« 障害者とともに生きる | メイン | 「ほうれんそう38号」の訂正;お詫び »

2006年01月31日

計画づくりのスキル

 改定作業が進められてきた第2次健康福祉推進プランの原案がほぼ完成し、委員会で説明を受けました。
 この第2次健康福祉推進プランは高齢者保健福祉計画(介護保険事業計画)、障がい者基本計画、児童福祉計画、保健・医療計画、生活援護計画の5つの個別計画からなる膨大な計画ですが、児童福祉計画については、次世代育成支援地域行動計画に移行しています。今回は児童福祉分野は対象外になりましたが、今まで総論に含まれていた地域福祉分野が新たな個別計画としてまとめられているので、ボリュームとしては変らず、むしろ改定によって更に内容が増えている感じがします。

 計画改定作業について、私が懸念していたのは、もともとの第2次健康福祉推進プランはコンサルティング業者への丸投げ計画書であるという事実。今回は業者任せにせず(その金銭的な余裕はなく)、職員自らが改定作業を手がけるとなれば、まずは相当な作業量になると思っていました。その通り、完成してきた原案を見れば、職員の苦労が感じられます。
 しかし、残念ながら、そもそもこの計画はどのような方針もしくは考えにより改定作業がなされてきたのでしょうか?そのことが全く見えず、伝わらないというのが致命的です。個別計画それぞれは市民参加を得るなど、力作かもしれませんが、個別計画どうしのつながりがあり、全体的な健康福祉推進プランなる必要があります。しかし、原案として示された5つの計画の印象は「バラバラ」ということ。例えば、構成やレイアウトも含めた統一感がなく、全体のまとまりに欠けているのです。

 その原因を考えると・・・。改定作業をしている職員は一人ではありません。高齢者、介護保健、障害者、保健医療、地域福祉・・・などなど、同じ健康福祉部内だとしても別々の担当者が作業をしています。つまり縦割り行政の仕組みの中で、ばらばらに改定作業を進めている職員が存在しているのです。結果、「隣りのことまでわからない・・・」という縦割り行政の弊害がそのまま明らかになった・・・というわけです。
 
 コンサルに丸投げしてきた時代とは異なり、市民参加を得ながら職員が計画づくりを進める時代です。まずは「計画づくり」のスキルそのものを磨く必要があるでしょう。さらには、今回の健康福祉推進プランの改定作業を考える時、どのような構成にするのか、内容にするのか、市民にとってわかりやすい表記の仕方やレイアウト、用いるデータなどなど健康福祉部全体で改定作業を進めるにあたり共有すべき事項がいくつか上げられると思います。それらの情報共有があり、作業を進めなければ、最終的に統一感のある計画書として完成しないように思います。一体、どうなっていたのか・・・・?と少々疑問に思っています。

 さらには、現在第4次総合計画の後期計画も戦略プランとしてまとめられています。これは市の最も上位にある計画だといえるので、そこも意識しながら健康福祉推進プランの個別計画がたてられねばなりません。個別計画と言っても、さまざまな部署に関連するような事項も足す含まれているので、そのことも確認をしつつ最終的なまとめがなされるのだと思います。

 今日、示された5つの原案では「障がい者基本計画(原案)」だけに、取組むべき施策、そしてその「担当課」「関連課」が明記されていました。誰が責任を持って、その施策を推進していくかを明確にすることは重要なことだと思います。市民にとってもわかりやすく、そして行政の担当者の立場からしてもハッキリするというのは望ましいことです。

 いずれにせよ、行政計画をつくるためのスキルアップが求められていることを感じます。もちろん、直接作業をする人間、そしてまた全体的に内容をチェックしてアドバイスする人の力量が問われていることを感じずにはいられませんでした。

 「この計画は一体、何のためにつくるのか・・・。」今日の委員会の中で最も本質的な指摘がありましたが、作業をこなすだけで手一杯の状況だと、最も重要な部分が見過ごされるのかもしれません。今更、委員会であれやこれや言っても・・・・と思いながらも、少しでも完成度の高い健康福祉推進プランになるように意見を述べていきたいと思います。次回、この件に関する委員会の開催は2月の中旬以降に予定されています。


 
 ちなみに・・・昨日の活動報告はおやすみしました。あまりにも頭が痛くて。

投稿者 hisaka : 2006年01月31日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/1078