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2006年08月01日

人・ひと・ヒト

 大田区の女性施策について視察に行きました。まずは男女平等推進室の担当者からヒアリングをし、大田区の男女共同参画プランを中心に、大田区の女性施策の歩み、現在の取組み状況や課題などを聞いてきました。

 その後、本日の視察メニューの最大目的である「エセナおおた」に足を運びました。ここは大田区の男女平等推進センターですが、指定管理者による運営が行なわれています。素晴らしい成功事例だと思えるわけですが、そのことは、とにかく全国各地からの視察に忙殺されているという状況にも裏づけされています。指定管理者は「NPO男女共同参画おおた」なのですが、もともとは「エセナおおた」の区民自主運営委員会が活動が、男女平等推進センターの指定管理者になるためにNPOにまで発展してしまったという事例です。

 と言っても、ここに至るまでにはもちろん歴史の積み重ねがあります。もともとは社会教育施設としての「婦人会館」がスタート、そこから「女性センター」、そして「男女平等推進センター」と時代とともに衣替えしているのですが、最後の「男女平等推進センター」に変わる際、教育委員会所管の社会教育施設から、市長部局管轄の施設へと移管されました。この最後の衣替えにあたり、大幅な施設改修が行なわれたのですが、それが大きな転機となったようです。
 なぜなら、施設改修の時、区民とともに数多くの場所(都内はほとんど)の類似施設を見に行き、理想的な施設のあり方を検討したという経緯があり、それを踏まえて、活動拠点としてリ・スタートしたのが「エセナおおた」であり、同時に区民自主運営委員会が発足しているからです。

 区民自主運営委員会は当初、「エセナおおた」の事業について、講座などの企画運営を一部担当してました。はじめは行政が直接企画する講座などもあったのですが、そのうち、全ての事業企画を運営委員会が担当するようになり・・・・そのなかで、「施設の管理運営までやれちゃうのではないか?」という市民からの思いが現在のカタチに結びついているのです。

 さて、大田区の事例ですが非常に稀有な事例?・・・かと言えば、既に多摩市の中にも同様の取組みがありますね。例えば地域のコミュニティセンターについては、施設の設計段階などから市民の参画を求めてきましたし、完成した後も市民に管理運営を任せています(かつては事業委託でしたが、今は指定管理者。)
 そして、もう一つ。多摩市にも「TAMA女性センター」は存在し、市民運営委員会が設置されています。ここもある意味で区民自主運営委員会と同じような役割も担っています。
 この2つの事実に着目をすると・・・・「多摩市でも十分にやろうと思えばできそうじゃないの!」と思ったのですが、現実的にはそんなに簡単にいくとは思っていません。これについては、しばらく頭を働かせ、ない知恵をふり絞る必要がありそうです。


 というわけで今日のまとめ。

 いろいろな成功事例をみていると感じることは、やっぱり「人」「ひと」「ヒト」が大事だと言うこと。「エセナおおた」の運営をしているNPOの理事長さんのパワーたるや素晴らしい!大田区で女性問題に関わる活動を初めて以来数十年なのですが、ものすごく発想が柔軟で時代の変化を読み取る感性にたけている方でした。さまざまな考え方の人がいること、若い人たちにも積極的に関われるような雰囲気づくりがポイントです。強力にフェミニズムを主張することが逆に言えば男女共同参画や男女平等の壁になってしまう場合もあると言います。
 「男女平等推進センターがなくなるほうがいいんだから。」という発想の下で、「エセナおおた」の要になっているわけなので、この場所の運営がどのように展開されているのかが想像できるかと思います。「男女平等」をふりかざすと逆に敷居の高い施設になってしまう恐れ・・・・これはズバリ本質部分だと感じます。
 男性にも利用される場所(多摩市の場合にはTAMA女性センター)になるためには・・・・・?多摩市でも課題になっています。久しぶりに私の中ではヒット!一般質問をつくるためにヒントを得られた視察になりました。

投稿者 hisaka : 2006年08月01日

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