言えませんが、私自身は条例策定の流れを受けた「議会」は議員はどう動きをとっていくのか?ここに面白味があると考えています。

 自治基本条例をつくる市民たちは少数派。だけどそういう市民にも支えられて市民参加の行政の扉、間口が少しずつ広くなっていくということ、そして参加の輪も少しずつ大きくなっていくと思います。時間はかかることです。
 私はこういう場でいつもいう事があります。それは参加している自分や主張している自分に独り善がりにならないでほしいという事。それは積極的参加をしようとしない、または出来ない市民の自由をどこまでも認める寛容性を忘れないようにということです。これを忘れてしまった時「市民参画」の特権化が始まると思うからです。議員も同じです。自分の主張があたかも正しいと思いすぎれば「議員」の特権化が始まります。常に客観的に外から眺める視点を忘れないこと、一生懸命になり過ぎないことがいいのかもしれません。「世の中の正しいこと」の判断、選別って本当に難しいことなのです。

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2004年01月16日

自治基本条例がもうひとつの柱になるの?

 来週の月曜日に総務常任委員会があります。継続案件の自治基本条例の審議が本格的になります。今日はそのための打ち合せをしました。
 自治基本条例と行財政再構築プランが今後のまちづくりの大きな柱になっていくと市長の説明がありました。プランの中では「新しい公共」という言葉がキーワードになっています。これは‘公共’と捉えられてきた領域は行政が担うものと考えられる傾向が色濃かったのですが、これからはその領域を行政だけではなく、もっと多様な主体で協力をしながらつくりあげていくという意味で‘新しい’公共なのです。
 この新しい公共を創るためには「新たな支えあいの仕組みの構築」が必要だとしています。言葉で表現するのはとても簡単ですが、実は今までの仕組みがどうだったのか?という検証があまりなされていない感じです。
 私は新しい仕組みをつくる必要性は、何も財政状況が厳しくなってきたことで生じたのではなく、社会環境の変化や市民意識の変化とともに財政が豊かであったとしても変容が求められたと考えています。ところが行財政再構築とセットのようにして新しい仕組みの必要性が語られるているので、ここはしっくりと行かず不満です。
  先に、今までの仕組みがどうだったのか?についての検証が不十分の気がすると書いたのはここに大きな理由があります。というのは、自治基本条例案はさすがに行政が大幅な加筆修正をしただけに、かなり整理されたカッチリした中味だとは言えますが、「今までとどう変わるのか?」という道筋が見えにくいのです。
 特に私自身は自治推進機関の位置づけが最も重要だと考えていますが、これが現行法の中では「市長の諮問機関」としてしか位置づけることができないという悩ましい問題。これでは第三者機関としての色合いが激減します。市民案の中では市民、議会、行政という三者による円卓会議的な会議を想定していたのですが、学識経験者と公募市民による委員会と言うことでは、同じ「自治推進機関」という名称でも似て非なるものとしか言いようがありません。
 そもそも「新しい公共」の領域を誰がどうやって判断していくのか?行財政再構築プラン案の中では行政の守備範囲を見直す必要性が繰返し謳われているのですが、「一体誰が行政の守備範囲かどうか」を判断するのかについて、肝心部分に対する記述はなく、行政が担うもの、そして新しい仕組みの中で新たな主体が担うもの…という振分けについては行政主導でやっていくのかな?と考えられるようなイメージ図が掲載されているのも気になるところ。
 もちろん関係者に話は聞くのかもしれないけれど、それならば今までの行政のやりかたと何ら変わりなく、最終的な判断は行政にゆだねられてしまうということなのか…?
 新しい仕組みを構築していく…という中でやっぱり議会は蚊帳の外。ここに議会がどうやってかかわるべきなのか?月曜日はそこまで話が発展すればいいなあと思っています。

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2004年01月08日

どうやって情報共有を進めるのか?

 午前中からたまりに溜まったメールを整理しながら、今後の予定を眺めました。スケジュールに予定が入っていない…と言われているのですが、予定をいれても予定倒れになる可能性が高そうなので、未だに今月のスケジュールを公表できてきません。

 さて、今日は一日家にいて来週の全員協議会に向けて、改めて行財政診断白書や再構築プランの素案を見ていました。市民説明会にも行けずじまいなのですが、説明会にはわりと多くの人が集まっていると聞いています。現場に足を運ぶと、説明を聞きに来た市民の様子や説明する職員の応対などを直接感じることができます。それがとても大事なことと考えています。白書の説明会の時にはたったの3回だけでしたが、3回とも足を運べば、それぞれの場所での空気の違いがわかります。その違いを自分なりに分析するのは結構面白い事です。
 その意味で、今回は説明会の回数も多く、全部は無理かもしれないけれどできるだけ…と考えていたことに行動がついていかずに悔いが残ります。
 ところで市のホームページを見ると「白書に対する市民の意見が再構築プランにどうつながっているのか?」が掲載されていました。市民の意見は掲載されていたとしても、それに対する行政の反応がいまいち感じられない…という状況から少し前進したと思います。もちろんその行政の反応が納得いくかいかないかは別ですが、行政としての姿勢を明らかにしようとしている点では評価できます。
 
 実は情報を共有化していく作業はとても大変です。職員の立場を想像すると、正直「大変だろうな」と思っています。でも、その大変さが日常化すれば、おそらく大変なことではなくなるだろうと思っています。
時間がかかるからです。「市民参画の費用対効果」の観点からも、そこに生じる無駄遣いを指摘されることもあります。でも、私はそれを今、「無駄」と切り捨ててしまったら、何も変わらないと思っています。というのも「無駄」と判断するのは誰か?がちゃんと明らかにされていないからです。
 もしかすると掲載されていた市民の意見と行政の考え方…についても「どうして、こんなもの掲載するんだろう?」と感じる人もいると思います。私のように、こうやって載せてもらうとありがたいと思う人もいるでしょう。特に私は他の人の意見も知ることができるというメリットは大きいと考えています。つまり、私はここには「行政と市民」だけでなく「市民と市民」との共有も生まれていて、ここに注目をしています。「市民と市民をつなぐ」役割というとても大きな意味があるのです。
 どうやって情報共有していくのか?行政と市民との情報共有に力点が置きがちですが、その一歩先で、実は「市民」と「市民」の情報共有に行政、もしくは議会がどう関われるのかということがもっと大事になってくるなと考えています。いずれにしてもまだまだ色んなやり方を模索する時期であることは確かです。

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2003年11月23日

TAMA CINEMA FORUM~市民の手づくり映画祭

 束の間の休日として過ごせた一日だった気がします。多摩市の映画祭「TAMA映画フォーラム」へ出かけていきました。午後からの「スパイ・ゾルゲ」をどうしても観たかったのです。
 この映画祭の評判は市内にとどまらず、多摩市近郊から非常にたくさんの方が集ってきます。昨日も会場のやまばとホールは満席。私も立見席でした。もちろん通路に座っている人もあり。やまばとホールのにぎわい・・・とても不便なところに位置しているのに、こんなに人が集ってくるなんて!・・・と私は別の意味でも感激してしまいました。

 今年で13回目の映画祭ですが、多摩市からは毎年270万円の補助があります。もちろん緊縮財政とともに補助金も減っていく傾向です。しかしながら、補助金の規模が縮小していくに伴って、映画祭もこじんまりまとまっていくかと言えば、そうではありません。そこは市民力でカバーしているわけです。
 知人に話を聞いてみると、招致する映画を選ぶためには金に糸目をつけずに方々へと出かけていくわけです。そしてこの映画祭にはたくさんの協賛企業や協力企業も名前を連ねていますが、この営業に行くのも必至です。企業も文化活動への出資を控えがちな今日この頃。「多摩市の映画祭」の売込みにも一苦労です。・・・とこんな風にとかく映画好きの市民を中心にして毎年毎年、質の高いイベントになっていると思います。

 昨日、いただいたチラシの中に「21世紀の『まち』づくりをめざして<映画ををとおした新たな出会いとコミュニティづくり> TAMAからの発信」というメッセージが載せられていました。「『まち』があって『人』がいるのではなく、『人』がいて『まち』があるのだという原点を見据えながら」映画祭を創り上げていきたいという力強いメッセージでした。「映画を媒体とした『市民の広場』」という気持ちをしっかりとカタチにしている映画祭は多摩市の一大名物にもなっていると感じます。
 「みんなで創る映画祭」、まさに支えあいの中で開催できていることを感じます。たくさんの人と創っていきたいという思いに共感し、そして行動できるファンが増えていくことを願ってやみません。私も支援会員になろうと思います。  

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2003年10月13日

3年目のグラン多摩フェスタ

 悪天候の土砂降りの中、グラン多摩フェスタが開催されました。もともと地域で活動をし始めるきっかけが高齢者の社会参加を考える懇談会で、このお祭りを企画した時から私は手伝いをしてきました。昼間がふさがっているOLにとっては、市民活動をするのにハンディあることを痛感したものです。
 このお祭りは東京都からの補助金で成立しています。都と市で折半で補助金を出している事業の一つですが、そもそも東京都からの補助金がなければ、おそらくこのお祭りもライブハウス永山福祉亭も存在しなかったと思います。

 今年が期限付補助金(3年間)の最終年ということもあり、祭りの実行委員会に直接参加をしたわけではありませんが、手伝いをさせてもらいました。
 今までの2回は廃校利用によって開催してきました。それがあまりにも準備などの面で負担が大きかったこともあり、ようやく3年目の今年は一応場所だけはある…ということで永山公民館を使用することに決めました。永山フェスティバルの時と同様にグリナード永山の広場も使用し、にぎやかに最終年のグラン多摩フェスタをしよう…そして少しでも多くの人にこの祭りをPRし、そして祭りの意義を理解してもらおうと努めました。このお祭りには「人との交流世代を超えて」という副題がついています。これがコンセプトです。
 そしてもう一つ、このお祭りの実行委員の特徴は「お役所の縦割りは気にしない。」ということで動いてきました。役所の内部的には色々な手続きなど面倒なことがあるのかもしれませんが、市民にとっては職員はみんな同じ。イチイチ部や課を気にしていたら、時間がかかる。必要なところには足を運び、そして動いてもらえばいいだけの話…と取り組んできました。今までの2年間はそのやり方でとても上手くやってきました。

 なぜなら廃校には設備機器などもほとんどないので、今まで2回のお祭りの時には、特に永山公民館にお世話になってきた経緯があるからです。お祭り事態は所管が在宅福祉課ですが、廃校管理をしているのは教育委員会ということもあり、一度の祭りを開催するにあたっては色々な部署の協力を取り付けなければならなかった・…という事情がありました。それで2年間を乗り越えた結果…、それならばいっその事永山公民館を使用すれば、機材の運搬もしなくていいし、負担が軽減されるかも・…という話しになったわけです。そこで今回は、同じベルブ永山一体を使用してやる市民のお祭りとしては毎夏の永山フェスティバルと同じように見えるかもしれないという懸念もありながら、永山公民館の協力をとりつけて今年の1月から実行委員会を立ち上げて祭りを組み立ててきました。

 しかしながら…今日、話を聞いてビックリしたのは、何とお祭りの前日に全く準備させてもらえず(公民館の許可が下りず)、初日の昨日は集合が午前6時前だったとのこと。それを聞いて、驚かない人はいないと思います。普通に考えれば前日の準備があり、そして当日を迎えるはずです。それにも関わらず前日はほとんど何も準備できなかったなんて信じられない話です。縦割りの壁を象徴している出来事ではないかと私は感じます。全館貸し出すのは2日間かもしれないけれど、でもその前日に準備をする事は常識の範囲なのに、なぜそれができないのでしょうか?とても不思議な話です。
 そしてそのことを見てみぬフリをしているのか?それとも、その事態を把握していないのかどうかは知りませんが、部長クラスの人たちの一声があれば、何なく解決したに違いないと思います。

 今回のお祭りで、やたらと印象に残ったと言えば、市民が早朝5時50分に集合せざるを得なかったという事実。いかにして市民が気持ち良く活動する環境をつくるのか?それをサポートするのが職員のはずなのになあ…と思いました。

 さて、お祭りの中味も実は一回目に比べれば随分と変化を遂げて成長してきました。去年からは国士舘大学の学生も参加してくれています。国士舘大学の学生たちはとてもよく手伝ってくれます。国士舘大学と言うと体育会系のでっかい学生が多いという印象を持ちがちですが、実はそんなことないのです。学生たちも「こうやって、市民の人と話をしたりできるのは貴重な経験だ。」と話しています。そして実行委員会のメンバーも「若い人と話せることがとても楽しい。」と言います。

 これがまさにグラン多摩フェスタのコンセプトにぴったりです。このお祭りは補助金があるから成立したのでしょうか?お祭り自身はそうであったとしても、祭りの意義や精神は残しながら、高齢者が社会参加するきっかけづくりが次の展開へと進む事を願っています。

 この「きっかけづくり」についての集大成は…来年3月に開催するミュージカルです。できればこのミュージカルを成功させて次のステップに進めたい!市民はその意欲で取り組んでいるところです。

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2003年09月28日

やっぱり市民自治じゃなくちゃ!

  市民自治基本条例をつくる会の全体会に参加しました。行政素案の「自治基本条例」にはどうもシックリこない…というのがメンバー全体の総意です。
 「まずは、名前から変えられているんだもの。」とこだわるわけですが、行政の説明するように「地方自治の本旨」では‘団体自治’(国とは別の団体(地方公共団体)が国が認める範囲の中で自治権を持つ)と‘住民(市民)自治’(地方公共団体における自治は住民の意思に基づくものでなければならない)があるのでやはり名称としては「自治基本条例」の方がふさわしいのかもしれません。私自身は名称よりも中味で勝負だと考えていて、「市民自治基本条例」だと市民の自治ばかりが強調されてしまい不都合なら、名称については「自治基本条例」に変更することに歩みよりは可能かもしれないと思っています。
 
 それ以上に問題なのは考え方です。行政は説明の中で地方自治の本旨は‘団体自治’と‘住民自治’があいまって確立されると言うわけです。どちらかというと‘団体自治’のために‘住民自治’が欠かせないという流れです。
 でも、市民側は違います。‘住民自治’を抜きにして‘団体自治’は語れないという部分では行政とそう遠い認識ではなさそうですが、‘住民自治’の発展のために‘団体自治’があるという思考の流れがあります。
 この考えの流れの違いが、おそらく今回の条例素案と市民提言案とのかい離を生んでしまい、市民提言案を策定してきたつくる会のメンバーたちにものすごい違和感を感じさせる原因だと思っています。

 結局、今日の話合いの焦点も「そもそもの考え方」でした。条例の目的や基本原則も全く異なる条文でまとめられているという印象で、実際問題として「えっ・・・自分たちがやってきたことって一体なんだったの?」と思わざるを得ない状況。市民提言案を行政に提出してから、一年以上の間どんな話合いが行われ、最終の行政素案に至ったのか…その経過がわからない分ますます混乱しているわけです。
 もし、行政の検討過程を市民と共有するような工夫があれば…、せめて行政内部での検討会を傍聴させてもらえたならというのは後のお祭り。
 つくる会では9月にもパートナーシップ協定に基づく市長の対応について申し入れをしていますが、それについても回答がないことも少し不安に感じているのですが、とにかく一方的に行政素案をまとめてきた視点を説明するだけで「説明責任を果たした」と完了されては困るなと思っています。
 次回の全体会に庁内で行政素案をまとめた委員会の長(助役)、副委員長(収入役)と部長さんに出席してもらい、ざっくばらんに円卓会議を開きたいなと言う話しになりました。本当は委員会のメンバー全員に出席してもらいたいくらいですが、そうなると部長全員となり…これはちょっと非現実かなと思い、市民側としては‘遠慮して’3人の方々には…ぜひ…という話しでまとまりました。

 市民は対話型を臨んでいます。決して市民提言案を押し通そうとしているわけではありません。でも、納得をしたいと考えているのです。そのためには議論を積み重ねることが必要だと思います。行政側が今までのように‘対立型’であり、市民に対して‘要望型’との先入観を変えていく時期です。行政対市民という今までの壁を乗り越えるために、双方のエネルギーが必要であることを感じています。

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2003年09月24日

市民には継続性があるんだから。

 午前中は手をつなぐ親の会の懇談会に出席しました。昨年に引き続き2回目の試みです。全議員に呼びかけをし、会のメンバーとざっくばらんに意見交換しながら、ともに多摩市の障害児(者)福祉を考えようという目的で開かれます。
 昨年もそうでしたが、当事者の声を直接聞ける場所は本当に貴重ですし、特に今回も議員の半数13名が出席をしているというところで、私は議員が場の共有をしてることがとても有意義なことだと考えています。
 今回は行財政診断白書が話題になりましたが、「市にお願いに行くと、何でも白書を理由に『財源がないからすみません』みたいに話す前にシャッターをおろされてしまう感じ」という職員の応対がとても冷たいとの話しがありました。もちろん「ない袖は振れない」わけですが、そのことは既に市民も承知しています。「親たちも何をすべきなのか、行政に全てを頼るつもりはない(頼れる時代ではない)」と認識して今後の活動を展開しなければいけないと考えている立場ですが、それでも行政に頼らねばならない部分もあるわけです。詳しく何を要望したのかについて中味まで聞けませんでしたが、「お金がないからすみません」という返答はあまりにも簡単すぎます。

