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2007年09月21日

決算特別委員会初日・総括的質疑

 昨年度の決算について審査が始まりました。初日の今日は総括的質疑から。総括的質疑というのは、昨年度一年間全体を振り返っての内容や、その他関連することを何でも盛り込んで質疑することが出来るという便利?な時間です。なので、決算審査に一見関係のないようなことまで質疑することが可能です。

 ですので、一昨日のある事件?・・・・公用車を使用して市長が総裁選挙候補者のところに駆けつけていた事実に対し、市長の政治行動や政治スタンスを正すような質疑もありました。市長は多摩市のことがPRできるならば・・・・「できる限り応じます。」という姿勢で、この度の政治行動についても「多摩市のことを理解してもらい、知ってもらうために。」という説明でしたが、議会サイド全体としては「なじまないのではないか・・・・」という意見のほうが多数を占めていたようですね。「地元選出の代議士の方からのお声かけがあって。」だったので、断りきれなかったのかもしれません。


 さて、総括的質疑ですが、今回は私が担当をしたので、会派で議論した内容をとりまとめ市長や市政に対する評価を述べました。
 昨年度は3年間実施してきた行財政再構築プランの最終年度でした。すでに昨日のたま広報でもその成果が公表されていました。

「行財政再構築プラン策定当初、何も改善・見直しを実施しなかった場合、平成16年度から18年度までの3年間で約95億円の財源不足が見込まれましたが、改善・見直しを行なった結果、達成額は約124億円となり、財源不足を補ったうえ、新たに約29億円の財源を捻出しました。」(たま広報より)
でも、この表現はやや正確さにかけるのですね。達成額は約124億円だといいますが、そのうち約63億円は税制度改革による税収増に助けられた部分ということです。単純計算では語れないのかもしれませんが、「約124億円-約63億円=約61億円」が多摩市独自での改革の成果とも言えますね。私は肝心な部分が広報では語られていないと思っています。市民には正しく状況を伝えるべきです。

 また、プランの達成状況についても「おおむね達成」という部分が約86.6%に上ることが示されていますが、「行政改革」いわゆる‘お役所改革’の分野については達成度が低いことには触れられていないことも言葉不足です。

 行財政再構築プランについては、自治推進委員会が外部評価的に意見を述べているのですが、その中でも「実施できなかったもの」に対する原因を明らかにし、市民にもわかりやすく伝えるべきとしていますが、たま広報の掲載記事を見る限りにおいて(紙面の制約があるとしても)は不十分さを否めないと思っています。


 多摩市はまだまだ財政状況も厳しく、行財政改革そのものも「道半ば(市長の表現を借りると)」。にも関らず、行財政改革があたかも成功したかのような表現についてはいかがなものかと思います。市民が誤解を招く恐れがあります。適切に状況を伝えなければ、市民一人ひとりに現況を理解してもらうことはできないでしょう。


 その他、総括的質疑で主眼に置いたのは市長の「鋭い経営感覚」に対する疑問点をいくつか指摘しました。特に「改革疲れ」をしてしまっているかのような、職員全体に広がっている「閉塞感」をしっかり捉える必要があると思います。
 市長は「職員一人一人の意識改革」や「心の持ちよう」いうことを繰り返し述べるのですが、私たちの会派ではそんな精神論では乗り越えられない原因があるのだと考えています。役所の仕組みをきちんと見直していくことこそ重要。人事制度、研修制度、業務そのものの改善など内部の構造を見直さなければならないでしょう。内部の会議を「首脳部会議」→「経営会議」と名前を変えるより前にすべきことがあるってことですね。

 職員のモチベーションがあがらないということは、そのことがダイレクトにパフォーマンスにも反映されるでしょうし、市民サービスの質そのものにつながる恐れがありますね。職員のやる気を引き出す仕組みを構築することが優先されるべきと感じています。


 おそらく市長にもその認識はあると思っていて、そのことが「改革は道半ばです。」という表現に結びつくのだと思いますが、道半ばの改革はどこに出口があるのか、完了の目処を立てているのか示してもらいたいものです。

投稿者 hisaka : 2007年09月21日

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