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2006年05月15日

ごみ減量を進めるために

 多摩市が抱える課題で当面、最も優先順位が高いと思われる課題は「ごみ減量」ではないかと考えています。これ以上、最終処分場はつくれない、場所もない、そして環境破壊を少しでも食い止めなければならない・・・そのためにも「ごみ」を出さないライフスタイルへの転換をしならない・・・というだけでありません。先日の市長選挙でも、この問題が争点になった部分もありましたが、昨年12月の市議会では「ごみ減量」を目的にした「家庭系ごみ有料化」にストップがかかったことが優先順位を高くしています。市長の条例提案が事実上の廃案になったことは記憶に新しいところです。もともと、否決されることを前提にした条例提案が行なわれるとは考えにくいので、私自身は未だに、市長がどう判断し、昨年暮れの条例提案に踏みきったのか・・・その真意が測りかねるわけですが、いずれにせよ、続投が決定した市長がどのように「ごみ減量」を進めていくのかには注目が集まっており、それに対して、市議会がどう考えるかが問われる最優先課題だと思っています。

 それにしても、有料化がごみの減量のための‘あくまでも’一手段というのであれば(このことを市長はかなり強調していたので)、条例案の白紙撤回以降、それ以外にできるごみ減量への取り組みに注目をしてみたいと思いますが、残念ながらそれを見るにあたってはお寒い状況といえるでしょう(そこには「市長選」の結果がどうなるのかわからない・・・という大きな理由があったと思いますが)。正直言って、有料化の条例提案を目指し、開催されてきた市民向け説明会において市長が語っていた危機感はどこへ行ってしまったのかと疑問になるほど、とても静かに時間だけが過ぎ、現在に至っている感じがします。水面下では、12月市議会での結果を受けて、さまざまな調整が行われていたのかもしれませんが、市民の眼にはこの間、必死になって「ごみ減量」への取り組みが展開されているとは感じられなかったはずです。


 聞くところによると、とりあえず、市長は再選されたなら、6月定例会には再度、「ごみ有料化」を提案する勢いだったようですが、事情は少し変化しています。市長の考えも改まり、「家庭系ごみの有料化」は視野にいれつつも、再選された直後に即効、条例の(再)提案をするのではなく、じっくりと取り組んでいきたいとする姿勢が明らかにされました。
 それを受けて、先週の土曜日から「今後のごみ減量に向けた新たな市民説明会」が始まったところです。


 この行政(市長側)の取り組みを横目にしつつ、「有料化」はさておき、「ごみの減量」のことを真剣に考える必要があるとの思いで、今日は改めてエコプラザまで足を運び、担当者の方々と意見交換をしてきました。
 まず、市民向けの「新たな説明会」と同じ説明を受けたのですが、昨年に行なわれていた説明会よりもはるかにバージョンアップされており、「なぜ、ごみの減量が必要なのか」という部分がよりわかりやすくなっていると思いました。それとともに、有料化以外にの減量対策にも力を入れたいと考えていることが明確化されつつありました。思わず「この説明が去年できていれば・・・・」等とと感想をもらしてしまったのですが、担当する職員たちは他市の事例等を研究しながら、多摩市でできる取り組みにさらに知恵を絞っていることがわかりました。(その詳細は説明会にて披露されると思います。)

 
 
 ごみの問題は本当に深刻。完全にごみをなくしてしまうことはできない・・・一定のごみ処理経費はかかってしまう・・・そこに現在、投入されている税金は約30億円・・・ごみを減らせば、経費削減ができる・・・そうすれば、ほかの市民サービスを豊かにできる・・・「ごみの処理にお金をかけても、何の財産も生み出しません。」という説明には納得できました。「損することはあっても、得すること」はありません。第三の最終処分場と言われるエコセメント事業が莫大な経費が投入されながらも先般スタートしたところです。つまりは、ごみを減らさなければ地球環境も悪化して、ごみ行政にかかるお金も増え続け・・・・とメリットはひとつも無いのです。エコセメントの技術も必要に迫られて開発されたわけで、新しい知恵・技術だと喜び一辺倒ではいられません。ちなみに受取った資料によると昨年度は市民一人当たりの処理経費21,900円なんだそうです。


 それから、もう一つ。有料化ばかりに焦点あてられていましたが、実は容器包装リサイクル法に基づいた廃プラスチックのリサイクルをどのように行なっていくのか・・・という具体的方針がどうやら確定されていないらしい・・・というのも条例が悲運をたどった理由に挙げられます。これに対しては自治体間の広域連携という提案もありましたが、私自身は実現可能性も考えると「自区内処理」の原則に基づいて、多摩市でまず取り組みを始めるべきだと思っているので、その方針を固めるとともに、実際のコストシミュレーションを示してもらいたいと考えています。自治体のリサイクル貧乏と言われるように、リサイクルすればリサイクルするほどに自治体負担が増えるのが現在の仕組みです。
 つまり、「リサイクルすればいい」という私たちの意識そのものも変えていく必要があると言えるでしょう。もちろん、国に対して抜本的な対策を求めることも必要なことです。でも国の取り組みを待っていられないのが現状のごみ問題だと感じます。


 というわけで、何よりも「ごみの減量」が必要なことを言い続けなければならず、意識啓発もさらに進めていかなければならない・・・・最終的にはここに尽きると言えるでしょう。それに対する行政の取り組みと熱意がなければ、有料化をしても全く効果があがらないと思っています。
 いずれにせよ、有料化以外の取り組みをどう進めているのかをまずは評価し、その上で有料化の必要性を見極めたいものです。

投稿者 hisaka : 2006年05月15日

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