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2007年10月19日

多摩動物公園に行きました。。。

 今日は他市で活動している議員の方々と多摩動物公園の見学をしました。もちろん単に動物を見に行っただけではありません。動物園についての講義も受けました♪多摩動物公園は来年50周年を迎えるそうです。歴史がありますね。見学の最後に出会ったゾウは43歳で日本で最高齢だとの話でしたが、それにもまたびっくりしました。

 「動物園とは何か」・・・と尋ねられたらどう回答するでしょうか。副園長さんの講義の冒頭で質問されたことです。私は思わず答えに給したのですが、動物園は「動物を集めて飼育し、なおかつ一般の供覧に供する」ようにする場です。近代ヨーロッパでは貴族が趣味的に動物を飼育していた歴史もあるそうで、「一般の供覧に供する」というところがポイントになるのだそうです。美術館などとも同じですね(セレブの趣味だけにはしないということ?)。
 何といっても動物の収集(コレクション?!)と飼育が役割のうちでも重要になるのですが、多摩動物公園の特徴は「昆虫」なんだそうです。全部で2万6313の個体(387種類)があるそうですが、そのうち昆虫は1万7614個体(196種類)とのことで、約半分が昆虫とのこと。そして、1958年(昭和33年)の5月5日にオープンした当初から上野動物園のセカンドズーとして位置づけられ、運営がされてきたのだそうです。


 現在は指定管理者による運営になっており、その契約期間は10年とのこと。管理者は財団法人東京動物園協会です。動物園の運営費は人件費は除いた部分で「20億円はかかっていないと思うけれど」とのことでしたが、かなり財政的には厳しい状況に置かれているようです。特に光熱水費への出費が嵩むようです。例えば、今日は見学の中でかつてローランドゴリラ2匹が飼育されていた場所の見学をさせてもらったのですが、寒さに弱いゴリラたちのお部屋にはフロアーヒーティング(床暖房)も完備。もちろん暖房は欠かせないわけで、生命を守るための対策には何よりも配慮しているようでした。また、最近は私たちの食卓でも「食糧の値上げ」が話題になっていますが、動物たちの餌の値段も10%は高騰しているらしく、それにも頭を悩ましているとの話でした。見物客とは一味違った観点から動物たちをしげしげと眺めてしまいました。

 そしてライオンの寝部屋の見学やら、アフリカゾウの寝部屋も見ることができました。ちょうど閉園前にゾウたちがそれぞれの部屋に戻る様子、飼育係の方々の動きも間近で見ることができました。そして、ゾウにりんごを1つあげました。鼻でひょいっとりんごを掴み、口の中に放り込むのですが、ゾウの鼻汁が手につきました。貴重な場面に立ち会うことができて感激しました。


 動物園の今後・・・のことですが、多摩動物公園でも指定管理者になり、ますます独自性の発揮に力を入れている模様です。特に動物園というと対象が「子ども」という固定観念が強いですが、「大人向けの動物園」「大人も楽しめる動物園」を念頭にさまざまな企画をしていきたいとのことでした。
 そして、動物たちについては「環境エンリッチメント」動物の身体・心をともに維持していくために努力をしたいとのことでした。ある意味で自由のない動物たちのストレスへの最大の気くばり気遣いということになるのでしょうか。・・・・冒頭に戻れば、なぜ「動物園があるのか」という根本的なところにも立ち返る問いになるのかもしれません。もっと突き詰めて根源的な私たちへの問いかけをされる部分なのかもしれませんが、動物園の動物たちの姿に私たちはどんな「心」を持てばいいのでしょうか。

 「自然への賛嘆や畏敬の念を感じる場にもして欲しい」

 そんな動物園側の思いをどこまで感じ取り、受け止めることができるのでしょうね。今日も遠足で多くの小学生や園児たちが訪れていました。子どもたちが出口に向かっていく後姿を「私の子ども時代の記憶は遥か彼方だなあ・・・・」と思いながら眺めていました。そして、動物園も「経営」という観点から考えると時代の流れとともに存続の危機と常に背中合わせ置かれている現実をしみじみと認識した一日でした。

投稿者 hisaka : 2007年10月19日

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