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2006年10月19日

子どもたちの居場所をつくる~続き

 昨日に引き続いて、今日は午前中に政策ゼミの学生とヒアリング。多摩市の学童クラブのことについて話を聞くことができました。政策ゼミの学生たちが考えているのは「子どもの居場所」ということで、先般から話題に上っている「放課後こどもプラン」のこと。
 文部科学省と厚生労働省とが連携しながら進めていく事業で市町村では「放課後子どもプラン」を作成。これに基づいて、子どもたちの放課後活動を進めていこうとするもの。小学校区ごとに事業を実施するとしています。

 全国的には学童クラブに対するニーズに応えきれていない状況があります。厚生労働省は「一小学校区に一学童クラブ」を目標にして施設整備をしているようで、学童クラブの目標設置数は約2,0000ヵ所。多摩市の場合には小学校区ごとで考えれば、未整備だと言える地域もあるかもしれませんが、それでも学童クラブの充実には努力している方だと思います。

 その環境を前提として、文部科学省が3ヵ年で実施してきた「地域子ども教室推進事業」と厚生労働省の「放課後児童クラブ(学童クラブ)」とを一体的に推進しようと考えている国の方向性に対し、どのような方針をたてていくのかが課題です。

 国の説明によると放課後子どもプランについては3つくらいのポイントがあるようです。
①教育委員会と福祉部局などで二元的に実施されていた事業を一元化することで効率的・総合的な放課後対策事業を展開すること。その際、教育委員会が中心になることが基本。
②学校教育ではなく社会教育として位置付けることを念頭においている。しかし・・・・放課後といっても学校の教職員は忙しいので、主たる担い手は、従前の学童クラブを担当していた職員や地域子ども教室に協力をしてくれた地域ボランティアのひと。
③余裕教室などを活用し、将来的にはできる限り活動場所を小学校に一元化していく。

 以上のポイントとしながらも、「現場の状況を十分に踏まえる」というのが国の考え方。自治体としては、現場の状況を踏まえながら制度設計することが求められるようです。


 個人的に上記3つのポイントに対しては・・・
①多摩市には子ども行政を中心的に担っているのは「子ども青少年部」。学童クラブについても福祉部局が中心で進めてきている。これを教育委員会中心にすることは考えにくい。
②学校の教職員が忙しいから云々という理由で、担い手として想定されているのは先生以外の人たち。教職員が関わらなくても、学校の管理者としての校長先生の権限は大きい。校長先生に対する発言力が最も強いのは東京都教育委員会と直結している多摩市教育委員会の指導室。・・・・つまり、校長先生を動かすための司令塔は指導室であることが望ましい。なので、社会教育として位置づけることは構わないが、生涯学習部が中心になることは円滑な運営の観点からもどうかと思う。
③多摩市ではもともと「生涯学習部」が所管していた青少年の健全育成分野が、「子ども青少年部」の新設とともに移管されていることは考慮されるべき。
④将来的に活動場所を小学校にしていくことには賛成。そのことを踏まえて・・・・考えると、やはり小学校は地域の拠点施設になるし、地域の子どもは地域の小学校に通うことを原則として、「学校選択制」の考え方も見直す時期に来ているのでは?


 今のところで思いつくのは以上。それから、とても大事な視点だと思うのは障害児のこと。地域の小学校に通っていない障害児の子どもたちも一緒に活動できる場にしていくことが大事だと考えるのですが、そこまでを範囲とした時には人員配置のことにも、学校の設備(バリアフリー)のこと等も見ていかなければならないでしょう。整理をして、ひとつひとつクリアすべき課題は少なくなさそうですね。

 
 いずれにしても、「子どもたちにとって一番!」となるように考えるべきだと思います。あと1ヶ月・・・政策ゼミのメンバーと議論をしながら、一般質問の作成に取組みます。
 

投稿者 hisaka : 2006年10月19日

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