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2006年05月24日

横須賀市に学ぶ

 明日は6月定例会の一般質問通告書の提出締切日。切羽詰ったところで、横須賀市に足を運んできました。目的は「パブリックコメント条例」について話を聞くため。今度の一般質問では自治基本条例を活かしたまちづくりを進めていくという観点で現状の問題点と課題を明らかにしつつ、今後の方向性を見つけていきたいと考えています。横須賀市は全国でもいち早くパブリックコメント条例を制定し、今年で5年目に入ります。条例には予め5年以内に見なおすことが明記されており、現在は見直し作業中に取りかかったところと聞きました。

 少し早めに行き、「市政情報コーナー」を見に行きました。多摩市では数年前まで行政資料室がありましたが、土日開室の要請に答えるため現在は図書館内に資料コーナーが配置されています。それに伴って行政資料室の担当が文書法制課(総務部)から図書館の職員になりました。横須賀市の場合には多摩市で言うところの文書法制課が担当しており、情報公開請求などにも対応しています。実は、私は行政資料室の土日開室を求めてきた立場ですが、組織体制的には以前の多摩市方式(横須賀の方式)の方がいいのではないかと感じる部分がありました。そのことが確かめられた感じです。ちなみに横須賀も土日は開室されていませんが、図書館の一角にも資料コーナーがあるので、そちらで対応しているという話も聞きました。

 そもそも「市政情報コーナー」の位置付けは横須賀市の情報公開、情報提供の一貫だとのことで、その場所も市役所の1階、いわゆる住民の出入りの多いところに配置されている点も多摩市との違いがあります。以前の行政資料室も現在の図書館(本館)にせよ、「行政資料を見よう」という目的意識のある市民が通う場所しかなれず、たまたま市役所に来た人の眼に触れる場所ではありません(もちろん図書館に本を借りるのが目的の人に‘たまたま’見てもらえるのかもしれませんが、それにしても限られていると思います。)。すべての市民に対し、情報をオープンにしていきたいとの姿勢が市政情報コーナーの場所にも反映されているような気がしました。

 多摩市の場合にはその場所をどうするのかについては、庁舎面積などから考えても制約があるのかもしれませんが、行政資料室の今後をどうしていくのかについて、再度、担当所管をどうするのかも含め議論する必要がありそうに考えています。
 
 

 さて、肝心の目的である「パブリックコメント条例」についてですが、担当している方がおっしゃった言葉が印象的でした。「他の自治体の状況を聞いてみると、なかなかパブリックコメントを条例化したがらないんだよねえ・・・・。」その言葉が最後まで耳に焼きついてしまったのですが、多摩市にもあてはまるかもしれないと思いました。
 
 なぜ、パブリックコメントを条例化しなければならないのか・・・・横須賀市では当然の時代の流れとして条例化することにそれほどの抵抗感はなかったそうです。条例の運用については実施責任者が各部に一人ずついるらしく、それも部長から指名を受けた課長職相当の方であり、パブリックコメントを実施しなければならない事案なのかどうかの判断も含めて、すべて各部での意思決定に任せてあるそうです。特に、多摩市と異なるのは、パブリックコメントを実施する際には必ず概要版をつくるということでした。PDFのファイルだけをホームページに掲載するのではなく、Webでワンクリックで見れるような状態にしてあるそうです。
 さすがに老舗だけあるなあ・・・という取り組みがされていて、今では当たり前の手順として職員間にも定着しているそうです。(ここまで定着させるためには苦労があったようですが・・・・)
 
 
 改めて、多摩市のホームページを見たのですが、PDFのファイルだけが掲載されていて、ページも多いし、意見を出したい市民の側にとっては不便すぎる状況です。横須賀市の担当者の方は必ずエッセンスがあるはずだと仰っていましたが、私もそれには同感でした。

 
 それにしても横須賀市まではとても遠くて、ちょっとした小旅行気分でした。とは言っても、港町を楽しむ余裕はどこにもなく、目的地(市役所)に行って帰るだけで少し残念でした。

投稿者 hisaka : 2006年05月24日

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