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2007年07月18日

市民協働研修

 午後から行われた「市民協働研修」をちょっとだけ覗いたのですが、ちょうどパネルディスカッションが始まったところでした。

 パネラーの議論では「NPOの自立」ということが話題になっていましたが、「行政の支援は受けない」という意味での「自立」で語られていたのが気になりました。 
 
 10年前ほどの調査にてNPOの抱えている課題として挙げられていた「お金がない、人材不足、活動拠点の確保」といった悩み・・・現在でもほぼ変らぬ悩みとして訴えるNPO団体が多いという調査結果があるそうです。実際に私もそのとおりだと思います。
 先立つもの(おカネ)がなければ、人材確保そのものが困難で、担い手を育てることができないために事業の拡大もできず、存続の危機を抱えている団体があることも事実です。

 「お金がなければ知恵を出せ」

 となんて言われるのかもしれませんが、これはとても乱暴なつき離し方だと思います。
 市役所の仕事全体を考てみれば、やっている仕事の内容は収益をあげることを強要されないNPOみたいなものでは?自分で収益をあげる努力をしなくてもいいNPO活動とも捉えることもできそう!
 ・・・・最近、NPOについていろいろと考えるうちにそう思うようになっているので、その行政が「行政の支援は受けるな!」ということで「NPOの自立」を語ること自体に何だか滑稽さを感じています。

 行政はお金を集める苦労をしなくてもいいわけで、NPO以上の力を発揮できていいはずですよね。にも関わらず、NPOの方が効率も良く、行政よりも肌細かなサービスも提供できる・・・市民にとって有益な公共サービスを作ることができる・・・と説明されることが多いですね。それならば、「税金」でガッツリ、しっかりとNPOの活動を支えることは何らオカシナコトではないはずですよね。


 ところで、コーディネーターの先生から「会場のみなさんの中で「市民協働」をイメージできるという方がどれくらいいらっしゃいますか?手を挙げてみてください。」という呼びかけがありましたが、残念ながら「し~ん」という状況でした。もちろん、心の中ではわかっていても、わざわざ手を挙げなかった方もいらっしゃったと思います。しかし、私は「はっきりいって、よくわからない。」と思った人の方が多いと考えます。

 この研修、「協働研修」というように職員も参加でき、一般市民も参加できる(だから私も覗くことができた)公開研修だったわけですが、おそらく・・・・参加していた職員一人ひとりに「市民協働とは?」とお尋ねしたならば、口々に異なる回答が飛び出すのではないかと思います。そのくらい「市民協働」というのはとても難しいことです。

 ですので、「市民協働研修」という冠をつけた研修を実施し続ける・・・今年で○回目だと思っているのですが、変更した方がよろしいのでは?と感じています。

投稿者 hisaka : 2007年07月18日

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