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2007年08月04日

評価の時代。

 9月定例会中に開催される決算特別委員会の運営チーム?として設置されている理事会の第1回目がありました。今年は委員長は公明党、副委員長は民主党から選任する事が決まっており(代表者会議の決定事項)、辻議員が委員長、遠藤議員が副委員長です。理事会は委員長、副委員長と各会派から一名ずつのメンバーで構成されています。本来、議事運営に関する件は議会運営委員会の議題とも言えますが、決算特別委員会では議会における「評価」の仕組みを試行錯誤ながら取り組んでいるために理事会が設置されるのです。


 さて、決算特別委員会は言うまでもなく前年度の業務実績を評価する場です。議会では「認定」するかどうかを審査するわけですが、仮に「不認定」であったとしても、それはそれとして受け止められるだけの話。「不認定」であったことの責任を問うたところで「使ってしまったお金」の話しに過ぎない・・・という認識が従来だったと思っています。そのことが決算特別委員会の位置づけが軽んじられてきた一因です。数年前まで、決算特別委員会は10月以降に開催されていたことがその証です。決算特別委員会でのさまざまな意見、評価が翌年度の予算編成に反映されることが望ましいわけですが、従来のスケジュールでは決算と予算とが分断されており、それぞれ別個のものとして取り扱われていたというのが実情です。
 
 しかし・・・・いまや「評価」の時代。

 予算の議決があるのだから、あとは適切に執行されていれば問題なし・・・・ということではなく、コストパフォーマンス、費用対効果のことなどがようやっと意識されるようになったわけです。評価をすることは民間企業では当たり前のことかもしれませんが、「予算を消化すること」=「仕事の達成」とする不思議な価値観で運営されてきたのが行政。財政的な厳しさに直面し「本当に必要なことにだけ税金を使う」ということを真剣に考え始めた・・・「本当に必要であったかどうかも含めて、事後に評価をし、判断していこう」とする状況がPDCAサイクルや決算特別委員会の重要性が強調されるようになった背景だと思います。
 
 そこで、それに応えられる議会の運営を合せて考えねばならないというわけです。従来のように各議員、各会派の単に自己主張だけをする場は、行政にとっては好都合でしかありません。なぜなら、行政にとって不都合な意見には耳を貸さなくてもいいからです。しかし、「議会全体」としての評価を下すことで行政の逃げ道は狭まることは確かです。
 議会の求められる機能として、本来的には第三者評価以上の「行政評価機関」としての役割があると考えています。そこが相当程度なおざりにされてきたことは言うまでもありません。「予算消化」=「仕事の達成」を良しとして認めてきたのは議会だったともも言えるでしょうね。

 予算削減」のための「評価」ではありませんが、予算削減の必要性が評価の必要性に結びついてきたことにより、議員個々人の評価以上に「議会全体の評価」を重視しようとする傾向が生まれていることそのものは積極的に捉えるべきと考えています。
 しかしその時・・・・議会全体の意思をどうつくるのかが問われるでしょうね。「多数決」的に決められていく、多数の意見だけが重視されるということではなく、少数派の意見も生きていくような「評価」を下していけるかどうかが力量。
 ・・・・・その点からは、まだまだ発展途上の段階。まずは、理事会における事前の議論と協議が鍵になるでしょう。今回の理事会では、「議員間でのディスカッション」という新たな問題提起もあり。少数派の意見を潰すのではなく、議員どうしが合意点を探るための意見交換ができるなら理想的ですね。

 「市議会ウオッチングの会」により、ようやっと評価にたえうる「市議会」になったと評価される第一歩を踏み出せるかもしれません。乞うご期待?!

投稿者 hisaka : 2007年08月04日

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