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2007年10月30日

学校の適正規模・適正配置

 「多摩市立学校の一定規模及び適正配置等に関する審議会」では貝取・豊ヶ丘地域の小学校の統廃合問題について議論が進んでいます。全部で4校ある小学校を2校にし、学区域については南北で2分割する方向にまとめられています。つまり、北貝取地域と北豊ヶ丘地域で一つの学区となり南貝取地域と南豊ヶ丘地域で一つの学区になると言うことです。その上で学校の配置が検討されており、南の地域については廃校になる豊ヶ丘中学校を小学校施設に転換し使用するという考え方が示されており、概ね地域の合意が計られている模様です。
 ところが、北の地域に対立構造が生じています。実は6月の段階では統合後は北豊ヶ丘小学校を使用するとの方向が示され、地域説明会が開催されていました。ところが、南の地域は豊ヶ丘中学校校舎を、北の地域は北豊ヶ丘小学校を使用することとなると、貝取地域には小学校が1校もなくなるという事態が発生します。それに対し、貝取地域の住民を中心に「貝取から小学校をなくさないで欲しい。」とする運動が起こり、その後の議論を経て、審議会では統合後は北貝取小学校を使用こととする方向転換をしたというのが経緯です。この変更に対し、今度は北豊ヶ丘地域からの疑問の声が上がってきたのです。

 議会には6月末に貝取地域から、そして先般9月末にも豊ヶ丘地域から陳情が提出されていて、文教常任委員会の審査案件になっています。委員会(議会)では審議会の議論の途上で結論を下すことは望ましくないとの考えから「慎重審査」が続いていて、今後も続くものと思われますが、住民間争いのようになってしまった問題に議会が判断を下していくことには相当な時間を要すると感じています。双方の地域から出されている意見はどちらをとっても、それぞれ立場や視点を変えることで理解できるものばかりと言ってもいいでしょう。それだけに議会が判断をするにしても、大所高所からきちんと議論を進めていかねばならないと思います。

 現在行われている審議会は教育委員会で決定済みの方針に基づき、学校の配置をどうするのかだけを議論する場と言ってもいいのかもしれません。つまり議論の大前提には「小規模校の解消」ということが存在しています。もしかすると、問われなければいけないのは「小規模校を解消する」ことを掲げている方針そのものなのかもしれませんね。方針決定をする過程では、パブリックコメントも行われていて、市民の意見はとりあえず反映されていることとなっていますが・・・・・。行政の方針決定過程に議会が立ち入ると言うことはあり得ないので、議会独自での調査活動を進めることも必要なのでしょうね。
 ただ、教育分野の場合には政治的中立性が大きく問われることは言うまでもありません。つまり教育委員会の存在意義を危うくしてしまうような議論を展開はできないことにもなります。その意味で、議会でどこまで「教育論議」に踏み込めるのかも課題になるのでしょうね。目指すことは「教育環境の充実」というものの、厳しくなる財政環境に目を背けて議論することもできない現実がある。そこで問われる選択と判断を下すのは決して簡単なことではなく、ある意味で苦しさの伴うこと。議会が議員がますます問われる時代だと実感させられますね。

投稿者 hisaka : 2007年10月30日

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