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2006年05月23日

ごみ減量見学会

 たまごみ会議が企画をした見学会に参加しました。見学したのは川崎ごみ連絡会の「生ごみ回収・資源化システム」と横浜市の「容器包装プラスチック処理工場(廃プラスチックの中間処理工場」でした。

 生ごみ回収と資源化については、家庭+配色サービスをやっているNPO(1団体)から排出される生ごみを堆肥化して使用するという循環システムで、実際に回収した生ごみを畑の一角で落葉と混ぜる作業などを見学しました。川崎市民の取組みに協力している横浜市の脱サラして農業家となった方の畑へ訪問。帰りにはとりたて野菜をいただき(生ごみ堆肥を使用)、じっくりと味わいました。(ちなみに、かぶとレタスとルッコラ。ただ水洗いしただけの野菜でしたが、味が‘濃い’という感想です。美味しかったです。ここで生産される野菜は「こだわり野菜」として販売されるので高価だと聞きました。)

 この取り組みで、最も印象的だったことは市民自身の実践という点です。川崎市は市民活動がさかんな地域として有名ですが、この循環システムは市民自身が各家庭からの回収、畑へ運搬、落葉と混ぜる作業・・・とすべてを行なっています。行政には生ごみの堆肥化に協力してくれる農家の紹介などを頼んではいますが、あとは全くノータッチで市民が自分たちで行なっています。

 これはまさにごみ減量を進める原点。ごみ減量は自分たち自身の生活の見直しから始まるわけで、より質のいい堆肥をつくるためには、なるべく低農薬栽培など安全な食材を使用する必要があり、そして何よりも自然からの恵みを無駄にはしない(できれば余すところなくいただく)生ごみを出さないようにするという風にしなければなりません。「生活者」の実践が不可欠です。

 この循環システムを成立させるためには、やはり協力農家の開拓が必要です。行政に期待される一番の役割ではないでしょうか・・・・と考えました。そう言えば多摩市の組織を見た時に、いわゆる農政を担当している部署は「くらしと文化部・経済観光課」。恐るべし「縦割り」。もし農政の部分が「環境部・公園緑地課」にあったなら、同じ環境部内での連絡調整があればスムーズだなあと思えてきました。


 さて、二つ目は「廃プラスチックの中間処理工場」の見学。横浜市から事業委託を受けている工場の見学です。私自身は多摩市でも容器包装リサイクル法に基づいた中間処理をどうしていくのかが課題になっていたので、むしろこちらの関心がありました。特に中間処理工場の騒音、環境への負荷、従業員の雇用環境などを見てきたいと思っていました。見学先の工場は海に面した工業地域にあったので、騒音や環境面への配慮も必要最低限の対応で十分という感じでした。ちなみに工場は日曜日と年末年始休みの309日稼動していて、稼動時間は朝の7時半から夜9時までで従業員は2交替制になっているとのこと。実際の工場内も歩きましたが、脱臭装置などもかなり高性能で、臭いもそれほど気にはなりませんでした。ただ、従業員の方々は浮遊粉塵対策として物々しいマスクをつけていました(当然のこと)。
 
 市民レベルでは分別されたはずのプラスチックですが、実際には「手選別」の作業がされていました。yはり不適物の混入を厳格にチェックするためには人の眼が欠かせないわけで、可燃物、缶・びん・PET、不燃物、金属類というように仕分けをするようになっていました。
 この手選別ラインで作業が減ること=市民の分別が徹底されていることになるわけですが、分別収集がスタートした当初よりも手選別ラインにおける作業量が増えているそうです。この状況を改善するためには、行政が市民への分別徹底を求めたPR活動をさらに進める必要性があるでしょう。いわゆる啓発活動になるわけですが、ここは行政が粘り強く継続しなければならない分野で、アドバルーン的な手法でやってもほとんど効果が出ない部分です。
 
 それにしても大量のプラスチックごみを見て、またまた虚しさと悲しさを感じてしまいました。こんなに捨てられているんだと思うと・・・。自分の手元から排出されるごみだけを見ていても、どれだけごみ問題が深刻なのか実感が持てないのが現実でしょう。私も忘れかけていた思いでした。結局、この現場でも自分の生活スタイルを見直すことが問われているのです。
 とても有意義な視察でした。現場から学ぶこと、気がつかされることは多いです。それから、今回はもう一つ。市民+職員+議員7名も参加していたというのも意義が大きかったはずです(企画したたまごみ会議メンバーの議員26名個人それぞれへの呼びかけがありました)。

投稿者 hisaka : 2006年05月23日

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