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2006年07月14日

障害者の就労支援

 障害者就労支援シンポジウムに行きました。障害者自立支援法ができて地域がどう変わるのか、特に、地域の支え手になり活動をしている団体が法改正によりどのような影響を受けるのかなど関心があります。
 先日の厚生産業常任委員会でも障害者自立支援法のことが話題になりましたが、次々と出される政省令についていくだけでも大変で、新たな仕組みを地域にてどう活用していけばいいのかをじっくり議論する暇も余裕もないのが現実です。

 シンポジウムのパネルディスカッションで最大の論点になっていたのは、障害者自立支援法になり利用者負担を支払うことになるわけですが、なぜ「働きに行くのに、利用料を支払わなければいけないのか。」ということでした。「労働は額に汗して働いて工賃をもらうはずなのに・・・。」と当事者の立場からは納得ができないということでしたが、パネラーの厚生労働省の方は「労働するところで発生する利用料ではなく、就労の場そのものが福祉サービスの利用なので。」という説明をしていました。
 とかく、利用料負担については、利用を拡大していくため、サービスを増やしていくための手段ということで、第一目的は障害者に対するサービスの充実にあるそうですが、そのために財源確保は課題になっているのです・・・・ということでした。

 当事者からは、「利用料負担の発生のより、利用を控える障害者が出てくることが十分に予想され、自宅での「引きこもり」状態を作り出すことが目に見えており、考え方と逆行するとしか思えない。」という意見が出されました。既に、ある団体が行なった「利用料の発生によるサービスの利用抑制を考えているのか」という調査でも「Yes」と回答した人が多くいるということが明らかになっているそうです。
 実際に、多摩市においても法律が施行される10月以降の状況を追跡調査し、地域の実態把握をすることが必要だと感じます。そして、地域事情をもとにして、地域の立場、当事者の立場から、国に対し意見を述べていく必要があると思うからです。


 障害者の就労ということは「雇用政策」ではなく、「福祉政策」として捉えられてきた面があり、雇用行政との連携が上手く進んでいないのが現実です。これに関し、厚生労働省の中でもこれからの組織のあり方をどう考えるのかで課題として捉えているということでしたが、いわゆる組織内縦割り状況がそのまま地域にも影響していることを感じます。多摩市でも、くらしと文化部の経済振興課が雇用行政を担う部門と健康福祉部の障害福祉課部門には見えない壁を感じるからです。

 厚労省の方は全国で障害者の就労に成功している地域は、福祉、教育、雇用などの連携が図れていることを強調していました。しかし、これについて現場で施設運営をしている方は「上手くやれているところは、自治体が国の財源だけをあてにするのではなく、独自でそれなりの財源手当をしている。」ということを言っていました。この発言には頷けました。


 障害者自立支援法についてはまだまだもっと法律の内容を理解し、実態を把握しなければならないと感じています。情報収集を引き続きやっていきたいと考えています。 

投稿者 hisaka : 2006年07月14日

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