« 教育センターは本当に必要? | メイン | 認知症を防ぐ! »

2007年06月05日

市民にわかりやすい組織改正とは?

 6月定例会も迫り、市長から提案が予定されている議案に対して会派としてどう判断してくのか意見交換を進めています。今回の定例会で市長にとって最重要課題は組織改正。これは行財政先送り先送りされてきた課題。

 私は地球環境への配慮を訴えてごみの有料化や容器包装リサイクル法を進めようと考えているにも関わらず、「環境部」が解体されることに疑問。そしてまた、単なる教育委員会の縮小に終わってしまいそうな生涯学習部門の市長部局への編入への疑問。さらに、個人的には福祉・医療・教育・労働部門の連携で障害者の自立支援を進めていくための新しい仕組みづくりを提起してきた立場ですが、そのことはどこに反映されているかわからずに残念。せめて、実態として連携方策が進んできたことが伺えたならまだしも・・・・組織改正に向けての議論がどう進められてきたのかがベールに包まれている点などなど・・・・組織改正が市民にプラスになるのかどうか判断しかねているのが現状です。
 さらに、この組織改正に伴って、庁舎のレイアウト変更が必要で、そのために数千万ではおさまらない経費が発生すると言われています。経費に見合ったパフォーマンスが出せるのでしょうか?・・・今回の組織改正の有効性がすっきりと納得できずにいる今日この頃です。


 「市民にわかりやすい組織を。」・・・確かに市民サービスの向上は必要で、市民が窓口に向かった時により心地よい対応をすることが求められることは言うまでもありません。けれども、よくよく考えると「組織のあり方簡素でわかりやすいこと」が市民の満足度を高めるのではなく、例え組織については少々複雑で理解しにくかったとしても、それぞれの窓口の職員が適切な対応をすれば満足度はいくらでも高めることが出来るわけで、もっと言えば、市役所正面入口前の案内カウンターにて、来庁される市民の方のニーズを的確に受けとめ丁寧かつ適切にそれぞれの所管窓口に誘導するができれば・・・・・「たらい回し」にはならないわけですね。
 そもそも「たらい回し」というのは、一人の市民の方のニーズに応ずるために、いくつかの窓口を梯子する必要が生じるたために起こる問題というよりは、どこの窓口にいっても責任を持った対応がなされないことから起こることだと思います。次々と窓口を案内されてはその都度「対応できかねる」とお断わりされるような・・・・そんな事態があるからこそ、「市役所は全く対応が悪い!」「職員はなっていない!」ということとなってしまいます。


 「ワンストップサービス」と言って、一度の手続きですべての関連する作業を済ませられるような行政サービスを求める声もありますが、私自身はアナログで少々不便なのかもしれませんが、市民と職員が直接会話を交わしながら、事務手続きを進めることも必要なことではないかと思います。顔を見ながら確認作業をすることは大切なことです。そのほうが確実ではないかとも思う今日この頃です。(年金問題を見ていても、つくづくそう感じます。)

 結局・・・組織改正にはとてもお金がかかります。そのコストに見合った成果が期待できるのかを検証することが必要です。まさか、組織改正をするだけで行政改革をした気分になっているとは思いませんが、少なくとも助役二人制改め副市長二人制になり、組織運営が以前に増して向上していると感じられないことは残念なことです。最も、副市長二人制になってからまだ一年経っていないので成果を求めるなといわれるのかもしれませんが・・・・。


 それにしても「市民にわかりやすい組織」「市民ニーズに沿った組織」との言い方をしますが、いまいちその中味がよくわからないのです。市民が願っているのは窓口での対応をより良くしてほしいということで、実際に直接応対してくれる職員の在り方、業務に対する知識、市民への接遇を含めての「職員」への要望ではないかと思います。今回もよりよい業務遂行のために「組織のフラット化を進める」としていますが、そんなことを要望する市民の声は聞いたことがありません。それに、私は「環境部を解体すべき」という世論はないだろうと思います。国だって「環境省」がある時代なのです。多摩市は「環境行政」をどうやって進めたいと考えているのかもわからなくなってしまいました。「環境の世紀」ではないかと思いますので。


 ・・・・・それ以前に、今の組織体制ではどこが最も不都合であるのか、あったのかを尋ねてみる必要があるのかもしれません。組織のスリム化が必要。そのために「部を減らし、課も減らす。」・・・・ここから出発している組織改正の悲劇にはならないようにしてもらいたいものです。とりあえずは、総務常任委員会でも多いに議論してもらわなければいけないと思っています。


 ちなみに・・・・庁内には「3S窓口」について検討するワーキングチームが編成されているようです。「3S窓口というのは、「Smile(笑顔)、Speed(迅速)、Sincerity(誠実)」に基づく窓口だそう。

投稿者 hisaka : 2007年06月05日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/1405