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2007年09月09日

市民討議会

 昨日、今日で開催された市民討議会を傍聴しました。

 市民討議会というのは市民参画手法の新しい取組みです。もともとはドイツから。日本でも紹介されたのは数年前です。この新たな手法に力を入れて取り組んでいるのが青年会議所。千代田区での取り組みを初として、広がりを見せている模様です。

 
 さて、今回の討議会ですが、無作為抽出により選んだ1000人に参加依頼書を送付し、参加の意思を確認し、53名の方が参加希望を表明したようです。最終的に本日の参加者は35名ほど。2日間みっちりで、朝から夕方までの日程です。2日間も参加するというのはなかなか難しいですよね。土日二日間を討議会のために空けるというのにはなかなか勇気が要るかも。
 市民討議会って一体何なのかわからなければなおさらのことです。私も「市民討議会って何なの?」と尋ねられたので「ぜひ参加してみてください!」とお答えをしたことを思い出しました。


 参加者の横顔・・・・ですが、圧倒的に女性は少ない。若い人も少ない。団塊の世代の男性が多そう。

 というのが印象でした。(実際にそうだったと思います。)正直、土曜日曜の丸々2日間。午前は9時からで夕方5時過ぎまでの日程はきついでしょうね。家族の三食を気にしなければいけない家庭の主婦などの参加のハードルは高いように感じました。もちろん、子育て真っ最中であればなおさらのこと。家事育児が女性の仕事・・・という意識がまだまだ主流である限り、この日程で30代など若い女性の参加は難しそうと思いました。


 実際に、「参加者の年齢層が高くてびっくりした!」という感想が語られていましたが、私も同感。ドイツなどでは一週間ほど缶詰になって開催されるというので、それに比べれば全然甘っちょろいのかもしれませんが、より幅広い層の参加を得るための工夫はできる余地はあるのかも。

 初開催の討議会は滞りなく終わったのではないかと感じます。議論のレベルもかなり水準が高かった・・・という風に参加者の方から伺いました。無作為抽出の市民とは言っても参加意思の有無を表明した段階に主体性があるわけで、かなりの問題意識を高く持ち、昨日今日の議論に参加していたのではないかと思われます。討議会の準備などを担った実行委員会のみなさんには拍手ですね!裏方がかなりしっかりとしていたと感じました。
 傍聴者としては、討議している様子を風景として遠目で見ていただけで、つまらないといえばつまらなかったです。でも、参加者の満足度も非常に高かったようですし、成功に終わったと感じました。

 肝心の討議内容 「市民が求める多摩市の図書館・図書館サービス」というテーマについてですが、詳細は2日間の議論の内容を分析し、まとめたものについて報告会を実施するようです。中央図書館の早期実現への希望も高かったですし、移動図書館の復活を願う声もありましたし、何といっても「どこの図書館へ行っても、職員がブスッとカウンターに座っているということは、ブスッとなってしまう根本的な要因が背景にあるのではないか?」という指摘などは的を得ていました。その他、市民参加で運営する図書館という話、市民ボランティアによる図書の整理などなど・・・意見が多数ありました。報告会を待たずしても、真っ先に取り組めることは職員のスキルアップだろうと感じました。

 最近、職員の応対について「さしすせそ」というキャンペーンをしています。図書館職員の接客力?!どこまで必要なのかについては議論の余地があるでしょうが、市民への対応が向上することは望まれることでしょう。


 というわけで、市民討議会は新たな手法として注目できるものと考えていますし、取組みそのものに対しては積極的に応援したいという立場ですが・・・・・苦言を。

 市民の参加を進めるときに最も必要なことは公平性であり、公正性。なおかつ決定過程の透明性が何よりも問われることだと思っています。市民討議会については主催は多摩市教育委員会で、主管が「多摩市民まちづくり討議会実行委員会」になっているのですが、一体・・・「主管」って何なの?

 これについては6月定例会の文教常任委員会で問い質してわかったことなのですが、そもそもは多摩青年会議所から市民討議会開催の提案があったものを、そのまま実施の方向に移していったようですね。他市の事例なども聞き及んでいるのですが、多摩市と同じように「主管」なんて付して実施しているところなんてないように思います。他市では青年会議所が主催をしているところもありますし、自治体と共催で開催しているところもあるようですね。また、日野市などでは実行委員会に公募市民も交えているようです。

 ・・・・どういう意図があって「主管」としたのでしょうか?よくわかりません。わかりにくさが不透明さを招き、不信感につながっていくのに・・・残念なことです。市民討議会のノウハウがなく、青年会議所に力を借りるとするならば、「共催」としてもいいですよね。そのほうが公明正大って感じがします。


 まあ、実行委員会には青年会議所のみならず、法政大学の学生さんや職員有志(?)もいるようでしたが・・・・市民に広く呼びかけをしているものではなく、そのあたりも自治基本条例を謳っている立場からは少々不満の残る手続きだなあと思っています。

投稿者 hisaka : 2007年09月09日

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