 支援費制度の使い勝手の悪さ、そして特に市内の作業所などは満員で、現在の中学生や高校生たちの将来を考えると行き先がなくて不安な状況、それから市内には障害者対応の学級や学童クラブが不足気味であり、そのために親が送迎をしなければならないことなど問題点が出されました。特に、「送迎」の時間帯は時間割によってまちまちで、しかも中途半端な昼下がりなので、働きたくても働けない状況も生まれているようです。私はこれは解消できるようにしたいなと思いました。NPOの移送サービスなどもありますが、支援費制度は学校に通っていると使えないそうで、親の負担も課題です。

 参加した議員がどんな感想を持ち帰ったのかはわかりませんが、今日の会の冒頭では議員が一人一人挨拶をしました。その中でみんな「ナマの声が直接聞けることはありがたい」と言っていました。もちろん私もそう思います。でも私は「聞くことはいくらでもできるし、今までもそうやってきたと思う。」と言いました。やっぱり聞いた後、どうしていくか?が問われています。
 ある意味でお金がないから・…と言い訳できないのが「障害者福祉」の分野だと思っていますが、必要なサービスに優先順位をつけていく中では、どうしても見直さなければならないところが出てくるように思います。そのときに私自身もきちんと現況を踏まえて判断ができるようにしておかなければなりません。当事者の意見に公平に耳を傾けたいものです。

 午後から中央大学の広岡守穂先生のゼミに顔を出しました。政策ゼミのPRに行きました。NPOの話になり、先生が言いました。「行政は担当者が変更するからいいわけだけど、NPOとか市民たちは継続して活動をしているんだよね。歴史があるんだよ。だから行政担当者は昔のことを知らなくて飄々としているんだよね。でも市民側は違うんだよ。行政と闘ってきた歴史をね、きちんと受け継いでいるんだからね。時には怨念みたいになっている部分もある。」
 なるほど、そうだなと思いました。行政は継続性がある…と言いますが、担当者が変わっても一見、仕事の上では継続しているかもしれないけれど、市民対担当者では新たに人間関係から作らねばならないわけです。行政と市民とが協働する時代には人間関係が最も大事です。市民の持つ継続性に行政側がどう対応していくのかが鍵だと感じます。
 
 午前中の懇談会でも平成11年に市にお願いし、議会でも採択された障害児の卒後対策に関する陳情について、行動が進んでいるようにも思えないし、次の一歩が全然見えなくて…という話がありました。現在に至るまでには、議員も入れ替わっているし、行政側も担当者が変わっているけれど、市民の置かれている状況は変わらないままです。この継続性をどのように受けとめるのか…これは私自身の課題でもあると感じました。

 そして今日は行政の「自治基本条例」の説明会でした。ほとんど顔見知りの人ばかり8名が参加していました。あまりの少なさに行政も残念だ…と感想を述べていました。行政だけでやろうとすれば人が少ないのは当然だと思います。市民が主催するからこそ、人づてに噂が広まり、人が集まるのです。そこが市民力と行政の力の大きな違いです。

 でも、正直私も説明会に行ってどっと疲れてしまいました…。

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2003年09月13日

私たちがつくった条例とは違う。

 市民自治基本条例をつくる会の一日合宿。朝10時に集合して17時まで、つくる会が作成した市民案と行政素案との比較を行いました。
 市民案が行政素案に反映されているかどうか?について、一項ずつ点検をしていきました。だいたい行政素案には反映されているな?と思えるところもあれば、一見反映されていそうだけれど、実は全然違う…と感じるところもあり、とりあえずは○、△、×という形で挙手をしました。
 
 根本から考え方が違うので判断するのが難しいという意見もありましたが、点検をしながら、自分たちの考えを辿っていく…ほぼ一年以上も経つと記憶が彼方に…なっている部分もあるので議論してきた経過などを思い出しながら進められました。
 面白いのは、大方受ける印象が同じようで、×と△に集中したり、○と△に集中したり…と傾向があったと思います。「本質が違う」と言う点では皆さん一致した考えを持っているようでした。
 
「団体自治を無理矢理入れこんで、こんなに市長とかの権限が前面に押し出されるようになった。」というように、行政素案はかなり行政組織に関わる部分が強化されています。
地方自治の本旨が「団体自治と住民自治」という行政の説明はもちろんよくわかるのですが、「住民自治があり、団体自治がある」なのか「団体自治があり、住民自治がある」なのか、どちらを起点にするのかで条例の作りかたが変わってくるのだと思います。同じことを言っているようですが、実は全く違ってくるのだと考えています。なので行政素案はとても官僚的というか、住民統制型自治基本条例の印象を受けるのではないでしょうか?

 「もともと目指すものが違うのに、いかにも市民協働で策定しました…と言われたくない!」という意見もありました。概して行政はこれまで市民参加は「アリバイづくり」と言われてきましたが、まさに今回もせっかくの市民協働がパートナーシップ協定で骨太にしたはずが、市長が交替して骨細になり、ついには骨抜きになった…・ということだと思います。私も「市民自治基本条例」と「自治基本条例」は似て非なるものだと考えているので、自治基本条例にするならば、それ相応の説明をしなければつくる会に集まった市民たちは納得できないと考えます。

 この条例については市民側のつくる会と行政側の策定委員会とも同じ担当者が事務局をしています。私は正直言って、市民側の言い分(最初からずっとつくる会を見守ってきてサポートしてきた立場で、どれだけ市民たちが労力を注いだかを知っている)と行政側の論理の両方を理解できてしまう担当者が板挟み状況にあることを気の毒に思っています。

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2003年08月07日

パブリックコメントの集め方

 多摩市の男女平等施策についてのヒアリングをしました。東京ネットで所属している女性部会での宿題です。女性部会では特にパート労働条例を提案しようとの目標を掲げて、調査活動などをすすめています。
 さて、多摩市には「女と男が共に生きる行動計画」があります。もともとは1984年に「婦人行動計画」が策定されましたが、これが第1次計画。第2次計画としての現在の行動計画は1994年に策定され、1999年にTAMA女性センターが開館し、その後2001年に改定されています。
 特にこの行動計画の中での取組み事項、いわゆる男女平等推進条例の制定が棚上げ状態にされてきましたが、今日のヒアリングでもやはり「策定する目途がたっていない。」との答えでした。その理由は、市民自治基本条例制定との関連で‘必然性’などを調整中との前置きはあったものの、条例があっても実効性がなければ無意味という市長の考えが強いようで、男女平等条例として個別条例を制定するつもりが、そもそも無さそうな口ぶりでした。
 条例の実効性を言う前に、行動計画の実効性を問うて欲しいと思いました。一応、行動計画の各項目に沿った形では年度ごとに進捗状況を管理し、今年も昨年度の進行具合をチェックした総括冊子が完成したみたいです。男女平等推進条例に関しての進捗(実績)は、行動計画がスタートした2001年度は「資料の収集に努めた」、2002年度は「資料の収集に努めた」、そして今年の予定としては「調査、研究」とのことです。
 「調査します」「研究します」というのは、通例、議会の答弁においては「やりません」「動きません」の意思表示だとされています。一体、この推進予定をどのように解釈すれば良いのでしょうか?2年間も資料収集に努めたというなら、その成果(どのような資料や情報収集をして、情報分類や整理をしたのか)を公表してもらおうと思います。そしてどんなメンバーで調査や研究が進んでいるのかについても関心があるので次回のヒアリングの質問事項に加えたいと思っています。

 ところで、プレス発表された「行財政診断白書」。一応、ヴィータ内の7階のエスカレーター前には交通マスタープラン中間報告に対するパブリックコメント募集のために机がおいてありました。その机に張り紙があり、「行財政診断白書については情報ライブラリーへ」という表示。さっそく情報ライブラリーへ行ってみましたが、白書はたった一冊、しかもひっそりと置いてあり、おまけに机にヒモでくくりつけられていて、移動させることも出来ず、机は狭いし、ゆっくりと目を通したくなる、通せるような環境に設置されてはいませんでした。まさに‘カタチ’だけのご意見募集ではないか?と思ってしまいました。
 本当に市民の意見が欲しいのなら、せめて3冊くらい用意してもらいたいし、机ももっと広々としてもらいたい。しかも、情報ライブラリーではなく、市の出張所の入り口など目立つ場所に置いてもらいたいと思いました。
 白書にはとても重要な事が書いてあると思います。時間をかけなければ内容を理解することもできないはずです。おまけに字は細かくて、小さいので「老眼には辛い」というのが市民の声でもあります。たくさんのデータなどがあるので、ちょっと市民には不親切かもしれませんが、字の小ささは諦めるとしても、本気で市民の意見が欲しいと思うなら、もう姿勢や意欲の見せ方を考え直した方がいいなと思いました。

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2003年08月02日

意外にきれいかも?・・・大栗川

  「大栗川水辺まつり」として、市民参加で大栗川の河川改修を考えようと活動をしているグループ主催のイベントがありました。より自然に近いかたちで…イメージとしては川遊びができた昔の‘川’を復活するような親水化を考えていこうというのがグループの考えている方向性です。私自身はスタッフとして手伝いをしました。

 今日のイベントについては予想外にも反響が大きく、スタッフも含め、大人と子ども合わせて総勢70名ほどの参加があったように思います。大栗川は東京都の管轄なので、都の職員も見に来ていました。面白いもので「多摩市の方はいらっしゃらないのでしょうか?」とお尋ねになっていたそうです。市の職員は一人も来ませんでした。こういう機会を捉えて市の職員が参加してくれることで、私は行政と市民との距離が近くなると考えています。
 今日のイベントはかなり「公益性」が高いと感じるのは私だけでしょうか?もちろん、市民が勝手にやっている…と考えることも可能ですが…。大栗川の護岸には石がないので、事前準備で多摩川の河原まで出かけ、わざわざ石拾いをしたり(これは、石に絵を描くため)、いかだレースをしましたが、その下見として予行練習をしたり…などなど、今日のイベントに至るまでの経過を聞くだけでも、私は頭が下がります。すべてボランティアです。
 思いがある市民が行動をする時のパワーは、はっきり言ってすごい・・・を改めて感じました。

 今日の注目ですが、本格的な川遊びに入る前、約30分くらいを使い、「川の清掃」をしました。私は、これが一番印象に残りました。すでに子どもたちの中には、ジャブジャブと川の中に入って遊びながらゴミ拾いするやんちゃ者もいました。でも、大人も子どももみんなで自分たちがこれから使用する川のゴミ(護岸も含む)を拾ってから、イベントがスタートするなんて、とても気がきいていると思いました。
 
 私は大栗川にしろ、乞田川にしろ「汚い川」と位置付けていました。夏場は独特の臭気を放つと感じてきたのですが、謀らずもいかだレース参加することになってしまい、シブシブ気味でいかだに乗りをしてみると、意外にも川底が見え、思ったよりも川の‘きれいさ’に出会うことが出来ました。それはちょっとだけうれしいことでした。


 さて今日は、各地域で夏祭りがあったようです。私のところにも諏訪2丁目の夏祭りの案内が届いたので、せっかくなので顔を出しました。私は8歳の時から多摩市に住んでいますが、正直、盆踊り大会みたいなイベントに積極的に参加をした経験はありません。いわゆる‘地域’とは全く関係なく暮してきたともいえるかもしれません…。
 議員はあちこちの地区の祭りに顔を出すものだと思われているのでしょう。「まあ、どうもありがとう。大変でしょう。これから永山の方にも行かれるんでしょう。」と言われました。「いや、私はここだけです。ご案内をいただいたので…、」と言うと、「えっ!そうなの。他には行かないの。」と面白い反応が返ってきました。
 ‘お客さま’という立場で地域の‘まつり’に参加するのは、どうも居心地が悪くて・…これが私の感想です。

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2003年08月01日

自治基本条例・・・杉並区の場合

杉並区では昨年、自治基本条例が成立し、この5月から施行されています。多摩市の市民ワークショップ形式(多摩市市民自治基本条例を「つくる会」)での市民自治基本条例の策定は何せ、新しい時代に市民と一緒にまちづくりをしていく手法として、全国からとても注目されてきました。一昨年前の秋に開催した「つくる会」が主催の中間報告会にも杉並区の職員の方はいらしたそうです。そのときには、とにかく会場の熱気や、関わっている市民たちの生き活きした様子、さらには職員のプロジェクトチームとの合同で行われたフォーラムという点で「非常にうらやましいなあ…でも杉並ではそこまでは出来ないな…」と思いを持たれたとの話でした。
 杉並区では懇談会形式で公募市民7名を含む全15名によって自治基本条例を策定してきました。行政側が資料を示しながら、メンバーとともに会議を進めたそうですが、「自治基本条例」というテーマはとても難しくて、なかなか議論が出来なかったといいます。杉並区でも懇談会主催で中間報告会を開催しながら、懇談会以外の市民からの意見もとり入れる工夫をしたそうです。だんだんと会を重ねるにつれて、最後の方になって、ようやく懇談会メンバーのまとまりが生まれてきたというような話をしていました。
 
 多摩市の場合は、初めから喧喧諤諤の議論が繰り広げられました。とにかく市民どうしで意見調整をして、途中からは職員のプロジェクトチームと合流し、何とか最終提言案にまでこぎつけたわけですが、その過程は本当に楽しくて、面白い作業でした。
 市民と行政…というと何となく壁がありそうで、行政職員側は「市民に何を言われるかわからない・・・。」と最初は構えもあったかもしれません。今まで、市民は行政に要望をするだけの存在(要望型市民)として捉えられてきました。でも今は、市民の在り方も随分と変化をしています。市民側も行政職員を怪訝な目で見つけてしまう…という部分は、当初はあったのかもしれません。でも行政職員とともに議論をする中で、それぞれ先入観を崩せたように思います。
 市民側は「行政職員と一緒に議論が出来てよかった。」という感想を口々に話しています。行政に話しても「暖簾に腕押し」ではないことがわかったからです。私はこういう経験の積み重ねが、新しい時代をつくる「市民と行政との協働」を前進させていくと考えています。
 
 さて、多摩市では突然の市長交替によって、市民自治基本条例の取組みが少しばかり慎重姿勢に変わってきました。杉並区の職員の方は、秋の中間報告会で出会った担当職員と市長が交替した以後にもう一度話しをした時の担当職員の様子は、同じ人物でないかのような、全くの「仕切り直し」されていたと語っていました。そのことが今回の市民提言案と行政素案の違いとなっているのかもしれません。

 杉並区の自治基本条例が議会でどのように審議されたのか、これに関心がありましたが、議会では2日間特別委員会(全議員参加)によって行政とのやりとりがなされ、議会側から一部修正案を提出し、条例が確定したといいます。
 行政側では「議員の責務」については、なかなか書きこめなかったけれど、議会からの提案で「区議会議員は、区民の信託にこたえ、区議会が前二条(区議会の役割と責務・情報公開や提供など)に規定する機能等を果たせるよう、誠実に職務遂行に努めなければならない。」ということを追加したそうです。また、条例も「自治基本条例」として区の憲法的存在ならば、条例の位置づけに「最高規範」と書きこむべきとされ、最終案には「最高規範」という言葉を加筆しました。
 行政提案だったあまりに、「議会だってやらなくくちゃ!」という雰囲気が高まり、保守系議員がかなり勉強を積み重ねていた…という話しも聞きました。

 自治基本条例を制定して、情報提供の仕方などにも少しずつ変化の兆しが見えてきたといいます。議会側も付帯決議をしていて、条例の周知徹底、最高規範である自治条例と既存条例との整合性を早急に図ること、そして自治基本条例は全く新たな自治立法の試みなので、施行後一定期間の施行状況等を見つつ、改正をするなどを区長に求めています。今後、これを制定した後でどのように進んでいくのかが大切、まさに制定することがスタートだという認識の現われでしょう。
 
 杉並区がお手本のひとつにした多摩市。でも、杉並区は今度は先輩格になります。議会での活発な議論を経て、最終的な条例制定へとつなげていきたいと思いました。

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2003年06月24日

時間をかけるのが「市民参画」

 第一小学校の建替え検討委員会がありました。3グループに分かれての検討してきた配置図を、とりあえずは一本化してみた図面に対する意見交換をしました。
 この会議には、現役で建築関係の仕事をなさっている方がいるので、専門的な観点からの意見も出されます。メンバーの意見を聞いているだけでも勉強になります。
 実は、この委員会では基本設計のためのコンセプトを確定しないままで配置図の検討をしてきました。だいたいの方向性としては地球環境に配慮した学校や地域開放型の学校にしていく…ところを加味しながら、配置図を考えていく…という方針で取組んできました。配置図の検討をしながら、コンセプトとしての‘ことば’も考えることになっています。何となくの大枠だけのコンセプトを持っただけで検討を進めてきたことが良かったのか、悪かったのか?という部分は別にして、やはりコンセプトを決めるために時間をかけることは重要な事だなと感じています。

