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2006年06月01日

定例会がはじまりました

 6月定例会が始まりました。市長が再選されてはじめての定例会。「所信表明」があり、引き続いて一般質問が行われました。
 
 当然のことですが、所信表明については、今までの渡辺市政が継続されていくことが改めて強調されただけの話なのですが、特に、

市役所の組織についても、市民の視点、生活者の感覚を大切にしながら、自立した職員が市民と対等な関係でまちづくりを進める「小さくても優れた市役所」に成長していかなければなりません。
または、
基本は小さな市役所です。スリムな行財政運営と、支え合いのネットワークにより、市民とともに豊かなサービスをつくります。
となっていて、「小さな市役所」という言葉が出てきます。
 行財政のスリム化というのは、行政の仕事を減らしてく、民間にできるところは民間に任せていく・・・という「官から民へ」という国の発想や路線に追随するものと考えます。もちろん、私自身も全くその考えを否定するわけではありません。市役所でやっている仕事全体の見直しが図られる=職員も減らせる・・・という流れにつながるのだと思います。仕事そのものもスリム化されていくのなら・・・と、またまた人事案件の話とつながるのですが、多摩市規模の自治体に市長が構想するような「2人副市長」が必要であるのかどうか・・・やはり、ここは十分に議論の余地があると思えてきます。
 ちなみに、収入役が欠けた時の代理は「会計課長」、そして「会計課長」も不在の場合には、第1順位 「会計課経理係長」、第2順位「会計課審査係長」が代理することがわかりました。(多摩市収入役の職務代理に関する規則)

 

 さて、一般質問では「家庭系ごみの有料化」に対するやりとりがありました。議員からは「目指すところはごみの減量でそこは一致していると思う。」という前提が示されたものの、有料化が必ずしもごみの減量化にはつながらないという意見が述べられました。昨年から行なわれている市民説明会では、「減量目標について、一日一人100gと言っているのですが、例えば、それが一体どのくらいの量であるのか、市民感覚でわかる具体的な事例をもっとPRすべきだ。」等との提案がありました。確かに一層のPRは必要だと感じます。もちろん、行政側の回答としては、あくまでも一手段として有料化を導入しつつ、あわせて、ごみの減量についての啓発にも引き続き努力していきたいとの意向でした。
 市長所信表明においても、

課題案件である、まったなしのごみの減量化につきましては、プラスチックのさらなる分別収集と家庭系ごみの有料化に対し、基本的に市民の信任は得られたと認識しております。ごみ最終処分場の状況からも喫緊の課題として今後の取り組みを進めます。市民の皆さんの理解を得るために、ごみ減量化について、情報を共有しながら、さらに啓発を進めていきます。また、容器包装リサイクル法への対応についても、費用対効果等の面でさらに検討を深め、実施に向けた下地を固めたうえで、適切な時期を判断して、条例改正の提案をさせていただきます。
と述べられています。
 これについては、「市民の信任が得られたかもしれないけど、市議会の構成は変わっていないからねぇ・・・。」と漏らしている議員さんもいました。

 また、安易に有料化することは①拡大生産者責任をあいまいにしてしまう②「ごみ処理サービス」は税金で行なうべき基礎的サービスではないのかという視点からの問いがありましたが、①については私自身は、一自治体だけで取組める問題ではなく、まさに消費者である市民とともにどう運動し、国に働きかけ大きな部分での仕組みの変更を迫れるのかが課題だと考えています。有料化が消費者意識を変えるきっかけになるのかどうか・・・・。
 そして②についてですが、市長が次のようなニュアンスの回答していました。「ごみの有料化と言っても、手数料の収入は3億円です。でも、多摩市でごみ処理のためには30億円強かかっています。つまり、9割は税金でまかなうことになるので、基礎的サービスと言えます。」・・・一見、この回答は「なるほど」と思えるのですが、よくよく考えると有料化して得られる手数料収入というのはごみ処理経費の‘足し’にするためのものではないのでは?と思ったのは私だけでしょうか?もちろんこれは「基礎的サービス=無料」という考え方ではないことを示したものと言えると思いますが・・・・・。

 議場でのやりとりを聞きながら、ごみの問題に限らず、「何が基礎的サービスなのか」そしてまた「基礎的サービスなら無料(負担なし)」なのか等・・・十分な議論が行われているとは言えない状況もあるなと感じた次第です。でも、そもそも「すべての行政サービスは有料」という意識がもっと浸透していくべきだと感じています。何だか「家庭系ごみの有料化」の議論を聞いていると、「もともと有料」であることを忘れている議論も聞こえてくるからです。このあたり、きっと私たちの「納税者意識」にも関わってくるのだと思います。
 納税者として「ごみ処理ばかりに税金を使われたくない!」という意識を強く持てば、せっせとごみ減量が進んでいきそうなものですが・・・・これは理想論であることは痛感しています。「ごみ処理に税金を使って欲しい」と思う納税者もいるでしょうから・・・・。いずれにしても私が思うことは「ごみ処理ばかりに税金をつかえない!」という現実。
 でも、それより何より、とにかく地球環境のために「ごみ」を減らさなければならないという危機感のほうが大事なのですが・・・・。なかなか、そこに至る議論まで結びつかないのが残念なことです。

投稿者 hisaka : 2006年06月01日

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