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2007年01月15日

図書館協議会

 今年度最後の図書館協議会が開催されるというので傍聴に出かけました。「子どもの読書活動推進計画」が議題に上っていたので、どんな議論が行なわれるのかと関心がありました。

 今日の会議では推進計画のことともう一つ「組織」に関することが議題になっていたのですが、これは来年に向けた組織改正についての教育委員会の考え方に対し、図書館協議会としての意見があれば出してもらいたいという話でした。
 現在、教育委員会は学校教育部と生涯学習部の2部制になっているようですが、これを1部制にするようです。より効率的で合理的な組織体制を構築するためなんだそうです。仕事のやりやすさなども勘案されているとか・・・・。

 しかし、ズバリ!・・・・今日の委員会では的を得たというか、思わず傍聴席でも苦笑いが出てしまうような意見が・・・・「これ、部を一つにしたら、縦割り行政がなくなるんですか?」って。

 「組織をいくらあれやこれやといじくったって、仕事のスタイル、職員の意識などが変わらないと意味ないのではないか?」

 私もそう思います。1部制にしたところで、実は同じ部内でも課が違えば、担当が違えば、そこにすでに壁が生じているのが現状で、例えば問合せで電話などをかけても「担当者がいないので、ちょっとよくわかりません。」と言われた経験は何度もあります。


 つまりは、組織が変わったら、どんなに良くなるかと思っても・・・・教育委員会だけで考えても、学校教育分野と社会教育分野を丸ごと抱えこまなければいけなくなった部長さんがパニックにならないことだけを祈るのみ。もちろん教育長もいるわけですし、まぁ・・・でも助役が一人増員されているわけで、そこはばっちり対応できるということなのでしょうね♪トップマネジメント効果を期待したいものです。


 ところで、肝心な「子どもの読書活動推進計画」についてですが、なかなか見識の高い方々が協議会のメンバーにはそろっていらっしゃいます。
 「子どもに読書を進めることはとてもいいことだと思うし、子どもが本を読むということは非常に素晴らしいことだと思う・・・・・けれども、子どもに良かれと思ってやっていることが逆に大人の『押し付け』になってしまわないように。」という意見が出されていました。本の好きな子どももいれば、本の嫌いな子どももいる。「本を読まなくてもいい権利」をきちんと認めてあげなければ、「本を読むことが義務」になってしまう・・・本嫌いが余計に本嫌いになる恐さだってある・・・・そんな意見を述べられていた方がいらっしゃり、私もハッとさせられました。


 そこで思い出したのは・・・・自治基本条例で市民参加を議論がされていた頃「参加したくない権利」という話があった時のこと。私は「市民が参加したい」「市民が参画したい」と思った時に、その権利が保障されているが重要だと考えているので、今日の「子どもが本を読みたくない」という権利も認めていかなければならないし、子どもが「本を読みたい」と思った時に、その権利が十分に保障されるような豊かな読書環境が整っていることが何よりも大切だとの意見にはとても共感しました。


 そう言えば・・・少々疑問に思ったことですが、中央図書館の建設に関しては無作為で選んだ市民を募り、協議会、意見交換会を行なうということです。無作為で選んだ市民に対し、どのような意見を求め、意見交換をしてくのかはわからないのですが、この手法が中央図書館建設という重要な方針決定に適切だと言えるのでしょうか? 

投稿者 hisaka : 2007年01月15日

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