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2006年06月02日

定例会2日目 一般質問

 今日は私も気にかかっていた「多摩市企業誘致条例」に関する質問がありました。この条例はニュータウン地域内の企業立地を促進するために設けられたものですが、はっきりいって、一番の目論みとしては多摩センター地域の活性化。いわゆる多摩センター駅周辺の未利用地の活用を促進するために制定された条例です(都市機構や東京都の焦付き資産の売却を何とかするため?!)。
 実は制定されたのは平成14年3月で確か3年間の時限立法だったわけですが、この条例を活用して多摩センターに進出してきた企業は一つもなし!と説明された記憶があります。そこで、約1年前、より企業側に魅力ある内容にと改正されたわけです。もちろん条例を3年間の期間延長するとともに、奨励措置についても企業側には有利な内容に変更されたわけですが・・・・その変更内容があまりにも大盤振る舞いであることが問題点としてあげられていました。ちなみに、その奨励措置とは下記のとおりです。

(奨励措置等)
第5条 市長は、指定企業に対して当該指定に係る事業所に賦課される固定資産税及び都市計画税に相当する額の範囲内において奨励金を交付することができる。ただし、同一の固定資産に対する奨励措置は1回限りとする。
2 前項の規定による奨励措置を講ずる期間(以下「交付対象期間」という。)は、事業所の主たる施設が操業を開始した日の属する年の翌年の4月1日から起算して、多摩センターA地区及び多摩センターB地区は10年以内とし、それ以外の誘致地区は5年以内とする。
3 前項の期間にあるもののうち、用地を賃借した場合の交付対象期間は、賃貸借契約期間の2分の1を限度とする。
4 奨励金の各年度の交付時期は、交付対象期間における各年度の固定資産税の納期限が属する年度の翌年度とする。
これを読んでも一目瞭然。多摩センターA、B地区に対する厚遇が目につくと思います。

 さて、今日の質問では、永山にあるCSKが多摩センターの北側地域で新たな事業展開を図るとともに、永山にある研修センター施設を売却したと問題について、もともとCSKはニュータウン地区にあるため、ただの地域内「移転」であり、ニュータウン地域への新たな企業立地・誘致には該当しないのではないかということが提起されていました。企業誘致条例の目的を再確認すると、

(目的)
第1条 この条例は、多摩市内における新住宅市街地開発法(昭和38年法律第134号)に基づき整備された土地に事業所を新たに立地する企業等に対し奨励措置を講ずることにより、立地促進を図り、もって雇用機会の拡大に資するとともに、多摩ニュータウンの都市としての自立を図ることを目的とする。
となっているので、確かに解釈によっては議員の問題指摘も決して間違っているとは言えないでしょう。

 しかし、それに対し、行政側からは「もっと雇用機会の拡大に資する」と言う点では期待できることや、産業の振興にも寄与するようなことを回答し、お茶を濁すような返事しかありませんでしたが、本当は企業誘致条例の適用を受けたいと考える企業については、「多摩市企業誘致審査会」にて審査することになっているようなので、そこでどんな議論が行なわれたのか聞きたかったと思います。当然ながら、この審査会にてしかるべき議論があり、ニュータウン地域内を「移転」するだけの企業にも条例適用可能だと判断したはずです。

 それにしても、とても不親切なのは、この条例基づいた固定資産税相当の奨励金の交付をどの程度だと試算しているのか?という問いなどに対しても「今の段階ではお答えできません。」の一言。すでに事業計画内容なども公表されている(新聞報道などでも大々的に!)わけです。企業側も当然に「奨励金交付」の恩恵を預かることを含めて、将来を考え、事業展開をしていくわけです。そこに「試算」が存在しないなんてありえません。
 言ってみれば、奨励措置とは固定資産税を10年間免除するということなのです。市民にとっては大きな‘損失’という見方もあり得るのかもしれません。現段階での試算を公表することのためらいは一体どこに理由があるのでしょうか。

 誘致する企業をセレクトするのは助役と6人の部長で構成された企業誘致審査会。だからこそ、行政の説明責任が問われるはずです。しかしながら、議会において「今の段階」とはいえ、「お答えできません」という回答については、いささか説明責任を逃れようとしている気もしました。せめて、なぜ今の段階では回答できないのかくらいは説明すべきでしょう・・・・。


 いずれにしても、永山を完全撤退するということ事態が寝耳に水の話。最初に市長から、永山は永山でそのまま事業継続しつつ、多摩センターで新しい事業展開をしていく・・・と聞かされていた議員にとっては、「えっ!何、それ!」とキツネにつままれたような心境になったわけですから・・・・。
 そういう点でもまた、さらに行政の説明責任、市長の説明責任が問われるでしょう。私も引き続き、この問題については注目したいと思っています。

投稿者 hisaka : 2006年06月02日

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