« 決算特別委員会3日目 | メイン | 決算特別委員会最終日・06年度決算は認定されました »

2007年09月27日

決算特別委員会4日目

 全5日間の決算特別委員会も終わりが近づいています。明日は一般会計では教育費、その後・・・特別会計の審査に入ります。委員(議員)一人あたり30分の発言時間は一般会計の審査で消費されてしまうことがほとんど。特別会計の審査までに発言時間の余裕をお取り置きしているのはいつも共産党会派の方々のみ。そこは「さすがだ!」と思えるところです。


 さて、今日は発言の残り時間を使って「障害児(者)歯科診療事業」のことを取り上げました。これは健康センターで実施されている事業で、1998年から八南歯科医師会の協力を得て行なっているものです。障害のある方々の診療には専門性も必要、特別な機器が必要な場合もあり、地域の歯科医さんではなかなか対応しきれなかったという事情がありました。数年前に実施した障害者の実態調査のアンケートでも困っていることとして、「身近で安心して医療を受けることができない。」という声が多くありました。


 理想的には特別な場所を設けず、地域にある歯科医さんで対応できることが望ましいわけですが、建物のバリアフリーの問題や専門的な技術の取得などの点から考えても理想論だけでは進まないこともまた事実。多摩市では現在、12の歯科医さんが「協力医」として障害者の診療を受け入れる体制になっているようですが、それでも身近な地域で安心して診察を受けられる環境整備が十分に整っているわけではありません。障害の程度によっても対応ができる場合できない場合があるとも聞いています。ノーマライゼーションとか共生社会の実現するための環境整備は遅れていますね。


 多摩市で実施している「障害児(者)歯科診療事業」については、他市からの利用者も多く、市民と市民以外の方々の割合で言えばほぼ半々。他市からの利用者が多いということからも、障害のある方々に対する地域医療体制がいかに不十分であるかのかわかります。
 そんな中で多摩市が先駆的に事業を実施してきたことは評価に値すること。これからもこの事業は継続しなければならないと考えています。

 けれども、この事業のあり方はかねてから問題点が指摘されていました。というのは、事業実施のために市が支出しているのは人件費など約4500万円相当。しかし、利用者は受診料無料ではありません。治療費は別途診療報酬として歯科医師会に入る仕組みになっています。そこで、診療報酬分は事業費と相殺することができるのではないか、診療報酬は市の収入になるように契約を変更すべきと言われ続けてきたのです。
 市の支出約4500万円には医師に対する手当てなども含まれているわけですが、別途診療報酬が支払われるのであれば、考えようによっては「二重取り」ではないのかというのです。

 確かにそういう側面を全く否定することはできないでしょう。しかし、スタッフの人数を多く確保しなければならないことなど他の条件を考えれば診療報酬だけですべてを賄うことは難しいと思われます。


 そこで、次に市と歯科医師会との費用負担のあり方が課題になると考えています。すでに25年の歴史を重ねてきているので、診療機器がずいぶんと老朽化。買い替えの時期に来ています。今までは診療機器の更新などすべて市の負担にて実施されてきましたが、財源確保も含めてとても厳しいのが実情です。そこで、何とか費用負担のあり方を見直さなければならないのです。ちょうど、設備更新を進めていかなければならない時期。医療技術などは日進月歩。すでに骨董品化してしまうような古い設備機器しかなければ、治療の質としても問題が生ずるのではないかと考えます。
 

 「二重取り」という指摘には異論があるのかもしれませんが、市が人件費を負担している上に、診療報酬も得ている・・・・開業医さんなどは診療報酬の中からスタッフを雇用したり、設備機器を更新しているわけですから・・・・そのことを考えても、費用負担のあり方を見直すことは当然とも思えます。
 歴史的には「多摩市がお願いをして実施をしていただいてきた事業」なのかもしれませんが・・・・・、「お金の流れ」を考えれば、この事業の運営のあり方は見直せるはずです。


 私が今日初めて指摘したことではない!との点がポイント。数年前、もっと前から指摘をされていたことなのに、どうしてなかなか前進しないのでしょうね。おまけに行政も当時から「運営のあり方も検討しなおす必要がある。」という認識を示しているのに・・・・。ここはしっかりと市長に対話をしてもらわねばならないでしょうね。まさに多摩市の行財政再構築の本質が問われるところです。
 つまり、すべてを行政改革、ゼロベースで見直していくことを高らかに宣言しているにもかかわらず、声の大きさや強さによって見直しの度合いが違うとしたら・・・・・。市長には初心をしっかりと貫いてもらいたいですね。まさに市長の政治姿勢が問われる象徴的事業だと感じています。


 ということなので、この事業を取り上げて質疑してみました。

************************************************************

 「声の大きさ」「声の強さ」・・・・って言えば、「実現力がある」といつも主張している立場の方から面白い発言がありました!


 「道路補修」や「街路樹の剪定」やら・・・・議員の口利きで物事の優先順位が決まっていくことは大変由々しき事態だというのです。公平性公正性を確保できるようなルールをつくるべきという提案はまさにそのとおり。「年に数回でも市民の要望を受け付け、現場確認をしてから対応の優先順位を決めていくべきである」・・・・・そうなるといいですね。

 
 私は市民の要望を受け付け、その声を届けることもまた議員の仕事の一つであると思っていますが、その声を届けたという事実が公表されればいいのだと考えています。行政はもともと公平で公正に対応することが大原則で、その大原則を「政治家」の力が歪めているとしたらそのこと事態が問題なので。議員が届けた声であっても公平性公正性の原則に基づいて判断が下されればいいのです。
  
 いずれにしても議員の姿勢にもかかわる問題で、「仕組み」にするまでもない問題だというのが私の考えですが・・・・。行政側が「市民の要望を受け付ける」仕組みを構築するよりも、もし必要ならば、議会が自ら「口利き防止条例」を提案をするほうが先だろうと思っています。

投稿者 hisaka : 2007年09月27日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/1490