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2006年03月13日

予算特別委員会1日目

 今日から来年度予算の審議です。議員一人発言時間は30分。会派プール制になっています。初日の今日は総括‘的’質疑でした。

 総括質疑と言うのがあり、それとは別に総括‘的’質疑というのがあるようですが、正直、両者の違いを私ははっきりと理解していません。どちらにせよ、予算編成に対する基本的な考え方や、今後の財政の見通しなど聞くことができると思っています。この後は歳入、歳出に入り、分野別(行政用語では款別)に総務費、民生費・・・・・・教育費、さらには特別会計の審議へと進みますが、総括‘的’質疑では発言内容に特に制限がなく、結局は「何でも聞くことができる」機会だと捉えることができるでしょう。
 今日は市長選を控えていることもあり、市長の任期4年間を振りかえって大絶賛し、賞賛し、褒めちぎるような立場からの質疑もありました。(個人的にはこういう質疑って聞いていて嫌気がさします。)


 だいたい総括的質疑は各会派から1名は発言するので、我が会派も私が代表して発言しました。私が市長に尋ねたのは、施政方針の中から読み取ることができなかった「若年者層」のことについて。市長はあらゆる場面で「誰もが夢を持てる社会」を実現するとしているのですが、市長が一体どのような夢を私たちの世代に持たせてくれるのか具体的に聞きたいと思いました。でも、具体的な回答はありませんでした。ただ「若い世代の問題については庁内でも議論してもらいたいと指示をしている。」と述べていましたが・・・・・。
 国もフリーターやニート問題への対策を強化する方向ですが、労働市場の二極化と言われるように、若い世代の置かれている状況は深刻です。景気が上向きだと言われ、雇用も回復してきているなどと言われますが、実はその内容を見てみればパート、アルバイト、派遣社員など、安心安定した暮らしが保障されるような身分での雇用が増えているとは思えない状況です。
 そんなに簡単に「夢」を持つことは不可能だと感じています。具体的な対策が示せない中で「誰もが夢を持てる」状況を作ることはできないでしょう。少なくとも、市長の施政方針を読んで、若い世代が将来に希望を持てるような状況うを感じないのです。
 「自助」が強調される社会です。これを若い世代の「甘え」でしかないと言われればそれまでかもしれませんが、本当にそう結論付けていいのでしょうか。

 そしてまた、もう一つは高齢化問題です。今の多摩市は高齢化率も全国平均を下回りますが、2015年には全国平均を上回り、2025年には全国を10年先取りした高齢社会になると言われています。つまり、今は周囲の自治体をモデルにし、高齢社会対策を講ずることが出来るわけですが、2025年には多摩市がモデルにする地域は存在しなくなるわけです。その時、多摩市は一体どのような‘まち’になっているのでしょう。市長は「明るい高齢社会」と言いますが、「明るい高齢社会」という表現もいまいち理解できない私です。きっと市長の中には「暗い高齢社会」というのが存在しているのだろうと思っています。

 そして、地方分権について。これは基礎自治体に権限や財源が移譲され、中央政府がスリム化されることです。つまり、基礎自治体は権限と責任が増える=やらねばならない事務量が増えると言うことです。にも関わらず、多摩市も目指しているのは「小さな市役所」「行政のスリム化」。人員削減が進んでいるわけで、一人にかかる負荷の問題をどう解決するのか。具体策が明確に示されていないのが現状です。国に真の分権を求めることは賛成ですが、今の多摩市に分権化された際の受け皿がきちんと整っているのかが課題でしょう。
 あと、私が思うことですが、行政は民間に「競争」を求め、よりよいサービスの提供を追求するためです。競争により、切磋琢磨されていくとの考えに基づくと言えます。そのことを踏まえ、私は職員同志での「競争」?というか、職員人事面における工夫が必要ではないかと感じています。

 今日は数人の議員が「格差社会」のことに触れていましたが、確実に格差は広がっていると分析されています。そして団塊の世代が年金生活に入ったとき、更に格差の問題が浮き彫りにされると言われています。団塊世代の中には年金生活であっても、その子供たち(団塊ジュニア=フリーター、ニート等)を扶養しなければならない状況に追いこまれる人も少なくないでしょう。
 

 いろいろな面から厳しい状況を見据えることは必要であり、未来を考える上で、重要な視点だと思っています。 
 ところで今日の質疑の中では「自助(自分で)・共助(自分や地域が)・公助」ということが問題にされていましたが、「公助」とは考えてみるとおかしな言葉ですよね。「行政が助ける部分」と解していたようですが、私たちは行政に助けられているのでしょうか?

投稿者 hisaka : 2006年03月13日

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