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2006年05月29日

人事案件をどうする?

 先日も報告を書いたのですが、6月議会には大事な人事案件が提出されています。収入役の人事についてです。

 今日はネットの会議があり、それに対してどう考えるのかを議論しました。結論的には「同意することが難しそう。」ということに。最終的には会派としての判断、議場での質疑のやりとりを踏まえて、採決に望むことになりますが、現段階では簡単に手を挙げることはできないということになりました。

 来年から地方自治法が改正されることを睨んでの人事とのことで提案を受けています。実は、収入役は廃止される運びです。もともと、収入役の仕事は市長から独立しています。いわゆる“金庫番”であり、お金の管理をしっかりせねばなりません。現在は、民間人登用ということで、銀行OBの方がその任務にあたっています。民間のノウハウを積極的に活用すると言うことでしたが、そのノウハウは一体どこに活かされてきたのかが正直、全くわからない・・・・というのが私の感想です。
 いずれにせよ、聞くところによると現収入役はすでに2月ごろには退任の意向を示されたようなので、市長選が終わった後、次の人材を確保することが市長の宿題になっていたことは確かです。民間人登用に対する総括はもちろんのこと、収入役という役職をどうしていくのかの2つの点については少なくとも選挙前から考えていたはずの事項ではなかったかと思います。例えば、選挙公約に「副市長制導入」とでも入れてあれば、話はもっとスムーズだったのかもしれません。(「市民のみなさんの信認を得られました。」と堂々と主張できるので)
  

 ところで、収入役が廃止されるということは、実は特別職が一名削減されると言うこと。人件費ベースでは約1,600万円の削減となります。1,600万円というのも微々たる補助金が削除されている中、大きなお金だと感じる人も少なくないと思います。他市(収入役を置かなければならない都市)の事例でも、収入役を空席にした組織改革を進めているところもあり、多摩市でも来年の収入役廃止までの一年間を「空席」にしたまま(その場合は助役が収入役の仕事を兼務することになるだろう)で進めることも不可能ではないのかなと思います。(例えば、収入役の人事案件が否決されれば、「空席」になってしまうわけですし。)

 今回の提案は「収入役として4年間お願いすることになりますが、そこには含みがあって、来年以降は副市長制を導入していきたい。」というわけで、1年間は収入役、来年以降は副市長として任務にあたってもらいたい人材を提案するとの話です。しかし、法律でも「そろそろ役目としては不要ではないか」と廃止される収入役と副市長との仕事は全く別物。ただの呼称変更という問題ではありません。
 しかも、収入役を廃止する、副市長を配置すると言うのは組織条例の変更も必要なので、当然ながら議会にて条例改正が議決されなければなりません。副市長制への移行など少しも議論がない中で、一方的に副市長制の導入を前提とした提案がされても困ってしまいます。収入役が法律改正で廃止されたとしても、即効、収入役解任というような無茶なやり方を法律で想定しているわけでもなく、強いられるわけではありません。任期中はお役目を全うしていただけることになっています。つまり、今、収入役として提案される人物は「収入役として最も相応しい人物」として提案されるのが自然かなと思います。

 収入役に相応しい人材と副市長に相応しい人材が同じとは言えない、議会直前の現段階で副市長の仕事が明確化されていない(策定されたばかりの戦略プランの中を見ても、どこにも触れられていない)、さらには市長からの一本の電話だけで「よろしくお願いします。」としか言われていないこと・・・等が議論され・・・今日現在では人事案件に同意し難いという結論に達しています。人事案件に同意しないということは色々な意味で後々「尾をひく」らしく、同意しないことにはエネルギーがいると言われています。提案されている人物ではなく、提案プロセスそのものに疑問があるわけで、まさに市長の市政運営力には同意できないというのが最大の理由ですが、かなり辛いものがあるようです。
 話合いの中では「再選直後の初めての定例会から混乱させられるよね・・・・」というため息がもれるほどでした。そのくらい対応が難しい案件と言えるでしょう。

 ということで、現段階での意向を助役を通じて市長に伝えたところ、改めて説明させて下さいことで急遽、明後日に説明を受ける予定が入りました。定例会の直前の説明・・・いろいろと臨機応変に対応を迫られることはありますが、今回はその中でどういう判断を下すことになるのでしょうか・・・。

投稿者 hisaka : 2006年05月29日

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