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2006年06月26日

多摩市って余裕があるのね・・・?

 6月定例会の話題で、助役二人制にしたことや、乳幼児医療について就学前までの所得制限を撤廃して市民負担の軽減を図ったり・・・・という話をしていたところ、「やっぱり多摩市って余裕だよね。」と言われ、思わず「やっぱりそう感じる?」と返答してしまいました。

 「お金がない!」と言って、行財政診断白書を作成したり、行財政再構築プランを策定してきたからこそ、余裕が生れたのかもしれませんし、市長の表現を借りれば「今なら間に合う」という余力ある中での行財政改革なので、まだ少しばかりの余裕が存在しているのかもしれません。が、他の自治体から見るとやはり「とても余裕ある姿」に思えるのかもしれません。
 でも、実際には節約の涙ぐましい努力?が伝わることは少なくありません。特に印刷物を見てみると、質的には以前と比べるとかなり節約していることがわかります。例えば、先日配布された「多摩市教育推進プラン21(平成18年版)」はかなりの印刷費削減をしている模様。表紙にも色紙の使用をやめてしまい、本当に簡素な印刷物になっています。経費の見直しとなると、事務用品や印刷費などのまずは細かなところからの無駄を省くことになるわけですが、‘塵も積もれば’とは言うものの、これ以上簡素化することは考えられないので、いよいよ‘臭いもの’のフタをこれ以上に密封せずに、ちゃんと開ける必要性があるでしょう。議会もこじ開けていく必要があるのかもしれませんが・・・・。

 最近、自治体崩壊という本を見つけました。本を購入の際にはプロローグに目を通しますが「市の予算配分の優先順位は第一に役人のため、次が政治家のため、そして最後が市民のためになっている。さらに、市民が大好きな言葉である『市民本位と市民の目線』で作られる『わがまま予算』の実体を明らかにする。」という部分に妙に共感してしまいました。

 多摩市の財政状況は決していいとは思えません。それは一般的に言われているのと同じ状況です。ただ、他自治体との比較するための財政指標上では、まだまだ財政力があるとされることも事実です。でも、財政力があってもなくても、常に自己改革しなくてはなりませんし、今、多摩市が取組んでいるように「本来するべき行政の仕事」をもう一度見なおしてみることは必要なことだと感じています。そのことは当然に財政改善にもつながっていくからです。
 それにしても今の多摩市の取組みに「余裕を感じる」という率直な感想。これをどう受けとめればいいのでしょうか。そんな中で「多摩市‘も’厳しい」という状況がどう伝わっていくのでしょうか。「狼が来るよ~」と言われているわけではないのですが・・・。 

投稿者 hisaka : 2006年06月26日

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