 今日も学校を地域に開放をしていく…という部分について「一体、地域に開くってどんな風に開いていくのか?をもっと話し合うべき」との意見が出されました。一言で「地域に開放していきましょう」とは言うものの、個々の受け止め方により地域開放のイメージは異なるからです。
 今でも夜間や休日に「学校開放」、特に施設面(グランドとか体育館などを中心にして)での開放は行われています。検討委員会でも施設面での開放は、特別教室(図工室や音楽室など)も含めて開放することでは一致していると思います。でも、学校の地域開放は果たして「施設面」だけなのか?もっと学校教育そのものを地域にオープンにしていくのが新しい学校像で…一体それをどのように進めていくのか?そのことを含め、新しい校舎づくりの議論をする必要があるとのご意見です。

 私も施設開放と合わせて考えなければならない課題だと思います。ここには市としての考え方や校長先生を中心とした教職員の意識も大きく関係してくると思っています。地域が学校に関わることでのメリットはとても大きいはずです。先日も地域と学校との連携で教育を豊かにしていく事例を見てきたわけですが、地域の持っている教育力を学校の中でどのように生かすのかについて、やはりまだまだ今の段階では校長先生の裁量が強そうに思います。つまり校長先生の考え方により「開放」の在り方が左右されるわけです。私はこの在り方をまずは変える必要があると考えています。校長先生にしろ、教職員にしろ、ずっとその学校に関われる人はいないからです。
 学校にずっと関わりを持ち続けられるのは「地域」です。だからこそ「地域」にどんな受け皿を作っていくのか?一方で、地域で学校教育を支えていく実態をつくることも求められているように思います。私は学校の建替えの時がまさにタイミングだと見ています。
 地域の市民たちが校舎の設計から関わっていることも、ある意味では「開放」と言えるのかもしれません。先生と地域の市民たちが一緒のテーブルで議論することの意義は大きいと思います。

 「地域開放」という‘ことば’をどう肉づけするのかという問題。コンセプトづくりの段階からももちろん議論する必要はありました。でも、その部分については、建替え検討委員会ではなく、この委員会と同時並行的に別組織を立ち上げながら地域で考えていくことが必要(もちろん先生たちも含んで)との考えに落ち着きました。

 そして、早速行動することにしたのです。行動しようとリーダーシップをとれる人がいるってラッキーだと思います。というのも、何と2週間に一度ペースで行ってきた委員会でしたが、7月と8月は設計事務所と教育委員会の側でこれまでの検討経緯を踏まえながら、もう少しさまざまな案をつくりたいので時間が欲しいというわけです。もちろん・・・「私たちってまるで市民参加のアリバイづくり?」という疑問の声を洩らしていた人もいましたが、そこは、これまでの設計事務所や行政側との信頼関係もあり、一応「お任せ」にはしたのでした。
 つまりあと2ヶ月間、この時間を市民側としても有効に使うしかないわけで、「『地域開放』って何だろう?」ということをみんなで議論してみたいとの提案がされました。おそらく2ヶ月かけても結論が出るかどうかはわかりません。でも、地域で議論をするという経験が私はきっと後につながってくると思います。

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2003年06月19日

いい「協働」を進めて欲しい・・・

 第4次総合計画のなかに市民大学の構想があります。生涯学習の拠点になるような感じです。今日の文教常任委員会では、市民大学について市民懇談会からの最終報告書の説明がありました。
 去年、議員になって初めての6月市議会の補正予算で「市民大学」の存在を知りました。生涯学習プログラムといえば公民館もずいぶんと充実しているし、高齢者には寿大学などもあるわけで、またはそれぞれの担当部署でも様々な企画講座を実施しているのに、それ以上にまた「市民大学」をつくろうとしているなんて…と私は納得できなかった記憶があります。結局、予算は通過したので、去年10月から市民大学をどうやっていくかという構想について半年ほど話し合いを進めてきたようでした。
 私はこの最終報告書を否定するものではなく、市民自身が運営をする方向や市民が個々の持ち味を生かして講師をやるとか、市民主体でこの生涯学習拠点を創りあげようとするところは面白いなと感じます。
 
 でも、とっても納得できない点があるのです。というのも、報告書が完成するまでに半年かかっているとは言え、話し合いの回数は一ヶ月1度のペース。つまり、たったの5回だけで結論を出したというところに、ちょっと早過ぎないかと思ったわけです。(6回目は最終報告書の確認だからです。)例えば、都内や近隣地域でも同じような「市民大学」がある自治体もあります。そういう場所を見学したり、そして関わった人たちの話を聞きながら、多摩市市民大学の構想に生かすことが私は必要だと感じます。多摩市で初めて取組む事例でないからこそ、さまざまな自治体の取組み状況をみながら、オリジナルの大学づくりができるのではないかと考えるからです。
 行政側はこのような市民委員会の事務局として、わりに色々な資料収集やデータ作成をしてくれるのですが、私はそれだけを眺めていて、話合いをしても机上の空論に陥ってしまう面も多いのではないか?と感じて心配しています。

 自分自身が関わっているから・…と評価するわけではありませんが、多摩第一小学校の市民検討委員会の大きな特徴は「視察」をしていることです。私は2回ほどの視察に都合があわずに参加できていませんが、相模原市の新設校、所沢市などの学校に足を運びながら実際に「見て学ぶ」という部分も職員と市民が共有しているのです。
 
 今はインターネットでも多くの情報が入手できますが、やっぱり「百聞は一見に如かず」の部分も大事にしていくべきと考えます。ただ単に会議室で話し合いをするだけでなく、「いいもの」を創るために市民と職員が共に見聞を広めることもしてもらいたいなと思います。特に、最近、学校跡地等活用や子育て支援などについての市民懇談会を傍聴しても感じたことでした。変な言いかたですが‘いい’協働を進めて欲しいなと思います。

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2003年05月25日

走れば走るほど赤字

  NPO法人ハンディキャブゆづり葉の総会に出席しました。高齢者や障害者の移送のお手伝いをしています。総会終了後に利用者から直接話しを聞く懇談会もあり、とてもいい会合だったなと思います。
 移送サービスをめぐっては介護保険のサービスにいれるのかいれないのかとの問題がありました。ちょうど今年は介護保険の見直しの年だったので昨年一年ほどの間、多摩市でも検討がなされました。国の示す介護メニューの中に移送サービスが入れば、市も動きやすくなるのでしょうが、なかなか市単独で移送サービスをメニューに加えるのは財政的にも厳しいと試算しています。
 国の方では厚生労働省と国土交通省との争いです。厚生労働省ではもちろんメニューの中に移送サービスを入れたい方向、でも運輸局がなかなかうなづいてくれないのです。いわゆる「白タク」と関わってくるわけですが、民間事業者(おもにはタクシー会社とか)との調整の面で難しいのです。介護保険制度が始まり、タクシー会社も乗務員がヘルパーの免許を取得したり、大きめの車をそろえるなどの対応をしています。けれども今まで、市民グループがハンディキャブのサービスを地域で担ってきた歴史はとても長いのです。確かに一種の「白タク」には違いないかもしれないけれど、地域でのサービス需要があること、そして供給主体が見当たらないために国の役人も目をつぶってきたのが事実です。
 
 さて、多摩市でも行政が提供する移送サービスがありましたが、その時には必ず利用者が介助人を探す必要もあるのが一つの大きなハードルでした。ゆづり葉のサービスではその心配がないので気軽に利用できます。利用者の話しを聞いてみると、何となくプライヴァシーの問題があり、行き先について秘密にしておきたい場合もあるから、そんな時にはNPOなどのサービスを利用する方が気持ちが楽で安心だと言います。どんなに遅い時間まで残業をしていても、約束の時間に迎えに来てくれたことが、ものすごくうれしかったという話しを聞くと、ゆづり葉が利用者に対して喜ばれるサービスを提供していることを感じました。
 それより何より、ハンディキャブに出会ったことが世界を広げます。都心でのライブがあっても、コンサート会場までちゃんと迎えに来てくれるのが、これまでのようにタクシーを利用しなければならず、どんな乗務員になるかわからないという不安もかき消してくれます。一人で出かけることが出来るのは家族の負担も軽くします。「人に頼んだら申し訳ないな」とか「迷惑かけてしまうな」と思うこともありません。人(家族)に合わせなくて、自分の意思で動けるわけです。ハンディキャブサービスがいかに欠かせないかわかります。
 バリアフリーが進み、電車に乗ったりバスに乗ることも以前と比べれば、車イスの人にとって利用しやすく改善されて来たと言いますが、それでも一人で利用することには不安があるのが実態です。そう言えば昔は駅にもエレベーター、エスカレーターもなく駅員さんたちが数人がかりで車イスなど持ち上げていた光景に出会ったことがあります。これは当事者はとても恐いそうです。今、インターネットで調べれば駅がどんな具合なのか・・という情報もあり、出かけやすくなったとは言え、実際に現場に行かないとわからないこともまだまだ多いという話しを聞く事ができました。

 こんなに重宝されているゆづり葉の移送サービスですが、「走れば走るほどに赤字」です。これまでは10キロ300円でしたが、今年から10キロ500円にしました。利用者にとっては高くなったという感がありますが、それでも赤字が25万円ほど出るという試算をしています。利用者も増えて、順調そうに見え、そして今年からは市の移送サービスも受託していますが、サービスを提供すればするほど苦しい資金繰りを迫られると言うのは、まさにNPOの実態そのものです。それでもやめるわけにはいきません。もう少し利益が出るように事業展開を考えたいのはやまやまですが、まだ時間がかかりそうです。

 「ハンディキャブ」のことを知らない人がまだまだ多いから、もっと効果的に宣伝をしたいなと思っています。利用することでのメリットを知らせれば利用者も増えるはずだとの意見が懇談会でも出されました。利用者のみならずハンディキャブサービスの役割を理解した多くの人が賛助会員になることもサービスの安定供給につながります。考えようによっては、一回の宴会をパスすればいいんだなと思えば、このサービスがもっと地域に根ざすことができるわけです。ハンディキャブサービスのみならず、NPO活動を支えるのは市民だなと改めて感じました。

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2003年05月13日

第一小学校はどうなるの?

  一ヶ月ぶりに第一小学校の建替えワークショップに出席しました。前回はちょうど選挙真っ只中だったので、欠席した間に随分と議論が進んでいました。このワークショップは、とてもユニークな方々が揃っているなあと思います。メーリングリストも立ちあがっていて、時に意見交換がなされるわけですが(もちろんパソコンを使用されていない方の為にもMLのカレントスクラップが配布されます。)、大事な問題(本質)をそのまま放置することなく、みんなできちんと議論を共有しようという姿勢をつねに忘れず持っているところは、わりと‘まるく’治めようとして会議に活力がなくなることを防止して、いい傾向だと思っています。
 今は、校舎の教室の配置を考えているわけですが、例えばプールは必要かどうか、オープンルームにすべきかどうか、地域開放型のがっこうにすべきかどうか等についても、まだまだ議論の余地が残されています。プールは多摩中学校やアクアブルーや、近隣の小学校のプールを上手くやりくりしながら使用することができるのではないか?という意見、低学年用の小さめのプールを作り、高学年は多摩中と共用でいいのではないか、また「泳法」ということではなく「みんなで泳ぐ」という楽しみを教えるということではやっぱり学校にプールを併設すべきだという意見もあり、まだ結論が出ていません。ただプールをつくるなら、もちろん地域開放は当然というところでは一致しているようです。
 ところで多摩中のプールとの共用については、やはり小学生のサイズから見ると少し深めとのこと。小学校では今でも学年により水位を変更しているようで、中学校のプールとなるとやはり深すぎるのが現実です。それなら多摩中のプールを改造して可動式の床にすればいいのでは?という意見も出ましたが、プールの改造に2千万弱くらいかかると見た方がいいとのことです。またプールに上げ底を沈める方式にした場合もその取り扱いをどうするかは結構難題のようです。
 プールを作らないとしたら、小学校の授業では10時間くらいを水泳指導にというキマリがあるそうで、つまり6学年となれば60時間分と夏休みのプールの時間分だけ、どこか他の場所を確保することが必要です。アクアブルーは夏は混み合っているのなら、いっそのこと閑散期の冬に指導をすれば十分対応できるのではないか?という意見もありました。

 そしてもう一つですが、もしかしたら状況が変わるかもしれない・・・、どちらかといえば状況が変わったらうれしい・・・という事項がありました。それは「学童クラブ」の問題です。実は学童クラブを併設したいということは市民の意見にも多くありました。今、一ノ宮学童の分室が多摩中学校あるので、建替えた時に小学校の敷地内につくれば都合がいいというわけでした。
 ところが学童クラブを小学校と併設しないという方針が出され、今年度に多摩中学校のクラブハウスを改修し、そこを学童クラブとして使用する予定となりました。この3月の予算委員会でも9百万円の予算が認められています。でも、どういう風の吹きまわしなのか?事情なのか?今日の行政担当者の話では「もしかすると学童が併設になるかもしれないので・・・ちょっと頭にいれておいて下さい。でもまだ本決まりではありませんので、非常に申し訳ありませんが、次の回には確定していると思いますので、よろしくお願いします。」ということだったのです。
 思わず参加した人たちは戸惑いもありながら、でも否定するわけではなく、この行政の方向性には歓迎ムードが漂いました。まだ本決まりではないのですが、私たちのグループ(ワークショップは今、3つのグループに分かれて議論が進んでいます)でも、早速、学童クラブの設置場所を決めました。まったく、学校の校舎内に学童クラブそのものを入れこんでしまうというよりは、学童クラブという性格を考えた時、やはり家庭的な雰囲気があり、ちょっと落ち着けるのがいいということで、敷地内にあるけれど別棟にしました。
 昔のことを聞けば、いわゆる‘鍵っ子’が少なくて、学童に通っている生徒が肩身の狭い思いをした時代もあったとのことですが、今は両親共働き家庭も増えてきたし、これからはその方が増えてくる時代だと思います。学校に学童を併設することになれば、もちろん多摩市では初めてのことですが、例えば新しい在り方を考えていけるという可能性も広がり、学校と学童との連携体制がどうなっていくのか等楽しみだなあと思います。 
 でも、まだ本決まりではありません。できれば、学童クラブが学校と併設するモデルになれるようにと願っています。長期的な視野に立った時、改修工事よりも併設にした方がいいという選択もありだと思います。いづれにしても私たちは併設は大歓迎です。実は当初の方針を変えることになりますが、なぜ変更することにしたのかの説明をきちんと果たせばいいと思います。

 あとは全国の新しい学校校舎の流れとしてのオープンルーム形式、地域開放についても賛否両論です。これも議論をしたいなあと思っています。地域開放については、せっかく校舎を建設をする段階では「地域開放型にしよう」という方向性で考えたとしても、いざ校舎完成しても地域開放の必要性がなかった・・・という状況になったら意味がないとの意見も出ていて、「ハードだけでなくソフトも」と並行して視野にいれながらの議論が続いています。
 今後、どういう風にワークショップが展開していくのか楽しみです。

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2003年05月07日

自治ってなあに?

