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2006年06月14日

子育て支援の充実

 厚生産業常任委員会に出席。
 乳幼児医療無料の制度改正について。未就学児までのすべての子どもを対象とし、保護者の所得制限を撤廃することの提案があり、最終的には本会議の議決待ちですが、今日の委員会では全会一致で「可決すべきもの」と決まりました。既に、多摩地域では武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市、府中市、羽村市が未就学児まで医療費無料の制度を設けており、新たにこの秋(10月以降)には立川市でもスタートするそうです。
 乳幼児医療の無料化と子育て環境への市民満足度がどれだけリンクしているのかわかりませんが、保護者の負担軽減という視点ではとてもありがたい制度です(私もそのことを実感していますので・・・)。そういう意味では、子育て支援策が拡充したと評価することは出来るのかもしれません。

 この制度ついては対象を小学生にも広げていくべきだとの意見も出されましたが、行政の考え方では「疾病率の高さ」を考慮して対象者の線引きを未就学児としたという説明がありました。これについては私も納得です。私自身は対象者の拡大、保護者の負担軽減という観点だけで、ただ単に対象年齢の引き上げをすればいいという問題ではないと考えるからです。子育て環境の充実というのは負担の軽減を図る施策も必要ですが、それ以上に市民サービスとしての満足度が高まる方策があるのではないかと考えています。

 今日の質疑の中で、私自身は乳幼児医療無料制度の利用実績として年齢別にデータを示せないかを尋ねたのですが、システムがそのようにはなっていないらしく、年齢別利用実績を統計にはしていないそうです。残念。年齢別の利用実績を知ることにより、より具体的に疾病率がどうなっているのか、そしてまたどのような症状なのかわかるかなと思ったのですが、そこまで詳細なデータをとるのは困難なのかもしれません。
 しかしいずれにしても乳幼児医療無料の目的が「子どもたちの健やかな成長」ということにあるならば、私自身はこの制度の有効性を検証して欲しいなと思います。

 というのは、私は乳幼児医療無料の制度もいいのですが、むしろ乳幼児検診に「大津方式」(滋賀県の大津市で始まったらしい)の導入を提案したいからです。今、多摩市の場合には、新生児健診、3・4ヶ月健診、6・7ヶ月健診、9・10ヶ月健診、1歳半健診、3歳児健診となっていますが、「大津方式」では4ヶ月、10ヶ月、1歳半、2歳半、3歳半となっています。母子保健法を調べてみると

(健康診査)
第12条 市町村は、次に掲げる者に対し、厚生労働省令の定めるところにより、健康診査を行わなければならない。
1.満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児
2.満3歳を超え満4歳に達しない幼児
第13条 前条の健康診査のほか、市町村は、必要に応じ、妊産婦又は乳児若しくは幼児に対して、健康診査を行い、又は健康診査を受けることを勧奨しなければならない。

となっていることがわかりました。
 このような健診について、気になるのは財源について。電話で担当に問い合せたところ、どうやら東京都の補助も利用しながら実施しているものがあり、それとの兼ね合いにより多摩市の場合も健診体制が組まれていることがわかりました。財源などの詳細は後日報告してもらうことにしましたが、いずれにしても多摩市の場合には1歳半健診から3歳児健診までに1年半のブランクが生じてしまいます。この時期の成長のスピードはめまぐるしいものがあります。そのことからも、私としては子どもたちの発育を一年毎にフォローできる大津方式がいいなと思っていて(これは去年に発達障害者の支援で視察をした滋賀県湖南市でももちろん「大津方式」を採用していたが、滋賀県全域で「大津方式」らしい)、多摩市でも財源の手当などを工夫すれば実施可能ではないかと考えています。

 そういう点で「保護者の負担軽減」を目的の一番に掲げるのではなく、「子どもたちの健康」が最大目的で行なわれる乳幼児医療の無料化であるのならば、その取組みと丁寧に発育をフォローしていく健診体制とどちらの政策の方が効果的なのか議論する余地はあるのかなと思っています。(もちろん両方兼ね備えていたらとてもいいけれど。あんまり欲ばれないので)

 私自身は乳幼児医療無料の恩恵に預かっている保護者として、この制度に感謝している一人です(当然所得制限があれば私は対象外なので)。でも、子どもたち全員の健やかな育ちをどのように保障していけるのかについては「予防」の観点や早期発見、早期対応という意味からしても肌細やか健康診査が実施されていることの「安心」に重点をおくことも必要だと感じている今日この頃です。それに子育てで困っている保護者がいた場合にはフォローも出来ると思っているので、健診体制の見直しについては今後実現可能性を探っていきたいと考えています。

 その他、今日は児童扶養手当の減額率の緩和に関する陳情が全員一致で採択されました。

投稿者 hisaka : 2006年06月14日

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