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2006年02月07日

市民意見募集

 条例が施行されると当然ながら、行政はそれに忠実なる活動をするわけで、自治基本条例もずいぶんと定着してきたように感じます。
 特にパブリックコメント、いわゆる市民意見の募集によって、市民にも発言、参加できる機会が増えつつあると思います。でも・・・・寄せられる意見はそれほどの数にはならず、片手で数えられるくらい・・・という場合もあります。
 
 今回、第2次多摩市健康福祉推進プランの改定に際し、意見募集が行なわれていますが、ホームページを見たとしても、市民が意見募集に応じるのはなかなか大変だと思うのです。
 なぜなら、まずはダウンロードしなければならないページ数が下記のようになっています。
 
 総論/地域福祉計画/生活援護計画(原案)(PDF形式:1.5MB)  97ページ
 高齢者保健福祉計画(介護保険事業計画)(原案)(PDF形式:1MB)  82ページ
 障がい者基本計画(原案)(PDF形式:898KB) 78ページ
 保健・医療計画(原案)その1(PDF形式:638KB)  8ページ
 保健・医療計画(原案)その2(PDF形式:472KB)  6ページ
 保健・医療計画(原案)その3(PDF形式:2,980KB)  19ページ
 保健・医療計画(原案)その4(PDF形式:592KB)  8ページ
 保健・医療計画(原案)その5(PDF形式:1,961MB)  14ページ
 保健・医療計画(原案)その6(PDF形式:819KB)  28ページ
 ※実施要項(PDF形式:107KB)  2ページ
 
 関心のある各分野に限定したとしても、保健・医療計画も合計すれば83ページにものぼりますし、かなりのページ数に及びます。このページ数では、個人的に関心のある一部分を探し当てるにもかなり苦労するでしょう。
 まさかパソコンで画面を凝視し続けるわけにもいかないとなれば、プリントアウトすればいいわけですが、両面印刷や割付印刷するとしてもかなりの量・・・・そこまでしなければならないと考えると意見する気も失せてしまうように思います。
 最悪?プリントアウトしたとしても、内容をじっくり吟味するともなれば、これもまた大作業になり、かなりの時間を要するでしょう。

 さらに、ダウンロードできない環境にある人(パソコンを持たない人を含めて)に対し、閲覧場所が設けられています。今回は下記の場所が閲覧場所になっています。市役所地域福祉課・高齢福祉課、図書館本館行政・郷土資料コーナー、市内各図書館、永山・関戸各公民館、総合福祉センタ-、健康センター、多摩センター駅出張所、総合体育館、市内各コミュニティセンタ-。
 でも、閲覧場所に行ったとしても、かなりのページ数にのぼる計画をその場で手に取り、時間をかけて読むことのできる人ってどのくらいいるのでしょう。

 ところで、市民意見の募集はどんな人を対象に行なっているのでしょうか。もちろん対象は全市民に違いありませんが、多くの市民は‘とても忙しい’ので正直、これだけの計画にゆっくり目を通すことはかなりの困難だと想像できます。その意味では、パブリックコメントをする際の工夫が必要だと思います。例えば、最も市民に意見の欲しい箇所をいくつか絞りこみ、それもあわせて提示するとか。
 せっかく意見を募集するわけなので、市民が意見を出しやすい環境づくりをすることが必要ではないかと思います。また、当事者の声を集めるための工夫、今回の場合には「障がい者基本計画」が含まれていますが、計画策定に直接携わっていない障害者の方々にも意見を聞くような工夫はされているのか等、意見募集の手法はまだまだ発展途上の段階です。
 もちろん計画などが原案の段階で示され、市民の意見を募集しようという手順そのものは、数年前よりも前進したやり方ですが、「意見下さい」という待ちの姿勢で臨むだけでは市民参画のクオリティーは向上しないのです。「市民意見募集」が単なる事務手続きの一つで、機械的に行なわれるだけ・・・・という状況にならぬよう見守っていかねばと思っています。

投稿者 hisaka : 2006年02月07日

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