 川崎市民アカデミーの「川崎学Ⅱ」というタイトルの講座で多摩市の市民自治基本条例のことを話しました。この講座は「自治体の憲法・自治基本条例をつくろう!」というタイトルです。4月から7月までのスケジュールで毎週一回行われる講座です。基本条例を学ぶということで3つの事例を研究したようですが、杉並区、町田市、そして最後が今日の多摩市でした。
 川崎市民アカデミーというのはいわば‘市民大学’のことで生涯学習の拠点ですが、やはり川崎市!だけあって、財団法人、市の外郭団体により運営されています。何せ私も、行きの電車の中で川崎市の議会広報を見て予算規模が1兆を超えるというだけで、恐れ多く思い・・・そして川崎市に多摩市の事例がどう参考になっていくのか?・・・多摩市の事例から何を問題提起したらいいのかを急に悩んでしまいました。多摩市でも「市民大学構想」がありますが、そのことともリンクさせて考えながら楽しい乗車時間を過ごしました。
 さて、場所は生涯学習プラザで武蔵小杉にありました。建物内に入るともちろん、どちらかというと高齢者の方ばかりで、なるほど、若い人の参加出出来る時間に講座を設けることの難しさを目の当たりにしました。
 私も開口一番ですが、「自治体の憲法をつくろうとしているし、市民自治を考える機会にするのがこの講座と思うけれども、この時間に参加できる人ってどうしても限られてしまうのは残念です。」と述べました。みんなで創るのが市民自治だとすれば、昼間の時間にはなかなか参加困難な世代もあると思います。そのことはナンセンスだと感じたのです。第一に平日昼間に仕事をしている人はどうなるの?ということです。
 私は多摩市の事例としてやはり強調すべきワークショップ形式での市民案策定とパートナーシップ協定の意味や意義を話しました。結局条例の中味そのものは川崎の市民たちでつくるものなので、多摩でつくったものがそのまま当てはまるわけではなく、多摩市の事例発表とは言え条例文を解説しても無意味だと考えているからです。どんな議論を経て、今の‘かたち’に完成したかをかいつまんで話しました。
 わりと「新鮮で面白かったです。」という意見を聞くことが出来てよかったと思います。私が伝えたかったのは「自治ってなあに?」ということでした。実は「自治、、、、」とは言ってはみるものの、自治ってとても小難しくてわかりづらい言葉で、「子どもにわかりやすく‘自治’を説明するには・・・。」を個々人で考えるところから始まるといいたかったのでした。当然ながら、個々人によって自治の説明の仕方は違うと思うわけですが、私に限って言えば、最近は「自分の力、自分たちの力で‘暮らし’を守っていくこと」と理解しています。例えば警察の例を出します。警察は例えば違法駐車を取り締まるけど、これは自分たちで出来ないから警察というところにお願いして、お金を払ってやってもらっているんだよ・・・・ということです。
 私は自治基本条例の策定に関わった人たちが、そのことをどれだけみんなに広めていくのかが勝負だと思っています。もちろん多摩市でも同様です。
 なぜ今自治基本条例なのか?これを制定したらどうなるのか?などを含めて、まずは家族の中から理解者をつくり、そして広げていくことが、まずもって重要なプロセスであると考えています。例えば私の妹は全くこういうことに関心がないわけで、まずは妹に理解してもらえるように語れる自分になりたいと思うわけです。

 この講座は単なる学習講座だったので、タイトルの「自治基本条例をつくろう!」にとらわれすぎていて、途中ものすごく招かれ講師としては失態をみせてしまいました。途中で「この場で条例をつくるというわけではなく、ただ何となく参加してみた。」「面白そうだと思った。」という意識の人たちが、市民大学の単位の一つとして講座を選択していることに気づき、焦りました。そこから手法を変えて、「どうしてこの講座に参加をしたか?」ということで今日の受講者二十名ほどの方の意見を聞くことにしました。
 でも、そのことが成功した気がしました。何せ、二十人もの人がそれぞれの思いを話すのには時間もかかり、聞くほうも忍耐が要ります。多摩市のワークショップでもとにかく根気強さ、忍耐力の精神力が試されたと思っています。そしてそのことで市民自治の面白さや苦労を味わうこともできたとも考えます。今日の二十人二十色の意見も受講生がそれぞれの消化の仕方をしたのかな?と思うわけですが、これまで一緒にこの講座を受けている仲間同士で話合いをする機会を持たなかったという点ではちょっぴり貢献できたかなと思っています。
 私は自分の話の中での問題提起としては川崎くらい大きな規模だと‘自治の規模’ってどうなるのかな?ということが自分自身でもちょっと想像がつかないし、もしかすると区単位で自治基本条例的なモノが必要になるかもしれないということを言いました。そして私がいつも思うこと「自治基本条例となにか?」「なぜ策定するのか?」ということを誰がどこまで議論を深めたのか?ということについても指摘しました。
 この私の問いかけについて「条例とは何か?」というのは最初にして最後の解答なのかなあ・・・と意見をくださった方がいました。色んな形で民意を吸収する・・・そのルールをまとめておくということかもねえ・・・非常に私にとっての正答もない部分に答えてくださった方もいらっしゃいました。
 もちろんこの講座に参加された方の問題意識は高く、行政の透明性をはかりたいという思い、税金の使い方、生かし方を自分たちで考えたい、新しい時代を考えたいという積極的な意見がとても多く出されました。
 自治基本条例には色んなつくり方があります。多摩市では市民ワークショップがありました。川崎では既に職員が勉強会等をしているようで、実は次回の講義には職員からの「川崎市の検討状況」の発表があるようです。さて、この検討状況などを受けて、受講生たちがどう反応するのかな?というのは楽しみです。少なくとも一筋縄では行かなそうだな・・・・と思ったからです。
 これからの時代には『自治』の在り方が問われるのだと思います。多摩市があえて「市民自治」とつけたのは、これまでの自治というと「住民自治」と「団体自治」ということで語られてきたわけですが、まさに新しい時代の自治として認識、自覚するためだと考えています。
 
 多摩市の中の動きもまだまだこれからです。動きを創っていくのは一人一人の市民でしかありません。でもみんなに強要するものではありません。自主性をもって動いている人たちをまずは応援しながら、それこそ‘みんなで創るまち’を目指していくのだと考えています。

 自治は学ぶものではなく、実は自分たちでつくるもの。最近の私はこう考えています。そして自治の原則って何かな・・・と言われたら「差別しないこと」って答えています。的外れかもしれないけれど、今の私はみんなでやっていくことだからこそ「差別しない」が原則としか考えられないと思っているのです。

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2003年05月05日

NPOのお手伝い

 NPOはとにかく日々の運営資金をどうやって生み出すのか悩みの種です。今日は早起きしてガーデンシティに出展しているNPOのお手伝いをしました。朝7時から私を含め、10名ほどの人が集まり、10時の開店にあわせてシュウマイ作りをします。3日間連続でこの作業していますが、もちろん人件費はなく、すべて無償労働です。
 シュウマイはこのNPO「麻の葉」の名物で、春夏の多摩センター駅前でのイベントやグラン多摩フェスタなどでもつねに常連で出店しているので、作業はもう慣れたものです。私も言われた通りに玉ねぎを切ったり、しいたけを切り、皮につつんだりの作業を手伝いました。もちろん手作業です。シュウマイ皮に包む中味の量も一定です。ハカリ担当の人がいて、包み担当の人はスプーンで中身を皮にのせ、必ずハカリに乗せます。「OK」がでるまで、微調整します。すべて流れ作業的ですが、問屋制家内工業だわ・・・と思いながら楽しくシュウマイづくりをしました。
 このNPO「麻の葉」は鶴牧商店街でデイサービスをしています。市からの補助も年間60万円ほどもらっていますが、商店街という場所がら家賃がかなり高負担だときいています。NPOはボランティアの組織ではないので、いくらかの人件費は出しながら運営をしていくことが必要です。まったく人件費無しの働き方がNPOを支えている構図では非常によろしくないわけです。「麻の葉」の場合は、家賃を払うだけで大変で、人件費はほとんど出ないに等しいわけですが、それでも、地域の高齢者たちを支えるための拠点を維持することにみんなが一生懸命なわけです。関わっている人はもちろん女性中心ですが、どの人も生き生きしています。「あー大変・・・」と言いながらも、その大変さを楽しんでいる感じです。
 実はシュウマイを販売すると一体どのくらい資金の足しになるのかを聞いてみたのですが、一回(3日間)で12万円弱、でも材料費が半分くらいかかっているので賞味6万円ほどが利益です。あわせてフリーマーケットでも出店していますが、フリマの収益はそれほど大きくないはずなので、全部で10万円くらいがこの3日間の売上高になるのかなあと勝手に計算をしてみたのですが、いづれにせよ、「地域福祉の担い手」としてのNPOとして維持していくことがどんなに大変なのことかを目の当たりにしたわけです。私は今日一日、半ばボランティア的でお手伝いして、いい経験を得たわけですが、「これが3日間だからできるよね・・・」ともらすメンバーの声を聞いてみると、改めてすごいよな・・・と思います。3日間、自分の収入が欲しくて働くのではなく、地域のために働いていると言えるからです。
 NPOの時代といわれます。でも言葉だけがひとり歩きをしているのが現実です。NPOと行政の協働が本当に目指すべき姿だとすれば、行政側としてNPOをどう育てていくかというビジョンを持つ必要があるなとつくづく感じます。もちろん、行政から補助され続けるのではなくNPOは自立した運営を目指すのが究極の姿ですが、行政自身が、現状をどう捉え、そしてどうしていきたいかというビジョンを持たなければ、数多くのNPOが誕生したとしても(実際に多摩市はとても多い)全く有効に活用していけないという危惧があります。今の状況はNPOが空回りしているという気がしてなりません。
 頑張れば頑張るほど赤字になるというNPOの厳しい運営実態をNPOだけで解決するのではない仕組みをつくる必要がありそうです。

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2003年04月29日

デモクラシーへの挑戦!

 選挙の時に『デモクラシーへの論じ方』という本を読んでいました。たまたま書店で目につき、思わず購入してしまいました。そして私は「正解はないな!」と思いました。考え方が異なる二人の対話形式でそれぞれの価値観をぶつけ合うのですが、私はどちらの意見も理解出来るとうなづきながら読みました。結局私はこの二人の話し合いのプロセスがデモクラシーなんだと納得をしました。
 最近、まちづくりの手法でもワークショップ形式が多く用いられています。参加している人たちが、それぞれの意見を出し合いながら、ゆるやかに合意形成を図っていきます。ワークショップは結論よりもプロセスを重視します。いかにして結論を導き出すのか?という点では、参加した人たちがお互いを尊重しあうことを学ぶ形式のように思います。私はいくつかのワークショップに参加しながら、自分の思い通りに主張が通らないのが「民主主義」だと感じてきて、そこが面白さかなと思っています。

 ところで、私はこの本を読んでいたこともあり、「街角で、どれだけ多くの人が‘選挙期間’を話題にしてくれるのか?」ということを思いながら選挙カーに乗っていました。というのも、私のところには相変わらずの旧来型選挙にうんざりして、例えば選挙カーで名前連呼する意味や駅前でやかましく叫ぶことに対する意見が数人から届いたからでした。そういう意味では、まだこの‘古典’的手法をしなければ票が集まらないという事実を直視しながらも、私自身も騒音を撒き散らしたりする‘迷惑’型選挙期間から脱皮したいと考えてきました。
 実際問題として悩ましいのは、名前を覚えてもらうのに最適な手法、掲示板と選挙広報だけでいいのかと言えば、たぶんそれだけでは十分ではない・・・でも、騒がしくすればするほどに、市民が選挙に覚めてしまうことも事実・・・とこんな葛藤の中で今の選挙は進められているようです。だからこそ、私はみんなが選挙期間の騒がしさを話題にしながら、新しい選挙手法へのヒントを見つけ出すことをしてもらいたいと考えてきました。街角で「選挙って本当に迷惑よね!」という投げかけから、次にどんな会話が続いていくのでしょうか?私はその中から編み出されるものに期待をしています。
 なぜなら、私も候補者になる前には‘迷惑’型選挙に覚めきっていた一人でしたが、実際に渦中に置かれてみれば、自分自身も旧来型にどっぷりつかるしかないと覚悟したからでした。選挙では、まず顔と名前を一致して覚えてもらうことが必要です。もし、旧来型でないとしたらと方法を考えると、なかなか名案が浮かばないのです。そして、‘選挙’があることを認知してもらうための方法も考えなくてはなりません。
 選挙のつくりかたそのもの、選挙期間の活動方法を含めて、やはり市民が望むような在り方を目指していくことが大事だと思っています。選挙は候補者のためにあるのではなく、市民のためにあるわけで、今、例えば首長選挙では公開討論会等も行なわれていますが、市民のニーズに応じて‘選挙’を市民のものへと変えていく努力をしたいと思っています。そのことが政治を市民のものへと変えていくことへとつながっていくようにも思います。
 やればやるほどに、市民の眼が冷え切ってしまうという現実があるとするならば、今の選挙手法は変えなければなりません。でも、どうやって変えていくことがいいかについての答えを持っているのは市民です。旧来型手法のままを良しとする考え方もあるでしょう。その意味では、まずはどうする方がいいのか?どうして欲しいか?・・・例えば、候補者について、どういう情報が欲しいのか?も含めて、もっともっと市民が主体的に発信していくことも必要だと思います。
 今まで考えてみれば、そのような議論があまりされていないように思います。そのことが「選挙の時だけ都合のいい事ばかり口にして!」・・・選挙離れ、政治離れの原因にもなっているのかもしれません。デモクラシーにはやっぱり議論が必要です。

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2003年02月18日

みんなでつくる、みんなの学校づくり

  第一小学校の建替えワークショップもリニューアル。今日からは基本設計の素案づくりのため、市民ワークショップではなく全体検討委員会になりました。小学校の先生、PTA、市民が一緒になり、今後話し合いがスタートします。今日は第一回目で顔合わせ、そして前提条件の確認などが行なわれました。
 行政はあくまでも裏方に徹するのが望ましく、これから全体検討委員会の中で議論がなされカタチが決まっていくわけですが、今日は一回目ということもあり、かなりの行政主導で進められました。それに危機感をちょっぴり抱いたためか、委員会メンバーが『行政色』を感じ、活発な意見交換が出来た気がします。というのも建替えの前提条件として提示された書類には基本的な方針や諸条件があげられていました。
 実は今後のスケジュールの確認では、まず始めに委員会では学校のコンセプトを作ることになっていました。つまり、コンセプトを議論している中で方針が決定されていくはずなのに、最初から7つの方針を示すことはおかしいという意見や給食はセンター方式、施設の複合化は無し、特別教室の内訳が10教室と決められているなどあまり説明なき行政側からの提示が「縛り」であるという指摘がありました。
 私もそれには同感でした。これから話し合いをしようとしているのに、細かな前提条件が決められていて、これでは今までとは違った新しい学校を創っていけるのかと少々不安に感じたからでした。特に「行政が示した諸条件について、こうしなければならないという理由が知りたい」と発言には拍手でした。
 行政は第一小学校の建替えは施設の老朽化対策と児童数増加に対応するためとしています。そして多摩市で最後に建設されたのは大松台小学校ですが、それ以来12年ほど経過しているので、既に過去の学校は古きスタイル、「新しい時代にふさわしい、新しい教育」の動きにもマッチした建築計画をしていきたいそうです。教育の中身が変わるなら、器である学校施設の在り様も変化するという認識には、心強く思います。「あたらしい学校づくりはどうあるべきか」の議論を十分行なうことが、多摩市としてのモデルにもなっていくはずだと確信している行政側の態度には市民も元気づけられるし、やる気が出てきます。
 いかんせん専門知識も無いので、私自身は基本設計の素案づくりにどれほどお手伝いできるのかいささか不明ですが、何はともあれ、市民が議論をしながら作り上げていく、立ち上げていく過程に関われることが楽しみです。今日は自らが建設会社で勤務して環境に関わる仕事をしている方が出席されていましたが、彼は市民ワークショップなどで出された太陽光パネルの設置については費用対効果を指摘していました。設置するならきちんと二酸化炭素の削減目標を持つことが必要だと言うのです。ただ単に設置して終わりにならないようにすべきだという視点も加わり、それに対しては環境教育の観点も忘れないようにしたいという意見も出されました。このような活発な意見交換で進んでいる渦中にいて思うのは、市民同士での話し合いがやっぱり大事ということです。
 学校は建設されれば何十年もそのまま引き継がれていくわけです。それを思うと、この学校づくりに関われることがどんなに楽しみで夢があって、やりがいのあることかとワクワクしてしまいます。こんなワクワク感があるからこそ続けられるのだと思います。

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2003年02月08日

特色のある学校のつくりかた

乞田、愛宕、和田、落川の地域の人たちが中心で活動をしているKAWOの会のシンポジウムに参加しました。ベルブ永山の多目的ホールでしたが、今日は色々な企画が重なった日で、ベルブ永山での催しを見ても他にも覗いてみたいものがありました。つまみ食いのようにちょこちょこの参加だと、結局最後に何も残らない感じがするので、私はいつもどの催しに参加をするか迷ってしまいます。迷うくらい選択肢がたくさんあることはうれしいことです。でも一方でいわゆる「参加者」が分散してしまうことも事実です。
 多摩市は市民の活動などがさかんですが、いまいちまとまりがなく、どちらかというと同じ顔の人が何足ものわらじを履いて走っている感じだからです。いろんな企画講座を通じて、「新参者」を発掘することが大事なことかと思うわけですが、なかなか難しいことで、大きな課題だと感じています。
 さてシンポジウムですが「学校と地域コミュニティの連携」というテーマでユニークなパネリストたちがご自身の体験談をご披露してくれました。
 まずは幕張ベイタウンの土堤内さん。幕張の打瀬小学校のことは以前からも噂で聞いたことがありましたが、実際にどんな風に地域と関わりながら動いているかという事例をお話してもらいました。同じニュータウンでありながら、さすがに過去のニュータウンの失敗を踏まえて出来あがっている街のようです。団地一棟の中に分譲部分と10%の賃貸部分が混在しているので、多摩市のように分譲団地と賃貸団地でくっきり分かれず、コミュニティ形成が上手い具合にいくのです。賃貸団地では本当にコミュニティ意識が希薄な多摩とは大違いです。ベイタウンでは学校を核にした‘まちづくり’が進められています。例えば小学校での催しなどは全戸にそのお知らせが届くそうです。つまり子どもが小学校に通っているかどうかは関係なく、行事に参加したい人は参加出来る仕組みがあります。ところで、ベイタウンの打瀬小学校や中学校自身にも特徴がありますが、やはり校長先生の意向がものすごく大きく左右すると思いました。土堤内さんも校長先生の意気込みには感激している様子でしたが、校長先生のリーダーシップの大きさを話しの端々から感じました。地域へのバリアフリー化を徹底的に進めている学校、ハード面での垣根がないだけではなく、その教育内容もしっかりと地域開放され、充実しているところ、地域住民とともにさせてきたところに幕張ベイタウンの成功があるように思いました。
 次は府中の日新小学校の事例でした。「日新カモミール」というもと日新小の先生が中心となって結成した親子での活動広場の報告です。これを立ち上げた張本人の遠藤先生は既に転勤となっていますが、転勤ごもこの活動が続いていることがとてもうれしいと話していました。上手く父母にバトンタッチできたことが大きな成果だといいます。子どもだけでなく大人も楽しめるようなこと、それは自然を活用しながら体験型での活動です。農作業を中心にして毎月活動をしています。楽しさ、自然環境、やりがいやいきがい、この指とまれ、脱イベント、自立の5つをキーワードにしています。週休2日制になったことで保護者が学校に来て子どもと一緒に活動でき、そこに先生もいた貴重な土曜日の時間がなくなってしまったと言います。先生は「学校教育は法で細かいところまで決まっているけれども社会教育にはマニュアルがない」とおっしゃっていました。この言葉に私はエラク感動してしまいました。この事例で物語っているのはキーパーソンがいなくなっても活動を続けていけるのは、やはりコミュニケーションがしっかりと積み重なっていることと、何よりも学校を中心にすることで地域の理解が得られやすいということです。「学校」を使えるわけで、その活動への信用があるからです。親子の活動の拠点としての学校施設はやはり魅力的です。
 その後、毎度おなじみの大妻女子大の炭谷さんより週休二日制導入と親子の意識変化の調査の経過を聞き、日常の学校活動に親が参加していることが学校教育への親の安心感につながることという分析結果を聞きました。それから第一小学校の建替えワークショップの探検隊の事例、多摩市でも地域と学校が連携することを模索しているという動きの発表もありました。発表者の探検隊リーダー安達さんが「ハードは充実してもどうやってソフトをつくるのかが課題」と指摘していましたが、これはまさに私たちが今、関わっている小学校の建替えにあたってぶつかっている課題です。
 とにかく内容が盛りだくさんすぎて、かなり消化不良のままシンポジウムは終わってしまったのですが、ぜひこれらの事例を実際に見に行きたいと考えています。
 その後私は一本杉公園の炭焼き小屋に行きました。初釜をみんなで祝いましょう!というわけで宴を開いたわけですが、気温もそれほど寒くなくちょうどいい具合でした。そこでは新しい出会いを楽しむことができました。炭焼き窯の温度を一定に保つのは本当に難しい作業のようでした。土砂を少しずつ加減して窯に入れ?るのですが、その妙技には「すごい!」と思いました。
 ちょうど学校と地域の連携の話しが頭に残っていたこともあり、私は親子での炭焼き体験も面白そうだと思いました。「まだPRが足りないんだよね・・・」と世話役の人は洩らしていました。
 私は今日のシンポジウムを聞いていて思ったのは、学校の特色はやはり、地域の特性を生かしてこそ浮き上がってくるのかなということでした。地域の人を始め、地域の資源を生かしながら学校という場所が豊かになっていくように思いました。学校は先生と生徒のものだけでなく、「地域のもの」という発想に立つこと、もちろん、さまざまな人たちが関わるということは、それだけ時間もかかりますが、その労苦を惜しまないで挑戦していくことが学校の魅力を創り出すのだと強く思いました。

