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2006年10月02日

住みたくなる‘まち’って?

 団地のリニューアルに関してヒアリングを受けました。「特にニュータウンの初期入居地域のことを念頭に置きながら、若い世代にとってニュータウンの住み心地」という観点で意見交換しました。

 事前に、初期入居地域に住んでいる数名の知人(若い世代)に尋ねてみたのですが、「多摩ニュータウンを選んで移住してきた。」と積極的に選んだというよりは、「家賃のこととかを考えて選んだら、たまたまこの場所だった。」という人のほうが多く、「住んでみたら意外と住みやすい。子育てするにはわりといい環境がある。」という感想を聞きました。むしろ、子育てをするようになって住みやすさを実感したと言う方が強いのかもしれません。
 でも、「ずっと住み続けるのか?」と言えば、やっぱり建物の古さや部屋の狭さもあり「たぶん、ずっとは住めない。今のところは引っ越さないけれど、いつかは引っ越したい。(お金が大問題!)」と考えている人のほうが多いようでした。
 実は「場所へのこだわり」というのはそれほどない・・・つまり、今の場所で長く住み続けたいと思えるような理由を持っている人は少ないということがわかります。(もちろん、私が尋ねた人の場合には・・・ということかもしれませんが)

 それは、なぜか・・・と言えば、答えは簡単。私は「人のつながり」にこだわりを持たないからだと思っています。こだわるだけの「人間関係」が地域には存在していないということかもしれません。極めてドライな人間関係、「ほどよい」ご近所づきあいができれば上々とも言えると思います。
 そこで、「どうしてもここに住み続けたい」と思うような強い気持ちにはつながっていかないのです。ご近所ではなく、散らばって住んでいる「気の合う仲間」で十分満足できているから、そしてまた・・・実はご近所づきあいをするような時間的余裕がないという場合もあります(共働きの家庭だととても難しい。)。


 ・・・・一方で、若い世代といって学生はどうか?例えばルームシェアなどができれば、学生が住めるようになるかも・・・との期待感がありますが、学生たちにとっては「コンビニがない」こと以上に問題なことがあります。「静か過ぎる!」ということ。
 「ニュータウンはあまりにも静か過ぎるので、学生ならではの友達を招いたドンチャン騒ぎができない。」のが難点かもしれないという意見も出ました。確かにそれはよくわかります。ご近所に迷惑がられるのかもしれませんね。
 でも、そこももしかすると人間関係がありさえすれば、乗り越えられる場合もあるのかな・・・と個人的には思いましたが。


 最近は、転居してきた時に菓子折りを持って近所にご挨拶という習慣もなくなってきているように思います。(実際に「いつのまにか」お隣さんが入れ替わっているということもありますし。)
 『ご近所の底力』の番組があるのも、「ご近所づきあいの煩わしさ・・・けれど、ご近所づきあいの良さもある。」・・・「ご近所づきあいがあってこそ」を伝えるためだと思いますし。


 2時間ほど意見交換等行なったのですが、建物設備の問題だけではなく、人間関係やご近所のつながりをも含めた「住み心地のよさ」って何か?そして「住みたくなるまち」に選ばれる理由って何か?等など・・・老朽化するニュータウン。ハード面では正直、魅力たっぷりと言えない ニュータウンの抱える課題は少なくないな・・・と改めて整理できた気がします。

投稿者 hisaka : 2006年10月02日

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