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2007年11月14日

続・リサイクルの現場を見る。

 今日は建設環境常任委員会が行われ、午前に相模原市への視察、午後は視察後の意見交換という予定でした。相模原市への視察は廃プラスチックの圧縮処理施設を見に行くことが目的でした。もしかしたら、同行できないかしら?・・・とお願いしたところ、委員長のはからいにより委員外委員としてご一緒することができたのです。

 まずは相模原市役所の資源循環部長、資源循環推進課の方からお話を伺いました。相模原市の容器包装プラスチックの分別収集までの経過説明と廃プラスチック圧縮処理施設の立地に関する説明を伺いました。
 何と・・・容リプラの分別収集を本格実施する前にモデル地区による実験を実施したそうです。その期間が2年間ほど。多摩市でもモデル地区の指定をし、実験してみる予定にはなっていますがそれにしても数ヶ月の話。2年間という期間の長さにびっくりしました。
 しかし、そんなに長いことには相模原市特有の理由があるように感じました。もともと相模原市のゴミ収集ですが、燃えるゴミ・燃えないゴミという区別がなく、すべてを「家庭ゴミ」として一緒くたに集めているのです。その良し悪しは別として、清掃工場では手選別などをするわけでもなく全部全部を焼却してしまうそうです。焼却灰・・・・その量はすごいでしょうね・・・・・。多摩市では燃えるゴミと燃えないゴミに区別しない回収は今や考えられません。そして、相模原市は容リプラの分別収集と合わせてペットボトルの分別収集も開始したそうです。多摩市では「ペットボトル、びん、缶」として既にリサイクルされていて当たり前のように分別回収されています。


 というわけで、相模原市と多摩市のゴミ事情は随分と内容が異なっていることが大前提です。その上で、相模原市宮下にある容リプラの分別収集や廃プラスチックの圧縮施設の見学をしました。ちなみに施設は民設民営です。
 
 さて、工場には各家庭で分別された容リプラとベットボトルが同一のパッカー車にて運び込まれます。ルールでは市民は容リプラとベットボトルを別々の袋に分けて出すことになっていますが、区別しても同じ収集車輌が回収すると言うことで、近頃は「容リプラ」と「ペットボトル」が同じ袋に詰め込まれているケースが増えつつあるとか。
 実は作業現場では一気に収集してきた「容リプラ」と「ペットボトル」を袋ごとに手選別に区別し、それから袋を破袋して中味を取り出します。そして、ペットボトルはペットボトルで、容リプラは容りプラで圧縮されそれぞれがベールになります。ベールになったペットボトルには蓋つきのものも散見されました・・・・。容リプラのベールはAランクとのことでした。

 分別の徹底がどう進んでいるのかが気になるところですが、モデル地域での検証実験では当初は異物(間違って混入しているもの)が8%だったものが、最後には6%くらいに減ったように、全市での分別収集を始めた当初は約10%の異物の混入が現在は6~7%に減っていると言うこと。混入率は確実に減っているとの話でした。作業現場の方にお話を伺ったのですが、「分別する人は徹底するし、分別を全くしない人はいつまでたっても分別をしないよね。それは仕方ないよ。混入物がゼロになることはないよね。」とのことでした。「多摩市では汚れているプラスチック、汚れていないプラスチックという分別で市民に協力してもらうことになっているんですが・・・・」と尋ねてみたところ、「なかなか言い難いものはあるけど、そちらのほうがいいと思いますよ。」というお話でした。

 容リ協会が圧縮したベールを引き取る価格はランクによって決まります。相模原の場合はAランク。引き取り価格は入札により決定をしますが、引き取り手にjなる事業者が実際のベールの状態を見に来るそうです。そのくらいベールの品質?が問われるということですね。なので、現場の方のお話のように「汚れている・汚れていない」という分別をし、あとは手選別ラインで区別していくことがいいのかもしれませんね。そして手選別ラインで区別された容リプラ以外のプラスチックも「なるべく焼却せず」という方針の基づいたリサイクルを進めるべきと思います。昨日の廃プラマテリアルリサイクルの現場を見て確信しています。


 今日は、作業現場は室内で仕切られた空間ではなかったこと。マスクをつけていらっしゃる作業員の方と、そうではない方が働いていたこと、活性炭フィルターについては交換については今後の状態を確認しながら考えていくことにしているけれど、それほどの頻度で交換をしなくても大丈夫だと思われている・・・という話が印象的でした。
 あとは施設としても、行政としてもきちんと有害化学物質の調査をしているというところ。行政は年に4回の実施なので3ヶ月に1度になりますが、データは全て公開されているとの話でした。


 当初は健康被害への不安の声などもあり、議会への陳情もあったようですし、立地するまでには住民の方々とのかなりのやりとりがあった模様ですが、今はそれほど大きな反対運動はありません。とのことです。実際のところの健康被害については・・・・今のところは確認していない・・・・・と伺いました。


  以上の視察を受けた午後の意見交換では「エコプラザの設備環境はかなり高水準でハイレベルであることを実感したと言う感想も述べられていました。あとは「慎重に取組んでいくこと」「データについては公正に明らかにしていくこと」「分別の徹底を進めるために説明会をていねいに実施するべき。」という行政への要望事項も出され、それを受けて環境部長からも「しっかりと取組んでいきたい。」との姿勢が示されて終わりました。20日の夜にはエコプラザの協議会第1回目が予定されています。市民が施設運営を確認し、ある意味で監視をしていくことになるのだと思います。協議会の運営手法についても問われるでしょう。もちろん傍聴は可能にすべきです。


 建設環境常任委員会では他の現場も見るということで、次回は年明けに日野市の施設見学を考えているようです。そこにもおじゃまできるように予約しなきゃ?!

投稿者 hisaka : 2007年11月14日

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