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2007年05月19日

地道な活動が実を結ぶ。

 「由木かたくりの会」で代表の野口洋子さんが「地域で暮らし,働くことをめざして - 「かたくりの会」の 20 年」をテーマにお話をされるとのこと伺ったので足を運びました。最寄りの京王堀之内駅からは歩いても行ける距離でしたが、案内どおりに東京薬科大学行きのバスに乗りました。2つ目の停留所「帝京大学中高北」で下車しますが、アナウンスで「かたくりの家前です。」との案内がありました。降り立ったところに、まだ新しい建物がありました。

 建物の正面玄関の左側にベーカリー「もりの窯」があり、パンの販売があったので早速・・・・覗いてみました。パン工房の片隅に並べてあるパンの種類は豊富でした。天然酵母の焼きたてパンが並んでいました。星野天然酵母を使用しているとのことです。もちろん、パン好きの私は食パン、クロワッサン、あんパン、フランスパンがなかったのでラスク、調理パンではカレーパンを購入しました。
 その後、建物内に入ると、すぐに「花畑かたくり」というレストランコーナーがあり、お客さまがいらっしゃいました。デッキもあり、心地よい空のもと、屋外でランチを楽しんでいらっしゃる方々もいました。

 さて、野口さんの話ですが、20年前に子どもが通学をしていた多摩擁護学校時代に立ち上げた子どもたちの放課後活動から始まります。最初は学校内の施設で、そして活動を自立させるために学校外で子どもたちが使用できる場所を探すことから、活動拠点を確保と活動内容の充実のために少しずつ積み上げてきた活動が着実に実を結び、「社会福祉法人」としてスタートしたのが一昨年のことです。社会福祉法人をつくるための苦労話などもいろいろと伺いましたが、何しろ会を引っ張ってきた方の努力とパワーはすごいですね。
 印象に残ったのは「母親たちだけの活動だったらここまでには至っていない。」ということです。「母親が子どものために一生懸命になっていることに‘やや’冷やかな父親たちもまきこみ、そして協力者を広げていくこと。」ということでした。‘協力者’の存在といえば、「かたくりの家」の周辺の農家の方々の力がとても大きく、農作業の場を提供し、仕事づくりへの協力や活動場所の確保としての土地の寄付など、地域との信頼関係を育みと‘共生’への理解を広げてきた20年の歩みは、にこやかな野口さんの話ぶりだけではわからない苦労の連続であったことと想像できます。
 とても短い時間でしたのでまだまだ歴史のほんの一部しか聞くことができなかったのですが、これからの新たな事業展開には注目をしたいことがあります。地域において「地域協働事業推進プロジェクト」(仮称)の設置を検討して、「かたくりの家」を中心として、障害者福祉の枠にとどまらないまちづくり拠点をつくるための取組みを進めていくというのです。
 
 何もなかった時代とは違い、すでに一つの大きな成果に達成できた状況に出会うことばかり、その体験や経験を伝え聞くことの方が多いように思いますが、まだまだ目指さなければならない、追求しなければならないことはたくさんあります。それを一緒に考えていきたいですね。

 ちなみに、「かたくりの家」のレストランのシェフもパン工房の職人さんも ‘プロ’。そこがポイントです!

投稿者 hisaka : 2007年05月19日

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