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2006年11月10日

つくる側が心を寄せる

 多摩自由大学の公開講座で「映画とは何か」に参加をしました。多摩市在住の撮影監督、南文憲氏とテレビのドキュメンタリー番組を多く手がけている監督の森康行のトークでした。実は、両氏は今、多摩ニュータウンを題材にした「もうオールドタウンとは呼ばせない」というドキュメンタリー映画を企画中です。その縁で多摩自由大学の講座でお話をしていただきました。映画を撮影するためにはとてもたくさんのお金がかかるので市民からの出資も募っているそうです。
 森氏は多摩ニュータウンの問題は全国どこでも同じようなことが起きると思うと述べ、だからこそどうやってこの問題を考えていけばいいのか、共に考えていけるような作品にしていきたいとの抱負を語っておられました。ちなみに、ご自身は茨城県の団地にお住まいとのことでした。
 

 ところで、今日はとても驚いたこと。実は南さんが20年前に手がけた「旅路・村いちばんの首吊りの木」という映画があります。その撮影に多摩市を使ったとの話しだったのですが・・・・そのロケに使用されたマンションに私は住んでいました。当時、小学生だったのですが、夜の撮影で目がさめるようなライトの光が煌煌していたことの記憶があります。「倍賞千恵子」という女優さんの名前もその時覚えました。ロケといっても確か一晩くらいであっという間に終わってしまって、「倍賞千恵子」の実物が見れなかったのが残念だった覚えがあります。
 しばらくして映画が完成した後、「どんな映画?」と思ったわけですが、両親に「子どもが見るような内容ではないよ。」言われたことも思い出しました。・・・・そして、確かに、この作品は子どもが見るような明るさはないので、両親が「子どもは見なくていい映画だ。」と言った理由がわかるわけですが、当時は「子どもはダメ」と言われたことに不満だったことも思い出しました。
 南さんは地域がロケ現場になることで経済効果は大きく、多摩市はニュータウンの街並みなども特徴的でフィルムコミッションなどにも積極的に取組めるはずだとおっしゃっていました。これは多摩市の第4次総合計画の後期計画「戦略プラン」の取組み施策の一つですね。


 私は「映画」はあまり縁がない生活をしていますが、今日の話はとても面白かったです。それは監督さんが「記録映画」の撮影に力を注いでいる方だったからかもしれません。ドキュメンタリーなどは、より客観的な事実を捉えていくこと、ありのままの姿を映し、目に見えない人間の心を目に見えるように描いていく力が求められるようです。「客観的」という部分がとても大事だと思っています。森監督に「客観的」な視点を持つ秘訣について尋ねていました。それは「つくる側が撮影対象に心を寄せること」「よりそって一緒に考えていくこと」「それを通じて自分自身の成長もすること」と述べられていました。もちろん、客観的に捉えるとは言え、そこには自身の価値観や視点があるわけですが、いろいろな物事に対してなるべく先入観を捨てて見ようとする、捉えようとしているのではないか?と思いました。ここは議員の仕事をする上でも共通することではないかと感じました。

 来月10日の14時~ベルブ永山の視聴覚室で今日の続きで講座が行なわれる予定です。関心のある方はぜひ足をお運び下さい。

投稿者 hisaka : 2006年11月10日

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