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2006年07月10日

特別支援教育説明会

 教育センターで開催された特別支援教育説明会に参加しました。全国的には来年度から本格的に特別支援教育が実施されることが決まっているのですが、多摩市ではそれに先駆けるかたちで、今年度から各学校に「子ども支援教室」の部屋を設け、特別支援教育システムで求められる体制づくりを進めています。多摩市独自の制度であるピアティーチャーも増員しています。実際に学校現場がどうなっているのかは、もう少し時間がたってから調べてみたいと考えています。

 自治体としては国の方針を遵守し、そしてまた東京都教育委員会の指導をばっちり受けているわけで、東京都でも「特別支援教育推進計画」を策定し、モデル地域を指定しながら、実験的な取り組みを重ねてきました。
 特別支援教育に対しては、盲・ろう・養護学校の再編成に過ぎず、教育予算をカットするための対応だとの批判も受けながらも、新たな課題を抱えている学校現場に対応する(発達障害の問題など)という視点により進められてきました。(発達障害については発達障害者支援法が設置され、さらには先日、国には「発達障害対策戦略推進本部」なるものが設置されています。)

 私としては新体制に移行させるためには相応の予算措置が必要だと考えているのですが、どうやら国も都も必要な(十分な)財源措置をするわけではなさそうな様子。多摩市の場合にはピアティーチャーなど独自財源で配置することもできましたが、全国どこでもこのような対応が可能なわけではないので、どうなっていくのだろう・・・と気になっています。

 今日の説明会では、多摩市内の通級による指導学級(小中全5学級)、固定学級(小中全7学級)、養護学校、そして通常学級における特別支援教育の取り組み、最後に医療・療育・相談機関・・・・ということで、かなりの盛りだくさんの内容の説明会で、早朝9時から正午を過ぎてもまだ説明会は続きました。
 私は次の予定があったので、正午過ぎて会場を後にしたのですが、参加されていた保護者の方々は真剣に話を聞いていました。説明する学校側の関係者も含まれるのですが、約70名から80名ほどの参加者があったのではないかと思います。

 特別支援教育により学校がどう変わっていくのか、そして何よりも子どもたちの教育環境がどう充実していくのかが大切な視点です。現状では、まだまだ未知数だと言えるでしょう。通常学級での取り組みについては「手探りでやっている状況があることは確かです。
 今日の説明会でも、通常学級における取り組みについては、「教員自体も本当に特別支援教育が正しく実施できているのか迷いながらやっている」という本音もチラリ・・・・と出ていました。私もそのように思います。しかし、子どもたち一人ひとりにあった就学の指導や対応をしなければならないのは当然のことで、今に始まったことではないはずです。

 ただ、通常学級でもこのシステムに対応するということになれば、当然ながら子どもたちや保護者も含んだ学校全体で「特別支援教育」の理解を深めていかなければならないでしょう。そこが最も努力の必要な部分で、大変なところだと考えています。しかし、そのことは軽度発達障害を抱える子どもなどへの理解にもつながっていくはずです。そしてまた、今まで以上に、さまざまな個性を理解し、認め合うような素地づくりになることを少しは期待してみたいと思います。

 いろいろな課題はありながらも、新しい取り組みがプラスの方向に向かわせることが必要です。そのために求められる教員の力量、学校の責任、そしてそれを指導する教育委員会・・・とこれからの動きを見ていきたいと考えています。

投稿者 hisaka : 2006年07月10日

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