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2007年11月08日

視察報告~議会運営委員会

 昨日から1泊2日で議会運営委員会の視察でした。視察先は三重県の伊賀市。忍者の町ですね。伊賀市役所の最寄り駅には忍者の人形が何体も飾られていて・・・・・観光のための雰囲気づくりかもしれませんが、正直・・・昼間は笑えても、夜暗くなるとその側を一人では通過するのは怖いと感じさせれました(という人形でした)。 

 さて、早速に視察の報告ですが、伊賀市議会では今年の2月に議会基本条例の制定をしています。その経緯についてはだいたいはホームページなどに掲載されているとおりのことですが、やはり視察をしなければ「実は・・・」という部分がわからない。視察では制定時に議長を務められていた安本美栄子議員、そして当時、「議会のあり方検討委員会」の委員長だった本村幸四郎議員から裏話を含めた本音トークをご披露いただきました。
 歯切れのいいトークでかなり盛り上がった視察!私は何と言っても、安本議員からの指摘がぴったりそのままだと思いました。議員は「他に頑張っている人がいると、足を引っ張ろうとする。」という習性があるということ、そして議会基本条例を制定する間際になって・・・・反対する議員の3つの本音がますます明らかになったということ。

 「忙しくなりたくない!勉強したくない!議員同士の違いを見せたくない!」

 議会で市民に向けて報告会をするとなれば準備も含めてのこと・・・・忙しくなりますね、議会での政策討論を活発にするためにはそれなりに議論できる材料を勉強をしなければなりません。そして、議会報告会は議員個々人の後援会に対する報告会とは違い、支持者以外の市民が集まる現場に議員が数名で出かけていくことになりますし、議員のレベルが市民に明らかになることは必至です。そうなれば、当然の如く・・・・・市民に議員一人一人の違いを自然と感じさせることにもつながります。


 ということで、議会基本条例の制定に反対をする議員たちは「まだ、期が熟していない」ということを理由にして慎重審議を求めていたようですね。おそらく「議員同士の違いを見せたくない!」というのが一番の本音だと私は思っています。後援会のメンバーに頭数を揃え、それなりに後援会に顔向けをした活動をしていたら選挙で当選することが十分に可能というのが地方選挙の現状とも言われていますが、後援会以外の方々にもしっかりと議会活動を伝えていかねばならないとなれば、ますます問われるのは議員個々人の姿勢でしょうね。 

 なので、安本議員曰く「みんなが(以前よりは)勉強するようになった。」のだそうです。


 ちなみに伊賀市では市町村合併という事実が一つの契機になり議会の改革機運を高めていったようです。市町村合併では在任特例を適用し、議員数が一時膨らみ、議員報酬は最も高い水準に合わせられるという事態も起こります。伊賀市でも一時的にはそのような状況があり、政務調査費の問題なども含めて議論があったようです。さらに、市町村合併とともに各地域地区に住民協議会が設置され、そこに与えられた権限が強化されることで、議会はますます骨抜きにされるのではないかとの危機感もあったとか。そんなこんなで「このままでいいのか!市議会!」という安本議員の音頭によって市議会改革が本格的に始動しました。

 伊賀市議会では議長選のときに各候補者が所信表明をするそうですが、その方針の一つに含まれていたのが「議会基本条例」ということでは、やはりキーマンは「議長」になるのでしょうか?!


 議長はやっぱり・・・・ただの議事進行の司会者ではない!!そうあっては困る!!!のですね。きちんと議会を引っ張っていけるリーダーで牽引役を担うことが求められるのですね。安本議員は、議会基本条例制定のために全ての議員との意見交換をこまめに行い(会派ごと)、本音トークを重ねながら、制定にまでこぎつけたとの苦労話もなさっていました。


 
 ところで多摩市は?

 「議会基本条例の制定をめざす議会改革特別委員会」が設置されているので、議員それぞれに「議会基本条例」の制定が意識されているとは思います。けれども、制定することによって自分たちの活動をどう変えていかねばならないのかまで深めて考える全体的状況にはなっていません。さてさて、、、、今後の行方はいかに?


 安本議員がご指摘の「議員の3つの本音」の話が思い出されます。そして本村議員が仰っていました。「議員(議会)という職場を変える。議員どうしで自分たちの身の保全を考えることはできるけれど、自らの在り方を変えようとするのは難しいこと。改革には痛みが伴う。」・・・・必ずや抵抗勢力は存在すると言うことになるのでしょうね。「現状維持」が一番楽ちんであることには変わりがないので。

 議会基本条例は議員の在り方そのものを問い直し、議会と市長との関係性を質すアイテムとして不可欠な存在になっていくはずです。この条例を制定し、市民が「議会」を見直す契機にしていきたいものです。その上で、議員定数問題、議員報酬問題、政務調査費の問題全てについて市民的議論を深めることができればいいなと考えているところです。市民が望んでいる議会像をしっかりと捉え、市民のニーズに合致する活動が展開できる議会づくりが目標です!

投稿者 hisaka : 2007年11月08日

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