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2007年11月06日

これで本当に進めていいのだろうか・・・?

 今年の6月から街づくり条例が施行されています。日常生活ののなかではあまり馴染みがない条例かもしれませんが、実は、ひとたび大規模開発などが行われる際・・・・地域で繰り広げられる事業者と地域住民との争いを回避し、解決するために有効な手段になりえる可能性がある大事な条例です。

 しかし、この条例にはいわゆる「高さの制限」が設けられていません。「高さ制限」こそが重大ポイント。地域紛争での争点になるからです。事業者はその土地の用途に従って、最も有利な建造・建築物の設計をしますが、得てしてそれが周辺住民の生活環境を破壊することにもつながりかねない。多摩市内でも大規模マンションの建設などでは事業者の利益と市民の生活権との調整がつかず、最後には市民が泣き寝入りせざるを得ないという状況も生まれてきました。結局、事業者は法律は遵守しているわけで、住民が「高すぎる」「大きすぎる」と主張しても認められないからです。

 というわけで、街づくり条例に高さの制限を設けるかどうかについては議論の余地があり、策定過程でも少しは議論されてきたことでした。しかし、制定する段階で「慎重に取り組む必要があり。」という判断で、盛り込むことが見送り?先送りされてきた事項でした。
 現在、「建築物の高さの最高限度等の見直し説明会」が開催されています。言うまでもなく、「高さ制限」というのは、市民の財産権にも深く関る重大事項。全市域の主だった場所で説明会が展開されています。しかし、小難しそうな説明会に参加者の集まりが悪いようです。

 説明会に参加者が少ないのは市民の関心が低いから・・・とは言い切れるでしょうか。個々人の財産権を侵害する恐れがあるような重大事項。これはPRに仕方によっては人が集まる内容で、集まらねばならない内容とも思います。市民が知らない間に・・・財産権を制限するような内容のルールが定められていたともなれば、そちらのほうが重大ではないかと思えます。とりあえず、市民向けの説明会を実施したという実績は残るのかもしれませんが、参加者が集まっていない限り・・・それを十分な手続きを踏んだと判断できるかどうかは微妙です。

 個人的にはあまり高すぎる建物は好まないので、街並みや景観の視点からも高さ制限を設けることがあってもいいと考えています。とは言え、日本社会はとかく財産権重視、財産権優先で街づくりを進めてきたことを考えると、市民の発想そのものの転換が求められる事項ともいえます。それだけにていねいな説明で市民の合意を取り付けることが必要かと思います。条例で制限を設けたことを後々悔いることにならないようすべきでしょう。


 市民への説明会が「証拠づくり」に終わることにないように・・・ここは着実なる手続きを踏んでもらいたいと思っています。今のまま、閑古鳥がなく市民説明会をどのように受け止めて今後の取組みが進んでいくのだろうか?その行方が少々心配されます。

 *説明会は今週の日曜日まで開催されています!→日程はこちらでご確認ください!

投稿者 hisaka : 2007年11月06日

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