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2006年11月12日

くらしの中に発見がある~身のまわり環境地図作品展

 パルテノン多摩にて開催された「身のまわりの環境地図作品展」を見に行きました。毎年恒例の作品展。今年で10回目を数える作品展には小中学校全部で13校、全部で312の力作がズラリと並んでいました。
 自分自身の生活の身近なテーマから発想し、地図にするので子どもならではの視点があります。例えば、「自分の通っている学校には心身障がい者の学級があるので、市内のほかの学校にもあるのかどうか調べようと思った。」ということで、多摩市内全部の障がい児学級の設置校を地図にしている中学生や、「他の小学校の飼育小屋ってどうなっているの?」と市内の小学校の飼育状況を調べている小学生、そしてまた多摩市の一大テーマであるゴミ問題に関し、「レジ袋の削減で資源が守れます」をテーマにしていた小学生は市内ス―パーマーケットでの取組みを調査していました。面白いのはロケ地調べ。多摩市内は多くのロケに使われていることを改めて知りました。どうやって調査をしたのかをむしろ教えてもらいたいなあと思ったくらいです。

 とにかく地道に足を運び、写真を撮影したり、調べものをしたり、ヒアリングをしたり・・・・という中から地図が作成されていて、会場係として協力をしていた市民の方からは半分本音?にて・・・・「議員さんも見習わなくっちゃね。」とハッパをかけられました。そのとおりだと思います。
 

 この作品展に足を運んで感じたもうひとつのこと。それは、作品展そのものに市内全小中学校が参加をしていないことからもわかるように、それぞれの学校の事情や先生の熱意などによって変わってくるのではないか?ということです。もちろん、そこが学校各々の特色ある教育の内容にも結びつくといえるので、個々の学校により取組み方が違ってもいいのかもしれませんが、私自身は子どもたちがこの作品展に参加することの意義はとても大きいように感じます。

 ところで、昨年は「安心・安全マップ」などの展示もありましたが、これも「身のまわりの環境地図」のひとつに該当するでしょう。これについては、「安心地域づくり」の観点から全小学校で取組んでいく運びと聞いています。確かに、「身のまわりの地図」として、危険な箇所を探すことが主目的で作成する「安心・安全マップ」も大事な取組みかもしれません。しかし残念ながら、いわゆる「身のまわりの環境地図」として、子どもたちの豊かな感性が溢れる視点が存分に活かされるような、ユニークな着眼が中心に据えられているとは言い難いはずです。

 その点では、「安心・安全マップ」とは別の取組みとして、全小中学校に広がっていけばいいなと考えています。身近なテーマを設定するところから始まり、実地調査をしながら、最後には真っ白な模造紙に調査した内容を人に伝えるための表現をしていく・・・「環境地図」の作成は素晴らしい取組みだと思います。今日は子どもたちの真っ直ぐな感性に触れ、力をもらいました。

投稿者 hisaka : 2006年11月12日

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