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2007年02月26日

第19回 文庫展 

 19回目を迎えている文庫展。19年間続けてきているということですね。「子どもと本の広場-本の世界であそぼう-」ということで市内で文庫活動をされている方々中心になり、開催されています。
 今回はベルブ永山のギャラリーでは、かわかみたかこさんの絵本原画展が開かれ、それにあわせてかわかみさんの講演会もありました。私は講演会に参加できませんでしたが、毎年講演会は好評だと聞いています。実際に作家の方とお会いし、その人柄に触れることで、ますますその方の作品が好きになるのではないかと思います。大人も楽しめる、そしてまた子どもも聞いていて楽しい・・・という講演会を企画することはなかなか難しいですよね。でも、今回は「えほん作家とはなそう」というタイトルで、いつもとは少し違った趣向があるのかなとは思いました。また後ほど、どんな「おはなし会」であったのか聞いてみたいと思います。


 私は文庫展でいつも楽しみにしているのは展示です。布絵本の展示などは子どもと一緒に楽しめます。絵本のある場面をタペストリーにした手づくりの作品などとても楽しいです。(今回は有名な「11ぴきのネコ」(馬場のぼる作)のタペストリーがありましたが、子どもがフエルト人形のネコを持ちかえるのではないかと冷や冷やしました。)

 ところで、この文庫展は数年前の補助金の見直しの際、「公募型」に移行すべき対象だと分類され、現在は「市民提案型まちづくり事業補助金」にて運営が行われています。市民が手弁当で実施をしている事業でかなり意義ある企画だと思ってます。そもそも文庫活動そのものも市民のボランティアにより支えられているものなので、活動で何か収益があがるようなものではありません。活字を伝え、子どもたちに本の大切さを伝え、そしてまた子どもたちの感性に大人も学びながら続いている活動だと理解しています。その活動の一貫で、文庫展は開催されてきて、数年前までは図書館の事業の一つになっていました。
 けれども、補助金の見なおしとともに、図書館事業からは手放されることになり、文庫展が自立した活動を求められているのです。でも・・・自らの活動で収益を期待できるものではありませんし、継続をするためにはやはり行政の支援が必要になります。その支援の必要性がないと判断されるなら、仕方がないのですが、教育委員会も講演していることを考えれば、意義があると認められているようにも思います。

 ・・・・でも、公募型補助金は5年が限度。すでに3年連続して公募型補助金事業として成立してきたので、仮に、今後も公募型事業として馴染むと判断されたとしても残されているチャンスは2回のみです。本当にそれでいいのでしょうか?・・・・とても疑問です。


 というのは、これは「子どもと本の広場」ということで、主には子どもにも向けた企画です。今、「子どもの読書活動推進計画」ということで進めようとしているのならば、ますます意義あるものになるのではないでしょうか。しかも市民協働で進めるのが活動推進計画。まさに、市民との協働で実施してきたのが文庫展だとすると、その趣旨にもピッタリ合致するわけです。しかし、文庫展に対する評価など・・・・活動推進計画には掲載されていません。それは少し残念です。

 でも、そのことは「公募型」に移行したと言うことで、一旦理解したとしても、私がとうてい理解できないことは、新たに活動推進計画に「(仮称)子どもの読書まつり」をやりたいとの事業が掲載されていることです。しかも市民の実行委員会形式でやりたいとか。・・・・お祭りをやることは否定はしませんが、またまた市民実行委員会形式で、もちろん手弁当の市民が参加をして実施するわけなので、この事業はある意味で文庫展と同じように運命を辿るのではないかとさえ危惧するのです。


 行財政改革の中で「文庫展」も図書館事業として位置付けていくことができなかったのに、内容はこれから検討をする(と言っても実行委員会の中心の担い手として想定されているのは文庫展を主催している人たちだと思われる)とは言うものの、私には新たなお祭りを企画する意義があまり感じられません。そこにどのくらいの予算を考えているのかは未確認ですが、文庫展をバージョンアップさせるくらいの意気込みで市民の協力を得ていくことが望ましく、もう一度「文庫展」の意義も考え直して欲しいと思う今日この頃です。そうすれば、文庫展を主催している人たちを中心に、もっと盛り上がるのではないかと感じますし、さらにやる気もわいて、効果抜群になるのではないかと考えるのですが・・・・・・。

投稿者 hisaka : 2007年02月26日

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