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2006年07月03日

将来働くことを夢みたい

 手をつなぐ親の会の主催で議員との懇談会があり、参加をしました。全議員に呼びかけたそうですが、参加をしたのは私を含めて9名でした。参加議員の顔ぶれを眺め、「何となく、偏りがありますね・・・・。」という声も出たのですが、いわゆる市長派と目されるような方は一人も出席されませんでした。(ちなみに、昨年は同様の懇談会に偏りなく多くの議員が参加していましたが。)

 障害者問題と言うと、記憶に新しいのは昨年度当初予算否決の原因であった知的障害者通所施設のこと。社会福祉協議会が運営する作業所を民間移譲していく方向でした。一応、手続き的には関係者の参加があり、話合いも最終局面まで進んでいました。
 でも、学校跡地の恒久活用方針との関連もあり、議会では大揉めに揉めた後、「予算否決」というかたちとなり、行政の目論みは白紙に戻った状態にあります。
 その後、一体どうなっているのか・・・・と言うと、今年度予算でもう一度0(ゼロ)から?話合いをするという方針のもと検討会の設置(議論する場)が予定されていますが、まだ本格的な動きにはなっていないようです。


 今日の懇談会では保護者の立場から、切実な意見を聞くことができました。話を聞く限りにおいては、行政の対応が非常に不十分であると思えてならない状況が見えてきました。特に、通所施設の問題については、学校卒業後の障害者支援、地域における就労の場を確保するという最重要課題です。
 障害を持っていると電車などを利用し、遠方まで通うことはかなり難しいと言います。中には電車などで通勤しているケースもありますが、それは本当に少なく、珍しいケースです。(よっぽどの訓練が必要です。)
 理念的には「地域共生」社会、地域で住み、働くということを実現し、障害者との共生社会を目指していかねばならないわけです。
 

 さて、市内に存在する施設は定員オーバーになることが予測の範疇で(すでにいっぱいいっぱいのところもある)、地域で仕事に就きたい、働く希望を叶えられない状況にあります。
 実は、これは今の始まったことではありません。以前からわかりきっている状況です。そこで、この状況に備え、施設を増やしてほしいという要望はかねてから出されてきました。もし、その声を受け止め、計画的に取り組むのであれば、今、慌てなくてもよかったはずです。
 ところが、その時々で、何となくその場しのぎで対応が可能だったのでしょう・・・・結局、どうしようもない切羽詰った状況になり、保護者の方の言葉を借りるならば「待ったなしの状況」でアタフタしていると言うのが現在だと言えます。


 去年頃には、「施設不足に対応するため、学校の空き教室などの活用も考えています。」と説明されたこともあるようですが、それに対する取り組みが全く見えてこない・・・。それに対する苛立ちや、不安の声が出されました。
 今ある施設(つくし作業所、第2つくし作業所)は設備的にも狭いので、定員を増やすことは考えにくく、どうしても新たな場所の確保が必要になっています。

 
 障害者への施策については、国の障害者自立支援法の全貌もなかなかつかみきれない状況にあることは事実で、職員も国の制度に右往左往させられる状況は否めません。しかしながら、保護者に対し、ちょっと希望を抱かせるような言葉かけをしているのに、現実は一向に改善されないことに情けなさとともに怒りさえこみ上げるという気持ちはとてもよく理解できます。


 「自分の子どもが将来働くことを夢みたいんです。」という言葉がとても印象的だったのですが、「子どもが学校を卒業して、働ける力を持てるように親として成長を支えていきたい。でも、働ける場がなければ話にならない。」本当にその通りだと思いました。


 しかし、行政に対する不信感を理解する一方で、その不信感をしっかりと受け止め、議会として果たすべき責任を全うしきれていない状況に対し、もっと情けなさを感じます。「予算否決」で市長方針に反対の態度を示したものの、その後、市長方針を大きく転換させ、そしてまた、それを具体的に動かすようなところまでにつなげていけない議会の力不足を噛み締めざるを得ません。


 来年は市議会議員選挙。残り一年もない私たちの任期中にどこまでの責任を持つことができるだろうか・・・と考え、気分を重くしながら懇談会をあとにしたのでした。

投稿者 hisaka : 2006年07月03日

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