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2003年02月02日

第一小学校建替えの全体意見交換会

 午前中は「住井すゑ百歳の人間宣言」という記録映画を6月に市内で上映するための準備会に出席しました。この映画の撮影をした南さんとは高齢者の社会参加を考える会で出会いました。なんと、びっくりなのは南さんの息子さんは私のゼミの先輩なのです。私は南さんに完成披露の試写会に誘われて都心まで足を運んだのですが、住井すゑという女性のパワーには本当に感動しました。彼女のように「平和」にこだわりたいとの思いを強くしました。そこでこの映画を市で上映するというので、実行委員会に加わることにしたのです。でも実行委員会のメンバーは毎年平和映画を上映する企画に関わっている人が大部分で、私の出る幕もなく、手際良く今後のスケジュールまで決定しました。
 午後からは多摩第一小学校の建替えについて全体意見交換会でした。予想ではもう少し観客が多いかと思っていましたが、会場には空席が目立ちました。市の広報でも1面に載っていたのですが、PR効果はそれほどなかったのかと残念でした。
 プログラムは予定どおりに経過説明、ワークショップの手法説明、基調講演とすすみ、休憩を挟んで全体意見発表が行なわれました。全体意見発表では市民ワークショップの代表、PTA代表、教職員代表と児童代表がそれぞれの意見を述べました。大人たちはみんな無難な意見を述べていたと思います。児童もきっとしっかりと心の準備をしていたのか、5人とも落ちついて発表していました。客席も児童たちの発言には注目をしていたようですが、突飛と思えるような意見はなく、彼らたちの学校生活の中で感じている不便さがそのまま表われていました。というのも今、小学校には車いすを使用している生徒が通っているので、バリアフリーを意識するようでした。新しい学校にはスロープをつけたり、段差を無くしたりバリアフリー化を進めてもらいたいということが皆の共通意見となっていたからでした。それにしても小学生でも太陽光パネルや風力発電の提案をするあたり、地球環境の学び方が想像できます。若者にとって環境破壊が切実なものだということを感じ取っているのでしょう。
 私は個人的に学校の地域開放についてもっと意見を聞きたかったのですが、時間の制約があったからか、それほど深い議論にはなりませんでした。意見交換会というよりも意見発表に終始してしまい、会場からの質問も受け付けなかったので、終了後には幾人かの市民から不満の声も上がっていました。けれども今回は出された意見は一旦全て受け入れて・・・という方向で考えていたので、今日の意見交換会に参加した人にもご意見募集ということでポストイットを配布していました。なかなか今回の会の主旨を理解してもらうのは難しかったようです。やはり会場との質疑応答はあっても良かったのかもしれません。
 ただ、ある市民が突然挙手をして発言をしましたが、「そもそも第一小学校の建替えが必要なのか?」というところを議論したのかという意見でした。なぜ「建替えありき」で議論をするのですか?と言われたのですが、私自身も建替えが必要であるかどうかについては既に議会でも判断をされてきたわけで、その議論をもう一度市民サイドで行なうとするならばちょっと議論をする場所が違うかなあとも思いました。市民参加の仕組みのありかたにも問題があるのかもしれません。どこで事業計画の決定をするのか見送りをするのか・・・これについてもいよいよ議会だけではなくもっと市民参加をまじえて行っていく必要があるのかもしれません。全ての市の取り組みは議会によって承認されています。それに基づいて行政は事業を実施していくからです。・・・となった場合には行政としてもその事業をやめるならば、きちんとそれなりの手続きをする必要があります。つまり、彼の言うように「そもそも」を議論するのは恐らくワークショップの場所ではないように思ったのです。例えば予算決定の仕組みの中に市民を参画させていくなど、新しい在り方を考えることが不可欠でしょう。
 もちろん私自身も「建替えあり」との視野しか持たずに参加をしていたことは確かです。それは少し視点として薄っぺら買ったのかもしれません。でも、少なくともこのワークショップに参加している市民たちは純粋に「建替え」があるんだったら、その実施計画づくりに参加しようという熱意がある人ばかりでした。「建替えをするかしないかを考える会」ではなかったからです。それを思うと参加した市民の人たちを批判することも非難することもふさわしく無いように思いました。
 帰り道にいろいろと考え込んでしまいました。台所事情が苦しい多摩市で本当に有効に税金を使うってどういうことなんだろう?それも市民の方に納得をしてもらうってどうやればいいのだろう?いろんな思いがあふれてきました。議会が必ずしも完璧ではありません。それはいつの時代でも同じだと思います。朝の日曜討論を見ていてもイラク攻撃のことを話題にしていましたが、「国連の決議が必ずしも正義とは言えない。」という発言もありました。その通りだと思いました。私はやはり「自分たちでもっと責任を負える」形に変えていかなくてはいけないし、そのためには市民自身の意識改革もどうしても求めていかなければなりません。税金の使い道についても、本当に真摯に利益誘導型ではなく市民たちが話し合うことが出来たとするならば、議会はいらなくなるのかもしれないし、市民の本当に望んでいることが実施出来るのかもしれません。でも現実にはとても難しいし、まだ実現出来るにしても先のことだと思うのです。
 でも今日の出来事はきっと忘れられないと思います。「そもそも」から議論すべき・・・ということですが、一体どこのタイミングでしたらいいのかすべきなのか私自身ももっと心して考えなくてはならないと思ったからです。市民参画言う易し、まずは行動できる仲間を増やしていくしかありません。

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2003年01月24日

物事には手続きが大事なんだ

 第一小学校の建替えワークショップも今日が最終回でした。2月2日の全体発表会に向けてのリハーサルや最後の意見交換でした。ワークショップは2月からは全体検討委員会として新たに先生、PTAチームと合体して再スタートします。
 発表会は大妻女子大の炭谷先生も話しをして下さるとのことです。炭谷先生とは昨年暮れのニュータウン学会でもお会いしましたが、多摩市で学校跡地を検討する市民委員会でも活躍中、さらには地域と学校を考える市民講座でもつい最近パネラーとして登場なさいました。実は彼は住んでいる八王子のニュータウンで寺子屋も主催しています。これは一種のコミュニティスクールとして地域の大人たちが運営しています。こんな取組みが多摩市でもできればいいなあと考えているので、示唆に富む話を期待しています。
 というのも、とにかく「ゆとり」を持つための週休2日制ですが、事態を聞いてみると、そのことにより授業のコマ数、こなさなくてはならない学習量とのバランスをとることが先生たちにとっても大きな課題となっているわけです。そんななかで学芸会、展覧会、運動会・・・といういわゆる‘行事’が危機にあります。子どもたちが読み書き以外で学習する機会、みんなで一緒に創りあげることの喜びを実感できる体験学習が減らされる傾向があります。つまり、そこをカバーできるのが地域だと思うのです。土曜日や日曜日に地域の才能豊かな人々が活躍できるのが地域の拠点である学校なのです。そして子どもたちに様々な経験を伝える場所に変わるのです。炭谷先生たちが松木小学校でやっているような地域の寺子屋は、今後の日本にとっては不可欠な存在に変わっていくように思います。
 ところで、今回の全体発表会のプログラムのなかで特に強調してもらいたいとして出た意見があります。それはワークショップという方法がどれだけ民主的に行なわれたのか・・・ということをぜひ会場に来た人に伝えてもらいたいという意見でした。実はこの発言をされた方は、初めワークショップに怪訝そうな顔を見せていたとの話ですが、今ではワークショップの良さを今回の会議を通じて一番実感されているようです。
その声に答えて、ワークショップを実際に会場でも体験してもらう時間を設けてあります。簡単な実演を行なうのですが、そこには設計事務所でワークショップの縁の下の力持ちだった若手社員の出番もあります。彼は実は第一小学校の卒業生です。2月2日は楽しみです。
 このワークショップがいかに民主的なものだったかと主張した老紳士ですが、彼は「物事には手続きが大事なんだ」と言います。結果を導くまでのどんな筋を通してきたのか、どんな手を打ってきたのかが問われるとおっしゃっていました。私はワークショップがどれほど民主的なのかについては、まだまだ疑問符です。というのもワークショップで出された意見を集約する作業、そこの力量がものすごく問われると思うからです。私は市民参加を呼びかけてワークショップを主催してきた教育委員会が今後どのようなかたちで市民からの提案を受けて実現しようとするのか?そこの説明責任、誠実さが鍵を握っていると考えています。結局は最終的な決断は悲しいかな予算とのバランスもあり、教育委員会で決定がなされるからです。けれどもその決定に至る過程で、市民サイドにどのような姿勢で臨むのか、ここがポイントになり、失敗成功をわけると思います。
 私はアリバイづくりの市民参加ならやらないほうがマシだと思っています。市民自治基本条例でもそうですが、市民が創ってきたものや考えてきたものを受けて行政がどんな風に最終結論を出していくのか?この部分をやはりきちんと説明していく必要があると思います。もちろん全て市民側が否定されることもあるかもしれませんが、それなりのきちんとした筋の通った理由が必要です。たいていの場合、納得できない理不尽さで市民参加をばっさり切り捨てることが多く、怒りを覚える市民たちが多いように感じます。そんな風にならないように「手続き」を大事にして欲しいです。 

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2002年12月19日

ワーカーズコレクティブという働き方

 いわゆるワーコレは新しい働き方です。みんなで出資して、みんなで働いて、みんなで運営をします。一種のコミュニティ・ビジネスとは言うものの、ビジネスとは全くかけ離れた実態です。ワーコレはまだまだ認知度も低く、カツカツの状況の中で運営されています。ワーコレに関わるのはほとんど40代以上の女性です。そういう意味では新しい働き方が子育てにひと段落をした女性たちの力によって創られ、模索されているともいえます。
 ワーコレの第一号は20年前にスタートしています。そもそもワーコレというのは自分たちが欲しいものを自分たちで創りだすために、出資も管理もしてしまうといういわば自治の精神から出発しています。これは協同組合の精神なのです。日本には協同組合といえば農協を始め、法律のより認可されていますが、ワーコレについては法律が存在していません。ワーコレをいち早く社会の一員として認知されるためには、やはり法律により裏づけで法人格を備える必要があります。
 ワーコレは家事や介護、育児などのサービスから、食事(弁当)づくり、配送サービス、喫茶店、パン屋さん、体操指導、企画製作などの分野で活躍しています。特に保育サービスの需要や移動サービスへの需要が今後増えることが予想されています。多摩市内でも有名なのはワーカーズコレクティブ風(桜ヶ丘オーパ7階の喫茶経営)があります。ここで働きたい人はみんな一律20万円の出資金を出します。そして共に働くのです。特にワーカーズコレクティブ風はともに働くことをテーマにしているので障がいを持っている人と対等に働ける場所づくりが最大の目標になっています。実際に風では喫茶のほかにも簡単な事務作業請負いや、チラシのポスティング作業なども行なっています。時給もみんな550円くらいで働いているそうです。
 風の実態を見てもそうですが、ワーコレの働き方は儲け主義ではありません。地域社会づくり、地域の居場所づくりに大きく貢献しています。働いている人たちももちろんビジネスライクな面を持ちつつも、掲げた理念の実現に努力を惜しみません。みんなが等しく責任を負っているのです。そこには障がいの有無は存在しません。
 ワーコレはみんなで話し合いをしながら進めていくのが運営方法において外せないことです。これはなかなか大変で、もちろんメンバー同士のぶつかり合いもあり、話し合いの決着をつけるまでの時間もかかります。けれども話し合いによる合意形成がなければ、それは普通の企業や事業所と同じです。代表はいるけれども社長ではありません。メンバー一人ひとりが社長さんの立場にあるとも言えます。みんなが職場に対して自分自身の思いを実現するための意見をぶつけます。これがワーコレなのです。雇われない働きかたです。
 私はワーコレについて大方理解していたつもりでしたが、まだまだ社会的な存在基盤が弱く、まずは法整備が必要だと感じました。そしてワーコレのあり方はまさに自治の実践の場所です。自らが創り出すためには自らも出資しなくてはならない・・・自分たち自身で自分たちの雇用を創出するわけです。そしてそのことが自分自身のやりがいや生き甲斐となり、生み出した仕事そのものがコミュニティに根ざした活動で、地域貢献という充足感をもたらします。その意味では素敵な働きかただと思います。けれども実態は本当に厳しく、採算取るのも大変で、経営は決して楽ではありません。でもコミュニティ関連のベンチャービジネスはほとんど生き残れない中でワーコレの持続性というのはかなり優秀だそうです。でも課題は、せっかくコミュニティの活動としていい雇用の場を創出していたとしても担う人が高齢化していると、やはりここでも世代交替を上手に進めることをです。今は、どこでも言われることですが、若い人を上手く参加して一緒に活動をすすめていかなければ、ワーコレも衰退をしてしまうのです。もちろん新しいワーコレが誕生することでの若返りも考えられますが。とはいえ、ワーコレの置かれている現状などを考えるとまだまだ若い人が積極的に関われるような場所にはなっていません。賃金の問題でも社会保障の面を考えてみても、労働環境として整備をしなくてはならない部分がたくさんあります。
 ワーコレの理念である協同の精神はまさに自治から始まります。これからの時代の働き方として選択肢の一つに入ってくると思います。けれども選択肢の一つに入れた時に、それを魅力のある場所にするためにはまだまだ多くの条件整備をしなくてはなりません。ワーカーズコレクティブ法を制定して、法人格を認め、なかなか増えない行政からの委託業務の請負をしやすくするのも一つです。そして、それ以上に重要なのは地域でワーコレの存在を知ってもらい、ワーカーズコレクティブという働きかたの支援者、賛同者、共感してくれる人が増えることだと思いました。

