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2007年08月10日

積み重ねと今後のビジョンと。

 国分寺市のこどもの発達支援センター「つくしんぼ」に見学に行きました。多摩市で言えば「ひまわり教室」と同じ療育機関で、公設公営で運営されています。

 「ひまわり教室」は再来年4月から現在の総合福祉センター内から教育センター内に移転することが決定し、すでにその準備に本格着手。教育センターはひまわり教室の移転に伴ってか・・・?これまで実施してこなかった耐震工事をすることになり、エレベーターもつける大々工事が行われることとなりました。
 諏訪の複合施設は本当に・・・・「恒久活用」される学校跡地施設となったと言えるでしょうね。(って、学校跡地施設の恒久活用基本方針はどうなったのでしょうか?)


 さて、移転することが決まった「ひまわり教室」については、行財政診断白書でも「何とかしなさい!」という重点事項の一つだったことは以前から指摘しているところですが、その後どうなってきたかといえば、行き先不明のレールの上を走っている感じです。行財政診断白書では「民間委託」の方向性でも示唆しているのかと思っていましたが、どうやらその後の状況変化で事情も変更しつつありますね。発達障害者支援法、特別支援教育などなどを背景にして「ひまわり教室」の存在をもう一度見つめなおし、やっとテコ入れの方向になってきたと考えています。


 その点にて公設公営にてサービスを展開している国分寺市ではどのような取り組みが行われているのかを学んできたのですが、その内容の充実ぶり(もちろん、課題はさまざまあると思いますが多摩市と比べたら格段に)には驚きました。
 多摩市と同様に専門職については嘱託職員、臨時職員としての雇用に頼るところが大きいわけですが、子ども家庭支援センター室長兼任の室長とつくしんぼ園長を中心に職員が一丸となってサービスの充実に取り組んでいる模様です。ちなみに常勤職員は4名配置されています(今年、常勤職員が1名削減され、嘱託職員が2名増えたとのこと)。

 「人員削減時代だから、専門分野はどうしても非正規の職員の方々の力を借りなくてはならない。だから、非正規の職員の方々が働きやすい職場環境を整えていかないと。」という話が印象的でした。職場内研修や受講料のかからない外部の研修などを駆使しながら、職員のレベルアップも図っているとのことで、とかく人材育成こそ必要との認識で工夫をしているようでした。
 サービスの質の向上は人材そのものに帰する部分が多いので、何よりもスキルアップを図っていかねばならないというのはそのとおりです。雇用形態に関わらず、それは必須の課題。「ひまわり教室」についてもまずは人材育成プログラムを作成することも必要だと感じました。

 そしてそれよりもまず多摩市でもすべきことは「療育教室」という呼び方を変えていくこと。つくしんぼの場合も数年前から「こどもの発達支援センター」と変えたことにより相談件数が飛躍的に増えたそうです。といっても、今の「ひまわり教室」も「こどもの発達支援センター」として見合った内容にしてからの変更が求められそうですね。。。
 さらに・・・「こども」というのは、子ども家庭支援センターや児童館などの対象範囲から考えても、「0歳から18歳まで」だと言えるので、せっかく教育センターの中に「ひまわり教室」を移転するのであれば、教育センターの相談機能とも(最初は)ゆるやかに統合させていきながら、最終的には「ひまわり教室」「教育センター」機能が一体的になることを目指すべきではないかと考えています。

  
 「つくしんぼ」には国分寺市で進めてきたやり方があり、そこでの経験の蓄積がある。もちろん多摩市の「ひまわり教室」にもそれなりの蓄積はあると思っています。ただ、多摩市の致命的な点は将来像が描けていないということ。「つくしんぼ」の職員の方々は施設の将来像と、自分たち自身のスキルアップを重ね合わせながら現在を捉えているような感じがしました。だからこそ、意欲的になれるのかもしれませんね。多摩市も見習わなくっちゃ!と思いました。

投稿者 hisaka : 2007年08月10日

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