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2007年08月20日

改革派市長。

 今日から2日間の予定で全国若手市議会議員の会の研修会に参加します。会長をやっていた市川市議の高橋亮平さんは議員になる前々からの知人なので、その縁もあり参加することにしました。
 生活者ネットワークに所属していたときとの一番の違いは、情報収集をしたり、「志」を持ち活動をしている仲間どうしのネットワークを広げるために「自分で」動いていけること。生活者ネットワークの運動に支えられてきたことを実感しながら、今はゼロから自分自身の議員活動を開拓していける面白さを感じています。

 さて、今日の研修会は前我孫子市長の福嶋浩彦さん、前犬山市長の石田芳弘さんらのお話を伺うことができました。市長という立場ながら、いかに二元代表制を機能させていくのかを考えたリーダーシップで改革にも取り組んできたのだなあという印象でした。
 
 福嶋さんからは、市議会の議会事務局の市民からの相談・苦情窓口などを設置する提案をして否決されたという話を伺いました。議員が個々に市民の要望を取り集めるのではなく、議会としての「対応」を考えるためのアイデアなんだけど・・・残念でしたということです。
 市長が議会のあり方に関することまで手出し口出しをし、あっさりと否決されてしまったことは理解するのですが(越権行為とかいわれそうですよね)、「市長への窓口」だけではなく「市議会への窓口」として設置するアイデアは斬新です。

 また、福嶋さんは市長時代、12回の予算提案をしているそうですが(って12年間市長を務められたということ)、原案通りに可決されたことは一度もないとのこと。予算委員会では、議員が行政執行部に質疑をした後に議員同士で議論をする場があるそうです。その場で質疑・答弁内容を踏まえながら、市長に修正箇所の提示→それに基づいて市長は原案訂正を行う(もちろん議会から提示されたすべての事項を受け入れるわけではないようですが)・・・・という流れで予算の決定が行われていたとの話です。ずいぶんと我孫子市議会は先進的な感じ・・・というのは印象だけかもしれませんが、議会から修正や訂正があることは「いいこと」と受け止められる市長ってすばらしいです。

 「根回し」なんてしない。市長は議会に提案をしたところから、議論が始まる。そこから市民にオープンになる。

 この信念で貫いてきた(もちろん、それだけではいかなかった面もあるのかなと思いますが)ことがよくわかるようなエピソードなどを聞き、多摩市とは随分と異なる風景なのだなあと思いました。 議会からの修正などを避けて通りたいと、事前に調整に駆け回る・・・という風景がないわけですから。
 議会で修正などを行うことなどを市政の混乱と指摘する人などもいらっしゃいますが、我孫子市がそれほどに混乱をしているということは耳にしたことがありません。実際にどんな議会運営が実施されているのか現場にいる議員さんにお会いしてお話を伺う機会をつくりたいと考えます。

 
 明日のプログラムは北海道栗山町議会事務局長の中尾修さんの講義と参加者の意見交換会。栗山町は議会基本条例のことで一躍有名になりましたが、条例制定後一年を経過したこともあり、「その後の状況」を伺えることを楽しみにしています。

投稿者 hisaka : 2007年08月20日

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