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2002年11月17日

どうせ疲れるんだったら。

 グラン多摩フェスタ2002が終了しました。空き施設=廃校をまるごと借りてしまおうというこの試みの2回目でした。前回とは異なり、立地条件が悪かったので集客がなかなか大変でした。それでも参加してくださった方々がそれぞれに何か心に残ったことがあればいいなあと思います。
 私は自分の忙しさにかまけて準備段階ではなかなか手伝うことが出来なかったのですが、実行委員会を引っ張ってきた感性工房TAMAのメンバーは前回以上の力を発揮しながら祭を作ってきたと思います。1度の経験が在るということはとても大きなことで、2回目の今回は前の経験を生かしながら組み立てることをしてきました。それでも段取りの悪さなどを来場者に怒られましたが、私自身は前回よりも飛躍的に段取りも良くなったと思っています。
 私たちのお祭りの特徴について、「とにかく食べ物がおいしい」ということを言ってくれた人がいますが、その通りなのです。すべてNPOやボランティアグループの手づくりで素材にもこだわるところもあり、家庭的な雰囲気の食べ物が並びます。これはプロの業者サンと私たちの違いだと思っています。「プロ市民」たちが集まっているからです。
 私たちの今回の取組みの成果ではやはり国士舘大学の時本研究室との協力だと思います。学との連携・・・と言われていますが、偉い先生や研究者同士の連携ではなく、学生と地域市民という、まさに根っこでのつながりだからです。学生たちが祭に関わった感想を一言ずつ述べましたが、そこには「普段は経験できないこと」を多く感じた言葉がありました。もちろん試行錯誤で失敗の連続でしたが、学生たちが参加することの大きな意味は「みんなが元気になれる」ということだと思います。とにかく「若い人がいるから楽しい」「明るい」という感想を来場者や実行委員会のメンバーも洩らしていました。そして近所の子どもたちも、年齢の近いお兄さんたちには喜んで、追い掛け回している姿を見ました。いろんな世代が集まるからこその力があるというのが今回のお祭りで学んだことだったと思います。
 学生たちに対して先生が最後に言った言葉です。「どうせつかれるんだったら一生懸命やる方がいい」。その通りだと思います。これは学生たちだけではなく私たちも傍で聞いていて噛み締めた言葉でした。
 来場者の数が100人であっても1000人であってもやることは同じです。どうせやるなら一生懸命、人数は関係なく自分たちの力を発揮しなくちゃ!というのが私たちのグループの「プロ」意識なのかなあと思いました。「もうコリゴリ」と思えばやめてしまうも簡単・・・だけどあきらめないで次に向かう気持ちがあるってものすごいことだと思います。もうはや、来年の祭りのことを考えている感性工房TAMAのパワー恐るべしです。

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2002年11月16日

自分たちでやっていく

  グラン多摩フェスタの1日目。私は地域に学生が関わってくれることがとてもうれしい。国士舘大学の時本研究室がボランティアスタッフとして力を貸してくれていますが、今日は私が誘っていた多摩大学の学生と地元育ち2名もスタッフとして加わりました。なにせ市民の手づくり・・・その裏側では高齢福祉課と永山公民館の職員の多大な協力があるわけですが・・・で段取りが悪く、そして午前中は近隣小学校の展覧会、学芸会などの催しもあり、なかなか人の出足が思わしくなく、ボランティアとして人集めはしたものの、かえって迷惑をかけてしまったような気がしていました。
 ところが「とてもいい経験が出来た。」「おもしろかった。」「ボランティアと言うよりもむしろ自分自身も楽しんじゃった。」という感想をもらいました。お世辞ではなくて「初めての体験だったのでおもしろい。」こんな風に言ってもらえてホッとしました。彼らは祭に加わったことで見ることが出来た地域の人の顔、どんな感じを受けたのかについて今度ゆっくりと話をしたいです。
 実は今日は午後から、日野市のまちづくりフォーラム・ひのから市民自治基本条例のことを知りたいとの依頼があり、話をしにいきました。このグループは、「市民版/日野まちづくりマスタープラン」の策定に取組んだ人たちによって設立されています。毎月1回「まちづくり交差点」という勉強会を開催しながら、特定分野にこだわることなく様々な観点から日野市のまちづくりを考えているそうです。
 今日は私が問題提起者として招かれましたが、私を含めて5名の勉強会はとてもアットホームでした。私は「市民自治基本条例」の勉強会はこじんまりと小さなグループでやるほうがいいと思っています。その方が参加している人たち全員の意見交換ができるからです。この条例の意味や異議をみんなで共有していく作業はやはり小人数が適しています。
 そもそも地域性があるので日野市と多摩市の状況は違うけれど、私自身が条例づくりの策定過程で感じてきたことを中心に話をしました。そして私が議員になってみて「やっぱり条例が必要だ。」と思った理由として、「職員の裁量によって市民参加度合いが左右されることの解消」があることを強調しました。それから市民運動、住民運動的なものは個別テーマがあり、運動も分野後とにセクト化している状況があるけれど、この条例を策定していく過程ではその壁も崩していけることを付け加えました。だから自治条例の策定はワークショップ形式で、参加した市民同士が自ら意見調整、譲歩し合うような能力を磨く場所にしてもらうことが大切だとの見解を話しました。
 普通は市民案など条文を見ながらの説明をした方が親切なのかもしれませんが、条文そのものに盛りこむ内容自体が市民間で議論されて決まるものなので、あえて条文を持っていきませんでした。「参考になるようで参考にはならないし、参考にしないで作ってもらいたいと思う。」と一言断りました。
 今、私は市民自治基本条例のことについて一つ大きな不安があります。それはこれが制定されてしまったら一体どうするの?私たち・・・という疑問です。これは市民自身も市民としての責任を自覚しなくては動いていかない条例だからです。・・・・と諸々のことを話した結果「自治条例を策定する難しさを再確認した」という感想をもらいました。
 私はその難しさを確認しながら策定作業を進めて欲しいと思っています。何となく地方分権に変わってきて、自治基本条例の動きが広まってきたから自分の地域でも策定しなくては・・・と動き出すのではなく、実際にこの条例が出来てどうするの?何が出来るの?何がしたいの?という問いを持ちながら、条例制定後のことをイメージすることがとても大切です。せっかく作った条例を単なるアクセサリーにするのではなく、本当の意味での市民のツールにすることは思っている以上に難しいことなのです。
 さらに今日は、NPO法人Rights主催の国際シンポジウムに招かれたスウェーデンのキラさんという9月の市議会議員選挙で当選したと言う20歳の女性と軽く対談をしました。彼女からは「雪だるま式に若い人の参加を増やしていけるように、ちょっとずつ頑張りましょう!」というエールをもらいました。私が選挙に出たからと言って若い人の投票率が上がるわけではない・・・という私の大きな課題を彼女は力強く「これからなんだから」と背中を押してくれたのでした。新しい同士との出会いにうれしく思いました。

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2002年11月06日

市民パワーを活かさなくちゃ!

 今日は一日中とても楽しく過ごしました。日中は高齢者社会参加拡大事業の一環として映画『ホーム・スイートホーム』の上映会のお手伝い、夜は多摩第一小学校の建替えワークショップに参加しました。
 映画の上映は午前中は関戸公民館、午後は永山公民館で行いました。実は映画とともに「お話の会」と称して、介護体験者、ケアマネージャー、介護事業者、保健師さんをパネリストとしたちょっとしたシンポジウムも開催しました。全部で3時間半(映画上映含む)はかなり長丁場でかなり疲れるわけですが、非常に充実したものだったと思います。前半に映画の上映をしたので、途中の休憩時間で観客が退場してしまうという残念さもありましたが、午前も午後も全部で130名弱が会場まで足を運んでくださり、会場はほぼ満席でした。特に、高齢者が中心でしたが、このように集まってくださる気力や体力があることに私はとてもうれしく思いました。そして鑑賞後に、言葉はないけれどていねいにお辞儀をしてそれぞれ、帰っていく後姿が印象的です。背中が曲がっている人や、杖の人、ゆっくりゆっくり歩いていく高齢者を見ていて、それぞれにこの映画の受け止めかたがあったのだろうと思いました。映画は高齢者介護問題から始まり、それを起因とした家族崩壊の現実なども淡々と描いていました。この映画を見ながら、私自身はグループホームという住まいの良さをを改めて感じました。
 チケットづくり、チラシづくりなど不手際もありながら、担当職員に助けてもらいながらこの映画上映とお話の会を成功できました。在宅福祉課が所管の事業ですが、公民館の職員が非常に協力的だったことも一因です。
 さて第一小学校の建替えワークショップですが、これには私も傍聴ではなくメンバーに入れてもらい参加することにしました。ようやく小学校教員たちが先日の職員会議のあとに建替えを検討するこじんまりとしたワークショップを開いたようで、その時の様子が公表されました。あわせて、相模原市立夢の丘小学校の写真を見ました。今度の21日に学校職員から5人、PTAから5人、そしてワークショップメンバーの総勢30名弱で見学に行くのですが、それに先立って、職員が見に行ってきたというまさに「夢のような」小学校の写真です。太陽光パネル、屋上緑化はもちろん、低層で木造づくり、中庭はもちろん、オープンスペースにランチルーム、体育館も広々としています。次々とスクリーンに映し出される写真にため息がもれました。
 注目すべきはプールがないということ。近くの公立の地区プールにバスを借りきって授業をしにいくそうです。これでかなり水も節約になると説明があったそうですが、まさにその通りで施設の有効利用の観点からは画期的なことです。「これまで学校にはプールがあるものだと思っていた」というメンバーからの発言もありましたが、私たちは知らず知らずのうちに固定観念ができているなと思いました。多摩第一小学校の場合も例えば、隣の多摩中学校のプールを使用するなんてこともできるのかもしれません。
 ワークショップのメンバーの方向性としては「新しい学校のありかた」、つまりこれまでのような教育施設ではなく地域の拠点ともなりうるような場所にして行きたいと考えているようです。地域開放を視野に入れた意見が次々と出ます。私個人的にも、地域に学校を開いていくことはとても大切ですが、今回のワークショップに参加した地域の方が、どこまで校舎完成後に学校に関わっていくのか?どのようなかたちで関わりを持とうとしているのか?というイメージをどこまで描いているのかにちょっと不安を持っています。
 住民がそれぞれの思いを持って校舎というハコモノをいくら立派に造ってみても、本当の意味でその中味をどこまで充実していけるかということです。そのために本来は、今の基本構想段階で現場の先生なども参加してもらい、住民と意見を交換することが大切なプロセスとしてあるのですが、まだ実現していないので心配です。例えば「職員室をガラス張りにしたい!」と住民が決めたとして、先生たちはそれには当然反対できないと思うのです。なぜなら住民はオープンで開放的な学校がいいと望んでいて、それには職員室のガラス張りが不可欠だと考えているからです。それに今回の小学校の建替えにあたっては、定員オーバー中の学童クラブの問題も視野に入れ、小学校の中に学童クラブを併設しなくてはならない・・・という状況になっています。ワークショップのメンバー、教職員チームの意見でも学童設置は強い意見としてあります。ところが現場の職員の方がいないと実情はわからないのです。というのも「職員室はひとつで、先生と学童クラブの先生が一緒に共存できるのか?」とか「学童クラブの教室は普通教室を使用してもいいのか?それとも別棟にしたほうがいいのか?という些細なようだけれども、現場に聞かないとわからないことがたくさんあるのです。そういう意味では市民の構想が固まらないうちに意見が欲しいところです。
 この建替えワークショップには若いお父さんたちが3人ほど参加していますが、彼らの力に今後期待したいです。なぜなら現役で第一小学校に通う生徒の親だからです。それから、このワークショップは今は担当職員にひっぱられる形で進んでいて、確かに、その職員の熱意はすごいわけですが、本当はもう少し市民がピリリとして職員のパワーに圧倒されないようにしたいものです。もちろん職員としては市民のパワーを活かそうと毎回、ワークショップを「楽しく」する工夫を凝らしているのですが、今だと職員にお任せ状態なので、ちょっと市民もがんばらなきゃ!と見ていて思います。
 そういう私も一市民なのですが、一応、地域外の枠で参加しているのでどこまで意見を言っていいのか悪いのかを躊躇してしまいます。なぜなら最終的には地域の学校になるわけで、地域の人たちの力が必要だからです。

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2002年10月29日

神戸の事例・・・NPOの生き方

 港区の中学校跡にはNPOハウスというのがあります。廃校利用(学校跡地)の使い方として多摩市でも選択肢のひとつになってほしいというのが私の願いです。今、NPOセンターが西永山複合施設にありますが、本当はNPOセンターとともにたくさんの空き教室がNPOやボランティアの事務局として使用できると個別課題に取組むNPO同士の横のつながりがしやすくなる気がしています。
 みなとNPOハウスでも入居しているNPO同士がまだ、なにをやっているのかと互いに見合っている状況らしいですが、月1度の連絡会を設け、そこでの議論の中から、今後新しい展開を図っていきたいと考えているようでした。「NPOのお見合いの場所・・・」との紹介を受けましたが、26団体が入居しているわけで、それら全てが協力し合うとそのパワーはすごいものになりそうです。分野も様々でこども、お年寄り、IT、配食、中間支援などがありました。
 さて、今日は「NPO市民大学を創ろう会」が主催の学習会でした。阪神大震災の中から誕生したNPOコミュニュティ・サポートセンター神戸(CS神戸)の理事長中村順子さんから「NPOと行政とのよりよい協働関係を構築するためには?」というテーマで話をききました。
 CS神戸はその活躍ぶりが全国的にも有名で、事業規模も昨年は約1.5億円です。事業の約70%が行政からの受託です。彼女はNPOは新しい価値を生み出さなければ意味がないといいます。つまり建物の管理を行政から委託されたとしても、ただ単に建物管理だけで終結してしまうなら価値がなく(他のところに任せたほうがいい)、NPOとしての付加価値をどうクリエイトできるのかが勝負なのです。例えば、CS神戸の場合には、行政に対して建物管理を受けるけれども、それと引き換えに年に4回、CS神戸に対して無償で建物(コンサートホール)を開放することを条件にしたそうです。つまり、それが新しい価値に結びつくわけで、建物全体で市民発表会をお祭り風に行ったということです。もちろん好評でした。
 こんな風にNPOの存在価値は、ただ単に行政からの受託事業をこなしていくのではなく、NPOならではの、NPOでしか出来ないようなことを創らなければ無意味だと言い放つのでした。CS神戸は自立を目指さなければならないと走ってきました。けれども自立が進みすぎると孤立、ひとりよがりになるから、そこには「共生」が必要です。そのために、自分の団体で全てをやろうとするのではない(拡大志向は持たない)、様々なところとつながりながら活動をすすめてきました。
 スライドでNPOとNPO、企業、行政、まちの空き施設がどうつながれていったのかを見ました。印象的だったのは‘まち’の医院とNPOをつないで事例です。お医者さんには午後の休診時間がありますが、これを利用して高齢者のためのミニデイ風なイベントを行うのです。医師会の協力と高齢者を集めるためには民生委員さんの協力も得ることに成功しています。つまりNPOが地域に埋もれていた力を結びつけるのです。
 ところで最近は地域にNPOがどんどん生まれています。神戸もそうですが、多摩市でもその状況は同じです。そこで行政、神戸市の市民活動支援課にNPO市場を提案をしたそうです。つまり行政は実績重視をする傾向がありますが、それだと新しく誕生したNPOが入れる余地がないからです。そのために行政がNPOに委託をする事業については公募提案型、参加型でコンペをやります。行政の評価指標はわからないけれども点数が全て公開され、残念ながら落選してしまったNPOについては「なぜダメだったか」という協働できないと判断した理由について必ず文書で明らかにするようです。
 NPOを始める理由は地域課題の解決や、夢だと言います。そしてそれは公共的なことで行政の仕事と類似している。協働のポイントはやはり行政と共通の夢を持てることです。夢を持った上で、どのように成果をあげていけるのか?そこに行政との信頼関係が生まれます。
 まだまだNPOは知名度が低く、知られているようで知られていない存在です。先日、NHK番組でNPOの先進地アメリカの事例を見ました。その番組でも「新しい社会」というキーワードがありました。その担い手としてNPOの活躍の場はこれからどんどん広がっていくことを実感しました。
 NPOと行政とのよりよい協働関係・・・・それはお互いにあって良かった、いてくれて良かったという気持ちをベースにして生まれていくのだと思いました。

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2002年10月12日

ともし火の向こうにまぼろしが見える?!

