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2007年11月15日

後期高齢者医療制度

 来年4月から後期高齢者医療制度がスタートします。75歳以上の高齢者が対象の制度ですが、まだ全体像が固まっていると言うわけではなく、ちゃんとスタートできるのかどうかすら不安になるような状況にあります。社会保障制度は「持続可能な制度」に変えていくことが大きな課題になっていることは言うまでもありませんが、制度変更に頭の中を追いつかせることが大変すぎて困ります。今日は制度について話を伺いました。


 この医療制度は運営するのが都内62の区市町村による「東京都後期高齢者医療広域連合」で、保険料の決定や医療給付などを行います。けれど、被保険者証の受け渡しや保険料の徴収業務を行うのは多摩市。なので、保険料支払いに対する市民の訴えは矛先が多摩市に向いてしまうのは当然のことです。国の制度変更に伴うものなので、地方自治体はどちらかと言うと粛々と指示通りに動かざるを得ないわけですが、実際に市民からの苦情がぶつけられるのは市町村の窓口。市町村がジタバタしてもどうにもならない問題とはいえ、市民からの切実な訴えが日々届くのだろうと予測されます。

 もちろん保険料については負担能力によって軽減措置が設けられていますが、先般の報道では一人平均10万2900円(年金年額250万円)と見込まれています。高齢者にとって、この数字だけ見るともちろん「負担増」と感じると思います。それは当然のことですが、それでも・・・・・・高齢者の方々に負担していただくのは全体で必要な医療給付費1割部分。今後、高齢者がますます増えていくことを考えるとお先真っ暗という感じになります。

 ちなみに、昨年度のデータですが老人保健制度の医療給付費。高齢者一人当たりの給付額は下記のとおりとの話。(但しこれは65歳以上一人あたり)
 東京都  80万9112円
 全国    83万384円
 福岡(全国最高) 102万5162円
 長野(全国最低)  68万6千円

 「うわっ!すご。」
 一緒に今日の学習会に参加をしていた方々は「私はそんなに医療費かかっていないわよ。」などなどとぼやき、つぶやきが・・・・。参加していた方々はこの数字に驚かれていました。高齢者の立場からすると「負担は困る」となるわけですが、冷静に考えると・・・・・ため息と将来への不安感で会場の雰囲気はだんまり・・・・・「負担せざるを得ない」とも判断できるという数字が示されているのかもしれませんね。
 それだけに、制度がきちんと運営されていくのか、そもそも制度そのもののことが変更されることも十分に周知されていないのではないか、そして何よりも自分の保険料負担は一体どうなるのか、きちんと理解して納得してから保険料を納めたいという意見が多く出されていました。


 多摩市の状況を考えても、制度の全体像が固まっていないので、確定情報をなかなか流すことができないのかもしれませんが、来週の保険料徴収通知に慌てて市役所に問い合わせをする・・・・という方々もきっと多いのではないかと思っています。一応ホームページには最近の更新で掲載記事がありますが、これを読んだだけでは全くわからないと思います。まずは今後、市民の方に制度変更のことをわかりやすく伝えることが多摩市の役割になってくると考えています。


 この制度で最も危惧されるのは責任主体があいまいになる部分が出てきそうなこと。苦情処理などに関しても誰がどんな風にどんなかたちで対応するのか・・・・はっきりいって見えてこないのが現状です。

投稿者 hisaka : 2007年11月15日

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