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2007年01月28日

子どもの心と食と

 永山公民館の食育セミナーに参加。静岡英和学院大学の佐々木光郎先生をお招きした学習会でした。先生は約30年間、家庭裁判所調査官として問題行動のある中学生たちと関わってきた経験から「食」の重要性を感じ、そのことをさまざまな著書にも記されている方。
 実際に調査官として経験してきた実例をもとにしたお話は説得力があり、「食卓の風景」を改めて考えさせられるいい機会になりました。

 とくに幼児期から小学生にかけての食事。思春期になり困難を抱える子どもたちの食事の風景には

①一緒に食べていても互いに好きなものをバラバラに食する「個食」
②子どもだけで1人で食べる「孤食」
③親も子どもも朝食をとらない「欠食」
④互いに好きな時間に食べる「家族時間」の欠落
これが共通事項になっていたということです。一緒に食事をともにすることやバランスのよい食事をとること、そして四季折々の食材を交えて心を育むことを大切にしていきたい・・・そんなことを提案されていました。先生のご経験からですが、非行少年の多くは「うまみ」を知らないと言うことも指摘されていました。ご飯に大量のマヨネーズや醤油や唐辛子などを食べて食する子どもたちが多く、味覚の混乱がみられる場合が多いのだそうです。そして、正しく箸を使える子どもたちが減っていることを指摘し、食事の場面で親から子に伝えることができる生活習慣の重要性をお話されていました。

 両親ともに働いている家庭、そしてひとり親家庭が増えている今、「食卓の風景」がサザエさん時代とは様変わりしていることを想像する事は容易です。小中学校でも朝食を食べてこず、集中力不足に悩まされている子どもたちの存在は市内の学校でも問題なっていることのひとつです。
 「食事」というものは本来、家庭問題できわめて私的な領域の問題なはずですが、そうは言っていられない状況があると感じます。食育基本法もそのような考え方を背景に成立したものだと考えています。
 でも、法律ができたとは言え、例えば・・・学校教育の中である程度の取組みができたとしても、そこには限界があることは確かです。やはり基本は家庭に根ざす問題で、教育でフォローしきれる問題ではないと思っています。そこで、どうすればいいのか・・・・が問われるわけですが、私的領域である「家庭」「家族」に関わる問題だからこそ、これと言った効果的な打つ手に乏しいのが実情なのかもしれません。

 食育セミナーにも30名ほどの市民が集まっており、乳幼児も同伴して参加する熱心な方もいらっしゃいました。関心の有る方はどんどん学び、ますます知識を得ていくんだろうなあと思いました。だからこそ、ますます関心の有る人、全く無関心な人との差が広がってしまう・・・・。
 どんなことにも共通して言えることなのだと思いますが、無関心である人の気持ちをひきつけることが求められるのでしょうね。何かいいアイデアがあったらぜひ・・・お知恵をいただきたいところです。

投稿者 hisaka : 2007年01月28日

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