 今日は早朝からアクティブに活動をしてしまいました。これは私の所属する北諏訪地区と諏訪地区の青少協が共催した中学生交流会のボーリング大会です。私はOLの時にも年に一度のボーリング大会ほど苦痛なものはなく、その日にはいかにして有休をとるかをいつも考えていました。(実現できずに、結局は毎回参加しましたが)
 私の運動神経の鈍さは両親がお互いに「あんたに似たのよ…。」と言い合うくらいどうしようもないのですが、とにかくボーリングは今回で7回目でした。出だしはもちろんお決まりのG…ところが次がストライク!生まれて初めてなのであまりにも感動しすぎました。
 そのおかげでブービー賞やビリは免れました。いずれにせよ、センスのなさを皆さんにお披露目することができました。10、20、30・…70、80とキリのいい人までを表彰してもらったわけですが、「それでは、80位…いわながひさかさん」…(会場)しーん…笑…拍手…という結果だったのです。恐らく参加者は全部で84人ほどいたと思われるので、その中で表彰されるのはちょっと名誉なことです。ちなみに1ゲーム目63、そして2回目のスコアは59でした。私の中では上出来なのに。

 午後からは東京ネットの政治講座に参加しました。テーマは「市民が行う政治改革」。主に生活者ネットワークの運動を理解することが目的だったと思います。特に運動体における「代理人」=「議員」の位置づけなどを小グループで話し合いましたが、とても活発な議論がかわされました。
 私自身も活動をしながら常に感じるのは「一体誰のための代理人か?」ということです。ネットでは議員を「代理人」と呼びますが、ネットの会員外の人から見れば議員はあくまでも「議員」です。「代理人」なんて呼ばないし、時に「誰かの代理をしているなんてとんでもない!岩永ひさかがどうしたいのか。どうするのか?だろう…。」との意見をいただくわけで、「ネットの代理人が=市民の代理人」などと捉えるのは「大間違い!!!」として言われたこともあるからです。もちろん議員の役目の中には「市民の声を掬い上げ、そして代弁していく」役目もあり、市民の代理人だとも言えるかもしれませんが、「市民の代理人でもある」と公言することはある意味で「議員は市民の代表なんです。」とよく耳にすることと同様に思えてなりません。あくまでも議会という機構が市民の代表機関、議員個人はある一部の人たちの代表(さまざまな属性を持っている)というのが私の考えなので、そのことからしても「ネットの代理人=市民の代理人」をイコールで結ぶことができていません。
 同じグループの中には「ネットだけの代理人ではなくて、市民の代理だってしていく」という意見もありました。もちろんそういう時もあります。でも私は「市民の代理人です。」と公言することはできません。あくまでも「ネットワークの運動の中での役割分担の一つとして代理人」なんだと思っています。

 今日は夜は2つの催しが重なってしまいました。当初は長野県知事選に出馬した市川周さんが多摩市在住で、彼の話をきく集会があり、ぜひ参加したいと思ったのですが、「市民参加による公共施設のデザイン」という講演があまりにも面白く最後まで参加してしまったので、市川さんの話を断念しました。
 今、多摩市では8つめのコミュニティセンターが唐木田地区に建設が予定されています。この建設にあたっては行政の呼びかけで住民協議会が組織され、約1年ほどの間、敷地の選定やコミセンのおおまかなイメージ図を描いてきました。今日は発表会でした。
 「市民参加は当り前」と言われるけれども、例えば公共施設の建設で市民参加を取りいれたとしても完成した時にはどうなんているのか?これにとても興味があります。このコミセンの建設を追うことで具体的なカタチとして見えてきそうです。新しいハコモノづくりも、それほどない中でのコミセン新規建設です。この機会を捉えて学びたいと思っています。
 そして何と言っても講演会が面白かったのです。講師は千葉大学の延藤安弘さんでした。彼は「市民参加のデザイン」ではとても有名な方で、特に「コーポラティブハウス」関連ではひっぱりだこの先生です。彼は千葉県四街道市の福祉センター建設プロジェクトに関わった経験を話ながら、市民参加のありかたを講義してくれました。
 ところがその手法こそがユニークで「幻燈会」だったわけです。プロジェクターを利用しながら、弁士は延藤先生。「市民参加は燈のなかに幻をみるようなものなのです」と一言を沿えながら、いかに市民参加のプロセスを大事にするのか、そしてそのプロセスの中で市民一人一人の気持ちづくりをしていく大切さを鮮やかに描き出してくれました。
 特に幻燈会の冒頭では「絵本に見る住まいとまちづくり」として想像力の翼を広げていくことが大事だと出てきた絵本はスヌーピー。スヌーピーと仲間たちのつぶやきの中には実に子どもにもわかりやすいように「まちづくりのエッセンス」、コミュニティのことが解説してありました。特に「しあわせってわかちあうこと」というつぶやきは私たちが地域づくりをする中でのキーワードでした。
 「まちづくり」というのは「きもちづくりからかたちづくり」のことで、市民参加をしながら人が変わる、自分が変わる、そしてまちのあり方が変わるというのが先生の考え方です。私はとても共感しました。そして先生は納得のいくまでの話合いを大切にしています。住民同士、または行政と住民との意見の対立ではなくて合意形成なんだ…住民も一方的に要望するのではなく、いかにして調和していくのかを学びながら進めていくのが市民参加のデザインなのです。
 私は先生に尋ねました。「今後、行政の職員ってどのようになっていくのかについて、先生が感じること」です。すると先生は(1)市民参加は手法ではなくてポリシー。つまり態度そのもの。(2)豊かな表現力をつけること。(3)打たれ強いこと…という3つの法則があると答えてくれました。つまりこれからの行政職員は、市民参加と言うだけではなく職員自らが市民参加を態度で示すこと、そして杓子定規な物言いではなく人(市民)の心を動かせるようなプレゼン能力を身につけ、最後には市民は全てを行政にぶつけてくるし、その要望をもちろん全て受入れられないけれども、とにかく市民の声をとことん聞くということ…うたれ強さが不可欠だと強調をしていました。
 コミュニケーション能力を磨いていくことは行政職員のみならず、専門家なども同様だと言います。市民参加はコンセプトありきなので、従来のやりかたで先にデザインありきではうまく行かないのです。だからこそ、市民をコーディネートしていけるようなコミュニケーションスキルは重要です。先生は「自らの反省」を大事にして次に生かしていこうとする姿勢を大切にしながら、先生の市民参加のデザイン手法を編み出しているようでした。
 それにしても先生のワークショップはユニークで、特に子どもたちまでも交えて直接に意見を聞くときには、「絵を書いてもらうと上手い下手があるから・・とぼろ布をたくさん集めてきて布を思い思いのカタチにちぎりながら絵(布絵)を描く」手法を取っていました。私には感激でした。子どもの社会参加とかまちづくりの参加はなかなか難しいテーマで、いったいどんな風にできるのかについて、子どもたちの発想の豊かさをそのまま表現できる手法の発見が出来ていなかったからです。この「布絵」手法を一度やってみたいと思いました。唐木田のコミセンにも子どもたちのスペースがあるので、取りいれてもらうように働きかけてみようと思います。

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2002年10月02日

市民の力は∞<無限大>

 少し前の公民館講座の名残?で細々と続いている「男たちの風景」というグループの定例会に参加しました。「男たち」という時点で少し参加してもいいものかどうかと阻まれるような気持ちになりましたが、今日はどうしても話を聞きたいなあと思っていたゲストだったので、ちょっぴり勇気を出して出撃しました。もちろん参加者は女ひとり。場違いかしら?とも思いながらも、メンバーが快く迎えてくださって、嬉しく思いました。
 さて、今日のゲストは多摩市民Oさんでした。Oさんは現在多摩市内に建築設計事務所を構えて活動をしています。もともと大工に憧れていたそうですが、昔は体が軟弱だったので建築の道を選んだそうです。私が彼を知ったのは多摩市環境市民会議でした。この会議は多摩市が事務局となっていますが、市民が主体となって3つの部会に分かれて活動しています。「みずとみどりの部会」「環境美化・資源化部会」「地球環境部会」です。毎月1度の全体会と部会会議で運営をしています。この市民会議で私は「環境ってすごい!」って思ったのですが、この会議には例えば植物博士から、虫博士から、ゴミの専門家、建築家などなど『環境』をテーマにして様々なジャンルの市民博士が集まってくるわけです。
 今日のOさんのテーマは『まちづくりと環境』でした。とても興味深いものでした。Oさんは1980年代は公害の時代で、害を与える人と被害者とがはっきりしていたといいますが、今は地球温暖化にもわかるよう加害者=被害者の時代だといいます。そういう今に生きていて何らかの行動をしたい、しなくてはならないということで活動の旗振り役をしています。
 ところで多摩市の水ですが、使用量を100%としたとき10%が市内井戸水など、そして利根川が80%、残りの10%が小河内ダムの水でブレンド状態だとのことです。そして地球上の水を100%とした時97%は海水で、たったの3%が飲料水になれる淡水。そのうち2%は氷、1%は地下水・…要するにわずか1%の水を人間が分け合っているわけです。本当にたった一滴ほどをみんなで取り合い合戦をしているとも言えるかもしれません。特に昨今天然水が流行っていますが、やはりこれも有限なわけです。こういう話をしながら環境や‘まち’を語ってもらえる機会は貴重だと思いました。例えば、東京の水源は他県にあるダムが多いわけですが、「これは自分たちの大事な水だから都民には分けてあげない!」と主張した時、私たちは一体どうするのでしょうか?まさに「まちづくり」の問題です。
 さて、おもしろい試みは今朝の日経新聞の中から環境に関する話題をピックアップしてみよう!というワークショップでした。みんなそれぞれに視点を持っていて、いろんな観点からの質問が出てとても有意義でした。同じ新聞を見ていても、そして「環境」という切り口で捉えようとしてみても例えば商品の包装の問題から産業廃棄物処理の条例可決のこと、植林のこと、個人消費の低迷や設備投資の棚上げ状態・…どれをとっても環境に結びつくような事柄です。 
 Oさんのコンセプトは「残したい!!」です。未来に何が残せるのか?を真剣に考えて行動しています。動かないと始まらない!というのが彼の哲学です。悪いこともたくさんあるけれどいいところ=宝物を探し出して出来る限り子どもたちに残していこうという前向きな考え方に私は共感しました。
 さて、今回の会議のでの話の中で「JIJI警察」の治安がありました。「JIJI」というのは『自治』と『私事』と『おやじ=じじ』との意味を含んだ名前だそうです。多摩市内の遊歩道にスクーターが走っていて危ないということですが、なかなか小回りの聞かない行政だけには頼れないし頼らない。結局は気付いたひとから順番にやれそうなことから着手することが大事だという結論となりました。「JIJI警察」そう言う意味では地域コミュニティの再醸成には役立つかもしれません。
 私が65歳になった時、誰がどんな手助けをしてくれるのでしょうか?私が常に持っている視点です。未来に残してくれるもの、借金だけではたまったものではありません。
 これまでの大人たちに望みたいのは、今、自分たちができることは何か?を表明しながら、行政に手助けしてもらいたいことを明らかにしていくことをしてもらいたいとのことです。行政を待つ姿勢だけでは不足です。例えばこのJIJIの話でも同様で歩道をバイクが通ったとき高齢者がすぐに避けることが出来ない現実を行政に訴えながらも、私たちが自分たちでJIJI警察を組織して、この問題を解決していく道を探っていくことが重要です。もちろん行政側からの提案を待つことも出来ますが、私はとにかく動くことだと思っています。気づいた人が自ら行動をすること、その姿勢を行政に見せていくべきだと考えています。そして、「JIJI警察」みたいな市民からの提案や市民の自発的な活動の意義をどれくらい大事にしながら、その活動を支援していけるのかについて行政は考えて欲しいと思います。市民の可能性って無限大だなと思います。その可能性を発掘して、そしてしっかりと‘かたち’として創りあげる作業に行政のコーディネート力などが試される気がします。もちろんキャッチ能力が重要です。
 市民にはとってもたくさんの知恵があり、技術があります。Oさんはそのような個人個人のそれぞれ得意分野を用いながら、自分たちや将来に向けてどういう方向性をとるべきなのかを検討してきたいそうです。そしてそこに行政の協力をどう結び付けていけるのでしょうか。焦っても始まりません。遅々としても進んでいるわけです。市民の声をキャッチして具体化していくためにも、もっともっと職員の方には市民と同じ立場で活動に関わってもらいたいと思います。市民参加や市民参画、市民協働をしたことのない職員(例えば自分の住んでいる地域で)が、マニュアル通りの「市民の参加」を語ることは出来ません。これからは行政がどこまでキャッチして行動するか、その判断が‘まち’の運命を決めていくと思います。もちろん議員としての責任も同様で重いです。
 要はどんなことでも自分だけではできないということ、全てが人との関わりの中から生まれているということ、そして謙虚な姿勢、感謝の気持ちこそが大事だということ…議員としての私自身も今日はいろんなことを再確認しました。市民の力と可能性は無限大です。それに気づき、どこまで応援していけるのか?行政や議員の判断のポイントはそこにあることを強く感じたともに、議員としての自分が今出来ることを再考しようと思います。行政の職員に対しては「市民参加研修」などと名づけて一定期間市民とともに活動をしながら市民協働を考えるような研修制度があってもいいんじゃないかかしら?と提案してみたら面白そうです。

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2002年09月28日

市民自治基本条例を考えてみて

 いわゆる自治基本条例を制定しようとの動きが活発です。一昨日は清瀬で、そして今日の朝刊には西東京市で全会一致で条例が可決されたと言う記事がありました。
 多摩市に遅れ馳せながら制定作業を進めてきた自治体が、そして多摩市の取り組みを参考にしていた自治体が、私たちよりも早くに条例を可決したと言う事実には正直複雑な気持ちです。でもそれが「良い」わけでも「悪い」わけでもありません。今の多摩市の状況が決して悪いともいえないと思います。
 町田市で自治基本条例を制定しようと動いている方々に招かれて、多摩市の事例発表をしました。でも正直言って他の自治体の事例を参考にできても実態として何の足しにもならないのが自治基本条例だと思っています。「これが、自治基本条例」っていうようなサンプルはどこにもないと考えています。でも市民が自治するためには当然『情報』が必要です。だから自治基本条例には『情報の共有化』をどうやってしていくかを明記することは必要だと考えています。それから『住民投票』これは、自分たちで決定するためには当然必要なことです。ただ議会との関係においてはどのように整理していくのかがとても難しく、議会に理解を求めていくことが必要です。清瀬市で可決した条例も『住民投票』の部分をのぞいた上での結論だったと言います。多摩市の自治条例では「市民」と「住民」という区別があります。市民とはとても広い概念で、多摩市に住む人、働く人、学ぶ人すべてのこととしています。つまり、『市民投票』とした場合、どの範囲の市民にまでに市民投票の権利を認めるのかを考えると、その整理がとても難しいのであえて投票の権利は『住民』にあることとしました。そのかわり「市民アンケート制度」をつくりました。
 私は自治基本条例とはその策定過程こその意義があると考えています。「行政の限界」が言われると同様に、これだけ市民ニーズが高まり多様化している今、議会もある意味では限界にあるな・・・と感じるからです。例えば今度決算委員会があり、決算について研究してみると、とにかく福祉から都市計画から環境のことから、防災のこと、職員の人件費のこと本当に範囲が広すぎて正直言って丁寧に見ることが不可能に近いと感じるからです。専門性が要求されること、都市計画などでは工事の発注価格が適正なのか(もっと安価で工事出来る方法があるのではないか)というところまでになると私はやっぱり限界です。法律や要綱と照らしながら行政の仕事を見ていくことが本当に大変な作業だと感じています。
 私はその打開策として議会事務局のスタッフ充実、しかもそこに専門性を持っている市民を加えて一緒になって行政をチェックする体制の創設を提案したなと思っています。そういう意味でも自治基本条例に「市民自治」が推進されているかどうかを点検する市民自治推進委員会を設置することが書いてある多摩市の自治条例には期待をしていました。つまりこの委員会をきっかけにして、「市民自治」を測る指標はもちろんのこと、この委員会が走り始め、委員会の機能を高めて充実していっているうちに私の理想とするような議会事務局に似た体制が出来るように思っていたからです。やはりプロ級の知識や能力、専門性を身につけた市民がたくさんいることをもっと大切にしていきたいです。学識者、例えば大学の教授だけが専門性を身につけた人ではないのです。
 今、多摩市では全庁的に「市民自治基本条例」の研修が行われているそうです。これが行政職員全員に関わることなので、やはり全庁的にしっかりと認知された上で条例を進めていかなくては絵に描いた餅としなってしまいます。条例をベースにして忠実に仕事をすることが義務であるのが職員だからです。私はそういう動きを応援したいと思っています。市長の交替で多摩市の自治条例の制定時期が延期になったことを悲観はしていません。
 自治基本条例を制定する意義が策定プロセスにあるのは行政、市民、議会の役割をもう一度整理しなおす作業がいわゆる「新しい公共」を構築する上で不可欠だからです。公共のデザインを描くのは「ここ」に住んでいる人だからこそ、自治基本条例には見本がないのです。ただ、多摩市の市民ワークショップ形式やパートナーシップ協定のことはお手本になるのかもしれません。策定手法のひとつとして参考にはなります。
 私が一番危惧しているのはそういう策定プロセスを大事にしないままに「自治基本条例」を制定するような雰囲気があることです。「条例ありき」で進まないのが市民自治です。やはり原点にたちかえり「私たちに自治基本条例が必要なのか」「どうして必要になるのか」を自問自答しながら着実に制定を進めたいものです。
 そして今日、「議会と市民との対話の場所をどうしていくのか?」という手段を問われました。これはとても大きな宿題だなと改めて感じました。簡単には答えは出ません。

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2002年09月11日

東京都の役割は?

