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2007年11月22日

誰が当事者になるのか・・・。

 パルテノン多摩で上映された「日本の青空」を見に行きました。日本国憲法の制定経過を紐解いた映画です。今は少し声を潜めていますが、改憲論議が盛んだったときに憲法はアメリカからの押し付け憲法だったということが言われていました。それに対する反論を描く映画といえるでしょう。憲法制定の立役者となった鈴木安蔵という人物の記録をもとに真相を明らかにしようとするものでした。

 会場であった小ホールはほぼ満員でした。午前中の状況しかわかりませんが、やはり「壮年」の方々が圧倒的多数でした。

 昨年、教育基本法が改正されたときにも同じことを感じましたが、国民にはその内容が十分に理解されたと言えないまま、一部の人たちだけの議論だけでどんどん進んでいくのが改定作業。「何がどう変わったのかもよくわからない。」「何が問題なの。」・・・・教育基本法改正の話を知らない人も少なくないと思います。私の周りでは知らない人のほうが多いのが現実。「何だか、そうらしいねー。」という感想を述べている人も多いです。そんな私の周りの人たちから見ると「改正しよう」と旗振りをしている人の姿も、「守ろう」とか「改悪反対」と論陣を張っている人の姿も「奇異」にしか映ってこない・・・・それが現状ではないかと感じます。

 今日の映画も実行委員会をやっている方々は憲法9条を守る会などにも所属をしている方が中心でした。戦争体験をなさった当事者の方々がその悲惨な記憶や経験をもとに活動をされています。「二度と繰り返してはいけないこと」・・・実体験があるからこそ、活動にも力が入るのでしょうね。この種のイベントなどに参加するたびにそう思います。

 
 でも、今後・・・・状況が変わり、日本が軍隊を持つことになったら当事者になるのは誰か?


 それは当然ながら、私たち世代や私たちよりも若い世代が中心。「今の若い人たちはたるんでいるから、軍隊にでも入れたほうがいいんじゃないか。」という乱暴な意見を聞いたこともありますが、私たちの当事者意識はほとんどないのが実情ですね。もし、当事者意識を持てるような切実な状況があったなら、私たち若い世代はどう行動するのだろうか・・・・と思います。


 映画の中で印象に残ったのは「女性が選挙権を持つ」ということは「戦争に反対する声」と結びついていくということ。「母親は自分の子どもを戦場に送りたくない。」それは今も変わらない母親の共通の気持ちだろうとしみじみ思いつつ、会場を後にしました。


 それにしても、当事者意識をいかに持つのか・・・とても難しいことだと思います。人との係わりなくこなせる仕事は別として、何をするにも同じことがいえると思いますが、私にとってもいつもいつも「最大の課題で最大の難問」だからです。考える角度や捉える視点によっていろいろな「当事者性」を理解することはできても、やっぱり理解を超えたところあるものを掴まなければいけないと感ずるからです。でも、その前提として想像力が鈍らないようにしておきたいものです。

投稿者 hisaka : 2007年11月22日

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