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2007年12月17日

12月定例会 文教常任委員会

 本日は文教常任委員会だったので出席しました。議題は・・・・来年4月からの指定管理者の指定について(温水プールと少年自然の家)、そして来年4月からの組織変更に伴う教育委員会の関係条例を整理するための条例、そして貝取・豊ヶ丘地域の小学校の統廃合に関する陳情(全部で3件)でした。ちなみに文教常任委員会では、市立小・中学校の統廃合と学校選択制の諸問題について調査案件にしているので、そちらについても意見交換をしました。

◇条例について

 全てが「可決すべき」との結論になりました。個人的には一般質問でも指摘をした箇所である教育委員会の組織替えに伴う条例変更については、

①組織の変更がそのまま教育センターの事業内容を変更することにはつながらない。
②もともと6月定例会の組織変更には反対をしていた。

 という2点の理由で反対しました。教育センターの事業内容から研修事業を除くことに関しては、まだまだ議論を尽くさねばならない点が多くあると考えています。・・・・というのは、研修事業のあり方を見直すだけではなく、もっと根本的に教育センターそのものの存在をも必要性含め判断していく必要があるからです。わざわざ「公の施設」として教育センターを設置してきた意義を見直す意味でもきちんと手順を踏んだ議論が必要です。
 にも関らず、教育委員会の組織の変更ということで、市長もいとも簡単あっさりと提案をしてくることも不思議です。これまで多額の税金を投入してきた「多摩市の教育」の基幹施設。「多摩市として」という部分にテコ入れするための施設には「研修機能」の充実が求められてきました。もちろん実態が伴っていないことは周知の事実で、黙認されてきた感が否めませんが、しかし教育センターを活性化する方策はいくらでもあるはず!現状をただ追認するかのごとく条例提案すること、さらに教育センターの現状を物語るかのように・・・・そのことに対して「経営会議」でも議論にならなかったというのも残念な話。

 私としては多摩市が教育センターを維持する必要性があるのかを考えてしまいました。実態に合わせるのなら、それこそ「教育センター」という名前も変更すべきで、その事業内容も再度考え直すべきと思います。「教育センター」というのに研修機能がないのは疑問です。


◇調査案件

 今回も継続した陳情にも深く関連する学校統廃合の問題。そもそもの「学校の一定規模適正配置の方針」そのものに問題が含まれていることは事実です。東京都は小規模校を解消するための一つの方向性を示した報告書を公表していて、そのための補助金まで創設しているようです。
 学校の規模云々は教育内容や教育効果そのものの観点以上に、「教育だからといって、無制限にお金を使えない」という発想のもと、あれこれと理屈をひねり出しているようにしか見えず滑稽です。それは多摩市を見ても、小規模校の解消ばかりに力をいれる一方でマンモス学校化し教室不足になっているような学校のことは議論されていない現状を見ても明らか。今日の話によると、東京都では平均的に小学校の場合には1学校16~17学級くらいが望ましいと考えているらしく、その規模を維持できない学校は教員を減らすという方針が出ているようです。そうなると減らされるのは専科(音楽・家庭科・美術やら)の教員が減員されるとか。
 そうなれば、多摩市で独自に教員採用すれば問題点クリアになりますが、独自の財源手当てが必要になるためにますますネック・・・・・・。いずれにしても、大事なことは多摩市は学校教育環境をどうつくっていきたいのか?を逃げずに議論することでしょうね。

 高齢者が増えると言うことは脅威ですね。「教育は未来への投資!」なんて悠長に言えるような余力が今後ますますなくなってくるような‘ギスギス感’すら感じます。「高齢者のことをもっと考えほしい。」と言われることも少なくありませんし。
 ビジョンもなにもなく漫然と教育行政が行われていることが問題だと感じています。だからこそ財政的な面ばかりに引きずられ、やれ小規模校の解消だの、一定規模の確保だの・・・・・「今、存在している小規模校そのものの存在が否定」されるかのような議論が先行してしまうような気がします。もちろん財政抜きには考えられないこともあるわけですが、そのことを覆い隠して変に理屈づけしようとするから無理を来たすように思います。

 「一体、教育委員会は何をしたいの?」「学校教育をどうしたいの?」

 わからないからこそ、議論が右往左往するのではないでしょうか。根源的な問題がどこにあるのかをきちんと明らかにして、市民に説明することが必要なんだと考えます。これからは「選択」の時代。市民が選択をし判断するために必要な情報を提示してもらいたいです。議会に対しても同様です。本来されるべき議論を先送りにすれば、結果的には将来世代の首を絞めることにもつながるはずです。


 というわけで、学校の統廃合の問題について・・・・どこまで踏み込めるのかはいささか疑問ですが、進められている小学校の統廃合の行方を見守りながら、今後も文教常任委員会で議論を進めることになりそうです。
 

◇報告事項

 そして協議会では建替え計画進捗中の第一小学校の教室床材をカーペットから木床にすることの報告、国民体育大会(平成25年実施)の報告、図書館本館などの移転、それから京王線沿線の7市(多摩市、稲城市、日野市、調布市、府中市、八王子市、町田市)の図書館が連携をして図書の貸出を実施することについて報告がありました。

 以上・・・委員会が終了しました。明日から特別委員会を経て・・・・ようやく最終日(26日)ですね。

投稿者 hisaka : 2007年12月17日

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