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2007年11月30日

続・食育公開授業 

 先日に引き続き、今度は小学校で昨年度から教育委員会の研究奨励校に指定され活動をしている北貝取小学校での公開授業・・・というか研究発表会に足を運びました。北貝取小学校で積み重ねられてきた実践は高く評価されているのは下記のとおり。

2002年 全国学校体育研究有料校表彰
2004年 東京都教育委員会優秀校表彰(健康・安全推進校)
2005年 学校保健文部科学大臣表彰
2006年 日本学校保健会健康教育推進学校優秀校表彰
それだけに、多くの方が授業見学や研究発表、その後の講演会に参加されていました。市内の小学校の校長先生や教職員の方も大勢いらしていましたし、他の自治体からもたくさんの方々がお見えでした。

 北貝取小学校では「食育」の授業を「食を知る」「食にかかわる」「食を楽しむ」と3つの観点から構成し、考案されています。カリキュラムの作成、そして授業に必要な教材も教職員オリジナルで考え出した「栄養バランスボード」を使用します。そして子どもの発達段階に応じた興味関心を上手に引き出しながら、食に対する学びを深めていけるにしています。
 今日は授業を公開するため、全学年とも5時間目が「食育」の授業。なので、全ての学年の授業風景を見たかったものの・・・欲張らず小学校4年生の「おやつを食べたい!どんなおやつ?」という授業だけを見学しました。
 授業はマーブルチョコA(合成着色料使用)とB(天然色素使用)の実験です。普段、子どもたちが口にしているものですね。ビーカーに水を入れAとBを溶かすと・・・・Aチョコが入った水は一気にきれいな色水にBチョコもほんのりと色水に・・・・・それぞれ上ずみ液を別ビーカー取り出してお酢を入れ、さらに白い毛糸を入れてからアルコールランプで煮沸すると・・・Aチョコの色水は白い毛糸を鮮やかに着色しました。
 子どもたちは既にAチョコを水に溶かした段階から・・・・合成着色料がどんな物質であるのかを感じ取ることができるのでしょう。周りで見学をしていた私を含めた大人たちも「Aチョコの色水」に感嘆の声を上げていましたが、子どもたちは毛糸が鮮やかな色に染まった段階で「合成着色料」と「天然色素」との違いをはっきりと認識することができたようです。
 学童クラブも卒業する小学校4年生は自宅でお菓子を食べるようになるため、子どもが自分でおやつを選択する力をつけることが必要になってくる時期・・・・そのタイミングに「おやつ」のことを学べるのは有効ですね。今日は着色料についての授業でしたが、「糖分」「塩分」「脂質」などについても学ぶ時間もあります。そしてもちろん・・・・「食を知る」だけでなく、「食にかかわる」「食を楽しむ」観点から実際の「おやつ作り」の実習もあります。

 「これはいい授業だ!」と私の隣にいた男性が感想を漏らしていましたが、私も「受けたかった授業だ!」と思いました。

 今日は北貝取小学校実践の集大成としての研究発表会に、おなじみの服部さんが「食育基本法」の意義を日本社会のモラルハザードとの関連での講演で彩を沿え・・・・閉会したのですが、何よりもやはり「校長力」の賜物だと私は感じました。現在の校長先生は2000年(平成12年)から就任されている方ですが、その先生の下で着実に蓄積されてきた実践そのものと言えるからです。

 
 今後の課題は「検証をすること」。授業の成果が子どもたちにしっかりと結実しているかどうかが大事だということですね。授業だけで「食育」をすることはなかなか難しいことです。やはり服部さんも校長先生も強調していましたが、学校だけではなく「家庭」が大切になるのでしょうね。北貝取小学校の場合には上手に家庭の協力を得られるような工夫もされていて、保護者の方々も巻き込んだ活動の展開を進めているように感じましたが、それでも「食」というのは毎日毎日の実践。まずは大人が自分たちの食生活を見直すことからはじめなければ、本当の意味で進めるべき「食育」は社会全体に広がっていかないでしょう。


 「食」をめぐる問題はさまざま考えさせられますね。それにしても、贅沢病にかかっている社会で取組んでいる課題であることを認識したいものです。
 

投稿者 hisaka : 2007年11月30日

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