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2007年10月18日

贅沢施設の終末期・・・・?

 パルテノン多摩の評議会がありました。議題は補正予算と現在の取り組みについて進捗状況の報告でした。

 先般、20周年を迎えたパルテノン多摩については書いたとおりですが、やはり今日の評議会でも話題になったのが長期修繕費のこと。とても粗い見積もりながらもざっと試算すると今後12億から13億円は必要になるそうです!

 これに対して評議員の一人である多摩センター某映画館で支配人をなさっている方は「民間企業だと考えられない。」と仰っていましたが、そのとおり・・・・民間企業だと考えられないと言うよりかあり得ないという状態が現在のパルテノン多摩。「12億から13億あれば、新しい映画館が一つ作れてしまう。」・・・・とてもわかりやすいご意見過ぎました。まさに民間感覚!

 
 とりあえずも名誉挽回をするならば、ホールの音響設備などのメンテナンスは適宜実施をしているし、今後もする予定はあるとのこと。けれども、老朽化している外壁などの工事にまで手が回らないというのが状況だそうです。簡単に言えば、「外観がみすぼらしいだけです。」ということになるのかもしれませんね。

 それはそうと、一般的にも公共施設の特徴は「建設時には完成後のランニングコストのことまで考えていない。」ということで、お金があれば(市民は打ち出の小槌を持っているわけではなく、必至に働いて税金を納めているだけの話)お金があっただけにふさわしい?ふんだんに奇妙奇天烈なデザインを施したり、調度品など豪華すぎて安っぽいものを購入したりするのが特徴のようですね。これも、かつての話なのかもしれませんが。かつてに建設されてしまった公共施設については、「過去から現在にそして未来へ」の遺物になっていくことを考えると、ぞーっとしてしまいます。パルテノン多摩の場合は実際どうであったのか私も詳細把握しているとは言えませんが、一つ一つの調度品などを拝見するに・・・・汎用性がきかなそうなものが多く、メンテナンスも「特注」しなければならなそう?!

 でも、それを「市民が望んだから。」と言われるのは不本意です。文化ホールのような施設を望んだ市民もいたでしょう。しかし、市民が望んだことを適切に反映した「文化の殿堂」になっているのかは心底疑問です(こんなに豪華なもの、敷居の高い施設を望んだのかしら?)。本当に今後どうなっていくのでしょうね。


 昨年から指定管理者による運営を実施していますが、パルテノン多摩と同様な施設では指定管理者が管理するのに耐えられず、途中で投げ出してしまうという例もあるようですね。パルテノン多摩は「財団法人」による運営になっており、過去からの蓄積もあることを考慮しても「やーめた!」となるとは思えませんが、正直、民間の理屈で言えばパルテノン多摩の指定管理を引き受けるのは「割に合わない」のだと思います。


 何といっても長期修繕計画が作成されていても、そのうち達成されているのが30%前後にしかなっていない贅沢施設。指定管理を引き受けるにしてもよほどの覚悟と自信が必要になると思われます。少なくとも長期修繕計画については計画通りに実行されていてはじめて、指定管理者としても円滑な引継ぎができると言えます。現実問題そのようにはなっておらず、指定管理者の受け手を現在の財団以外に求めることもまた難しいのではないかと考えています。


 議会では「パルテノン多摩の売却」という声もありますが、売却したところで、施設がそのまま維持されていく保障も100%ではありませんし、やはり今の状態を何とか軌道修正しつつ、「税金で維持していくことの意義」が市民にも伝わるような施設づくりをしなければならないでしょうね。全国にはパルテノン多摩と同じような贅沢施設は点在しています。まさに「終末期の贅沢施設たち」・・・・・?そうならないような知恵と工夫こそが必要。まずは、パルテノン多摩の今後のあり方や運営を密室で議論しているような状況の改善が求められそうです。
 

投稿者 hisaka : 2007年10月18日

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