 東京生活者ネットワーク主催の「市民と行政の協議会」に参加しました。これは普段なかなか接触しにくい同士を、都議会議員がコーディネートをし、一緒に意見交換などのいわば円卓会議です。今日のテーマは『NPOとの協働』でした。
 都内から福祉とまちづくり関係のNPO5団体と東京都側からは生活文化局、建設局、保健局、福祉局の担当者が出席して、事例報告などを交えながら、質疑応答などが行われました。各NPO団体からの事例報告の中に共通して感じられたのは、やはりもっと計画や企画段階からNPOをはじめとして市民と一緒に組み立てて欲しいという要望でした。これまでは行政主導型の市民参加や市民参画で、これでは「協働」にはなっていかないということ・…例えば「委託」という関係性の中では、なかなか「協働」にまで発展できないことが指摘されました。

 東京都ではいわゆる「NPOとの協働マニュアル」をこの三月に策定しているのですが、これについても、現実から比べると時代遅れの中味であるとして厳しい一言。さすがに行政側も「ぜひ、このマニュアルは時代と共に社会の変化とともにつくりかえる…ということを謳っていますので、ぜひご意見をどんどん下さい…」という尻すぼみな声でボソッと返答。このヤリトリはまるで議会のようでした。おまけに事前に行政側にはいくつかの質問が投げかけてあり、その答えをしっかりと準備してきたようですが、今日になって一部質問が変わっていたことに、猛烈に反発する女性の担当職員の顔の恐いこと…「これについては事前にいただいていたものと全く違う質問ですし、お答えできません!」の一点張りは凄みがありました。比較をするのもなんですが、多摩市の女性職員の方が対応がいいのは、やはり普段から市民と接しているかいないかの差なのでしょうか?驚きました。おまけに彼女は東京都も公園なんかをバリアフリー化するときには「障がい者の意見を十分聞いてますので。」と、すでに自分たちは市民協働をやっていると主張。別に、市民側は今現在で、東京都が実行しているか否かを問うているわけではなく、もっといい方法の『協働』を見つけていきたいだけなのですが。こういう職員は困るな…と思いました。

 いずれにしても行政側の答弁は「ありきたり」のこと。それを指してか会場からの質問で、我が多摩ネットの事務局長がズバリ「ずーっと話しを聞いていましたけれど、まさに市民との信頼関係を築いていく上では身近な基礎自治体の方がいいんですよね。そう思えば、基礎自治体でできることは基礎自治体でやれば良くて、じゃあ、東京都は基礎自治体でできないことをやると思うんですけれども、今までの話しを聞いていると全て基礎自治体でできることばかりのような気がします。まさにじゃあ、都としては何ができるのか?ということを明確に打ち出して欲しかったです。」…拍手喝采です。私も同じことを思ったからです。特に地域福祉の担当の職員は「主体は市区町村です。」と福祉について質疑が来ると、このフレーズを連呼していましたが、私は「じゃあ、都はなにをやるわけ?」って思ったわけです。地域のニーズは地域で把握しなさい!というわりには、補助金とかでゆるやかに厳しい縛りをかけているのになあと。もっと包括的な補助金にして、市区町村で使途目的などを決定する方が有効なのに。・…つまり、都道府県レベルってものすごく微妙な位置にあるわけで、今、一番迷っているのだと察します。自分たちの存在価値をどこに置くのでしょうか?職員たちは何を使命として仕事をするのでしょうか?とても見えにくいと思うのです。国からの助成金などの通過地点にしかならないのなら「不要!」と言われても仕方ないと思います。私が一番聞きたかったのは仕事をしている中で思い浮かべる「市民の顔」ってどんな顔ですか?ってことでした。

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2002年07月25日

みんなで一緒に考えること

 朝は恒例?の駅頭遊説です。ステイツマンから応援に来てくれるので本当に心強いです。朝にどのくらいニュースレター「ほうれんそう」が配れるかどうかカウントしています。先週は264枚で今週は215枚でした。その後、少し曇っているからラッキー!ということで引き続き「ほうれんそう」配りをしました。創刊号の時はたった一人で配ったので気が滅入りましたが、ステイツマンと一緒にできるので楽しさがちょこっと加わります。せっかくなので最後まで一緒にやりたかったのですが、午後から予定が入っていたので途中からはステイツマンにお任せしてしまいました。うしろ髪ひかれる思いでした。
 私はタウン誌づくりのお手伝いをしています。もともとは執筆から編集までを引受けるはずだったのですが、忙しくなってしまって、そこまで手が回らないので、自分が取材をしたり原稿を書いたりすることができません。でも、タウン誌づくりが楽しそうなので、最終的なパソコン上のレイアウト作業だけお手伝いすることにしたのです。今日は明日の印刷作業に向けて最終確認をしました。編集人がたったの二人!ということもあり、もちろん明日も印刷作業を手伝う予定です。このタウン誌のコンセプトは「世代を超えて、ジャンルを越えて」です。もともとは70代の方が中心となって作成していたのですが、このコンセプトに基づいて一気に若返りを図ってみよう!と踏み切ったと言うわけです。つまりこのタウン誌は経験豊かな編集人から、20代の若者へと世代交代をして新しく再出発!させるのです。このコンセプトがとっても気に入っています。編集作業の中での世代の垣根ない交流こそが『宝』だと思って、とにかくようやく印刷までにこぎつけた感じです。
 それを終了してから、今日一番のお仕事?東京都市町村職員研修所というところのお手伝いをしました。立川市、八王子市、福生市、町田市、武蔵野市の若手職員の方とともに「行政への市民参画」を考える意見交換会をしました。…私の役割は「多摩市市民自治基本条例」の策定について話をするということです。この自治条例はなんと言っても、その策定過程に大きな特徴です。ワークショップを通じて、市民自身がまったくのゼロ状態から条例文まで作り上げたこと、市長とのパートナーシップ協定を締結して進めてきたこと…まさにこの二つです。それから職員のプロジェクトチームと途中から合流して検討をしたこともあげられると思います。参考になる話が出来たかどうかわかりませんが、自分が自治条例の策定過程に参加しながら感じたことを含めて話をしました。結局は「どうして自治条例が必要なのか?」の議論をもっと深める必要があるのと、職員、議員そして市民の意識改革が必要なんだということですが、全部の市民が意識改革をするまで待ってはいられない…との認識は一致。今日強く感じたことはやっぱり‘まちづくり’のビジョンがしっかりと欲しいということでした。行政職員はいわば手足。市長の方針をもとに仕事を進めていくわけです。議会はその市長の方針を監視しながら新しい提案することが求められますが、まだまだ発展途上です。「方針」がどこまで行政職員の中で共有化しているのか?そしてその前に、その「方針」とやらが一体どこまで議論されているのか?が重要なわけですが、それがなかなか見えにくい、行政も議会も、そして市民もよくわかっていないのは、どこの市でも同じかなあ…なんて思いました。
 でもみんなで一緒に考えることは「文殊の知恵」です。意見交換をしながら自分自身の考えの甘さを認識したり、立場の違いを理解したりできます。その立場の違いを超えて「じゃあ、どうしていこうか?」という発見が出来ることは楽しいことです。行政への市民参加や市民参画というのは一体どんな手法やしかけをすれば、もっと幅広く呼びかけられるのか?とか、何が参画か?とか色んな議論がありました。結論を出すには時間が足りずに「これから創りあげていこう!という意気込みが大事」…みたいな短絡的なものとなってしまいましたが、一生懸命考えている行政の職員がいること、そして行政職員はやっぱり実務を考えながら、現実的に市民参加や市民参画を捉えようとしていることを感じました。私が市民参加とか参画、市民協働を話す時には、理想めいた部分の方が大きいのですが、実際にその事務を担う行政職員の意見を聞いて、とても勉強になりました。

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2002年07月21日

市民立法機構;市民と議員の条例づくり交流会議2日目

 一泊二日で開催された交流会議。「多摩市の市民自治基本条例」についての報告者として出席しました。コーディネーターは大学時代のゼミの辻山先生だということもあり、必要以上の緊張はせずに発表することができたのはよかったです。発表の一番最後「感想は?」と聞かれました。不意打ちのような問いに私の口から出たことばは・・・「市民として『市民自治基本条例』を通して欲しいと言うのは楽だっだけれど、議員という立場になると難しくて大変だなあ…と思っています。」と言うことでした。自然と出てきた私の実感で、自分自身でもこんなことを参加者の前で言ってしまうことに驚いてしまいました。でもそれが一番の私の思いかもしれません。「議員の立場」ってとても重いものなのです。
 さて、2日間の交流会議はとても有意義なものでした。発表者も含めてみんなが参加費を払い、開催されるというのが素敵です。それでこそ「市民立法機構」(主催者)だなと感じました。市民立法を取り巻く課題をどのように解決していけるのか?を2日間かけて探す旅でした。いずれにせよ答えは出ていないのですが議員の立場でできることを考えて見た時に、まだまだ私じゃ役不足ねーと思ってしまいました。
 市民が立法するなんてこと自体がまだ市民権を得ていないのが現状です。市民が立法出来るな!という意識を持っている人がまだまだ少ないと思います。でも、市民立法が少しずつ増えつつあり、それとともに市民立法に立ちはだかる壁が見えてきているのです。一番は、市民案がどのように議決機関…つまり議会でお披露目をされるのか…ということです。そもそも議案として議会で審議される状態まで持っていくのが大変です。例えば、請願とか陳情とかのように議員に働きかけてみたところで、議員は動いてくれるのか?例え動いてくれたとしても、その議員は本当に市民案を心底理解して答弁できのか?そして多摩市の市民自治基本条例のように行政とパートナーシップ協定を締結した中で作成される市民案の時、市民案が行政提出議案となるわけですが、この際議会に提出された市民案の姿は行政に手渡す前のままであるのかが問題です。
 いずれにせよ市民が立法をする時、市民案が議会に届くまでのルートがまだまだ整理され確立されていない状態です。そんな中で、今、議員として私が出来ることって何かな…と考えさせられました。現在は行政に対する市民参加や市民参画がいよいよ「市民協働」という‘ことば’に移行しつつ(実質が伴うかどうかはべつとして)ありますが、議会から市民へ、または市民が議会へ…というつながりはほとんど皆無に近い状況です。これまでの議会ははもちろん市民から信託を受けてすべてがお任せスタイルの時代でしたが、今やそんなことは言っていられないというのが私の認識です。やっぱり時代の変化や人々の意識の変化に遅れず、議会の在り方も変化していく必要があります。その第一歩として出来ること・…まだまだ私自身は力不足だけれど、まずは議員という立場を捨てた場所で市民とともに汗を流すことしかないのだと思いました。それが今の私で最大限出来ることだし、初心だろうな…と。だから今日の気持ちを忘れないで毎日を積み重ねなくちゃ!ようやく当選から3ヶ月です。再度、気持ち新たにしたところです。

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2002年07月20日

市民立法機構;市民と議員の条例づくり交流会議1日目

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2002年06月28日

市民自治基本条例の行方…

 約1年半かけて市民が策定してきた市民自治基本条例の市民案。パートナーシップ協定に基づいて今日、市長に手渡しました。これまでの記録などを提言集としてまとめたのですが、これがまた素晴らしい出来映えで改めて、この市民案を作成するまでの苦労を思い出しました。今日集まった市民も喜びがひとしお。そして市民案を提出してからが、新たなスタート!ということもあり、もう一度気分をピリッとさせ、実は自分たちがこの市民案を作成してしまった責任の重みすら感じていたような気がします。
 私はこの市民自治基本条例策定については一般質問で採りあげたのですが、市長が今後どのようにしてこの条例を“横断的”かつ“多角的”に検討していこうとするのか?については未だに具体的な策は出されていません。「条例を生きたモノとしなくてはならない…」という市長の見解には大いに賛成しますが、この条例に限って言えば、行政だけが実行する立場にいるわけではありません。そのことを理解してもらいたいと思っています。

 私自身はとても乱暴な言いかたかもしれませんが、実はこの条例は初めは「一部の市民のもの」からしか始まることが出来ないと考えています。現段階でこの条例を作成したからといって全市民に受け入れられるものではないし、むしろ「市民自治なんて面倒だ!」という意見だってあると思うからです。全市民のコンセンサスをとることは到底無理だと考えます。だからと言って、条例の施行が『時期尚早』と判断できないと思うのです。多摩市の中でも「市民自治」の実践というか、「まちづくり」については、NPOやボランティア団体などが多く活躍する場面があります。これにしたって全多摩市民から見たらまだまだ一部にしかすぎません。でも私はやっぱり、彼らの自主的な活動が「まちづくり」に大きな力を発揮しているし、それを市民自治の実践…とするならば、これについてを制度的に保障していく仕組みは不可欠だと思うからです。市民自治は決まりきったものではなく、実践をともないながら水準を上げていくもの。そして今はまだ行動をしていない市民だって、5年先10年先は、何らかの行動を起こしているかもしれません。その時に「市民自治基本条例」の存在意義を初めて感じることが出来るとすれば、それはそれでうれしいことだと思います。遅すぎるなんてことはないのです。
 とは言っても、より幅広くの意見を聞いたり、この条例の存在を広めることは非常に重要なことです。条例案を策定してきた「一部の市民」たちもこのことは十分承知をしていて、ぜひ行政側と一緒になってより効果的なPRをして行きたいと考えています。ただ本当にこのPR方法が難しい!何かいい攻略法を考え出す必要があります。何しろ「住民説明会」を開いたとしても、一体どれくらいの人が参加してくれるのか???このこと自体が非常に疑問だからです。まずは「説明会」なるものの存在を周知することからが大変だからです。
 私個人としてはまずは自分の隣にいる人に「市民自治基本条例」について語ることから始めるしかないかな…と思っています。この条例は仮に施行されたとしても、そこからが大変!どちらにせよ地道な取組みをするしか前に進んでいかないからです。

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2002年06月08日

「市民」ってなあに?

 毎週土曜日の午後は私にとって貴重な時間です。というのは大学時代のゼミで勉強会をしていて、先生も参加してくれるからです。「政治」のあり方とか「社会」の見方をアカデミックに考えることが少ないのですが、ここに参加することで、私自身のちょっとして政治哲学っぽいものが出来ていく気がして楽しいです。「ものの見方・考え方」ということだと思いますが、まだまだ私はヒヨッコで、<わたし>はこう見る・・・でもそれ以外の見方もすることができる・・・と広がり持って物事を捉えることが出来ていないなあと痛感しています。同時に集まった仲間たちがみんなそれぞれに勉強をしているなあ・・・と感じます。

 今日は「市民社会・市民・公共性」(千葉眞さん)という論文を題材にして議論しました。今度議会で「市民自治基本条例」について一般質問をする私にとっては、この「市民」というものの概念を自分なりにしっかりと考えておく必要があるのですが、そのことがとても難しいなあと改めて思いました。多摩市民という総体で、多摩市に住んでいる民のことをいうのか?「市民自治」の「市民」をどう解釈していくのか?で様相が随分と変わると思います。例えば「自治することのできる市民」とか「自治したい市民」と限定することも出来るかもしれません。乱暴な言い方だと思いますが、そうなった時には「自治したくない市民」とか「自治できない市民」についてはどうなるのでしょうか?もちろんそういう市民についてはこれまで通り行政が対応することになると思いますが・・・。とにかくことば遊びのようですが、実はこのことが重要なことで、しっかりと自分なりの見方を持たなくてはいけないな・・・と思っています。
 大学時代の学びは「机上の空論」だと感じてきたのは事実ですが、今、思うことは「机上の空論」こそ大切で、あとはそれをどのように私自身が現実的にあてはめていけるのかだと。よく「もっと若い時に勉強していればよかった。」という大人がたくさんいましたが、その気持ちがよくわかる今日この頃です。

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2002年06月04日

クジ運はぼちぼち???

 午前中でしめきりの通告書を大事に抱えて、議会事務局へ行きました。たいそうな手続きがあるかと思ったら、「はい、ひいてください!」と通告書を手渡すのと引き換えに、クジをひいただけでのあっさりとしたものでした。さて、クジ運は???今回は22議員が一般質問をするそうで、私は9番目です。おそらく議会の2日目の一番最後になりそうですが、きちんと日程が決まるのは、今週の7日にある議会運営委員会の会議後です。
 今回は「市民自治基本条例策定について」をテーマとしました。通告書は近日中にこのHPにアップする予定です。

 まずまずのくじ運に安心して、今日は学校教育部のヒアリングに行きました。今の小谷田部長さんは「歯に衣をきせるのは嫌い」と本人自ら公言する通りの、非常に熱血な方です。この7月くらいから、今年90周年を迎える多摩第1小学校の校舎立替プロジェクトが始まります。5ヵ年計画です。この立替について、やはり「市民参画」をとり入れる意向で、現在第1小に通っている児童も自分たちの<学校>への思いを絵や作文にすることが夏休みの自由課題になる予定だそうです。この学校建て替えへの市民参画ついては既に、三鷹市の高山小学校で同様の試みがあり、大成功!している模様です。行政の計画の中で、素案の段階から市民の意向を取りいれ反映させていく方式はまだまだ少ないと思います。市民は<思い>によって動かされるわけですから、その市民たちを一つにまとめていくのは至難の技です。最近ワークショップ形式を用いながら市民参画を進めていく動きが各地にありますが、市民たちがワークショップの中で‘合意形成’の図り方を学んでいくという大きなメリットがある一方で、やっぱり時間がかかるし、かかりすぎるというのも現実なのかもしれません。何はともあれ私は学校は子どもたちが使うところなのだから、彼らにとって魅力的な場所になるように、私たち大人がサポートする必要があると考えています。
 実はワークショップ形式とは市民も多大な忍耐力が必要で、結構根気の要る作業です。そしてその事務局を引き受ける側=行政も、ジリジリしてくるのではないかと思います。でもその中から市民同士の信頼関係、市民と行政の信頼関係も醸成されていくのだと私は思っています。(今回の一般質問のなかで強調しています。)
 多摩第1小学校の建て替えはビックプロジェクトで、これは市民と行政の『夢』の実現になりそうな、そんな予感がしています!

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