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2006年02月06日

「無所属」が好まれる時代

 大学院の集中講義で、「自治体首長」の選挙のことが話題になりました。

 話題提供に使用したのは「政党の推薦や支持を全く受けずに当選した首長」というデータです。データは少し古く2000年当時のものでしたが、とりわけ市区においては、「無所属」、政党の推薦や支持をまったく受けない人が増えており、2000年では調査対象の694自治体の中で199人(28.5%)は「無所属」という結果になっています。ちなみに、現在はますますそれよりも「無所属」が増えており、その割合が約40%くらいにまで達するという話です。この調査はとても面白いのですが、「無所属」人気という有権者の好みを如実に示しているのです。

 でも、「無所属」を名乗っていても実際にはどうなんでしょうか。私は「仮面無所属」という場合も多いのではないかと感じます。有権者には表面的には「無所属」を名乗っていても、実際にはそうではない場合もあると思うのです。例えばそれは選挙の際に応援している議員の顔ぶれなどから明らかになる場合もあるでしょう。応援している議員の「所属」というのがある時には、やはり純粋無所属とは言えない気もします。そういう意味では、「無所属」というのは有権者にとっては難解な肩書きではないかと感じます。つまり、有権者が期待している「無所属」の中味と現実の「無所属」には齟齬があるのではないかと言うことです。

 とはいえ、「無所属」嗜好が広がっているため、政党支持などを受けていたとしても、あえて「政党名」を名乗らないという選挙戦略をとる候補者は増えています。本当は支持を受けているのと全く同じ状態で選挙を戦っていたとしても、あえて政党名を出さないと言う場合もあるようです。その場合には何となく「だましうち」とか「まやかし」みたいな気がしないわけでもありませんが、それほどに「無所属」がブランド化していると言えるでしょう。
 多摩市でも4月に市長選挙がありますが、現市長を含めて候補者それぞれがどういう戦いをするのでしょうか。「無所属」という言葉だけで判断をしないことも有権者にとって必要な視点かもしれません。

投稿者 hisaka : 2006年02月06日

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