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2006年05月31日

続・人事をどうする?

 夕方5時から市長との意見交換。内容は「人事案件」について。すでに人選も終わり、収入役人事に同意を求める議案も提出されていて、私たち議員の立場としては、その内容で判断をするしかありません。そうであるならば、収入役として4年間しっかりと働ける人材ということを前提にした議論を進めることになるでしょう。
 でも、参議院では 5月17日に総務委員会に付託され、昨日の段階では「可決」という結論が出されているので、あとは参議院本会議の審議待ちの状況。可決成立が目前です。すでに「収入役廃止」を含む地方自治法の改正が決まる直前の段階で、「収入役」の人事をしなければならないという事態を「悲運」と捉えればいいのか・・・私は何とも言い難い状況を感じています。

 「収入役を置かなければならない」という現行の規定。しかし改正が目の前。さらには、昨日も書きましたが、助役の仕事の中味や権限がどのように変わるのかは不明ですが、とりあえずは「助役」ではなく「副市長」に変更することだけは決まっています。市長からは、そのような地方自治法の改正の動きを睨み、どうするのが最善なのかについて議論してきたとの説明がありました。
 その中では、収入役の廃止も見込んで、「収入役を空席にする」ということも検討したとのことでした。その際、誰がその任務を代行するのか・・・例えば助役に?ということも考えたようです。(人口10万人未満の都市の場合には、条例で収入役を置かないことにした場合、市長もしくは助役がその職務を兼掌させることが可能です。)
 しかし結論的には、助役の仕事を今以上に増やすことは難しいとの結論に達し、その結果、今回の提案へと結びついたことがわかりました。
 
 もう一度、地方自治法を読んでみると、市町村では場合によって「副収入役」を条例にて設置することができ(第168条2)、その役職はもちろん収入役の補佐。収入役の補助業務を行ない、収入役に事故があった時にはその職務の代理をすることとなっています。多摩市には「副収入役」がいません。実は副収入役がいなくても、万が一の場合に備え、収入役の事故があったり、欠けた場合に対応できるよう「その職務を代行すべき吏員を定めておかねばならない。(第170条5)となっていることがわかりました。
 ・・・ということは、代行すべき吏員(職員)が多摩市にも存在しているはずなので、その方にがんばってもらうとやり方も考えられる・・・とは思いました。

 色々と考えてみたのですが、市長が、地方自治法の改正以降に「2人副市長制」をというのであれば、廃止が見えている「収入役」を無理矢理存続させず、「2人助役制」を導入し(議会も同意する必要がありますが)、来年度への移行準備をしていくこともできたのかもしれません。本当に法改正の先取りと言うのであれば、条例で助役の定数を増やすことは認められているので、当面2人助役制にし、収入役は「事故があっての」空席にしてしまうと強行な手法もあったでしょう。その場合、上記の「代行すべき吏員」ではなく、実質的には収入役の仕事を2人の助役で分担してもらう方式も考えられたかもしれません。
 実は先日、横須賀で聞いた話でも、「収入役」という役職は置いてあるまま・・・・「空席なんですよね・・・今は」という話を聞きました。「副市長」(実質は助役2人)になっていて、その一方が収入役的な仕事をしているとか。
 つまり、「2人助役制」にして、収入役の仕事をどちらかに分担してもらうことも決して不可能ではないのです。法律の変わり目で難しいのかもしれませんが、参考になる事例です。

 市長との話合いは約2時間。すべての内容を書き尽くすことはできないわけですが、とにかく言えることは「ものすごくものすごく判断が難しい」ということ。人事への同意とは、そこには市長が選び抜いた「人」の存在があります。今までも「反対」したことはありません。全く存じ上げない人であっても「同意」してきました。しかし、そこには市長との信頼関係があります。ある意味で人選については市長の眼を信じるしかないからです。議会はただ単に同意するだけですから・・・・。
 だからこそ、市長は自分自身が選び抜いた人を議会に提案する時、確実に同意をとりつけられるとの自信を持っているのが普通で、そのためにしかるべき対応をすべきなのです。つまり、議会(もしくは議員)と、どういう関係を築いているのかが問われます。議会とのコミュニケーションをていねいに図りつつ、最終提案へと結び付けていくわけです(人事案件に限らず言えることかもしれませんが・・・・)。
 特に今回の場合には法改正を踏まえているという点からも、私たち議員との議論が必要だったはずです。「2人市長制」も含め、来年に大幅な組織改正を考えているのであれば尚更です。

 
 すでに、議案が出されている段階で行なわれた今日の意見交換。例えばの「2人助役制」というやり方の提案もむなしく響くだけでした。いずれにしても、「これからの組織の在り方をどう考えるのか?」「組織運営の体制をどうしていくのか。」という議論が先にあって欲しいです。
 今の時点でどう判断すればいいのか・・・。すっきりしない気持ちで明日の定例会初日を迎えることとなりました。

投稿者 hisaka : 2006年05月31日

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